チェルノブイリ事故が起こった時、わたしはお腹の中には、長男くんが育ってた。
妊娠がわかって間もなくのことやった。
ニュースで、事故の悲惨な様子や、強制避難を余儀なくされた人たちの、背中を丸めて歩く姿を、
ああ、わたしもこの子も、日本でよかったと、しみじみと感謝しながら観てた。
日本なら大丈夫。
安心で安全で、万が一事故が起こっても、あんなふうにはなるまい。
ああ、わたしはなんと、お気楽な母親やったことか。
それにしても、この人でなしっぷりは、想像の域をはるかに超えている。
そしてそれは、全く許されるべきものではないことやのに、日本国民と呼ばれる人たちは、
もう2年と9ヵ月もの間、許してるか、許すとか許さないとか考えることも面倒で、あるいは忙し過ぎるからという理由で放置してる。
一部の怒れる国民を除いて。
人道という観点からいうと、酷いことで有名な国が数カ国あるけれども、
今や日本は世界一!
ウソ八百並べた人間にまんまと騙されて(騙されてない、自発的に選んだと言いたい人もいるやろう)、原発ホイホイの自民党を返り咲きさせ、
それまでも充分見捨てられてた被災地の子供は、その様子をいったい、どんな気持ちで見つめてたのか。
もうこれ以上、子供たちを悲しませるのはやめよう。
もうこれ以上、子供たちを苦しませるのはやめよう。
自分のできること、それをしよう。
きーこさんが文字起こししてくださった、鎌仲監督の言葉です。
↓以下、転載はじめ
<チェルノブイリ事故27年の体験>保養所に行きビックリした200人の官僚たちは日本に戻ってきて何か言ったのか?
12/4鎌仲ひとみさん(文字起こし)
2013年12月4日 参議院議員会館
子どもの安全な場所での教育を求める ふくしま集団疎開裁判 記者会見
文字起こし部分のYoutube→http://youtu.be/3qYP47HRpfo?t=2h19m1s
鎌仲ひとみ(映像作家):
みなさんお疲れ様です、鎌仲です。
今日は、資料の変わりに、チラシを持ってきました。
今回は、この映画の中で、ベラルーシを取材しておりまして、
それで2回にわたって、2012年と2013年にそれぞれ1ヶ月ぐらい、ゴメリ州を中心にして取材をしてきました。
その結果、今日の記者会見で、是非申し上げたい事があるという事で参りました。
先程みなさんがおっしゃってらした、
日本には、土壌をきちんと実測した放射能汚染地図がないという事なんですね。
ですから、汚染の広がりがどれ位のものになっているのか?という事が、
国民に広く、そしてしかも、汚染地に住んでいる当事者自身に、知らされていないという問題点があります。
これが、ゴメリ州の汚染地図で、ベラルーシが、国の科学者の総力を挙げて、
全国の汚染地図を、1986年から75年間分、作っています。
放射線核種が、それぞれ年月にしたがって、どれ位減衰していくのかという事を、単純に計算したものなんですけれども、
これが教育のある無しに関わらず、見れば、
「自分がどこに住んでいて、どれ位の汚染のところに今いるのか」ということが、一目瞭然になるんですね。
これを基本として、ありとあらゆる放射線防護の対策を立てている、これがベースだと。
「まずこれを持たなければ、対策は立てられないんだよ」という事をおっしゃっていました。
それはですね、今、日本政府はつくっていないんですね。
作る気もないらしいです。
それで、刻一刻と、いま除染をしている訳ですけれども、
一方でベラルーシも取材していますが、福島にも行っています。
そうすると、除染をしているので、その線量が下がっているところもあるんですね。
そうするとですね、これは、ベラルーシの移住に関する基準を、ザクっと書いてあるんですけれども、
移住に関する基準 ベラルーシ
無人ゾーン:
1986年に住民が避難した、チェルノブイリ原発に隣接する地域
移住義務(第1次移住)ゾーン:
Cs137、St90、Pulによる土壌汚染密度が、
それぞれ1480、111、3.7kBq/㎡以上(40,3.0.1Ci/k㎡以上)の地域
移住(第2次移住)ゾーン:
Cs137、St90、Pulによる土壌汚染密度が、
それぞれ555~1480、74~111、1.85~3.7kBq/㎡(15~40、2~3、0.0.5~0.1Ci/k㎡)の地域
