1999年、常磐緩行線は信号システム更新に伴う列車増発で209系1000番台を新製導入し同年12月4日のダイヤ改正より従来の203系・207系900番台と共に代々木上原〜取手間で運用を開始しました。その後2009年〜2011年の間にE233系2000番台が新造され203系・207系900番台の置き換えを完了させるも、置き換え対象外の209系1000番台は継続して運用されましたが、2018年で車種統一の為に定期運用を終了する事となり、同年10月13日に「ありがとう209系常磐線各駅停車引退の旅」を実施し常磐緩行線〜千代田線での19年に渡る運用を終了、グリーン車組み込みが予定されている中央線快速の予備車確保の目的で豊田車両センターに転属することになりました。
平日日中の運用に就く81編成。松戸から豊田への転属は2018年11月2日(実際の出場と回送は11月5日)で、帯色変更と地下鉄対応機器の撤去などが実施されています。なお客用扉の半自動化などは実施されていない他、自動放送の設置も見送られました。
81編成とは少々期間が空いた2019年1月25日に出場(転属は1月24日)した82編成。短期間の運用を想定したので、制御装置の更新も施工されず、首都圏では珍しくGTOサイリスタによるVVVFインバーター制御を維持する珍しい存在になりました。運用は固定されており、常に97T・99Tに入ります。
車内設備に変化は無く、常磐緩行線時代からそのまま使用されています。営団地下鉄のトンネル規格に対応する為、狭幅車体であるため主力形式のE233系と比べると収容力が違い中央線の最混雑時間帯には難がありますね・・・。
ドア上のLED表示も中央線・青梅線の表示に対応させた以外は目立つ改修はされませんでした。表示器下の広告枠には紙の路線図が入っていますが、これは209系の為だけに製作されたものです。
転属の目的が予備車の確保である為、ある程度E233系へのグリーン車連結が完了すれば廃車になると思われますが、今や都心部にも乗り入れる数少ないGTO-VVVF車であることから、今しばらくは活躍して貰いたいものです。