おすすめ度 ☆☆☆★
Unext鑑賞 2001年製作 R15+
世界的に注目を集める韓国の鬼才キム・ギドクが、1970年代の米軍基地の町を舞台に、それぞれ痛みを抱える若者たちの青春を描いた群像劇。
黒人との混血児チャングク(ヤン・ドングン)は、犬商人の仕事の手伝いをしなが ら、西洋人相手の娼婦だった母(パン・ウンジン)と、たった二人で、村はずれの真っ赤な廃バスの中で暮らしている。チャングクの母は、いつか米国にいる夫が自分たちを迎えに来てくれると信じ手紙を書くが、手紙はいつも受取人不明(Unknown Address)という真っ赤なスタンプが押され戻ってくる。幼い時、兄が射ったおもちゃ銃に当たって片方の目をなくしたウノク(パン・ミンジョン)は、米軍病院で目の治療を受ける希望を抱いて、英語の勉強に熱中し ている。村には、ウノクに想いを寄せる小心者の少年チフム(キム・ヨンミン)、ユギオ(6.25)勲章に執着するチフムの父(ミョン・ゲナム)、そして チャングクを困らせる血も涙もない犬商人ケヌン(犬目)(チョ・ジェヒョン)などが暮らしている。
キムギトク独特の強烈な映像で、米軍基地下の韓国人の有体を描いていく。
中心となる、犬食は、実際の解体シーンはないものの、韓国で行われていた、いわゆる最底辺の人たちの象徴だ。
日本にも基地問題があったが、これほど鮮烈なものはない。
やはり韓国社会とキムギトクの独壇場だろう。