ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

多くの犠牲の上に築き上げられてきた民主主義を守るには、常にそれを破壊する思想と戦わねばならない!

2013年08月27日 | 日本とわたし
もうふたつ、東京新聞の記事を書き起こししました。
このふたつの記事は、最近かなりキナ臭い、民主主義を国家主義に変えてまえと企んでる輩の言動について書かれたものです。
東京にお住まいの目良氏の意見↓とともに、紹介させていただきます。

今朝(8/27)の『東京新聞』11面「記者の眼」欄で、
「国際常識欠いたアソウ発言 ナチス否定こそ民主主義」と題し、三浦耕喜記者がアソウ副総理の「ナチス」発言を鋭く批判しています。

「徹底したナチスとの断絶こそ、国際社会でドイツが信用を得る基盤だ。」

そうです。
アソウはその、「ナチスの手口に学んで改憲を」と発言したのです。
そして、そのナチスと戦前、ムッソリーニ・イタリアをふくめて三国軍事同盟を結んだのが、戦前の皇国・軍国主義日本でした。
アソウ発言の内外の反発の広がりに慌てたアベ政権は、「ナチス政権を肯定的に捉えることは断じてない」との政府答弁を閣議決定しました。
しかし、戦後68年も経ってなお、このような恥ずべき釈明をせざるを得ないのは、
実はこの政権が、安倍首相を先頭に、ナチス政権と軍事同盟を結んだ戦前の皇国・軍国主義日本との「徹底した断絶」どころか、
皇国・軍国主義日本が行った侵略戦争を美化し、大日本帝国憲法体制への郷愁を、思想的にも人脈的にも色濃く持っているからにほかなりません。

はっきりさせましょう。
ドイツが欧米社会で、「信用を得る基盤」が「徹底したナチスとの断絶」だとするならば、
わが日本が、特に近隣アジア社会で「信用を得る基盤」は、ナチスと同盟した戦前の「皇国・軍国主義日本との徹底した断絶」なのです。

戦後日本は、アメリカの反共軍事戦略に組み入れられ、協力する見返りに、「皇国・軍国主義日本との徹底した断絶」を免れ、
社会のあらゆる面で、それとの連続性が保たれてしまいました。
そして、そのもっとも代表的な存在が、自民党という政党なのです。
アベ首相は、その自民党の中でもひときわ、人脈的にも思想的にも、「皇国・軍国主義日本」との連続性の強い存在です。
アソウ「ナチス」発言の根底にあるのは、ナチスと同盟した戦前の、「皇国・軍国主義日本」への郷愁・親近感なのです。
僕たちは今こそ、戦前の「皇国・軍国主義日本」との「徹底した断絶」を求め、内外に宣言し、
それを否定しようとするアベ暴走亡国対外犯罪的政権のたくらみと、たたかうことを決意すべきだと思います。



ナチス否定こそ民主主義
【東京新聞・記者の目】2013年8月27日

国際常識欠いた麻生発言

麻生太郎副総理兼財務相は、首相経験者の中では、英語使いで知られる。
外国要人と会談しても、肩をたたきながら冗談を交わす。
だが、いくら言葉が上手だろうと、座談が面白かろうと、民主主義をめぐる国際社会の常識に欠けては、信用は得られまい。
(三浦 耕喜)

ベルリンのドイツ連邦議会議事堂に、5枚一組の大きな絵がかかっている。
描かれているのは、闇の中に巻き上がる炎。
火の渦から人の背骨が浮かび上がっている。
チェコ生まれの芸術家カタリナ・ジーバーディングが、1992年に制作した『迫害された議員のために』という作品だ。

ナチスは、民主的に選ばれた議員を追放し、殺害し、民主主義を破壊する中で権力を握った。
闇は絶望を表し、炎はナチスの暴力を意味する。
それでも焼かれない背骨は、再生する民主主義の象徴だ。
「ドイツの民主主義は、灰からよみがえった」
議会が付した説明には、こう記されている。

