おすすめ度 ☆☆☆☆
ポーランド・フランス・チェコ・ベルギー合作
2023年ヴェネチア国際映画祭審査員特別賞受賞!他、世界各国の映画賞18受賞26ノミネート!絶賛の嵐と激しい論争を巻き起こした、心揺さぶる人間ドラマの傑作!
難民、警備隊、警察、活動家、市民。有刺鉄線ひとつで隔てられたベラルーシとポーランドの国境沿いで、様々な立場の人々の希望と絶望、善意と悪意、思惑と葛藤が禍々しく入り乱れる。同時代に生きる人間の一人として、決して目を逸らしてはいけない過酷にして非情な現実が描かれていた。そして、人を人とも思わず、政治的意図によって移民難民を恣意的に排斥しようとする体制側の欺瞞と理不尽は日本も例外ではない。
「ベラルーシを経由してポーランド国境を渡れば、安全にヨーロッパに入ることができる」という情報を信じ、幼い子どもを連れて祖国シリアを脱出した家族。やっとのことで国境の森にたどり着いたものの、武装した国境警備隊から非人道的な扱いを受けた末にベラルーシへ送り返され、さらにそこから再びポーランドへ強制移送されることに。一家は暴力と迫害に満ちた過酷な状況のなか、地獄のような日々を強いられる。
ベラルーシ政府がEUに混乱を引き起こす目的で大勢の難民をポーランド国境に移送する“人間兵器”の策略に翻弄される人々の姿を、難民家族、支援活動家、国境警備隊など複数の視点から映し出す。