山田孝男さんが書いてはる『風知草』というコラムが、今朝のツィッターで流されまくってた。
題して『小泉純一郎の「原発ゼロ」』
え???
なんかなあ……スッと受け入れられへんのはなんでやろ。
TPPかな?
これまでも、折に触れて脱原発を発信してきたって……ほんま?
そもそも、なんで今なんやろ?
わからんわからんわからん。
そらね、コラムの中での彼の発言は、原発廃棄を訴えてるわたしにも、小気味良かったわ。
けど、小気味良すぎて、かえってほんまのことには思えんわ。
ちゅうか、本気ならまず、日米原子力協定をなんとかして。
日本が原発ゼロにしようがしまいが、核兵器やの使用済み核燃料の始末やの、どうしようもないもん全部押し付けられ続けるねんから。
一応、参考に。
↓
『BLOGOS』の2011年11月19日に載った、天木直人氏の記事から、ちょっと抜粋させてもらいます。
TPPに賛成する小泉進次郎を軸とした政界再編の臭い
前略
財界は今でも、小泉純一郎の食い扶持の面倒を見ているほど、小泉父子とは対米従属で一致している。
そこに、政界再編の臭いを感じ取る。
小泉純一郎が親ばかを覚悟で、息子を世襲議員にしたまではよかったが、野党暮らしでは意味がない。
そして、今の自民党にとどまる限り、小泉進次郎の将来はない。(これは2011年11月現在のこと)
政権政党の議員にならない限り、世襲した甲斐はない。
今のままでは、自民党の政権獲得は困難であり、たとえ政権をとっても、長続きする保証はない。
安定政権の唯一の可能性は、自民と民主をTPP賛成(対米従属)と、慎重対米自立、アジア重視)の二つに割って、
TPP賛成の対米従属「みんなの党」を取り込んで、TPP賛成政党で過半数をとることだ。
それを、財界、官僚、メディアが応援する、ということだ。
そうなれば、TPP反対の自民、民主の議員たちは吹っ飛んでしまう。
もちろん小沢もだ。
共産党、社民党、国民新党などは消えていく。
公明党はいつもの通り、政権政党と連立を組む。
数合わせの雑魚議員は皆、ひれ伏してついてくる。
私が小泉純一郎であればそう考える。
もっともわかりやすい、政界再編のシナリオである。
と、この内容を頭の隅っこに置きながら、これから書き起こした記事を読んでみてほしい。
小泉純一郎の「原発ゼロ」
【風知草】山田孝男
脱原発、行って納得、見て確信ーー。
今月中旬、脱原発のドイツと、原発推進のフィンランドを視察した小泉純一郎元首相(71)の感想は、それに尽きる。
三菱重工業、東芝、日立製作所の原発担当幹部とゼネコン幹部、計5名が同行した。
道中、ある者の幹部が、小泉にささやいた。
「あなたは影響力がある。考えを変えて、我々の味方になってくれませんか」
小泉が答えた。
「オレの今までの人生経験から言うとね、重要な問題ってのは、10人いて3人が賛成すれば、2人は反対で、
後の5人は『どっちでもいい』というようなケースが多いんだよ」
「いま、オレが現役に戻って、態度未定の国会議員を説得するとしてね、『原発は必要』という線でまとめる自信はない。
今回いろいろ見て、『原発ゼロ』という方向なら説得できると思ったな。
ますますその自信が深まったよ」
3.11以来、折に触れて脱原発を発信してきた自民党の元首相と、原発護持を求める産業界主流の、さりげなく見えて真剣な探り合いの一幕だった。
呉越同舟の旅の伏線は4月、経団連企業トップと小泉が参加したシンポジウムにあった。
経営者が口々に、原発維持を求めた後、小泉が「ダメだ」と一喝、一座がシュンとなった。
その直後、小泉は、フィンランドの核廃棄物最終処分場『オンカロ』見学を思い立つ。
自然エネルギーの地産地消が進むドイツも見る旅程。
原発関連企業に声をかけると反応がよく、原発に対する賛否を超えた視察団が編成された。
原発が『トイレなきマンション』である。
どの国も、核廃棄物最終処分場(=トイレ)を造りたいが、危険施設だから引き受け手がない。
『オンカロ』は世界で唯一、着工された最終処分場だ。
2020年から一部で利用が始まる。
原発の使用済み核燃料を10万年、『オンカロ』の地中深く保管して毒性を抜くという。
人類史上、それほどの歳月に耐えた構造物は、存在しない。
10万年どころか、100年後の地球と人類のありようさえ想像を超えるのに、現在の知識と技術で、超危険物を埋めることが許されるのか。
帰国した小泉に、感想を聞く機会があった。
ーーどう見ました?
