2019年8月に港南区都市整備局は、横浜市都市計画マスタープランに基づき区プランをまとめ発表しました。約20年後の区の将来像を描くと言っていますが、当面は2025年を目標年次にしています。
基本的認識として大規模な土地利用転換はない、人口は微減とし、快適な区へ改善することを重視しています。港南区は、南区から分区した1969年は森林で覆われた谷戸地形が残る緑被率の高い区でした。しかし、区誕生後、住宅地化がものすごい勢いで進み、今ではほとんどが住宅地になっています。港南区は住宅地化「やりすぎ」でした。緑被率はアバウトですが、港南区22%(18区の中で下から6番目。市全体は29%)です。
この反省に立って区は、残っている緑を大切に保全すること、緑を増やすことを重視しています。
港南区は日限山3丁目・4丁目の南側、上永谷町や野庭町に広がる農地、林地を市街化調整区域とし、しっかりと保全し、農地は都市型農地のあり方を追求したいと述べています。しかし、農業として採算性が低いので、難問です。行政、農地所有者、そのほかの周辺住民との協働で永続的活用方法を探したいとしています。
参考までに港南区の将来都市構造図を次に示します。日限山4丁目は、緑の十大拠点の一つ「舞岡・野庭」に包含される部分です。
(出所)2019年港南区プラン
ちょっと意味がよくわからないのは、都市計道路横浜藤沢線を緑のネットワークと呼んでいることです。資料を読んでも緑のネットワークという言葉が出てくるだけです。盛んに区は馬洗川を活かして緑道として改善して上永谷駅付近から緑の十大拠点「舞岡・野庭」までを結ぶと言っているので、緑のネットワークとは単なる緑を結ぶ自動車道路という感じがします。
しかし現存する馬洗川せせらぎ緑道は、住宅や一般道などが川に迫っており、改善の余地が小さいと思います。特に上永谷駅から天谷大橋すぎまでは改善策がないと思います。
すでにこのブログで何度か書いたように、横浜藤沢線は、藤沢まで貫通する見通しが立たず、環状2号線から桂町戸塚遠藤線までの区間は、主要道路というより、地元の生活道路の一つになる確率が高いと思います。
とすると、上永谷駅付近から天谷大橋付近までを2車線の暫定道路とし、生活道路として活用しているように、天谷大橋付近から舞岡公園南端付近までも2車線の暫定道路とし、余った空間をほかの空間と合わせ緑道として活かすと、区の緑被率はそれほど上がりませんが、感覚的には広大な緑地帯が上永谷駅付近から「舞岡・野庭」に広がっている印象になり、緑空間改善効果は非常に大きくなると思います。
なお、「舞岡・野庭」から舞岡駅までは、舞岡駅が「舞岡・野庭」に包含されており、まだ市街化調整区域が広大に広がっていますので、緑道ができる可能性は大です。
暫定道路は暫定ではなく、数十年、いや永遠に暫定道路でいいということになる確率が高いと思います。
区が言うように、行政と業者と住民のコラボなしで、緑被率の改善はありえません。ひぎり連合自治会も、港南区プランに関心をもち、呼応する組織を持つといいと思います。
また住宅地化をやりすぎたのなら、その住宅地をどう美化あるいは緑化するかも重要な課題と思います。狭苦しいヨーロッパの古い町が、意外に生き生きとしたおしゃれの町として元気があることは学ぶに値します。町を美しくする、楽しくするという雰囲気が町中にあると思います。
町の人が競って自分の庭・家を美しくし、道路から見ても美しいと思うようにするといいと思います。庭を近所の人にオープンとし、庭でお茶をしながら花談義、庭談義、町談義するなんて楽しいことではないでしょうか。