年間の被曝量は、5mSvを越える可能性がある。
移住権利ゾーン:
Cs137、St90、Pulによる土壌汚染密度が、
それぞれ185~555、18.5~74、0.37~1.85kBq/㎡
(5~15、0.5~2、0.01~0.05Ci/k㎡)の地域
年間の被ばく量は、1mSvを越える可能性がある。
定期的放射能管理ゾーン:
Cs137による土壌汚染密度が37~185kBq/㎡(1~5Ci/k㎡)の地域。
年間の被ばく量は、0.1mSvを超えない。
ウクライナもベラルーシも、
1ミリシーベルトの空間線量から5ミリシーベルトを超える可能性があるところに関しては、移住権利ゾーンという事にしていて、
5ミリ以上の空間線量がある場合は移住ゾーンと、単純に日本に伝えられていますけれども、
でもそれはこういうふうにですね、3つの要件を合わせて判断する、という事にしています。
被ばく量の考え方
3つの要件を合わせて判断する
1.土壌汚染
2.空間放射線量
3.内部被ばく量
一定の土地に住んでいる住民を観察し、
ホールボディカウンターによる内部被ばく量の検査を、定期的に行い、
上の三つの要件を合わせて、年間5mSvを超えると判断されたら、強制移住、あるいは移住推奨がなされる。
内部被ばく量に関しては、
子どもは20Bq/kg、大人は70Bq/kgを超えない方がいい、と考えられている。
一つは土壌汚染、そして空間放射線量、そして内部被ばく量なんですね。
これは、非常に流動的なデータです。
ですから観察をして、そしてどうもこれは1ミリシーベルト以上の被ばくをしてしまうな、年間。
5ミリ以上の被ばくをしてしまうな、年間。
なんかそこらへんにあるもので、一番リーズナブルに食べ物を食べて生活をしている一般の住民が
やっぱりこれだけの被ばくをしてしまうのであれば、移住しなければいけないんじゃないかという判断をですね、
やっぱり関係省庁が、とか関係の人達が、きちんと住民に勧告する、というシステムをつくっている訳なんですね。
日本にもこれは必須だ、と思います。
で、子どもは20Bq/kg、大人は70Bq/kgを超えない方がいい、と考えられていますが、
どうもですね、私が2012年に行った時には、私の内部被ばくはゼロだったんですね。
検出されませんでした。
2013年、9か月後に行った時には、20Bq/kgになっておりまして、
私は非常に気を付けて暮らしているんです。
だけれども、それ位になってしまっているとすれば、
ま、それは、ベラルーシに行ったら、ベラルーシの物を食べていますけれど、
福島に行ったら福島のものも、出してくれらら食べずざるを得ないんですけれども、
でもこれはまんべんなく日本中に、やはり、外食産業の中に入り込んでいる可能性がある、と考えた方がいいですね。
それで、例えば中国が、輸入規制をしている日本の食品の放射線計測データというのを最近みますと、
やはり結構海産物がですね、冷凍物のものが、100を超えています。
それは、日本の中でも出回っているんじゃないか?と、私は思っているんですね。
それでやはり、私が福島に通うたびに思うのは、
もうとにかく風化をしてしまって、「危険だ」という様な事は言わない方がいいと。
で、すごく、福島産のものも安全だし、規制値以内だから食べてもいいし、
空間線量も下がっているんだから、ここにずっと住んでていいんだ。
という声が、非常に大きいんですね。
これは単にそれを言う人達だけに罪があるというよりは、
もちろんそれを言ってきた人にはすごい重大な責任があると思いますけれども、
でももうすでに定着させられてしまっている福島の人達は、
「自分たちがずっとここに住みたい!」っていう人達がすごく多いんですね。
ですから、私の提案としては、この『小さき声のカノン』という映画をつくっているんですけど、
1カ月に1回、鎌レポというのを出していますが
その1回目で、300km~600km、チェルノブイリ原発から離れた地点に住んでいる人々が、
いま、特に女性を中心にして、甲状腺障害、橋本病とか機能障害とか、線種とか腫瘍がですね、いますごく出ているんですね。