「10万年だよ。300年後に考える(見直す)っていうんだけど、みんな死んでるよ。
日本の場合、そもそも捨て場所がない。
原発ゼロしかないよ」
ーー今すぐゼロが暴論、という声が優勢ですが。
「逆だよ、逆。
今ゼロという方針を打ち出さないと、将来ゼロにするのは難しいんだよ。
野党はみんな、原発ゼロに賛成だ。
総理が決断すりゃできる。
あとは知恵者が知恵を出す」
「戦はシンガリ(退却軍の最後尾で、敵の追撃を防ぐ部隊)がいちばん難しいんだよ。撤退が」
「昭和の戦争だって、満州(中国東北部)から撤退すればいいのに、できなかった。
『原発を失ったら経済成長できない』と、経済界は言うけど、そんなことないね。
昔も『満州は日本の生命線』と言ったけど、満州を失ったって、日本は発展したじゃないか」
「必要は発明の母って言うだろ?
敗戦、石油ショック、東日本大震災。
ピンチはチャンス。
自然を資源にする循環型社会を、日本がつくりゃいい」
もとより脱原発の私は、小気味よく聞いた。
原発護持は、小泉節といえども受け入れまい。
5割の態度未定者にこそ、知っていただきたいと思う。
(敬称略)
↑以上、書き起こしおわり
書き起こしてる間に、どんどん虚しくなってきた。
やっぱりこの人、調子のええことポンポン言うけど、中身に具体性も決意も無いわ。
ただひとつ、総理に『脱原発』を決断させたるっちゅうのなら、その件だけは支持する。
けど、その前に、米国との協定の廃棄。
それ無しで調子のええことだけ言わんといてもらいたい。
追記
原発推進といわれてるフィンランドやけど、日本のノリで考えん方がええと思う。
↓これは、ずっと前に、どっかの新聞の記事で読んだもの。
そこからほんの一部やけど、抜粋して載せときます。
「原発推進の旗手」というイメージのその国を初めて訪れて、強い印象を受けたことが二つある。
使用済み燃料の再処理はしないと、とっくに決めていること。
そして、使用済み燃料は輸出も輸入もしないとまず決めて、そこから国内での最終処分場探しを始めて、場所決定に至っていることだ。
関係者の話を聞くと、「推進」でも「脱」でもない、現実主義者の像が浮かび上がってきた。
人類が生んだ、最も危険な、廃棄物の最終処分場「オンカロ」を知っているか?