今日の民主主義は、多くの犠牲によって築き上げられてきた。
奪われ、焼かれ、殺され、そのたびに人々は、再生への努力を重ねた。
ゆえに、民主主義を守るには、常に、それを破壊する思想と戦わなければならない。
それが、民主主義を確立した、諸国民の常識だ。

その思いと行動を共にすることが、外交の場で語られる「民主主義の価値観を共有する」ことの重要な要素だ。
ドイツ連邦議会が、ドイツの侵略を受けた国からも作品を求め、議員への戒めとしているのも、
二度とナチスなるものを復活させない決意の表れだ。

市民もナチスを許さない。
ベルリン特派員だった時、ネオナチの集会に対抗する市民が、デモで道をふさぎ、半ば実力で阻止するのを、何度も目にした。
普段は厳しく批判し合う保守系とリベラル系の政治家も、肩を組む。
徹底したナチスとの断絶こそ、国際社会でドイツが信用を得る基盤だ。

だとすれば、麻生氏が、日本の憲法改正をめぐり、
「あの手口を学んだらどうか」と、ナチスを引き合いに出したことは、
「民主主義の価値観を共有する」と宣言する日本の立場に、重大な疑問をもたらす。
ナチスの『闇と炎』は、今も生々しい傷だ。
それを知るなら、ワイマール憲法がナチスによって踏みにじられたことを、「誰も気づかないで変わった」と言えるばずがない。

麻生氏は発言を撤回し、政府は「ナチス政権を肯定的に捉えることは断じてない」との答弁を、閣議決定した。
当たり前のことを、あえて確認せざるを得ないのは、不信感を意識する裏返しだ。
野党に責任を問う力は乏しく、与党側には乗り切った感さえ漂う。

だが、その姿全体もまた、日本は本当に、民主主義のパートナーたり得るのかとの疑問を強めるだろう。
そのような政治を許すことで、傷つくのは日本の国益だ。




「ゲン」制限撤回 手続きのみ問題視
【東京新聞・夕刊】2013年8月27日

知る権利 踏み込まず

松江市教委

漫画『はだしのゲン』をめぐる松江市教委の閲覧制限は、学校への教育行政の指導が、どこまで許されるのかという、重い問題を突き付けた。
学校の自主性を尊重した、要請撤回の判断は妥当だが、なぜ撤回しなければならなかったかについては、議論が尽くされたとは言えない。

市教委が問題視したのは、意思決定のプロセスだった。
法に触れないとはいえ、図書館の運営権を持つ学校に対し、熟慮せず、二度も閲覧制限を要請した市教委事務局の姿勢は、撤回の論拠とはならなかった。
強制力を感じた多くの校長が、要請に従った事実もある。

「過激な描写を踏まえた教育上の配慮」と、制限の理由を説明し続けた市教委。
しかし、ある幹部は、「ここまで大きな問題になるとは……」と漏らした。
全国から批判が相次いだ後、子どもの知る権利と表現の自由を侵す可能性のある閲覧制限の重みに、初めて気付かされたという。

市教委事務局は「重要事項は教育委員に諮る」とする規則があるにもかかわらず、内部協議だけで、閲覧制限を決めていた。
この価値判断の甘さにも問題があった。
戦争体験者が高齢化する今、戦争の記憶をどう継承するのか、というテーマも問い掛ける。
戦争を知らない子どもたちが、多様な図書を読む機会を保障するべきではなかろうか。
作品全体の文脈を軽視し、一シーンの表現を過剰に規制する動きが、学校現場に広がってはならない。
(樋口浩二)

「撤回は当然」「根拠に不満」傍聴の市民ら

「撤回は当然」
「最後で踏みとどまった」
26日開かれた松江市の教育委員会議。
傍聴した市民らは、撤回の結論を評価する一方、手続き上の不備のみを根拠としたことに、不満の声も上がった。

市役所3階の部屋には、会議が始まる1時半前から、市民らが集まり始め、約40人が席を埋めた。

会議を傍聴した、東京都杉並区の永田浩三さん(58)は、
「結論は、最後の最後で踏みとどまったので、一歩前進。
ただ、手続き上の問題ということだけで終ってしまったのが残念だ」と話した。

