おすすめ度 ☆☆☆
哲学的映画好き ☆☆☆★
PG12
ドイツの児童文学作家エーリッヒ・ケストナーが1931年に発表した大人向け長編小説「ファビアン あるモラリストの物語」を、「コーヒーをめぐる冒険」のトム・シリング主演で映画化。
女優を夢見るコルネリアとの恋や、唯一の親友であるラブーデの破滅。世界が大きく変わる予感と不安の中、ファビアンはどこへ行くべきか惑い、焦りを募らせていく。
時代は1931年のベルリン。狂騒と頽廃の20年代から出口のない不況へ、人々の心に生まれた空虚な隙間に入り込むように、ひたひたとナチスの足音が聞こえてくる。どこか現代にも重なる時代、作家を志してベルリンにやってきたファビアンはどこへ行くべきか惑い、立ち尽くす。コルネリアとの恋。ただ一人の「親友」ラブーデの破滅。コルネリアは女優を目指しファビアンの元を離れるが……。
178分の長尺。
コルネリアとの恋にかなりの部分を割いている。そのラブラブな様子は、これだけで一本の映画になりそう。
カメラは現代のベルリンの地下鉄駅から始まり、ノーカットのまま階段を上ると1931年のベルリンとなるなど、様々な映像の凝りよう。
哲学的なセリフもあり、やや難解な映画。