おすすめ度 ☆☆☆★
Netflix 映画
運命に翻弄される2人の若者の友情が描かれる。奴隷と両班(貴族)の息子、身分は違っても歳が近い2人は、チョンヨンがジョンニョの稽古相手になることで友情を深めていぅ。家と国家の都合ですれ違い、引き裂かれてしまう2人。違う世の中であれば、少しでも違う道だったなら……、2人が手を取り合う未来を考えずにはいられない終盤の展開は思わず涙する。
冒頭でいきなり「この世は万人のもの」「王も奴婢も同じなのだ」とこの映画の立ち位置が語られ、倭寇襲来の戦乱期を舞台に差別がいかに不条理なものかを描いている。三つ巴の立ち回りとかアクションシーンも秀逸。
2人にとって特別な証である青い衣をまとったチョンヨンと、暴君の配下の証である赤い衣をまとったジョンニョ。対比の効いた衣装からも、運命に翻弄され、戦うしかなくなってしまった2人の悲哀が感じられる。
流動的で柔軟なカメラワークは、引いた画から寄った画まで臨場感抜群! 演者の肩越しの剣戟(けんげき)は、殺陣(たて)の中に入ってしまったかのような臨場感が味わえる。引きの画面でも、あえて手ブレを演出することで戦場の混乱や緊張感を見事に表現。強敵に視線が向く場面など、特徴的な画作りからは目が離せない。
カンドンウォンとー、パクジョンミン共演。