おすすめ度 ☆☆☆
閉塞的な地方都市に生きる若者たちの、危うくはかない日々を描いたふくだももこ監督作品。
登場人物はみな現状に不安と、不満を感じている。こんなだらけた日常に対する不満、そんな日常が終わってしまう不安。望むものが手に入らない不満と、手にしたものが失われていく不安――、ある意味これは普遍性のある物語である。
大阪のある町で暮らす高校2年生のえん(松本穂香)は、恋人を次々と変える親友の琴子とつまらない毎日を送っていたが、琴子がサッカー部のナリヒラを好きになったことで距離ができる。同じ高校のジュンは、母が家を出たことに向き合おうとしない父親に何も言えず、学校が終わった後ショッピングモールで過ごしていた。やがて、ナリヒラの秘密を知り彼と急接近するえん、それを見て見ぬ振りする琴子、転校生の伊尾と深い仲になるジュンらの思いが交錯する。
ブルーハーツの曲が切ない。