目蒲線の系統分離で2000年より営団地下鉄(東京メトロ)南北線・都営地下鉄三田線と相互直通運転を開始した目黒線では、3000系を運用していましたが増発に伴い2002年度より田園都市線の5000系をベースにATO装置を搭載した5080系を増備しました。車両置き換えを伴わない為ペースは緩やかで、2002年に5181F、2004年に5182F、2006年に5183・5184F、2007〜2008年初頭に掛けて5185F〜5187F、2008年度に5188F〜5190Fが増備され、6両編成9本が登場しています。小世帯ながら期間を空けて製造された関係で設計変更が行われており両数に対してバリエーションが豊かなグループですが、東急新横浜線開通を控えた8両編成化で増結用中間車の組み込みと大井町線用6000系からの編入車が加わり、更に複雑な形態になりました。
都営三田線内を走行する5189F。5000系グループの中では7次車に当たる編成で、2008年に6両編成で落成しました。8両編成化は2022年5月に実施され同月31日に出場しており、東急新横浜線開通後は相鉄線の海老名・湘南台方面まで直通する予定です。
田園都市線内で8両編成化直後に試運転を実施している5190F。この編成も2022年5月に中間車組み込みを実施し同月24日に試運転を開始、6月3日に営業運転に復帰しました。この5189F・5190Fの特徴は増結された中間車の2両のうちサハ5589・5590は新造車、デハ5489・5490は大井町線の6000系の6301・6302を転用している為、3種類の車内が混在する大変珍しい編成になりました。
車内設備(2008年製造の6両)は3000系とは配色は違うものの、ローズ系の内装でイメージは合わせられています。特徴的な新造サハ・転用デハの車内は乗客が多い為撮影出来ませんでしたが、また改めて撮影に行きたいと思います。
ドア上の車内案内表示用液晶画面は、当初15インチサイズを2台設置していましたが2011年度製造車で採用された17インチ画面の三菱電機セサミクロに換装され、現在は全編成がこの仕様で統一されました。
数の割に製造時期の違いや転用車組み込みでとにかく複雑化した5080系ですが、趣味的目線では非常に面白い編成が登場したと言えるでしょう。かつて在籍した8000系グループを凌ぐ勢いのバリエーションが続々と加わり、興味の尽きない形式です。