会議終了後の記者会見でも、質問は、結論の根拠に集中。
「閉架自体については、良い悪いという立場では全くない」
内藤委員長は、あくまで、教育委員に諮ることなく、閉架を要請した手続き上の問題だったと強調した。

「撤回は当然」と受け止めた松江市の女性(43)は、
「子どもが何を読むかを、お上が制限したのはしゃくに障る。
今度もこういうことが起きるかと思うと、すっきりしない」と、語気を強めた。


「早く読めるように」作者中沢さんの妻 安堵

市教委は、閲覧制限の撤回を決めたことを受け、作者中沢啓治さんの妻ミサヨさん(70)は、
「うれしい。早く子どもたちが、読みたいときに読めるようにしてほしい」と、安堵した様子で語った。

「ゲン」について「戦争や原爆の実態を伝え、平和の尊さを知ってほしいという思いで(中沢さんは)描いた」とミサヨさん。
教育関係者に対し、
「その意図をしっかりつかんで、こういうことが繰り返されないようにしてほしい」と訴えた。


現場異論出たのか

教育評論家・尾木直樹さんの話

市教委事務局は、安易に要請したのだろうが、学校側から、「現場ではこう工夫している」などの異論が出なかったとすれば、そのことが問題だ。
感想を語り合うなどすることにより、不安や怖さを共有し合えば、深刻な心の傷を避けることができる。
ただ、手続きに問題があったとする市教委の今回の決定は、政治問題化を避ける意味でも、大人の判断だった。


閲覧制限問題の経過

2012年4~5月
漫画『はだしのゲン』を、学校図書館から撤去するよう、男性が、松江市教育委員会に、計3回要求

8月24日
作品を学校図書館から撤去するよう、同じ男性が、市議会に陳情

10月16日
市教委が、市立小中学校の全校長を対象に、作品の利用状況と感想を求めるアンケートを実施

11月26日
市議会教育民生委員会で、陳情が不採択になる

12月5日
市議会本会議で、陳情が不採択になる

12月17日
市教委事務局が、校長会で、各校に閲覧制限を要請

2013年1月9~10日
「現場で対応が分かれる」と、学校側から指摘があり、市教委事務局が再度、校長会で、閲覧制限を要請

8月16日
問題が表面化

8月19日
市教委が、全校長を対象に、作品の利用状況と対応に関する意見を求めるアンケートを実施

8月22日
教育委員が、定例会議で問題を協議し、結論を持ち越す

8月26日
教育委員が、臨時会議で再協議し、制限要請の撤回を決定

↑以上、書き起こしおわり

わたしらは今、武器こそ持ってはいないけど、戦いの真っただ中にいる。
あちこちで、卑怯な作戦を立ててる輩

大平洋全滅の危機を招いてる国の官房長官は言いました。「五輪の東京招致には影響はないと考えている」

2013年08月27日 | 日本とわたし
東京新聞、こちら特報部『世界が注目 政府と落差』の記事を紹介させてもらいます。

世界最悪最大の原発事故を起こし、大平洋を全滅させてしまうかもしれんと、世界中から危惧されてる国の政府が、
五輪招致のみならず、原発輸出を成長戦略のひとつと考えてて、
汚染水漏れの記者会見の場で、マイクを通して、国家の官房長官がこう言うた。

「五輪の東京招致には、影響はないと考えている」

終ってるし……。



世界が注目 政府と落差
【東京新聞・こちら特報部】2013年8月27日

原発汚染水の海外報道

「五輪の東京招致には、影響はないと考えている」

福島原発事故での汚染水漏れで、菅義偉官房長官は26日、こうコメントした。
五輪招致のみならず、政府は、原発輸出を成長戦略のひとつに位置づけているが、
海外メディアの視線は、対策が見通せない汚染水漏れと東電、政府の事故対応に注がれている。
(小倉貞俊、林啓太)