私たち人類には、このまま原発を一生稼働させても、仮に原発をやめ全廃しても、絶対に解決しなければならない問題が残されている。
それは、放射性廃棄物の処分問題だ。
現在のところ、きわめて安定した地層の地下深くに格納するのが、唯一の解決法とされている。
こうした中、世界で初めて、フィンランドが、格納場所を決定し作業が進んでいる。
「オンカロ」と呼ばれるその施設は、フィンランドのオルキルオト島に存在する。
フィンランド語で「隠し場所」を意味する、世界で唯一の、高レベル放射性廃棄物の最終処分場だ。
「オンカロ」は、地下およそ520メートルの深さまでトンネルを掘り、そこから横穴を広げ、放射性廃棄物を処分していくという。
2020年までに運用を開始し、その後2120年頃までの100年間にわたり、埋設処分に利用される予定となっており、
100年後に施設が満杯になった後は、道を埋めて完全に封鎖する。
使用済み核燃料に含まれるプルトニウムの半減期は、2万4000年。
生物にとって安全なレベルまで放射能が下がるには、およそ10万年の月日を要するという。
それまでの間、10万年にわたって、「オンカロ」は地下に封鎖され続ける。
「オンカロ」は、廃棄されたものを無害なものに処理するとか、何かするというものではなく、
安全に隔離し、少しづつ放射性廃棄物の危険が弱くなっていくことを待っているだけ。
ただ、そこに隠しておくだけの施設だ。
安全に隔離しておくというと聞こえは良いが、
「今は処理できる技術はないけど、将来研究が進めば処理できるよね?」
「そうだね」
「たぶん誰か考えてくれるよ」といった具合に、10万年後の人類に責任を押し付ける施設ともいえる。
そんな「オンカロ」だが、日本には存在しない。
青森県の六ケ所村に、中間貯蔵施設があるが、最終的に放射性廃棄物の処理をする施設ではない。
「オンカロ」に携わった学者たちは、
「不安定で地層処理のできない日本は、最終廃棄物処理場が作れない国だ」と述べたという。
「現在の科学では、放射性廃棄物の処理は地層処理しかない、といわれているが、
地層処理場ができないのに、原子力を持っている国である日本は、火山があり地震があり、常に地層が安定しない。
中華料理の回転テーブルの上に、放射性廃棄物を置いたようなもので、いつ動くか解らない」
日本は、そういう状況にあるのだという。
続けても、全廃しても、大きな壁が立ちはだかる私たち日本。
最終的な選択肢は、
「どこかの外国にお願いする」か、
「高レベル放射性廃棄物を、無害なものに処理できる技術」を研究するしかない……。
「反原発デモ」が、解決策のないただのワガママとなってしまわないよう、
世界で唯一、「高レベル放射性廃棄物を無害なものに処理できる技術」を、持つ国になって欲しいと願う。
↑以上、転載おわり
*付け足し
実は昨日、ここまで書いて寝た。
今朝起きて、この記事を読んでくれはった人たちからの、短い感想を読んで気がついた。
この、上記に載っけたオンカロに対する記事の最後の文章、「反原発デモ」が解決策のないただのワガママとなってしまわないよう、というのに、
書きながらなんか、うん?と思た自分を思い出した。
原発を反対する。
日本のすべての原発を廃棄し、核燃料の冷却に一日も早くとりかかり、次の巨大地震に備える。
そのことを訴えていく運動に、高レベル放射性廃棄物の無害化技術をセットにせなあかんやなんて、いったいどこまで人任せなん?
ぺてんうるふさんという方がこんなふうに言うてはった。
ワガママは「処理方法がないから核廃棄物を増やすな」という脱原発派ではなく、「処理方法はないけどもっと核廃棄物を増やせ」と主張する原発推進派だろう。
100年、10万年とか、自分の生きてるうちに解決しようがないだけやなく、とんでもない危険を強いる物を押し付ける無責任さが生み出すものは、
地球破壊や傷害、ひどい時には致死に至る犯罪やないのか?
世界で唯一、「高レベル放射能廃棄物を無害なものに処理できる技術」など、持てるもんならもうとっくの昔に持ってる。
これだけは、どんだけ人類が望んでも、必死で取り組んでも、叶わんことやったと認める勇気と常識と責任感を持つしかない。
オンカロを日本の国土に作るわけにはいかんのやから。
こんなちっちゃい領土に、しかも地震大国に、世界で3番目に多い数の原発を建てた無責任と非常識。
これは、世界に向けてどんだけ謝っても悔いてもキリが無い愚行。
せめて、すでにそのうちの4基が大事故を起こし、地球を汚して迷惑かけてる国として、
「目が覚めました。原発はすべて廃炉にし、すみやかに燃料の冷却と安全な状態にして保管することに全力を尽くします」
と宣言できるまともな首相が現れて、その通りのことが実現されるまで、反原発運動をやめるわけにはいかん。
それが、原発を、札束でひっぱたかれながら受け入れてきてしもた、あるいは自らすすんで受け入れてきた人らと同じ国に暮らす(暮らしてた)人間としての想い。
題して『小泉純一郎の「原発ゼロ」』
え???
