おすすめ度 ☆☆☆★
長く紛争の続くイスラエルとパレスチナから集った若者たちがオーケストラを結成し、コンサートに向けて対立を乗り越えていく姿を、実在する楽団をモデルに描いたヒューマンドラマ。
イスラエルとパレスティナ、この複雑な二国に加えて、本人が親がナチスだったと告白する指揮者。
楽団員を選ぶ面接のときから、二国の対立は色濃い。
アルプスの南チロルでの21日間の合宿が始まり、対立から合同へといろいろな試みが施される。そして徐々に打ち解けていく。
が、シーラとオマルのカップルの存在がSNSで流出し、双方の家庭にまでバレて、二人は合宿所を脱走し、取り返しの出来ない悲劇となり、オーケストラ公演は流れてしまう。
ラスト、空港のガラス越しにユダヤ人とパレスチナ人の合奏による「ボレロ」が流れる。ドイツ人の指揮者が加わり、歴史の罪という闇が深くなり、架け橋としての音楽がより輝いた。
二国の歴史的背景から、なかなか仲直りはできないだろうが、少しずつでも、進歩してほしい。