ひろの映画見たまま

映画にワクワク

日本映画「天地明察」、日本の暦を正しくした天文学者の物語。

2012-09-18 17:18:48 | 日本映画
おススメ度 ☆☆☆

沖方丁原作の映画化。2時間20分余の大作。

時代物といっても、碁や数学、天文学、暦など科学的なお話。でも、丁寧な作りで、とっつきにくくはない。

江戸時代、四代将軍家綱の時代。

碁打ちの家に生まれながら、数学と天文が飯より好きという変わり者、安井算哲の物語。(実在の人物だ)

前半は、日本全国の緯度を測定する北極出地の旅に参加する。自分の歩幅から歩いた距離を算出。この事業での活躍が認められ、暦のずれに気付いた幕府からその調査のリーダーに推挙される。(ここからはネタバレ)





































そこから、現存する三つの暦の中で二つに過ちがることを証明する。

ただ、暦は、京都の宮家の管轄であり、旧態依然たる宮家は暦の改善には反対する。日月蝕の日にちを予想することで暦の過ちを指摘しようとしたが、肝心の暦にも弱点があり、算哲はどん底に。

しかし、算哲は妻の励ましもあり、数学者関のアイデアで、世界の暦を紐解く。そして、中国で作られた暦とは時差があることに気付く。

そしてラスト、命がけの賭けに出て勝利する。

出演者に、松本幸四郎ほか歌舞伎役者の助けを得て、豪華な顔ぶれとなった。当然、そこここの演技にしまりがあり、面白くしている。

ただ、大きな話を急ぎ映画の見せ場を作ったため、違和感はぬぐえず、散漫な出来となった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

イタリヤ映画「昼下がりのローマの恋」、三つの恋物語です。

2012-09-17 14:44:05 | 映画
おススメ度 ☆☆☆

イタリヤ映画、老、壮、青の三つの恋物語。イタリヤ映画ならではの明るさが身上の楽しい映画です。いやちょっとほろ苦いかな?

三人それぞれが同じアパートの住人なとこがみそ。

第1話、青年は、恋人がいて毎日スカイプしているが、出張先で、素敵な女性に惹かれて恋をしてしまう。恋人がいての浮気も又、乙なものか?

第2話、こちらはテレビキャスターが、美人にはまってしまう。それも相手は痴女級、それもそのはず、最後に種明かしが?

第3話、今回はこれがメイン。だって、ロバートデニーロが、その年齢相応にでも若い彼女と恋に落ちる。彼女は親友の娘。ストリッパーをしているという素敵な女性。演じるのは、円熟のモニカベルッチ、貫録の演技。

その二人の愛は、この世の何物をも忘れ去らせてくれる。

VIVA!ローマの恋!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本映画「River (リバー)」、秋葉原殺人事件で死んだ恋人の面影を探して

2012-09-15 16:08:36 | 日本映画
おススメ度 ☆☆

広木隆一作品。

恋人を秋葉原無差別殺人事件で亡くした一人の女。その面影を求めて、秋葉原をさまよう。冒頭、彼女を追ってカメラも秋葉原をさまよう。こちとらは、十数年前、よく秋葉原をさまよっていたので、非常に懐かしい。でもずいぶん変わったな。当時は、電気街としての秋葉原だったが、今は、メイド喫茶と中国人の買いものとかが増え、若者の街ではあるのだが、そんな思いを抱かせる情景だが。

主人公は、秋葉原の街でふと出会う人たちと交流を重ねる。カメラで秋葉原を撮っている女性、自殺未遂を考えている男性、そして、メイド喫茶にスカウトされ、一時は店員に、だけど、店長にホテルに誘われ、逃げ出す、そのあと、親と喧嘩別れして街へ出てきたガード下に住む男性に、故郷に帰ることをすすめる。

彼の故郷が、東日本大震災の被災地、ここでも長回し。(震災直後の現場をちゃんと撮っておきたかったのだろうが)

