ひろの映画見たまま

映画にワクワク

サラエボの花

2008-01-22 20:23:35 | 映画
サラエボは、内乱に明け暮れた旧ユーゴの分裂の地、ヘルツェゴビナの町である。

その町に住む、未亡人の女性とその娘(中学生か)の話だ。

女性は、セラピストに通っており、その場面で映画は始まる。

なにか隠し事をしているのがわかるので、その興味が

ずっと後まで惹きつける。いやむしろうっとおしい。

どうなんだという思いが。

夜のクラブに勤めるが、男女間のシーンになると頭を痛める。

でも、クラブだから、そういう雰囲気なのになぜ彼女はそこに勤めるのか。

娘の修学旅行のお金がいるからだが。

一方娘は、父がムジャヒディンで殉死したと思いこみ皆にそう言っている。

一方で、貧しい母子家庭の子ゆえに勝ち気だ。

そして、おなじ内戦で父を亡くした男性と親しくなる。

そんな、日常的な話が淡々と丁寧に語られる。

主人公はクラブの用心棒と、彼も戦争の犠牲者の家族と知って親しくなる。

そんな話だけではこの映画の本当の良さは分からない。

ネタばれしたくないが、結局内戦当時、

この民族の戦いで、レイプによる民族の辱めがあったことだった。

その真実が明かされ、そして娘と和解する最後の温かみが

この映画の平和への希求を告げている。

ラストのエンドロールで、字幕しか映っていないのに

バックミュージックでじわっと効いてくる。

涙があふれ出す。

素晴らしい演出だ。

コメント
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