これに関しましては、この担当しているお医者さんは、この女性は29歳で、腫瘍がすでにあるんですね。
でも、事故の時は3歳だったんです。
こういう感じで出てきているので、小児だけではなく、全人口の甲状腺癌というのは、
ガーーッと、小児甲状腺がんのピークが下がっても増え続けまして、いま高止まりをしています。
そしてそれは、広く認識されている考え方では、2086年、つまり100年、この状態が続くだろう。
それは、小児甲状腺がんだけじゃないですね。
つまり、今27年経って、事故当時児童だった子どもたちが、ゆくゆくは、やがてすごいリスクを出してくる。
それは、津波のように、まず第1波があり、第2波があり第3波があるように、
年齢ごとに、ちょっと時間差であらわれてくるという事が、すでに27年の体験の中から出てきているんですね。
たとえばウクライナではですね、この子はお父さんが、11歳の時に、30km圏内から3日目に避難したんですけれども、
100km離れたキエフで出会った女性と、結婚して生まれた子どもがですね、目と耳に障害があります。
そうすると、その障害を発見したお医者さんはすぐに、「これはチェルノブイリのせいだ」と断定しました。
そしてそれは認められて、ちゃんと医療補償をもらっているんですね。
で、やっぱり、免疫低下とか慢性疾患がすごく増えています。
2代目3代目に増えているんですね。
だから、子どもたちの内部被ばく量を下げるためにも、未だに、27年経った今でも、
この子なんか、15年経ってから生まれているんですけれども、保養を受けています。
こういう保養施設が、50か所以上ベラルーシにあって、
毎年、4万5000人の子どもたちが、最低24日以上の保養を無料で受けています。
3歳から18歳まで無料です。
で、この持っているカルテに、何をしなさい、あれをしなさいというプログラムが書いてあって、
ひとりひとり自分のプログラムを持って、ここで過ごして、そして健康を維持するっていう事を、国家予算でやっているんですね。
で、日本とベラルーシは、2国間協定を去年結びまして、今年、初めての実務会議を、7月にやりました。
私が「取材させてくれ」って言ったら、外務省は「ダメだ」と言って、取材させてくれなかったんですけど、
後で聞いたところによりますと、この保養所で国際会議をやった。
そこに200人の、厚生労働省とか、環境省とか総務省とか、日本の官僚たちが来て、
「すごいビックリしてた」って通訳の子が言うんですよ。
そこの通訳の子が、私の取材をずっとしてくれていたので、ま、1日だけ、その会議に貸し出したんですね。
そして帰ってきて、「すっごい、日本人がビックリしてた」て言うんですが、
その200人の官僚たちは、日本に戻ってきて、
「こんなことをベラルーシがやっていた」と、「私たちは見習わなければいけない」と言ったのか?
言ってないんですよ。
私はこれを、すごく広めたいと思っています。
だから、この4つを、私は提案したいんですけれども、
・福島の子どもたちに甲状腺検査を実施しているが、福島の子どもたちだけではだめ。
茨城や群馬、東京など、首都圏や宮城県も含めた地域で、検査を受けられるようにすべき。
・甲状腺エコー検査とともに、血液検査や、ホールボディカウンターによる内部被ばく量検査などを、合わせて行うべき。
・東京大学の児玉龍彦先生は、放射線由来の甲状腺がん独特の、ゲノム異常があることを言及。
ゲノムの修復が3本になる特徴があり、
放射能汚染地域以外で起きた小児甲状腺がんには、この3本の過剰修復がない。
むげに放射能由来ではないと否定するのではなく、きちんと調べるべき。
・ベラルーシやウクライナでは、原発事故収束作業員の健康検査を全員、登録して続けている。
日本もそうするべき。
ベラルーシやウクライナでは、原発事故作業員の健康検査を、全員登録して今も続けているんです。
全ての人のカルテが、80万人分のカルテが、今もあります。
だから、この子たちは、首都圏の子たちなんですけど、セシウムがオシッコから出てるし、
先程の方が、ここで匿名でお話しされた、その方がここで証言されたことが、全部起きています。
これはやっぱり、子供最優先で、そこに定住しようと決めた親がいたとしてもですね、