Riverは、秋葉原のそばを流れる川。ラストは船に乗って川を眺める主人公の長回し。

なんと長回しの多いことか、感情移入しているとか、美しい情景とかであれば、素晴らしいが、なぜか、もう終わらないかという気持ちが働いて。

どうしてこうも、自分本位な映画になるのだろう。残念。

中で、主人公を演じる蓮佛美沙子の清楚な感じが共感を呼ぶ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

WOWOW映画「贖罪・中」、小学校女生徒殺害事件のその後。

2012-09-14 15:52:55 | 日本映画
この映画は、5部構成となっている。

小学校女生徒殺害事件の目撃者、4人の女の子と殺された子の母親の5人がそれぞれの物語の主人公だ。

中では、「くまの兄妹」と「とつきとおか」の二篇よりなる。

「くまの兄妹」は、晶子が主人公、彼女は、おとなしい子だったが、一番最初に殺された女の子の母親に会い、彼女の錯乱ぶりを目の当たりにする。

そのご引きこもりとなるが、15年後、唯一の話し相手兄が、結婚して、妻の連れ子とともに帰ってくる。

引きこもりの彼女は、精神的に虚弱で、兄が連れ子にした行為を許せず事件が起こる。

彼女はこれが、贖罪だというが、女の子の母はそうではないという。

安藤サクラが、晶子を演じ、なんともだるい、だらしのない引きこもり、いわゆるオタクを絶妙に演じている。

刑務所での彼女の錯乱ぶりというか、ボケぶりというか、鬼気に迫る。

第4話は、由佳、喘息持ちの姉に親の愛を奪われ劣等感に。

15年後、結婚した姉の旦那を寝取り子供を産むが、旦那にお前を愛してなかったと言われ、かっとなって事件に。

池脇千鶴が演じ、微妙な役柄を巧みに演じている。

4話の中で一番サバサバしている。そして、犯人をテレビで見、女の子の母に告げる。

第5話が見ものだ。

全体に、ホラー調の演出で、黒澤監督らしい味を出している。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

NHK山田洋次が選んだ日本映画百選  木下恵介監督「お嬢さん乾杯」

2012-09-13 15:22:31 | 日本映画
1949年作品

木下恵介の才気あふれる演出に脱帽。

終戦後まもなく、自動車修理業で儲けた青年に、見合いの話が。

気乗りしなかったが、会ってみたらこれが美人。

実は没落華族の一家の最後の頼みだった。

田舎での成り上がり青年と、没落とは言え気品の高さは絶品の女性。

この二人のなんとも切なくおかしい恋愛物語。

お互い好きながら、身分の違いが。

ところどころに見られる絶妙な演出についつい涙が、一方で、行き違う二人の感情に笑いが。

シンプルな男女のキビだが、原節子の美しさと、気品のある彼女に戸惑う佐野周二演じる若者。

取り巻く役者陣も達者で、二人をもり立てる。

基本は松竹映画でありながら、なんとなくフランス映画っぽい作風。

ちょっとこんな映画はもう出ないだろう。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本映画「夢売る二人」、結婚詐欺の話ですが?

2012-09-12 18:03:19 | 日本映画
おススメ度 ☆☆☆
     女性だったら ☆☆☆☆かな?

夫婦仲良い一杯飲み屋、大繁盛。ところが、焼き鳥の火が飛び火して大火災に。(ただ、こんなに簡単に飲食店で火事があったらたまらないよね)

すっからかんになった夫婦だが、夫が酔った勢いで一夜を共にした常連客から大金をもらい、それを妻に話したことから、結婚詐欺を始める。

最初は、妻が夫に詐欺を指南しているが、徐々に二人の関係にも亀裂が。

「ゆれる」「ディアドクター」で、評判となった西川監督だが、今回は、男性目線では物足りない。

主人公を演じる松に、思い入れがあり、彼女もよく演じているのだが、男性目線で見て、好きになれない。夫を立てて頑張る最初のシーン、結婚詐欺を励ますシーンなどまでは、見れるが、あとはなんなのだろう。ただ、小料理店を出したい、それだけのために同性である女性をだます。基本的にここが問題だ。そして夫婦の関係は、女としての悩みは描かれるが、女としての悦びは?終わり近くラーメン店の店主と危ない関係になりかかるが、これって、詐欺の延長それとも、さみしいだけ。

ただ、いろんなタイプの女性を登場させ、女の生き様をのぞかせる。

随所に描かれる、東京の街の風景。東京をスケッチしたかったかもしれないが、ちょっと、描き足りないような。

いずれにせよラストまで、盛り上げている腕前はさすがだが、何しろ暗い。

次回作を期待しよう。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フランス映画「白い婚礼」、高校教師と生徒の不倫!

2012-09-11 15:23:59 | フランス映画
1988年作品。

この度リマスター版がDVD化された。

高校教師。哲学の先生だが、ちょっと日本では考えられない。

授業をサボってばかりいる女生徒を、更生させようと、家庭教師のようなことをしているうちに、女生徒に誘惑され、虜になってしまう。

この女生徒が小悪魔で、この年配の妻帯者を愛してしまう。

このような不倫は、拒絶されれば燃えるのが常。

かくして、泥沼へと突き進むのです。

まあ簡単な話だが、小悪魔に扮するのがバネッサ・パラティで、実生活でもジョニー・デップをたぶらかしたくせもの。

17歳の奔放な振る舞いに、哲学の先生は自制がききません。

そして、ラスト近く、教室でことをいたし、生徒に見つかり、左遷され、離婚と、不倫のしっぺ返しはきついものがあります。

さらにラスト??

