ひろの映画見たまま

映画にワクワク

WOWOW映画「贖罪・前」、小学校女生徒殺害事件のその後。

2012-09-08 14:47:41 | 日本映画
WOWOWで製作されたテレビドラマ「贖罪」。

DVD化され、前編を鑑賞した。

このドラマは、編集されて、外国の映画祭に出品されている。

湊かなえ原作の小説の映画化。

メガホンは、黒沢清。

映画は、5話で構成されている。

小学校で、校庭で遊んでいた5人の女生徒、そこへ近づいてきた男、一人の生徒を指名して、体育館へ連れて行き殺害する。残りの4人の生徒は、犯人に接していながら、犯人を特定できず、殺された母親に償えと諭される。

そして、一人づつの15年後が描かれる。

第1話、フランス人形妻 蒼井優主演。

近づいてきた、若者と結婚。

彼は、蒼井が、処女なのを選んで結婚。

毎夜、彼女にフランス人形の格好させ寝付く。昼間の生活を制限し、異常な生活。そんな彼女が選んだ償いは?

黒澤監督独特のホラー映画となり、フランス人形がなんとも怪しい。

白黒のハイキーな画面が、なんとも不気味。風景までもがホラー。

第2話 PTA臨時総会 小池栄子主演

小池は、小学校の教員だ。

最近は、ネットの書き込みが学校でも、重視するようになっていた。

生徒への注意の仕方一つに問題となっていた。

彼女は、熱心で、剣道部で汗を流していた。

そんなとき、プールへ刃物を持った男が侵入。彼女が犯人を追い詰めた。

彼女の異常なまでの行動にネットでの反応。

彼女は、PTA臨時総会で釈明、それは、15年前の贖罪だった。

この映画の女優は厳選され、その演技力が黒澤監督の手助けをしている。ここでも、小池栄子の狂気の演技が光っている。

中、後編とDVD3本構成だ。

あとが楽しみ。







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日本映画「死刑弁護人」、死刑になる犯罪者の弁護を続ける安田弁護士のドキュメント

2012-09-07 16:40:41 | 日本映画
おススメ度 ☆☆☆

和歌山カレー事件、光市母子殺害事件、オウム真理教教祖麻原彰晃など、世をにぎわした事件の弁護をし、世に「悪魔の弁護人」と呼ばれた安田好弘のドキュメントだ。

テレビ東海が、づっと追い続け、テレビで放送したものを映画化したものだ。

最近の和歌山カレー事件の、証拠の不十分さを指摘している。

世の中では、林真須美しか考えられないとして、注目が集まっているが、この映画を見ると、かなり怪しい証拠で追いつめているように見える。

一方、光市母子殺害事件で、殺害方法に疑問を呈しているが、これは、証拠採用されなかったのか?

ほぼ死刑と考えられる案件は、なかなか引き受ける人はいない。あえてそれを引き受け、論点を詰めていき、裁判に臨む。殺人犯の肩を持つわけだから被害者の心情からすれば「悪魔」なのだろう。

一方で、死刑廃止論者でもある。ただ、弁護と論とは区別して考えていると安田は言う。

それにしても穏やかな顔だ。テレビでバッシングされる彼は、確かに悪魔っぽい。これは映画を見て、反省した。人は見かけだけで判断するな。

ただ、鋭い、検察の穴を探し出し、論を組み立て弁護するのだから、それは必然だ。

犯罪者のよってきたる、生活基盤、それは大きな要素だろう。でも麻原の弁護はどうだったのだろうか?今はくるってしまった麻原には食いつきようがないが。

映画は、安田弁護士側から描いているが、決して、彼を称賛しているわけではない。ただ、言い分は聞いて描いている。

後は、見る人の判断だ。考えさせられる映画だ。
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NHK山田洋次が選んだ日本映画100選 喜劇編 野村芳太郎督の「拝啓天皇陛下様」

