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トレーディングで成功する41の原則から(2)

2005-07-17 08:31:07 | 行動ファイナンス理論など
7月10日の「動機を振り返る3原則」に続いて、今日は行動ファイナンス理論の実践原則から「情報を得る6原則」を引用して思うところを書きました。

(1)情報や分析に対し不注意であってはならない。最初に決めたときとおなじように、慎重に振る舞い続けること。

これは、自分の投資パターンを、ある情報や分析手法に基づき決めているとすれば、そこから外れた投資パターンを取らないこと、とでも言えるだろうか。私の場合、典型的な失敗はスパークスやD3パブリッシャーでした。

スパークスは250Kがボトムとの思いこみで、それ以下の値段でナンピンしていました。たとえテクニカルには一旦手放すべきと分かっていても、値動きを都合良く良い方に解釈をしていました。いわゆる銘柄に惚れていたのです。

D3は萌え銘柄ブームの時、たまたま、マネックスビーンズのマーケットライブというニュース速報のような記事で、この株もその一つであることを知り、早速データ分析を行い押し目があると思って買ってしまいました。その日の引けに随分と下げられておかしいと思いましたが、少し戻したのでそのままにしておきました。その日(金)の場が引けた後に、下方修正のニュースが出ておりました。しかたなく翌週の月曜日には寄りで売りました。
発作的になじみのない銘柄に手をつけても、このような落とし穴があるということの教訓。

そうならないために、今は、ウォッチ株(売買候補)を定期的に見直すこととしておりますが、その時の条件は、①右肩上がりの株であること、②出来高がそれなりに多いこと、③MSCBなど投資家を犠牲にするファイナンスを行わないこと、④成長が見込める業態であること、等を一応の目安にしておりますが、そこから逸脱した銘柄を、思わず買ってしまうこともまだまだあります。LTTバイオに最近こだわり過ぎていることなど、その良い例。

(2)自分の判断や決定(コミットメント)に反する情報を探すこと。同時に、自分の意見に賛同する情報を探すこと。

人は不安になると、自分の意見と同じような情報に頼ってしまう傾向があります。悪いニュースは聞きたくないのです。しかし、それでは単なる思いこみで投資をすることと同じ事になってしまいます。掲示板は雑多な情報が混在しているので、参考までに見ている程度ですが、最近は「情報」や「意見」というよりは、非常に程度が低い投稿や宣伝が増えているので、分割や公募などの情報漏れがないかどうかをざっとタイトルから判断するために、時々眺めるだけにしております。良質なブログを見つければ有効な判断媒体になると思い始めているところ。

(3)情報過多は避けること。重要と思われる情報を選択し、それを集中して分析すること。

個人が情報過多になろうとしても、これはかける時間と人手、そしてシステムの違いから、機関投資家や職業アナリストのプロにかなうわけがありません。これが、私が独自のテクニカル分析にこだわる理由でもあります。相場を取りまく全ての思惑は、結局は日々の数字に表れるものです。しかし、前にも述べたようにテクニカル分析はもちろん万能ではないし、そんなものは作れる訳もありません。しかし、80%方当たればよいと思っております。予期せぬニュースや場全体の急な悪化など不確定要素で上がるはずが下がることはよくあります。しかし、上がろうとしている株は、下げからの反発エネルギーも大きい。そこを読めれば、15日のクリードの底値からの反発にも乗れた筈ですね。

(4)自分のコミットメントとポジションとは無関係な、おなじことをしていない人の情報を求めること。自分のポジション(賭け)をもっている人は、その人にとっての都合のいい情報しかもたらさない。