なんかなあ……スッと受け入れられへんのはなんでやろ。
TPPかな?
これまでも、折に触れて脱原発を発信してきたって……ほんま?
そもそも、なんで今なんやろ?
わからんわからんわからん。
そらね、コラムの中での彼の発言は、原発廃棄を訴えてるわたしにも、小気味良かったわ。
けど、小気味良すぎて、かえってほんまのことには思えんわ。
ちゅうか、本気ならまず、日米原子力協定をなんとかして。
日本が原発ゼロにしようがしまいが、核兵器やの使用済み核燃料の始末やの、どうしようもないもん全部押し付けられ続けるねんから。
一応、参考に。
↓
『BLOGOS』の2011年11月19日に載った、天木直人氏の記事から、ちょっと抜粋させてもらいます。
TPPに賛成する小泉進次郎を軸とした政界再編の臭い
前略
財界は今でも、小泉純一郎の食い扶持の面倒を見ているほど、小泉父子とは対米従属で一致している。
そこに、政界再編の臭いを感じ取る。
小泉純一郎が親ばかを覚悟で、息子を世襲議員にしたまではよかったが、野党暮らしでは意味がない。
そして、今の自民党にとどまる限り、小泉進次郎の将来はない。(これは2011年11月現在のこと)
政権政党の議員にならない限り、世襲した甲斐はない。
今のままでは、自民党の政権獲得は困難であり、たとえ政権をとっても、長続きする保証はない。
安定政権の唯一の可能性は、自民と民主をTPP賛成(対米従属)と、慎重対米自立、アジア重視)の二つに割って、
TPP賛成の対米従属「みんなの党」を取り込んで、TPP賛成政党で過半数をとることだ。
それを、財界、官僚、メディアが応援する、ということだ。
そうなれば、TPP反対の自民、民主の議員たちは吹っ飛んでしまう。
もちろん小沢もだ。
共産党、社民党、国民新党などは消えていく。
公明党はいつもの通り、政権政党と連立を組む。
数合わせの雑魚議員は皆、ひれ伏してついてくる。
私が小泉純一郎であればそう考える。
もっともわかりやすい、政界再編のシナリオである。
と、この内容を頭の隅っこに置きながら、これから書き起こした記事を読んでみてほしい。
小泉純一郎の「原発ゼロ」
【風知草】山田孝男
脱原発、行って納得、見て確信ーー。
今月中旬、脱原発のドイツと、原発推進のフィンランドを視察した小泉純一郎元首相(71)の感想は、それに尽きる。
三菱重工業、東芝、日立製作所の原発担当幹部とゼネコン幹部、計5名が同行した。
道中、ある者の幹部が、小泉にささやいた。
「あなたは影響力がある。考えを変えて、我々の味方になってくれませんか」
小泉が答えた。
「オレの今までの人生経験から言うとね、重要な問題ってのは、10人いて3人が賛成すれば、2人は反対で、
後の5人は『どっちでもいい』というようなケースが多いんだよ」
「いま、オレが現役に戻って、態度未定の国会議員を説得するとしてね、『原発は必要』という線でまとめる自信はない。
今回いろいろ見て、『原発ゼロ』という方向なら説得できると思ったな。
ますますその自信が深まったよ」
3.11以来、折に触れて脱原発を発信してきた自民党の元首相と、原発護持を求める産業界主流の、さりげなく見えて真剣な探り合いの一幕だった。
呉越同舟の旅の伏線は4月、経団連企業トップと小泉が参加したシンポジウムにあった。
経営者が口々に、原発維持を求めた後、小泉が「ダメだ」と一喝、一座がシュンとなった。
その直後、小泉は、フィンランドの核廃棄物最終処分場『オンカロ』見学を思い立つ。
自然エネルギーの地産地消が進むドイツも見る旅程。
原発関連企業に声をかけると反応がよく、原発に対する賛否を超えた視察団が編成された。
原発が『トイレなきマンション』である。
どの国も、核廃棄物最終処分場(=トイレ)を造りたいが、危険施設だから引き受け手がない。
『オンカロ』は世界で唯一、着工された最終処分場だ。
2020年から一部で利用が始まる。
原発の使用済み核燃料を10万年、『オンカロ』の地中深く保管して毒性を抜くという。
人類史上、それほどの歳月に耐えた構造物は、存在しない。
10万年どころか、100年後の地球と人類のありようさえ想像を超えるのに、現在の知識と技術で、超危険物を埋めることが許されるのか。
帰国した小泉に、感想を聞く機会があった。
ーーどう見ました?