英BBC「認識よりはるかに危ない」

「日本国民の怒りを再び呼び起こしたのみならず、海外諸国からも憂慮されている」。
21日付英紙ガーディアン(電子版、以下の各紙なども同じ)は、汚染水問題についてこう記し、世界的に関心が集まっていることを伝えた。

汚染水問題では、今月7日、政府が、
「汚染された地下水の海への流出量は、1日300トンに上る」との試算を発表した。
さらに、汚染水タンクからの漏れも発覚。
原子力規制委員会は、事故の深刻度を表す国際的な事故評価尺度(INES)で、
「重大な異常事象」であるレベル3への引き上げを検討している。
抜本的な解決策は、見いだせていない。

英BBC放送は22日、
「2年前にメルトダウン(炉心溶融)が起きて以来の、深刻な状況」と表現。
「複数の原子力専門家たちは、東京電力や日本政府が認めたいと思っているレベルより、はるかに危ない状況と懸念している」と論じている。

英紙インディペンデントも20日付で、
「日本政府は、原発閉鎖の費用や複雑さを過小評価し、東電も、問題を組織的に隠してきた」という、専門家の言葉を紹介した。

米紙ウォールストリート・ジャーナルは22日付で、
「汚染水漏えいの背景には、もっと深刻な問題がある。
東電は、原発内の冷却水の流れを制御できなくなり、状況が悪化している」と指摘。
事故以来、最悪の危機に直面している、とした。

米誌ネーションは19日付で、
「最初に問題を否定し、対応が遅れる。
その末に、事実を認めて謝罪する。
こうした東電の対応は、よくあることになってしまった」と指摘。
「汚染水漏れが続く福島原発が、心配の種であることは、容易に忘れ去られる。
現場の映像がほとんど提供されないことなどが原因で、関連報道がほとんど注目されていない」


独紙「また東電うそ暴かれた」

脱原発の方針を決めているドイツはどうか。
7日付の独紙フランクフルター・アルゲマイネは、
「東電は6月、外国人ジャーナリスト向けの現地説明で、
『原発事故は管理下にあり、まったく危険はない』と言っていた。
しかし、放射能に汚染された水が、大平洋に流れ込んでいた。
東電はこれまでも、うそをついては暴かれた。
一体、何を学んできたのか」と非難。
「東電のうそが、原発政策を進めようとする安倍首相を、苦境に立たせている」と論評した。

25日付の韓国紙の中央日報は、
「日本の食品恐怖に、積極的に対応すべきだ」と題した社説を掲載。
韓国内で、日本からの輸入食品の不安が膨らみ、「ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)では、放射能怪談が絶えない」と報じた。

韓国政府に対しては、
「徹底した検疫を通じ、国民の不安感を解消するべきだ」
「日本政府が事故情報を隠し、縮小していなかったか、細かく確かめ、対策を促さなければいけない」と訴えた。

海外メディアの強い懸念と、諸課題のひとつと捉える、政府の対応の温度差は、拡大する一方だ。



6年後、大平洋全域を汚染させてしまう国の、危機感の欠如の凄まじさ。オリンピック招致は最たる愚行!

2013年08月27日 | 日本とわたし
福島第一原発の高濃度汚染水の漏出問題が、世界的規模の脅威となっている現状についての、カレイド・スコープのハリマオさんの記事の紹介と、村田元スイス大使のお話を文字起こししました。

ドイツのシミュレーションでは、福島の汚染水で太平洋は終り



上の画像は、ドイツのキールの海洋研究所(GEOMAR)が、2012年7月6日に発表した、福島第一原発からの放射能汚染水の海洋拡散シミュレーション。
左上の「891」という数字は、海洋に漏れ出してから経過した日数。
つまり今日(8月21日)。




上は、2,276日目の、太平洋の汚染状況。
今から3~4年後には、北米大陸西海岸すべてが、高い濃度の汚染水で覆われることを示しています。

しかし、東電は、キール海洋研究所が前提にしていた数字より、ずっと高い濃度と、ずっと多い量の放射能汚染水が、3.11直後から太平洋に流れ出していたことを、選挙が終ってやっと認めたのです。

