おすすめ度 ☆☆☆★
“週刊ヤングジャンプ”誌で連載された、野田サトルによる超人気コミックを実写映像化するプロジェクトの第1作。
舞台は気高き北の大地・北海道、時代は、激動の明治末期―。
冒頭の日露戦争での二〇三高地の戦闘シーンから、俯瞰のショットで全体像を映し出すなど、邦画レベルを凌駕。ロシア機関銃攻撃に対し、闇雲に突撃を繰り返させられる消耗品としての兵士たちの理不尽さが伝わってくる。ロシアの小箱みたいな手榴弾をはじめてみたが、あれは史実なんだろうか。ともかく、主人公杉元(山﨑賢人)の驚異的な強さ、生命力を印象付けるのに二〇三高地は格好の舞台になっている。
その鬼神のごとき戦いぶりに「不死身の杉元」と異名を付けられた元軍人・杉元佐一は、ある目的のために大金を手に入れるべく、北海道で砂金採りに明け暮れていた。 そこで杉元は、アイヌ民族から強奪された莫大な金塊の存在を知る。
金塊を奪った男「のっぺら坊」は、捕まる直前に金塊をとある場所に隠し、そのありかを記した刺青を24人の囚人の身体に彫り、彼らを脱獄させた。
その後のアシリパとの出会い、ヒグマとの死闘、さらに金塊を巡って次々と猛者どもが乗り込んでくる展開も、ほぼ原作通り。決してダイジェスト版のような忙しなさでなく、しっかり入念に印象を刻みながら進んでくれるのが嬉しい。
山崎賢人が杉元、「彼女が好きなものは」の山田杏奈がアシリパを演じ、眞栄田郷敦、工藤阿須加、玉木宏、舘ひろしら豪華キャストが個性豊かなキャラクターたちを演じる。