西武鉄道の主力車両として、各線でフレキシブルな運用に就く新2000系は経年20年を経過した2007年12月よりリニューアル工事が施工され、翌2008年3月に出場し運用を開始しました。この工事は車体修繕の他、バリアフリー対応化や車内イメージの一新など30000系並みにサービス水準を向上させる事を目的としており、主に後期製造車に対して実施されています。
新宿線で運用されるリニューアル施工済みの2081F。トップバッターの2047Fに次いで2本目の施工でした。写真のクハ2082には中間連結時の転落事故防止放送用スピーカーが設置されており、スカートにスリットが見られますが、この後に施工された8両編成では省略されている為、唯一の装備になっています。
回送で池袋線を上る2091F。この編成は2011年度施工で、同年3月15日出場予定でしたが11日午後に発生した東日本大震災の影響で、予定が遅れ26日の出場となりました。上の編成と比較すると、スカート部分が原型のままになっており、スピーカー未設置であることが分かります。
小川駅で未更新車と並ぶ国分寺線で運用中のリニューアル第一陣となった2047F。数少ない6両編成のリニューアル車で、単独で国分寺線の他、2両・4両を増結した8・10両で新宿線・拝島線の運用に入る姿も見られます。
大幅にイメージが変わった車内設備。化粧板や床材は全て交換され、座席は以前のオレンジ系からブルー系に一新し大型袖仕切りを新設、また戸袋窓も閉鎖されています。ドア上にはLEDによる車内案内表示器と戸開予告装置を千鳥に配置し、車内放送は自動化されました。
リニューアルによってサービス水準が大幅に向上した新2000系ですが、西武鉄道では2030年までに保有車両全てのVVVF化を表明しており、それまでに黄色い電車である新2000系・新101系は引退することになってしまいました。この先は置き換えが加速し数を減らして行く事と思いますが、新造車や他社から譲受予定のサステナ車両の件も含め、今後の動向に注視したいですね。