このキール海洋研究所のシミュレーションは、「まだまだ楽観的」だということです。


世界は日本の責任を追及するだろう

福島第一原発からの汚染水の海洋流出は、太平洋を死滅させようとしています。

米国GE社の元「沸水型原子炉の安全性研究のヘッド」だったリチャード・レーヒー(Richard Lahey)氏は、
「もし、再度の水素爆発が起こらなかった場合、汚染水の海洋流出が、もっとも世界にとって深刻な事態となる」と、2011年3月29日のガーディアン紙のインタビューで指摘しています。

彼は、東電から出てきた数枚の写真だけを見て、こう判断したのです。

ガーディアン紙の記事の翻訳は、「GEの専門家は「別のスケールの惨事」になる可能性を指摘」に書いてあります。

「気がかりなのは、格納容器から外に水が漏れ出していることだ。それが高い放射能の濃度を持っている、ということ。
それが炉心から漏れ出している、ということ。
現時点では、チェルノブイリ規模の惨事にはならないと思われるが、『別のスケールの惨事』になることは考えられる」。

リチャード・レーヒー氏の分析は、すべて正しいかったのです。
ただ一点だけ難があるとすれば、『別のスケールの惨事』に「」をつけなかったことだけです。

それに反して、日本側の連中…東電も経産官僚も、エネ庁も、安全委員会も、保安院も、文部科学省の官僚も、政治家も、御用学者も、経済界も、
日本の原子力産業の中心にいた人々は、対策を講じる代わりに、事態を矮小化し、国民を被曝させることによって、
「何事もなかったかのように」取り澄ました顔をしてきただけ
でした。

彼らがいかに、無能で犯罪的な人間であるか、この大規模で止まらない汚染水漏出が、完膚なきまでに証明したのです。
彼らは紛れもなく、国家的、いや国際的な犯罪者です。


BBC、CNN他、海外のメディアは「緊急事態」と認識しているが、日本は…

ベストセラー、(株)貧困大国アメリカの著者、堤未果氏のラジオ番組に、元駐スイス大使の村田光平(みつへい)氏が電話出演して、
福島第一原発の高濃度汚染水の漏出問題が、世界的規模の脅威となっている現状について語っています。

(*まうみ注・ここに掲載できないので、文字起こししました)

↓以下、文字起こしはじめ

J-WAVE JAM THE WORLD
堤未果 x 村田光平「廃炉実施計画の認可」2013.08.14

堤未果氏:
今日、8月14日、原子力規制委員会は、東京電力が提出していた、福島第一原発を廃炉にするための実施計画を認可しました。
当初より5ヵ月遅れとなったこの認可について、元スイス大使、村上光平さんに伺います。

堤氏:
村田さん、今回の、5ヵ月遅れの廃炉計画の認可なんですけど、まずこのニュース、どんなふうにごらんになってますか?

村田光平氏:
そもそも、今の事故処理の対応に、大変満足しておりません。
と申しますのは、再稼働、原発輸出に見られるように、倫理不道徳なところが目立っているわけです。
そういう意味では、廃炉そのものにつきましても、アメリカの規制委員が日本のテレビで発言しましたように、
溶解した燃料棒の現状を把握しないで、行程表を立てることはそもそも無理だと断言しているわけです。

堤氏:
燃料棒の現状がはっきりしていないのに、廃炉の行程を立てるのはそもそも不可能であると、いうことですね。

村田氏:
はい、さようでございます。
そして、事故処理の体制ですが、今だに、東電にかなり頼りきっている状況が残っておりまして、
やっと汚染水問題で、国が資金を出すというようなことを言い出しましたが、
本来、国が全面的な責任を負う、要するに、事故処理の国策化、全面的国策が不可欠だと、そのように私は確信しております。

堤氏:
東京電力という一企業にすべて依存するのではなくて、国をあげてやるべきだと。

村田氏:
そういうことですね。

堤氏:
今のような依存している状態で、国が一部、補助金を出すという話はしましたけれども、
この中途半端な状態で廃炉の行程を進めるというのは、何が一番問題になるんでしょう?