高校教師に扮するのがジャンクロードブリソー、大柄のいいおじさんがころっと、小悪魔に騙されます。本当は恋をしているのだけど。

人生とは??

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ベルリン国際映画祭、北野武受賞できず、早々帰国!

2012-09-11 09:59:28 | 映画
第60回ベネチア国際映画祭が幕を下ろした。

グランプリを受賞したのは、韓国のキム・ギトク。彼は、これでカンヌ・ベルリン・ベネチアの三大映画祭ですべて受賞したことになる。

映画「ピエタ」は、残酷に借金を取り立てる男の話。

北野武の「アウトレイジ ビヨンド」は無冠。ここでも、日本は韓国にしてやられた。

その他の受賞作は

▽銀獅子賞(監督賞)=アメリカ映画 ポール・トーマス・アンダーソン(「ザ・マスター」)▽審査員特別賞=オーストリア映画 「パラダイス・信仰」(ウルリッヒ・ザイドル監督)▽最優秀男優賞=フィリップ・シーモア・ホフマン、ホアキン・フェニックス(「ザ・マスター」)▽最優秀女優賞=ハダス・ヤロン(イスラエル映画「穴埋め」)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アメリカ映画「デンジャラス・ラン」、デンゼルワシントン主演のCIA物語

2012-09-10 16:40:32 | アメリカ映画
おススメ度 ☆☆☆
     アクション好き ☆☆☆☆

ヒーローが悪。でも、本当は?

その謎解き。舞台はアフリカ。冒頭は、CIAの新米捜査官が暇を持て余し彼女とイチャイチャ。

でも本編が始まるや、銃撃戦。そして、新米捜査官の車に乗り込んだお尋ね者。そこから、カーチェイス。手持ちカメラを使った揺れる画像と、神経を逆なでする不協和音。ちょっと慣れない人にはついて行きづらい。

そしてお尋ね者を捕まえ、拷問にかける。だが、そこへ一団が襲い掛かってくる。

敵味方が、ちょっとわかりずらい構図。

ただ、主役のお尋ね者と、それを捕まえる役の新米捜査官がメインなのはわかる。捜査官はお尋ね者をサッカー場へ連れて行くが、そこで突然逃げ出すお尋ね者。題名通り追っかけのシーンは満載だ。

というふうに、事件が次々と起こり、それをコントロールしているCIA本部とのネットでのやり取り。CIAがよいものとは限らない。内部抗争もあるのだ。

ところどころで、お尋ね者はベテランらしく、新米捜査官にお説教をする。

敵味方の二人にいつしか友情が。

ありきたりのCIA物語だが、デンゼルワシントンのキャラに助けられ、アクションシーンも随所に用意され、入り乱れた敵味方の関係が話を面白くしている。

いずれにせよ、流ちょうなカメラワークに目まいする人には向かない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フランス映画「最強のふたり」、障碍者と黒人との強烈なタッグマッチ。

2012-09-09 17:08:02 | フランス映画
おススメ度 ☆☆☆☆

冒頭ドライブのシーン、次々と車を追い越していき、カーチェイスの趣。後ろからはパトカーが。そして捕まる。だが、身体障碍者を乗せていたので急いでいたのだと言い訳。パトカー先導で病院まで、堂々と走り抜ける。

だが、実際は乗っていた障碍者のお芝居。車は高級車、運転は軽めの黒人。

で、そもそもの出会いのシーンへ戻る。

この冒頭のテンポからして軽妙で惹かれる。

この映画は、パラグライダーで首から下が不随となった富豪と、彼に雇われる介護士の物語。介護士は黒人で、面接試験で並み居るベテランを押しのけて仮採用。彼の傍若無人の態度に堅苦しい介護人に飽き飽きしていた富豪が食指を動かしたからだ。

当然何も知らない黒人のこと、失敗のオンパレード。でもそれをおおらかに受け止める富豪と、しゃあしゃあとだが、割と神経質にこなしていく黒人。二人の息はあっていく。

そして、黒人は、富豪を連れまわし、それがまた映画を楽しくしていく。

この二人には、実際のモデルがいて、監督が映画化を申し出許可されたらしい。

後半になると、富豪には文通だけの恋人がいることがわかり、黒人は二人を会わせようとする。そのちぐはぐが滑稽だ。

富豪の思い付きで、黒人がやったことのない、パラグライダーに挑戦。首から下不随の富豪も、援助者に助けられ、大空気分を満喫する。

いっぽう、音楽の趣味の全く違う二人だが、それぞれの音楽を尊重し、映画は楽しい。

最後は、黒人は解雇されるが、新しい介護者に不満の富豪は黒人を呼び出し息抜きをする。

生涯二人は、最強の友人だろう。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする