*まずひとつめ。
朝の8時45分から始まる合唱伴奏。あれ?ローラは?
ローラは指揮者ダリルのアシスタントとして、今年度(こちらでいう2008年9月から2009年6月まで)から合唱クラスに加わってきた女性です。
年はわたしと同じぐらい、年季入ってます。
なんというか、感情豊かな人で、感激屋さんで、よく響く声の持ち主。女子のソプラノパートで生徒達と一緒に歌い、分からない子の助けをする。それが仕事です。
あとひとり、アンジェラは、まだ多分30代そこそこ。彼女はもう何年も前からダリルのアシスタントをしています。彼女はアルトパートで歌っています。
昨日のことでした。生徒達が歌っている最中に、ローラとアンジェラがなにやら話し始めたんです。
そういうことは今まで一度も無かったので、生徒達もわたしも、それからダリルも、チラチラと様子を伺いながら歌い続けていました。
すると、いきなり表情が険しくなったローラが前のめりになってアンジェラに怒り出し、そのままスタスタと練習場から出て行っちゃったんです。
え?どしたんどしたん?
でもまあ、ダリルは指揮を止めないし、なのでわたしもピアノを弾き続け、とりあえずその後も練習は続きました。
その間にも、ローラは入ってきてはまた出て行くを繰り返し、最後にはドアをバタンと派手な音をたてて姿を消したのでした。
練習が終わり、生徒達がそれぞれ次の授業に行った後、ダリルが話してくれたことにゃ……、
「先週の木曜に、僕が休んだ時の練習の代行、アンジェラに頼んだのがマズかったみたいだな」
「へ?」
「曲の小節番号とか書いたメモ、まうみも見ただろ?あれをなんでアンジェラに渡したのかっていうことらしい」
「ふぅ~ん……」
「けど、アンジェラに頼んでた時、ローラも居て話を聞いてたからさ……。まあ、それでも僕の言葉が足りなかったっつぅこと。僕の失敗」
「でも……そのメモ見て教えたの、わたしやってんけど……」
「知ってる」
「んで、その時もローラは居ててんけど……」
「その通り」
「アンジェラは指揮することもできひんから、わたしがピアノでテンポとって、曲想とかリピート記号のこととか、そういうの全部わたしが教えて、アンジェラはローラと同じように歌ってただけやったよ」
「知ってる」
「んじゃ、なにがあかんかったん?」
「生徒の前に立ったのがアンジェラだってこと」
ローラは、自分はファーストアシスタントで、アンジェラはセカンドだと位置づけていて、ファーストである自分が蔑ろにされたと怒り心頭に達し、そのリハーサルがあった夜に、校長に抗議の電話をかけたそうです。
そして一夜明け、金曜日になり、きっと自分の意見は重要視され、職員会で検討された上、ダリルとアンジェラになにがしかの注意が与えられているだろうと。
ところが、校長からはなんの話も無く、なのでダリルもアンジェラも何も知らないままその日が終わり、今日の練習を迎えたのでした。
彼女はとてもプライドが高く、昔はピアニストだったんだけど精神的な問題があって今はピアノを弾く事ができないそうです。
でも……彼女……楽譜あんまり読めないんだけどなあ……。っていうか、音程が取れないんですよね。
まあ、ある意味ミステリアスな過去を持つ、情緒豊かな女性なんですが、今回のことに限っては、やることがあまりにも幼稚なので笑ってしまいました。
腹が立つのは仕方が無いにしても、自分の言い分を相手に伝え、相手の言い分も聞き、その上でどうしてああいうことになったのか、それを互いに考えないと。
今朝、ローラがダリルのところに来て、とりあえず退場の仕方はまずかったと謝ったそうです。
でも、ダリルがその時、「あなたが謝らなければならないのは僕なんかじゃなくて、これからサポートが無くなる生徒達だと思うんだけど」と言った途端、
「わたしは被害者なの!こんなに傷ついて、本当は謝る必要なんか無かったのに謝って……これ以上わたしに何をしろって言うの!」とまたキレたそうです。
ビックリだわ。
*そしてふたつめ。
練習が終わってからピラテスのクラスに行きました。
いつものようにひぃひぃ言いながらクラスを終え、いつものようにもうちょっと汗をかくためにエクササイズマシーンに直行。
そこでもまたまた真っ赤な金太郎顔になって、そろそろ終わろうかと言う時に、わたしの名前がいきなり場内アナウンスで流れました?!
慌てて貸しタオルだの、水ボトルだの、ヨガマットだのを抱え込んで受付カウンターに走って行くと、
「あ~来た来た、まうみ?ねえ、わたし、あなたの名前、ちゃんとうまく発音できてた?え?そう?じゃあ良かったわ、きれいな名前ねえ、ほんとに」
「んで、なんでしょか?」(←名前のことはどうでもええから、早よ用件言うてぇな~とイラつくわたし……)
「なんでしょかってあなた、なんか足りないものなぁ~い?」
「え?」
カウンターの内側にいる女性3人、なにやら意味深なニヤニヤ笑いです。
「あっ!!」
「でしょ~!!」
ピラテスクラスの部屋に、思いっきりバッグを置いてきてしまっていたのでした!ガッビィ~ン!
よくもまあ無事で……このアメリカで……財布もカードも家と車の鍵も携帯も、ほんでもって生理緊急時セットも、みぃ~んなそのままちゃんと入っておりました。
ビックリしつつ感謝!
*とどめのみっつめ。
不動産屋のエージェントデブラから電話がかかってきました。
「あのねえ、向こうのエージェントから聞いたんだけど、あなた達から要望が出てた件、もうほとんど終わってるんだって」
「なぬぅ~?!」
いや、そりゃ無いっしょ。だって、そういうのって弁護士同士の話が決着して、工事とかがいつから始まるとかいつ頃終わるとか、こっちはそういうのを聞きながら、最終的なローンを組んだり、引っ越し会社に頼んだり、今住んでる家の大家さんに報告したりしていくんでしょ?
そんな、いきなりハイ終わりました!って言われても……。
明日、ステュアートに事の次第をきちんと調べてもらうことにしました。
でも、なんだかかなり現実っぽくなってきたような気がします。
ああビックリした。
朝の8時45分から始まる合唱伴奏。あれ?ローラは?
ローラは指揮者ダリルのアシスタントとして、今年度(こちらでいう2008年9月から2009年6月まで)から合唱クラスに加わってきた女性です。
年はわたしと同じぐらい、年季入ってます。
なんというか、感情豊かな人で、感激屋さんで、よく響く声の持ち主。女子のソプラノパートで生徒達と一緒に歌い、分からない子の助けをする。それが仕事です。
あとひとり、アンジェラは、まだ多分30代そこそこ。彼女はもう何年も前からダリルのアシスタントをしています。彼女はアルトパートで歌っています。
昨日のことでした。生徒達が歌っている最中に、ローラとアンジェラがなにやら話し始めたんです。
そういうことは今まで一度も無かったので、生徒達もわたしも、それからダリルも、チラチラと様子を伺いながら歌い続けていました。
すると、いきなり表情が険しくなったローラが前のめりになってアンジェラに怒り出し、そのままスタスタと練習場から出て行っちゃったんです。
え?どしたんどしたん?
でもまあ、ダリルは指揮を止めないし、なのでわたしもピアノを弾き続け、とりあえずその後も練習は続きました。
その間にも、ローラは入ってきてはまた出て行くを繰り返し、最後にはドアをバタンと派手な音をたてて姿を消したのでした。
練習が終わり、生徒達がそれぞれ次の授業に行った後、ダリルが話してくれたことにゃ……、
「先週の木曜に、僕が休んだ時の練習の代行、アンジェラに頼んだのがマズかったみたいだな」
「へ?」
「曲の小節番号とか書いたメモ、まうみも見ただろ?あれをなんでアンジェラに渡したのかっていうことらしい」
「ふぅ~ん……」
「けど、アンジェラに頼んでた時、ローラも居て話を聞いてたからさ……。まあ、それでも僕の言葉が足りなかったっつぅこと。僕の失敗」
「でも……そのメモ見て教えたの、わたしやってんけど……」
「知ってる」
「んで、その時もローラは居ててんけど……」
「その通り」
「アンジェラは指揮することもできひんから、わたしがピアノでテンポとって、曲想とかリピート記号のこととか、そういうの全部わたしが教えて、アンジェラはローラと同じように歌ってただけやったよ」
「知ってる」
「んじゃ、なにがあかんかったん?」
「生徒の前に立ったのがアンジェラだってこと」
ローラは、自分はファーストアシスタントで、アンジェラはセカンドだと位置づけていて、ファーストである自分が蔑ろにされたと怒り心頭に達し、そのリハーサルがあった夜に、校長に抗議の電話をかけたそうです。
そして一夜明け、金曜日になり、きっと自分の意見は重要視され、職員会で検討された上、ダリルとアンジェラになにがしかの注意が与えられているだろうと。
ところが、校長からはなんの話も無く、なのでダリルもアンジェラも何も知らないままその日が終わり、今日の練習を迎えたのでした。
彼女はとてもプライドが高く、昔はピアニストだったんだけど精神的な問題があって今はピアノを弾く事ができないそうです。
でも……彼女……楽譜あんまり読めないんだけどなあ……。っていうか、音程が取れないんですよね。
まあ、ある意味ミステリアスな過去を持つ、情緒豊かな女性なんですが、今回のことに限っては、やることがあまりにも幼稚なので笑ってしまいました。
腹が立つのは仕方が無いにしても、自分の言い分を相手に伝え、相手の言い分も聞き、その上でどうしてああいうことになったのか、それを互いに考えないと。
今朝、ローラがダリルのところに来て、とりあえず退場の仕方はまずかったと謝ったそうです。
でも、ダリルがその時、「あなたが謝らなければならないのは僕なんかじゃなくて、これからサポートが無くなる生徒達だと思うんだけど」と言った途端、
「わたしは被害者なの!こんなに傷ついて、本当は謝る必要なんか無かったのに謝って……これ以上わたしに何をしろって言うの!」とまたキレたそうです。
ビックリだわ。
*そしてふたつめ。
練習が終わってからピラテスのクラスに行きました。
いつものようにひぃひぃ言いながらクラスを終え、いつものようにもうちょっと汗をかくためにエクササイズマシーンに直行。
そこでもまたまた真っ赤な金太郎顔になって、そろそろ終わろうかと言う時に、わたしの名前がいきなり場内アナウンスで流れました?!
慌てて貸しタオルだの、水ボトルだの、ヨガマットだのを抱え込んで受付カウンターに走って行くと、
「あ~来た来た、まうみ?ねえ、わたし、あなたの名前、ちゃんとうまく発音できてた?え?そう?じゃあ良かったわ、きれいな名前ねえ、ほんとに」
「んで、なんでしょか?」(←名前のことはどうでもええから、早よ用件言うてぇな~とイラつくわたし……)
「なんでしょかってあなた、なんか足りないものなぁ~い?」
「え?」
カウンターの内側にいる女性3人、なにやら意味深なニヤニヤ笑いです。
「あっ!!」
「でしょ~!!」
ピラテスクラスの部屋に、思いっきりバッグを置いてきてしまっていたのでした!ガッビィ~ン!
よくもまあ無事で……このアメリカで……財布もカードも家と車の鍵も携帯も、ほんでもって生理緊急時セットも、みぃ~んなそのままちゃんと入っておりました。
ビックリしつつ感謝!
*とどめのみっつめ。
不動産屋のエージェントデブラから電話がかかってきました。
「あのねえ、向こうのエージェントから聞いたんだけど、あなた達から要望が出てた件、もうほとんど終わってるんだって」
「なぬぅ~?!」
いや、そりゃ無いっしょ。だって、そういうのって弁護士同士の話が決着して、工事とかがいつから始まるとかいつ頃終わるとか、こっちはそういうのを聞きながら、最終的なローンを組んだり、引っ越し会社に頼んだり、今住んでる家の大家さんに報告したりしていくんでしょ?
そんな、いきなりハイ終わりました!って言われても……。
明日、ステュアートに事の次第をきちんと調べてもらうことにしました。
でも、なんだかかなり現実っぽくなってきたような気がします。
ああビックリした。