意識のある親も、意識のない親の子も、等しく保養や疎開ができる仕組みを、一刻も早くつくらないと、
日本のすごく広範囲にわたって、子どもたちの健康がこれからますます悪くなっていく、というふうに危惧しています。
終わります。
質問
2:45:40
Q:
子どもたちの保養する先なんですけど、私たちが行っている保養との違いを教えていただきたい。
ベラルーシで行っている保養システムとの違い。
鎌仲:
日本の場合はなんかこう…短いんですよね。
この保養所は、2012年には取材が出来なくて、2013年に、駐日の在ベラルーシ大使が代わったんです。
で、新しい大使にお願いしたら、彼は科学者で、科学アカデミーの会員で、
「10日ではダメだ。
24日、そうやって隔離されなければ、身体の中から放射性物質を出し切ることができない」
それは、本当に長い試行錯誤で出てきた結論なので、
保養は24日以上というのが必須である。
あと、食べるものに関しても、ミネラルが豊富であるとか、
全てストロンチウムまで検査してクリーンなものを24日間必ず通しで食べさせるということ。
水も、ものすごくいいものを使っていて、
検査しまくって、環境が確保されたところに、健康増進を目的としてプログラムを組んでいると。
それは何故かというと、この27年間で、
子ども達の健康が、事故前から、総合的にものすごく損なわれているという認識を、国家が持っているから。
もしそれをやらなかったら、4万5000人にケアをしなかったら、子どもたちの健康状態は下がっていく一方だからやっているわけで、
その、子どもたちの一人一人が、何らかのちょっとした慢性病を抱えてしまっているわけです、複数の。
それに対応する療法をやっているんですけど、
それは、絶対化学薬品を使わない、自然療法でやっている。
だから、物理的にマッサージをしたり、温熱療法をしたり、あるいはプールの中で歩かせたりという、
症状に応じた、彼らがあみ出した、自然の健康増進法を適用して、24日間一人一人に合わせてケアをするという、それが保養なんですよ。
でも日本の場合は、ちょっとストレス解消に行きましょうとか、気分転換に行きましょう。
でも、それでも私は、短期であれば、精神的なプラス面はあると思うんですけれど、
でも本来のベラルーシがやっている保養というのは、もっともっと、毎時的に、子どもたちの健康にアプローチすることなんですね。
Q:
いま、4万5000という数字が出たんですけれども、それは何の数字ですか?
鎌仲:
毎年、それだけの子どもが、保養を受けているという事です。
でも、それにプラスして、実は海外にも沢山出ているので、最低国家が補償しているのが、年間4万5000人だということです。
妊娠がわかって間もなくのことやった。
ニュースで、事故の悲惨な様子や、強制避難を余儀なくされた人たちの、背中を丸めて歩く姿を、
ああ、わたしもこの子も、日本でよかったと、しみじみと感謝しながら観てた。
日本なら大丈夫。
安心で安全で、万が一事故が起こっても、あんなふうにはなるまい。
ああ、わたしはなんと、お気楽な母親やったことか。
それにしても、この人でなしっぷりは、想像の域をはるかに超えている。
そしてそれは、全く許されるべきものではないことやのに、日本国民と呼ばれる人たちは、
もう2年と9ヵ月もの間、許してるか、許すとか許さないとか考えることも面倒で、あるいは忙し過ぎるからという理由で放置してる。
一部の怒れる国民を除いて。
人道という観点からいうと、酷いことで有名な国が数カ国あるけれども、
今や日本は世界一!
ウソ八百並べた人間にまんまと騙されて(騙されてない、自発的に選んだと言いたい人もいるやろう)、原発ホイホイの自民党を返り咲きさせ、
それまでも充分見捨てられてた被災地の子供は、その様子をいったい、どんな気持ちで見つめてたのか。
もうこれ以上、子供たちを悲しませるのはやめよう。
もうこれ以上、子供たちを苦しませるのはやめよう。
自分のできること、それをしよう。
きーこさんが文字起こししてくださった、鎌仲監督の言葉です。
↓以下、転載はじめ
<チェルノブイリ事故27年の体験>保養所に行きビックリした200人の官僚たちは日本に戻ってきて何か言ったのか?