「10万年だよ。300年後に考える(見直す)っていうんだけど、みんな死んでるよ。
日本の場合、そもそも捨て場所がない。
原発ゼロしかないよ」
ーー今すぐゼロが暴論、という声が優勢ですが。
「逆だよ、逆。
今ゼロという方針を打ち出さないと、将来ゼロにするのは難しいんだよ。
野党はみんな、原発ゼロに賛成だ。
総理が決断すりゃできる。
あとは知恵者が知恵を出す」
「戦はシンガリ(退却軍の最後尾で、敵の追撃を防ぐ部隊)がいちばん難しいんだよ。撤退が」
「昭和の戦争だって、満州(中国東北部)から撤退すればいいのに、できなかった。
『原発を失ったら経済成長できない』と、経済界は言うけど、そんなことないね。
昔も『満州は日本の生命線』と言ったけど、満州を失ったって、日本は発展したじゃないか」
「必要は発明の母って言うだろ?
敗戦、石油ショック、東日本大震災。
ピンチはチャンス。
自然を資源にする循環型社会を、日本がつくりゃいい」
もとより脱原発の私は、小気味よく聞いた。
原発護持は、小泉節といえども受け入れまい。
5割の態度未定者にこそ、知っていただきたいと思う。
(敬称略)
↑以上、書き起こしおわり
書き起こしてる間に、どんどん虚しくなってきた。
やっぱりこの人、調子のええことポンポン言うけど、中身に具体性も決意も無いわ。
ただひとつ、総理に『脱原発』を決断させたるっちゅうのなら、その件だけは支持する。
けど、その前に、米国との協定の廃棄。
それ無しで調子のええことだけ言わんといてもらいたい。
追記
原発推進といわれてるフィンランドやけど、日本のノリで考えん方がええと思う。
↓これは、ずっと前に、どっかの新聞の記事で読んだもの。
そこからほんの一部やけど、抜粋して載せときます。
「原発推進の旗手」というイメージのその国を初めて訪れて、強い印象を受けたことが二つある。
使用済み燃料の再処理はしないと、とっくに決めていること。
そして、使用済み燃料は輸出も輸入もしないとまず決めて、そこから国内での最終処分場探しを始めて、場所決定に至っていることだ。
関係者の話を聞くと、「推進」でも「脱」でもない、現実主義者の像が浮かび上がってきた。
人類が生んだ、最も危険な、廃棄物の最終処分場「オンカロ」を知っているか?