村田氏:
そもそも、世界がもう騒ぎ出しました。
つい数日前に、BBCは、今の現状をEmergency、緊急事態であると申しておりますし、CNNなども大きく取り上げておりますし、
そういう意味ではこの、海水の汚染の問題は、これは地球的な規模の問題ですから、いわゆる国際的な戦略があるとよく言われますが、
それは、福島事故が無かったことにしようと、あたかも無かったかのようにしようと、世界が動いているわけです。
しかし、これを目覚めさせる(訂正させる?)のは、地球的規模で広がる、この汚染水問題ですね。
そういうことがありますので、現に世界は騒ぎ出しているわけです。

堤氏:
なるほど。これはそういうことも、国レベルで対応しなければならない事態であると、いうことですよね。

村田氏:
そして、日本にとりまして非常に重大な側面があります。
それは、日本は、経済的、排他的水域ですね、EEZと言いますが、この二百海里の水域の権利を主張するためには、
その水域の適切な管理が条件とされるわけです。
この汚染水が広がれば、適切な管理はされてないと見なされて、その権利を失う可能性が排除されないわけです。

堤氏:
日本の海域の権利も失う、ということになるということですね。

村田氏:
そうです。

堤氏:
今回の、規制委員会が認可した、廃炉実施計画の中に、放射性物質が漏洩した場合の周辺環境への影響対策っていうのが入っているんですね。
そうするとこれは、現実的には非常に厳しいというふうに見てらっしゃいますか?

村田氏:
そもそも一般的に、もう市民グループの間ではよく指摘されておりますように、
放射能の害につきまして、矮小化の試みが為されてきているわけです。
そういう意味では、今の体制そのものが不十分だと思っております。

堤氏:
今、毎日、数百トンの汚染水が流出している状態なんですが、この状態下で廃炉の実施計画というのは、そもそも現実的に可能なんでしょうか?

村田氏:
それは不可能だと思いますね、素人が考えても、不可能だと言えると思います。
この問題の処理無くして、しかもこの、汚染水問題の解決の目処がたってないわけですね。
そういう意味では、非常に細かい部分について議論する意味が無いんではないかと、そのようにさえ思えます。

堤氏:
そうすると今、放射性物質が海洋に流出している中で、他の国も巻き込んできているわけですよね。
それで、村田さんがおっしゃるように、国レベルで動くということになりますと、
例えばそれは、世界中の専門家を集めるとか、そういったもう少し大きな対応が必要になってくるということなんでしょうか?

村田氏:
総論としては、世界の叡智を集めるということは政府も認めているんですが、現実にまだ、具体化していないわけなんです。
チェルノブイリの例では、3万人の軍隊、そして30万人の作業員を動員して、7ヵ月で例の石棺を造り上げたわけです。
日本は、放射性物質が今だに出っ放しで、しかもその放出量について、正確な数字を発表しないわけです。
1年以上続けて言い続けてるのが、毎時1千万ベクレル、それだけなんです。
そんなはずは有り得ないんです。もっともっと出てるはずです。

堤氏:
これは、東京電力が出している数字であるとすると、さっき村田さんがおっしゃったように、
一企業に正確に計測させている、ということも、そもそも現実的なんでしょうかね?

村田氏:
そもそも今の汚染水は、事故当初から漏れているということを、つい最近、東電は認めたわけです。
そしてそれがしかも、400トンというところまで認めたわけです。
それを政府は、300トンというふうに減らして発表しておりますけれども、
そしてその2年半有余、流出されてる状況を、政府は放置したわけです。
この責任は大きいと思います。

堤氏:
そうすると今、日本政府が真っ先にすべきことというのは、なんでしょうか?