これは(2)とも関係します。同じことをしていない人の情報を求める、といってもそのような人を探すのが実は大変です。證券会社関係から発信される情報は、いうまでもなく、あまり市場全体にとって悪い話は出さないものです。場が急落する前兆が分かっていても、それでは取引高が縮小し仕事にならないため、「回転が効いているが上値が重くなっている」、などという表現にとどめるのが普通です。そして最後には、「ここを抜ければさらなる高値更新も期待できるであろう」、といった表現を付け加えてバランスを必ずとっているのです。日経の記事のトーンも同じですが、気を付けた方がよいのは、新聞に載るということは、それなりの事態の積み上げがないと記事にならないということです。上がる予兆の段階で新聞ネタになることはまずありません。つまり、話題性を裏付ける事実が積み上がらないと記事にならなりません。ということは、記事が出た段階では、そのニュースはもう旬を過ぎているのが、日々複雑系で動く相場というものではないでしょうか。筆者は豪ドルを少し持っている関係上、ここ2年以上豪ドルに関する日経の記事を目にしてきておりますが、このことを身にしみて実感できております。日経記事と逆の行動をとった方が多くは良い結果が実際に出ているのです。更にいうと、新聞に限らず、メディアは過去に自らが行った予測記事を振り返って反省の記事を載せることは、私は寡聞にして知りません。それをやっていては記事の信憑性がますます失われるからでしょう。ここでも良質なブログなど非公式で利害のないニュースソースに期待するところです。

(5)自分にとって新しく思える情報でも、他の人はすでに知っていて、その情報を折り込んで、今の価格や相場が形成されていることがある。注意すること。

インサイダーでもない限り、自分が知っている情報は、他の人も知っており、その結果、既に株価に織り込まれているという風に考えた方がよいでしょう。そして、注意すべきは、多くの人に知れ渡れば知れ渡るほど、その情報の意味が昂進される(オーバーラン)ということ。つまり、楽観的なニュースはそれが相場では行きすぎる(上がりすぎる)ことであり、逆の悲観的なニュースでは下がりすぎるということ。そこを狙っている方も多い。ローソン参入で下がった九九プラスや、サイバーテロで急落したカカクコムがその良い例。MSCB発行の銘柄もその傾向があるし、業績下方修正ですら、後から下がりすぎが必ず修正されております。この反発タイミングを読むのも、結局はテクニカル分析しかないのではないでしょうか。行き過ぎかどうかを情報で判断するにしても、その情報はもう既に皆に行き渡っているのだから。

(6)自分の意志決定では、そのことの核心が何であるかに集中すること。聞きかじり、ニュース、喧伝(けんでん)される大声のプロパガンダに惑(まど)わされてはならない。

「情報の核心」というのは、なかなかの表現です。先ほどのカカクコムの例では、確かにサイバーテロで一時的な売上は落ちます。ドンキホーテの火災でも、一時的に客足が遠のき売上に影響がでます。しかし、その会社が持っている強みがそれによって損なわれてしまうほどのインパクトがあるかどうかを判断しなければなりません。九九プラスの例でいうと、ローソンが容易にまねができるビジネスモデルならやはり株価調整は長期にわたるだろうし、もし一朝一夕にはまねが出来ないものがあれば、それは、新参者による市場拡大というメリットすら見込めます。これは時間をかけて九九プラスのビジネスを調べなければ、自分で納得できる「情報の核心」をつかむことができません。今のところそこまでの時間をかけてはおりませんが、筆者の経験では、5月24日11時35分の記事でも述べたように、(バイオ)テクノロジーを使った生鮮野菜の生産工場といった方向にいずれは行くので、そこにローソンが目を付けているなら、九九は危ないと見ております。それはバイオ企業をはじめとした異業種との提携や投下資本の総額がものを言うからです。人の行く道と逆の道を行けばいつも勝てるほど相場は甘くないということでもあります。

以上、今日は「情報を得る6原則」を引用し、私のつたない経験を綴った次第。

この項、続く。

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1 コメント

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トランプストライベック (グローバル鉄鋼エンジニア)
2024-12-28 23:19:27
最近はChatGPTや生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタイン物理学のような理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズム人間の思考を模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、中国の文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、トレードオフ関係の全体最適化に関わる様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな科学哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。こういうのは従来の科学技術の一神教的観点でなく日本らしさとも呼べるような多神教的発想と考えられる。
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