私たち人類には、このまま原発を一生稼働させても、仮に原発をやめ全廃しても、絶対に解決しなければならない問題が残されている。
それは、放射性廃棄物の処分問題だ。
現在のところ、きわめて安定した地層の地下深くに格納するのが、唯一の解決法とされている。
こうした中、世界で初めて、フィンランドが、格納場所を決定し作業が進んでいる。
「オンカロ」と呼ばれるその施設は、フィンランドのオルキルオト島に存在する。
フィンランド語で「隠し場所」を意味する、世界で唯一の、高レベル放射性廃棄物の最終処分場だ。
「オンカロ」は、地下およそ520メートルの深さまでトンネルを掘り、そこから横穴を広げ、放射性廃棄物を処分していくという。
2020年までに運用を開始し、その後2120年頃までの100年間にわたり、埋設処分に利用される予定となっており、
100年後に施設が満杯になった後は、道を埋めて完全に封鎖する。
使用済み核燃料に含まれるプルトニウムの半減期は、2万4000年。
生物にとって安全なレベルまで放射能が下がるには、およそ10万年の月日を要するという。
それまでの間、10万年にわたって、「オンカロ」は地下に封鎖され続ける。
「オンカロ」は、廃棄されたものを無害なものに処理するとか、何かするというものではなく、
安全に隔離し、少しづつ放射性廃棄物の危険が弱くなっていくことを待っているだけ。
ただ、そこに隠しておくだけの施設だ。
安全に隔離しておくというと聞こえは良いが、
「今は処理できる技術はないけど、将来研究が進めば処理できるよね?」
「そうだね」
「たぶん誰か考えてくれるよ」といった具合に、10万年後の人類に責任を押し付ける施設ともいえる。
そんな「オンカロ」だが、日本には存在しない。
青森県の六ケ所村に、中間貯蔵施設があるが、最終的に放射性廃棄物の処理をする施設ではない。
「オンカロ」に携わった学者たちは、
「不安定で地層処理のできない日本は、最終廃棄物処理場が作れない国だ」と述べたという。
「現在の科学では、放射性廃棄物の処理は地層処理しかない、といわれているが、
地層処理場ができないのに、原子力を持っている国である日本は、火山があり地震があり、常に地層が安定しない。
中華料理の回転テーブルの上に、放射性廃棄物を置いたようなもので、いつ動くか解らない」
日本は、そういう状況にあるのだという。
続けても、全廃しても、大きな壁が立ちはだかる私たち日本。
最終的な選択肢は、
「どこかの外国にお願いする」か、
「高レベル放射性廃棄物を、無害なものに処理できる技術」を研究するしかない……。
「反原発デモ」が、解決策のないただのワガママとなってしまわないよう、
世界で唯一、「高レベル放射性廃棄物を無害なものに処理できる技術」を、持つ国になって欲しいと願う。
↑以上、転載おわり
*付け足し
実は昨日、ここまで書いて寝た。
今朝起きて、この記事を読んでくれはった人たちからの、短い感想を読んで気がついた。
この、上記に載っけたオンカロに対する記事の最後の文章、「反原発デモ」が解決策のないただのワガママとなってしまわないよう、というのに、
書きながらなんか、うん?と思た自分を思い出した。
原発を反対する。
日本のすべての原発を廃棄し、核燃料の冷却に一日も早くとりかかり、次の巨大地震に備える。
そのことを訴えていく運動に、高レベル放射性廃棄物の無害化技術をセットにせなあかんやなんて、いったいどこまで人任せなん?
ぺてんうるふさんという方がこんなふうに言うてはった。
ワガママは「処理方法がないから核廃棄物を増やすな」という脱原発派ではなく、「処理方法はないけどもっと核廃棄物を増やせ」と主張する原発推進派だろう。
100年、10万年とか、自分の生きてるうちに解決しようがないだけやなく、とんでもない危険を強いる物を押し付ける無責任さが生み出すものは、
地球破壊や傷害、ひどい時には致死に至る犯罪やないのか?
世界で唯一、「高レベル放射能廃棄物を無害なものに処理できる技術」など、持てるもんならもうとっくの昔に持ってる。
これだけは、どんだけ人類が望んでも、必死で取り組んでも、叶わんことやったと認める勇気と常識と責任感を持つしかない。
オンカロを日本の国土に作るわけにはいかんのやから。
こんなちっちゃい領土に、しかも地震大国に、世界で3番目に多い数の原発を建てた無責任と非常識。
これは、世界に向けてどんだけ謝っても悔いてもキリが無い愚行。
せめて、すでにそのうちの4基が大事故を起こし、地球を汚して迷惑かけてる国として、
「目が覚めました。原発はすべて廃炉にし、すみやかに燃料の冷却と安全な状態にして保管することに全力を尽くします」
と宣言できるまともな首相が現れて、その通りのことが実現されるまで、反原発運動をやめるわけにはいかん。
それが、原発を、札束でひっぱたかれながら受け入れてきてしもた、あるいは自らすすんで受け入れてきた人らと同じ国に暮らす(暮らしてた)人間としての想い。