村田氏:
やはり、この事故再処理体制を、全面的に国策化しなければならないと思います。
そしてそれを、国際社会は求めてくると思っております。

堤氏:
そうすると、このまま例え、政府が中途半端なやり方を続けたとしても、これから世界が黙っていない、ということになりますね。

村田氏:
それは当然ですね。
被害はこれから、全世界に及び出しているということが、汚染水問題によって認識されたわけです。

堤氏:
そうなると村田さん、世界の他の国から、海はつながっていますから、例えば賠償金の問題ですとか、そういったこともこれから出てくると。

村田氏:
はい。すでに、キールの海洋研究所は、昨年の7月に、予想される影響というものを研究発表しているんです。
これは、インターネットでご覧になれます。
6年後には、全世界に広まっておるんです。

堤氏:
6年後に、全世界に?

村田氏:
はい。海洋の全世界にですね。
そして、そういう中で新たにこのほど、東電が、さらに大きな放出量があったことを認めたわけです。
従いまして、私はこのキール海洋研究所と連絡を取り合っていますが、今、緊急の作業を始めております。

堤氏:
キール海洋研究所が、そうするとこの、試算をもう一度シュミレーションし直している、ということでしょうか?

村田氏:
そういうことです。それを今、大至急やる(スパコンを使った新しいシミュレーションを出す)と言ってきております。

堤氏:
もしその、正確な新しい試算が出た時に、日本としては、どういった対応をすべきでしょう?

村田氏:
それまでに、先程の、事故の処理の国策化ということを真剣に考えて、具体的な策をどんどん打ち出していかなければ、世界は納得しないんではないかと思っております。

堤氏:
今でき得る限りの技術を使って、汚染水流出を止めるということですかね?

村田氏:
そういうことですね。
例えば今やっている、備忘(?)策的なことを、これじゃダメだという声が、外国からどんどん届いてきておりますね、アメリカをはじめ。

堤氏:
そうですね。
そういったことに耳を傾けて、まああの、日本国内でも、例えばタンカーに移して、柏崎刈羽に移した方がいいとかいう声も、ずいぶん政府には届けていたみたいなんですが、そういうことは起きてないわけなんですね?

村田氏:
すべて、この財政問題を理由に、資金不足を理由に、いろんなアイディアを、関連下請け会社などが東電に上げても、
財務改善アクションプログラムによって蹴られてきた、というのが現実のようでございます。

堤氏:
なるほど。
でも、このままいくと、最終的に、海外からの賠償も含めて、もっとマイナスが大きくなるということですね?

村田氏:
そうですね。
さきほど言いましたように、EEZ、排他的水域の問題もありましょうし、由々しき問題がいろいろあるわけです。
そういう中で私が、一番危機感を持っているのは、日本における危機感の欠如です。
そしてこれは、関係者の方々の努力を思えば、言うことは非情に心苦しいんですが、
この、オリンピック招致問題につきまして、最近多くの方々が、これは辞退すべきではないかと。
安心安全を、実質的に保証できないところに、どうして呼べるかと、そういう声がどんどん高まってきております。

堤氏:
そうですね、オリンピックで建設ラッシュなんて言われてますけれども、
一方で、この現実が無視されているということも、深刻に考えなければいけないということですね。

村田氏:
福島事故の教訓は、原発というものが、核兵器に劣らず危険なものであるという認識が今、どんどん世界に広まっているわけです。
そういう中で、アメリカ自身もその認識を深めて、今年3月11日には、新しい原発建設を却下しましたし、それ以後すでに、3件新たに廃炉を決めておりますし、
今後はもう、経済的に原発建設は無理であろう、ということが言われております。
そういう中で、このあいだ、アメリカのルース大使が、広島・長崎に行かれましたが、
今度オバマ大統領が日本にみえた際には、広島・長崎にも行かれると、いうような見通しを述べておられましたが、
非常にですね、核廃絶の問題につきまして、私は、オバマ大統領は真剣に考え出していると思います。
そして、その理想の大統領、ケネディの娘さんの、キャロライン・ケネディが、大使として任命されたこと、
これは、私は『母性文化の大使』と称しているんですが、大変大きな意味を持っていると思っております。

