営団(東京メトロ)南北線・都営三田線への相互直通運転に対応する車両として新造された東急3000系は、第一編成が直通運転開始より1年早く1999年4月16日に登場し暫定的な8両編成で東横線に配置され、2000年1月15日まで渋谷〜桜木町間で主に急行で運用されました。同年8月6日には旧目蒲線が系統分離され目黒線となり、本使用に備え6両編成への組み替えと量産車の登場を経て、予定通り直通運転に用いられるようになり安定した活躍を見せていました。しかし2022年より、目黒線の輸送力増強と相模鉄道との直通に伴い3000系も対応改造と共に8両編成化されることが決定し、サハ3400・デハ3500を新造の上で増結を実施しています。
増結用の中間車を組み込み8両化された編成の中では一番最初に営業運転に復帰した3109F(旧3009F)。増結に先駆け、行先表示器のフルカラー化と前照灯LED化改造が行われ、印象が変化しました。8両編成化に際しては既存の6両も改番され、5000系グループに準じた付番になっている他、VVVFインバーター制御装置の改修も実施され磁励音が若干変化しました。新造されたサハ3400とデハ3500は車内外とも5080系用の中間車と同一形態になっており、組み込み先の3000系とは全く仕様が異なりますが、車体表面の仕上げはダルフィニッシュで合わせられている為、この角度から見ると違和感が殆どありません。
1999年に3001Fとして新製され、営業運転で東横線の桜木町入線も果たした3101F。スカートの大きな開口部が量産先行編成の証で、登場時は東横線急行運用に備え通過標識灯も設置されていました。目黒線での営業運転開始前に量産車と仕様を揃える小改造と共に中間車2両を3002Fに供出した為、8両編成を組むのは実に23年振りの事となりました。営業運転復帰前には乗務員教習の為、新横浜線を介して相鉄本線へも入線を果たしています。
車内設備。基本的に大幅な変更はありませんでしたが、車内案内表示を2段式LEDから17インチ液晶画面に換装し、鴨居部には扉開閉表示灯を新設しました。これに伴いドアチャイムがそれまでの営団タイプから5000系グループと同一仕様に変更されています。
新たに組み込まれたサハ3400・デハ3500車内(サハ3401で撮影)。5080系に組み込まれた分と設備は全く同一ですが、貫通路扉窓から僅かに見える隣接の車両から3000系の編成内に組み込まれている事が分かるかと思います。
来年からは東急・相鉄新横浜線を経由し相鉄本線への乗り入れも開始する本形式ですが、新造中間車を組み込んだことで僅か8両の中に車齢の差が20年以上も開いている車両が混在する極めて珍しい編成となりました。近年ではかなり稀なケースですが、趣味的に見た目の面白さは抜群なので長く活躍して欲しいですね。