2012-09-06 16:45:05 | 日本映画
1963年作品。

棟田博の週刊誌連載の小説の映画化だ。

主人公は、幼い頃両親と死別、三度の飯と風呂まで入れる軍隊を天国という男ヤマショウ。

前半は、軍隊での新兵、二等兵の物語だ。

軍隊というと、いじめとか訓練とか、暗いイメージが多いが、この映画は珍しく軍隊生活を笑いを持って描いている。

主人公に扮する渥美清のキャラクターにもよるが、同僚の棟本に扮する長門裕之とのコンビは、絶妙で笑いが絶えない。

さらに二年兵では、かなを教える一等兵に藤山完美が扮し、これまた笑いの種だ。

そして、休みには、女郎屋へくりこみ、女遊びで息抜きだ。

更に物語は進んで。中国前線へ、棟本は負傷し、作家に転じる。

終戦、なぜか、渥美と長門はよく出会う。偶然なのだが、二人の息はぴったり。

さらに、渥美はここで、女性に弱い寅さんの原型を演じる。

中盤ちょっとダレルが、結構面白い映画だ。

拝啓天皇陛下様は、ヤマショウが、天皇に手紙を書きもっと軍隊に置いてほしいと懇願するつもりだったが、止められてやむをえず筆を折る。
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フランス映画「引き裂かれた女」、果たして、女は引き裂かれるのか?

2012-09-05 16:25:39 | フランス映画
おススメ度 ☆☆
  フランス映画好き ☆☆☆

往年のヌーベルバーグの旗手、クロードシャブロル、最晩年の映画。

実際にあった情事殺人事件に基づいた映画。

だが、この映画、くせもの。

若きテレビお天気キャスターが、30以上年の差の手練手管の作家に恋をしてしまう。

一方、彼女にいいよる、お金持ちのぼんぼん。

二つの恋愛話が、フランス映画よろしくしゃれた映像で語られる。

だが、作家には妻がおり、浮気を終わりにしたいと旅に出る。

そこで残された彼女は、いいよる青年と結婚するのだが、と淡々と話は進むのだが、結局殺人事件が。

でもこの映画、色話でありながら、ぜんぜん官能的でなく、殺人事件でありながら、いかにもあっさりしている。

ここがフランス映画の所以なのかシャブロルの所以なのか?

まあ不思議な映画だ。

ラストシーンはあっけない。見る方が考えるしかない。



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日本映画「ポルノスター」、豊田利晃監督デビュー作

2012-09-04 14:03:04 | 日本映画
1998年作品だが、やっとレンタル開放となった。

豊田監督は、現在「I.m Flash」が公開中。

坂本順治監督の「王手」の脚本でデビュー。

この「ポルノスター」。濃い緑のジャケットというかコートというかを着て、フードをかぶり、傷のある能面のような顔の、不気味な男が登場。演じているのは千原ジュニア。こんな、しぶい役者だったとは。

もう一人の主人公は、鬼丸が演じている。暴走族をしていたこともあり、かなりするどい。

ヤクザというかチンピラというかの世界。

暴力が主体的に描かれ、後半には皆殺し的殺人の光景が、例の園監督っぽい。

スケボーの場面とか、剣の雨が降るシーンとか、面白い場面もあるが、結局暴力礼賛的要素が有り、感心はしない。

ただ、かなり切れる演出で、見るものに痛みを感じさせる。

たけしの「アウトレイジ」といい、暴力描写が鮮烈なのは、映画の魅力でもあるのだが。

ポルノとあるが、性的描写はほとんどない。

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日本映画「闇金ウシジマくん」、金の踊る世界!

