団塊世代おじさんの日常生活

夏 日本で二番目に気温が高く、陶器と虎渓山と修道院で知られる多治見市の出身です。

苦労や悲しみ、不幸といった『影』があって初めて、幸せが分かるんです。

2017-06-26 05:41:07 | 日記
 中日新聞の考える広場という欄に「終活しますか?」というタイトルで特集が組まれていました。
3人の著名人の方が終活について書かれていました。

 私が尊敬するひろさちやさん「仏教思想家)さんの考えを取り上げさせていただきます。
「お浄土への心構えを」というタイトルで話されています。

 私は今八十歳ですが、いわゆる「終活」は何もしていません。
子どもには「お父さんが死んだら、お骨はどうしてもいいよ」と言っています。
私は死んだ瞬間に極楽浄土に行き、阿弥陀仏の弟子になると信じています。
物質などどうでもいいのです、私にとっては。
それが信仰です。

 人生には二つの物差しがあります。
一つは「世間の物差し」。
金持ちや優等生は良くて、貧乏人や劣等生は悪い。
悪い人間には存在価値がないという物差し。
終活している人は、世間の物差しで一生懸命やっている。
死後の自分を良く見せたいとの願望はありませんか。
「もういいじゃないか」というのが私の意見ですね。

 もう一つは「仏様の物差し」。
金持ちでも貧乏人でも、優等生でも劣等生でもいいんだよという物差しです。
「じたばたするな。死後のことは仏様にお任せしておけばいい」。
私が信仰する浄土宗では、阿弥陀仏が金持ちも貧乏人も、悪人も善人も、
優等生も劣等生もみんな迎えてやるよ、そのまんまでいいんですよと言っています。

 遺言状があれば、うまく行きますか。
かえって家族がもめる。
「こうしてほしい」というのはエゴイストだと思います。
遺言やエンディングノートがなくても、「死んだら、よろしく頼むね」
とだけ言っとけばいいんです。

 仏様を信じ、お任せするのが仏教。
日本人の多くは「皆さんそうしているから」と世間の物差しだけで物を考えている。
「就活なんておやめなさい」(青春プレイブックス)という本を出したら、
お坊さんからは「営業妨害だ」と言われました。

 母が2012年に96歳で世を去りました。
その数年前に「お浄土へのお土産は準備した?」と聞いた。
母は「お土産って何を?」と言う。
私は「美しい思い出を持っていくんだよ」と答えました。
お浄土は光ばかりの世界。
光ばかりでは物が見えない。
影があることで物が見えるんです。
美しい思い出とは「影」です。
苦労や悲しみ、不幸といった「影」があって初めて、幸せが分かるんです。
それを持っていく。
そう言ったら母は嬉しそうに「ありがとう」と言いました。

 真の終活は、お浄土に持っていくお土産の準備や、
お浄土に行く心構えづくりだと思います。
それこそが仏様の物差しです。


 以上です。

 私は都合の良い時だけ神様・仏様を信じる者ですので信仰心はないです。(苦笑)


 「私は『美しい思い出を持っていくんだよ』と答えました。
お浄土は光ばかりの世界。
光ばかりでは物が見えない。
影があることで物が見えるんです。
美しい思い出とは「影」です。
苦労や悲しみ、不幸といった『影』があって初めて、幸せが分かるんです。
それを持っていく。」

 この言葉には感銘を受けました。
苦労や悲しみという影があって、初めて幸せが分かる。
なるほど、これが美しい思い出なのかと思いました。

 ひろさちやさんはエンディングノートはいらないと言われましたが、私は世間の物差しのために
エンディングノートが必要だとは思っていません。
死んだ後の処理を子供達に委託するので、子供達がやりやすいようにエンディングノートを書かなければと
思っています。
私の要望ではなく、伝えておかなければいけないことを書くということでしょうね。

 あまり世間の物差しは気にしていません。
そのように思う方が増えたから、家族葬が増えたように思っています。






Sadao Wtanabe・My Country(緑で潤う清澄の庭)
コメント (15)
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