奥湯河原五段の滝
湯河原・真鶴アート散歩を楽しみに1泊2日で奥湯河原に行ってきました。源泉は湯量が減っており、源泉かけ流しの旅館が減ったと聞いていますが、現在もかけ流しで頑張っている温泉旅館があるのでそこに泊まりました。ナトリウム・カルシウム泉で、無色無臭、大変気持ちがいい温泉です。
湯河原・真鶴全体で公開されているギャラリーなどが80か所弱ありますが、とても足で回れません。今回は奥湯河原の3か所を見て回りました。湯河原・真鶴は、芸術家が好んで住んで仕事をする場所のようで、制作を実演しているところもあり、芸術家の心意気がわかって勉強になりました。
奥湯河原は藤木川(バス停落合橋付近で千歳川に合流)という渓流沿いに発達した温泉街ですが、源泉の老朽化、町の老朽化が目立ってちょっと魅力を失っています。しかし、山谷は美しく、今は紅葉が深まりつつあり、滝ありの渓谷美とあいまって非常に美しいと思います。
湯河原町は町おこしに熱心です。古い旅館をリフォームし、さらに新設もしてつくった奥湯河原の町立湯河原美術館は、旅館の庭園を活かし、また山の斜面の森林を借景し、小規模ながら美しい美術館になっています。竹内栖鳳などの著名な画家の絵画のほか、湯河原の町の芸術家の作品の展示場になっています。文芸春秋の表紙絵で有名な平松礼二氏の日本画を展示している平松礼二館があり、その中に彼が現実使っているアトリエがあります。日本画制作のアトリエとはどういうものかよくわかります。
この美術館の1階にカフェがあり、湯河原の豆腐・ゆば専門店「湯河原十二庵」が運営しています。用意されている飲食物が創作的で、豆乳スープのセット(ごはん・惣菜4種付)、野菜たっぷりのがんもサンドセット、豆そぼろ丼、ツナとおからのトースト、豆の濃厚ソイラテ、豆のソフトクリームなどです。豆乳スープのセットを注文しましたが、スープを熱々で食べると大変おいしい料理で、新鮮な味でした。湯河原は、芸術だけでなく、料理も創作するとの印象を受けました。
渓流沿いの○○屋と屋の字がつく温泉旅館は歴史的な古い建物と庭園が保存維持されていますが、そのほかの戦後の箱もの旅館は、スクラップ&ビルドが進みそうです。渓流沿いにびっしりならんだ老朽建築物が整理されると、美しい温泉郷として再生が期待できると思います。
奥湯河原の町づくりに貢献してきた高齢の方から、今後の町づくりについてお話を聞きました。温泉旅館が、宿泊者に飲食などすべてのサービスを用意した時代から、奥湯河原単位でいろいろな専門店が連携して、宿泊者の便利をはかる時代になったのではないかと言っていました。
町づくりの勉強と奥湯河原再発見の訪問でした。