堤氏:
わかりました。
村田さん、大変貴重なお話を、どうもありがとうございました。

村田氏:
どうも、失礼いたしました。
 
堤氏:
福島第一原発を廃炉にする実施計画の認可について、元スイス大使の村田光平さんにお話を伺いました。

↑以上、文字起こしおわり

↓以下、カレイド・スコープからの転載つづき

(カレイド・スコープ管理人)

もちろん、東京オリンピックなど、ありえない

《セシウム137の海洋への拡散シミュレーション》

キール研究所のシミュレーションは、あくまでも、セシウム137だけを対象にしたもので、セシウム134、ストロンチウム90、トリチウムなど、他の核種は考慮に入れていません。

ドイツのキール研究所のホームページは下のリンク。
http://www.geomar.de/

2012年7月6日発表の、シミュレーション等のデータのあるページの、
http://www.geomar.de/news/article/fukushima-wo-bleibt-das-radioaktive-wasser/

下のほうにある、
Animation der Ausbreitung des kontaminierten Wassers.
をクリックしてダウンロードします。
47.9MBあるので、少し時間がかかります。

ダウンロードした動画を再生しているときは、左上に「after release」と表示されたままですが、静止画キャプチャーを取ると、経過した日にちが、ちゃんと表示されています。

キャプチャーを簡単に取りたいなら、GOM player(無料)などのフリーソフトを、DL→インストールしてください。

こちらは、英語の解説付きページ。
動画を速くダウンロードできますが、軽い分、画質は粗いです。
http://iopscience.iop.org/1748-9326/7/3/034004/

下は、時系列のキャプチャー集。


・今から4年後には、北米大陸の西海岸を、べったり放射性物質が被います。
・10年後には、太平洋は終わります。

・今日現在の状況は、トップ画像にあります。

あくまでこれは、2012年7月以前に、キール研究所が試算した結果ですから、
東電が2013年7月22日に、当初から、それも大量の汚染水が、太平洋に漏れ出ていたことを認めた以上、このシミュレーションはやり直しです。
現実は、もっと酷い状況になっている、ということです。

こちらに、キール海洋研究所が、2012年7月にデータを公表したときの、詳しい解説があります。

そして繰り返しますが、あくまでセシウム137だけです。
半減期を考えると、太平洋の資源は「食べたくない」というか、「食べてはいけない

東電は、この画像にあるように、海側に遮水壁を建設する計画です。
完成は26年9月の予定ですが、こんなことでは、汚染水の流出を止めることはできない、ということがわかったのです。
抜本的に、計画の建て直しをやる必要があります。

東電は、昨日までは、「汚染水タンクから海に漏れ出ていない」と発表していましたが、
今日になって、「やっぱり海に流れていました」と訂正。
毎度のこと。

海洋汚染は、お盆休みも関係なしです。

太平洋の終り、日本経済の終わりが近づいているのに、安倍晋三、石原伸晃、茂木敏充らの三バカトリオは、フジテレビの会長とゴルフ三昧、
そして、愛人に入れ込んでいたというのですから、少なくとも、正常な人間の思考を持っていない人々なんでしょう。

↑以上、転載おわり


日本の経済的・排他的水域EEZのことに、考えが及んでなかった。
汚染は、東電や政府が発表してるように、薄められて拡散されていくのではなく、地表と同じく留まって、「海のホットスポット」があちこちにできることも解明されてる。
太平洋で希釈されず、北米西海岸では日本の10倍

ほんま、なにがオリンピックや。
汚染水問題が暴露されてからは、旅行にのほほんと1週間行くのかて、水や食べ物の心配してる人だらけやというのに。
そんなとこに、800人もの人間を動員して、飲み食いさせてる金があるんなら、被災地の問題解決に使え!汚染水対策に使え!
費用をケチって、素人でも疑問に思うようなええ加減な工事したり物造ったり……。
日本はそこまでボケやったんかと、今では世界のあちこちで、開いた口が塞がらん人が続出してる。

収束宣言を撤回し、オリンピック招致を辞退し、緊急非常時宣言を出せ!
今すぐに!