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休日のバッハ(7.31.10)

2010-07-31 14:08:46 | 休日のバッハ
今日の休日のバッハは、世俗カンタータ、BWV207の冒頭の合唱です。これは、有名なブランデンブルグ協奏曲第一番の第3楽章を編曲したものですが、それよりも遙かに素晴らしい出来映えです。バッハは、このカンタータの中で、各声部に次のような意味を持たせております。

 ソプラノ(幸福)、アルト(感謝)、テノール(勤勉)、バス(栄誉)です。

このところ、短調の悲哀感溢れる曲ばかりご紹介しましたので、今日は、明るい祝祭の音楽をご紹介します。

演奏は、グスタフ・レオンハルト指揮で、カフェ・ツィマーマンの古楽器による弦楽合奏とベルサイユ・バロック音楽センターの合唱です。

実は、レオンハルト(1928年生まれ)は、今生きている指揮者の中では、筆者が最も好きな指揮者の一人です。テンポはゆったりとしておりますが、その歯切れの良い重厚な指揮ぶりは、カフェ・ツィマーマンの古楽器による演奏と相俟って、このカンタータの演奏としては最優秀の部類に入るかと思います。

上述の、幸福、感謝、勤勉、栄誉は、今も昔も変わらぬ人生の意味と考えても良いのではないのでしょうか。

日々生きていること自体が幸福であり、何か勤勉に努めることがあって周りから感謝され、それ自体を密かな栄誉として自分自身が受け止め、最初の幸福に戻るといった円環です。

この曲を聴いていると実に幸福な気分になります。


いつものようにここをクリックして、ウィンドウズ・メディア・プレイヤーでお聴き下さい。

期間限定の公開です。

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2 コメント

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日々生きていること自体が (七廻り)
2010-08-01 14:10:28
灼熱の上海で仕事をしております。貴殿の「日々生きていること自体が・・」という襟を正した真実が実感できる年齢となりました。とはいえ、日々、口をついて放たれる他人への言葉は、つい、愛情のかけらもない横暴なエゴがむき出しになってしまいます。日曜の昼下がり、手帳にメモさせていただきました。
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日々生きていることの不幸も (mariomari)
2010-08-01 18:18:03
七廻りさん、上海からコメントありがとうございました。

そうは書きましたが、世の中の現実はこうした幸福の円環に収まらないことも、ままありますね。

家人が家で寝たっきりの時、彼女にとっての世界は30センチ角の空間でした。そこに壁掛けテレビを設置はしましたが、ひとときの慰みにしかならず、「こんな状態で、これ以上生きろって言うことは一体何なの!!」という叫びにも似た訴えには返す言葉がありませんでした。

生きていること自体が「不幸」であることもあるという事実に対して、我々は無力なのでしょうか。
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