2012-09-03 18:13:15 | 日本映画
おススメ度 ☆☆

これも、漫画の映画化だが、原作はテレビでも放映され、一応人気の作品だ。

おまけにAKB48の大島優子が主演しているゆえ、若者に人気らしい。

しかし、高金利をとるいわゆる、闇金をテーマにして、若者たちの金の世界を描いて、一方で、パチンコや風俗を描写しているこの手の作品は、好ましいものではない。

なかで、告発されて闇金ウシジマくんは警察に捕まる。ただ、この警察がやくざっぽくて、いただけない。

弁護士をやとい、仲間たちの奔走で保釈となるが、闇金の話としては胡散臭い。

大島扮する女の母親が、またとつもない悪で、パチンコする金を借金し、その利息を娘に払わせる。大島のキャラがかわいそうだ。さらに男を作って、娘に3Pだとか、ちょっと低俗すぎる。

一方、林遣都扮する、成り上がり若者の描写も決して喜ばしいものではない。

まあ、漫画が好評だったからと言って、この手の映画で稼ごうなんてあさましい。

なかで、ウシジマに扮する山田孝之は雰囲気があるが、もっと生かし方があるだろうに。
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園子音監督「紀子の食卓」、家族の映画です。

2012-09-02 17:21:09 | 日本映画
園子音監督、2005年作品。

DVDで鑑賞、このDVDには、園子音監督と映画ライターとの語りが、全編の裏についています。

おかげで、この映画の裏話がよくわかりました。

158分の長尺ですが、4時間ものにしたかったらしい。

ただ、撮影期間を短く設定され、その分、濃縮された映画となっている。

5(?)部構成になっていて、それぞれの立場からの描写。

主人公紀子、17歳高校生、妹と父母の4人家族。

新聞部で活躍するも、とくに家族と軋轢があるわけでないが、インターネットで知り合ったサークル仲間に逢いたくて東京へ。

家族は伊豆で暮らす。すなわち、田舎と都会のギャップ。

上野駅54さん、あてもなく上京した紀子は、コインロッカーの54番の前でクミコと出会う。

彼女は<レンタル家族>を主宰し、家族のぬくもりを欲している人たちに疑似家族を提供する仕事をしており、紀子も<ミツコ>として、仲間入りする。

一方、2002年5月新宿駅8番線プラットホームから女子高生54人が集団飛び込み自殺をした。この事件にかかわりがあると察した妹も上京、姉と合流する。

その後母親の自殺、父親もこの状況を察して、レンタル家族の客に。

映画は、長い、おまけにセリフが多い、中には聞き取りにくい場面も、という意味で非常に難解な映画になっている。

奇才園子音が「愛のむき出し」の前に撮った作品だ。家族問題がテーマで、性や暴力の描写は少ない(ただ、血のりは園流だ)。

そこここに、巧みにメッセージが隠されており、考えされられる映画だ。でも、重たい映画だ。

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日本映画「るろうに剣心」、切らない剣でたたかう剣心!

2012-09-01 15:21:46 | 日本映画
おススメ度 ☆☆☆
     時代劇・アニメ好き ☆☆☆☆

ちょっと読みなれないタイトル。

剣士を演じるは23歳の佐藤健。これがけっこうはまっている。

幕末の時代「人きり抜刀斉」と呼ばれた名うての剣客がいた。10年後、この男の名で人きりをする男が現れた。

一方、当の「人きり抜刀斉」は、不殺を誓っていた。旅の途中、道場の師範代(女性)を助けたことから、そこの居候に。

「るろうに剣心」は、1994年から5年にわたり「週刊少年ジャンプ」(集英社刊)に連載されたアニメだ。今回の映画は、この中の一部を映画用にアレンジしたものだ。

物語の中心は、阿片で儲け新しい武器を買い占める商人、彼が、剣心が居候する道場に目をつけ争いを起す。

そこから、剣心と商人およびその用心棒との決戦が始まる。

見ものは、新しい殺陣だ。ワイヤーロープを使った香港映画並みの飛び回る激しいアクションシーン。不殺を誓った剣心の驚くべき戦法だ。

途中回想シーンで、幕末の切りまくるシーンもあり結構引き込まれる。

NHKドラマ「竜馬伝」を撮った大友啓史。かなり重厚感がある。

コメント (3)
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