おすすめ度 ☆☆☆
アメリカの怪奇幻想作家シャーリイ・ジャクスンの伝記を基に、現代的で斬新な解釈を加えて現実と虚構を交錯させながら描いた心理サスペンス。
作家シャーリイ・ジャクスンと大学教授である夫スタンリーの家に世話を兼ねて同居することになった若い夫婦フレッドとローズとの日々を、シャーリイとローズのどこか歪で奇妙な絆を軸に描いた作品。
シャーリィの小説のキャラでもあるポーラとローズの境界がわからなくなったり、はたまたシャーリィとローズがごっちゃになったり等、すごい複雑に人間が絡みあって時間軸も後半は特に曖昧になったりと、混沌とした世界観。
シャーリイとスタンリーの緊張関係の余波を受けて、精神が弱っていくローズがメインのストーリーと見ていて、終盤で崖上からいなくなる(飛び降りた)ローズのカットと、並行に描かれたフレッドと共に屋敷を去って行くローズのカットのどちらが本当なのか迷うところで、全てがシャーリイの創作とも解釈できる。創作者の頭の中の迷宮を描いた面白さがある。
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