12/4鎌仲ひとみさん(文字起こし)
2013年12月4日 参議院議員会館
子どもの安全な場所での教育を求める ふくしま集団疎開裁判 記者会見
文字起こし部分のYoutube→http://youtu.be/3qYP47HRpfo?t=2h19m1s
鎌仲ひとみ(映像作家):
みなさんお疲れ様です、鎌仲です。
今日は、資料の変わりに、チラシを持ってきました。
今回は、この映画の中で、ベラルーシを取材しておりまして、
それで2回にわたって、2012年と2013年にそれぞれ1ヶ月ぐらい、ゴメリ州を中心にして取材をしてきました。
その結果、今日の記者会見で、是非申し上げたい事があるという事で参りました。
先程みなさんがおっしゃってらした、
日本には、土壌をきちんと実測した放射能汚染地図がないという事なんですね。
ですから、汚染の広がりがどれ位のものになっているのか?という事が、
国民に広く、そしてしかも、汚染地に住んでいる当事者自身に、知らされていないという問題点があります。
これが、ゴメリ州の汚染地図で、ベラルーシが、国の科学者の総力を挙げて、
全国の汚染地図を、1986年から75年間分、作っています。
放射線核種が、それぞれ年月にしたがって、どれ位減衰していくのかという事を、単純に計算したものなんですけれども、
これが教育のある無しに関わらず、見れば、
「自分がどこに住んでいて、どれ位の汚染のところに今いるのか」ということが、一目瞭然になるんですね。
これを基本として、ありとあらゆる放射線防護の対策を立てている、これがベースだと。
「まずこれを持たなければ、対策は立てられないんだよ」という事をおっしゃっていました。
それはですね、今、日本政府はつくっていないんですね。
作る気もないらしいです。
それで、刻一刻と、いま除染をしている訳ですけれども、
一方でベラルーシも取材していますが、福島にも行っています。
そうすると、除染をしているので、その線量が下がっているところもあるんですね。
そうするとですね、これは、ベラルーシの移住に関する基準を、ザクっと書いてあるんですけれども、
移住に関する基準 ベラルーシ
無人ゾーン:
1986年に住民が避難した、チェルノブイリ原発に隣接する地域
移住義務(第1次移住)ゾーン:
Cs137、St90、Pulによる土壌汚染密度が、
それぞれ1480、111、3.7kBq/㎡以上(40,3.0.1Ci/k㎡以上)の地域
移住(第2次移住)ゾーン:
Cs137、St90、Pulによる土壌汚染密度が、
それぞれ555~1480、74~111、1.85~3.7kBq/㎡(15~40、2~3、0.0.5~0.1Ci/k㎡)の地域
年間の被曝量は、5mSvを越える可能性がある。
移住権利ゾーン:
Cs137、St90、Pulによる土壌汚染密度が、
それぞれ185~555、18.5~74、0.37~1.85kBq/㎡
(5~15、0.5~2、0.01~0.05Ci/k㎡)の地域
年間の被ばく量は、1mSvを越える可能性がある。
定期的放射能管理ゾーン:
Cs137による土壌汚染密度が37~185kBq/㎡(1~5Ci/k㎡)の地域。
年間の被ばく量は、0.1mSvを超えない。
ウクライナもベラルーシも、
1ミリシーベルトの空間線量から5ミリシーベルトを超える可能性があるところに関しては、移住権利ゾーンという事にしていて、
5ミリ以上の空間線量がある場合は移住ゾーンと、単純に日本に伝えられていますけれども、
でもそれはこういうふうにですね、3つの要件を合わせて判断する、という事にしています。
被ばく量の考え方
3つの要件を合わせて判断する
1.土壌汚染
2.空間放射線量
3.内部被ばく量
一定の土地に住んでいる住民を観察し、
ホールボディカウンターによる内部被ばく量の検査を、定期的に行い、
上の三つの要件を合わせて、年間5mSvを超えると判断されたら、強制移住、あるいは移住推奨がなされる。
内部被ばく量に関しては、
子どもは20Bq/kg、大人は70Bq/kgを超えない方がいい、と考えられている。
一つは土壌汚染、そして空間放射線量、そして内部被ばく量なんですね。
これは、非常に流動的なデータです。
ですから観察をして、そしてどうもこれは1ミリシーベルト以上の被ばくをしてしまうな、年間。
5ミリ以上の被ばくをしてしまうな、年間。
なんかそこらへんにあるもので、一番リーズナブルに食べ物を食べて生活をしている一般の住民が
やっぱりこれだけの被ばくをしてしまうのであれば、移住しなければいけないんじゃないかという判断をですね、
やっぱり関係省庁が、とか関係の人達が、きちんと住民に勧告する、というシステムをつくっている訳なんですね。
日本にもこれは必須だ、と思います。
で、子どもは20Bq/kg、大人は70Bq/kgを超えない方がいい、と考えられていますが、
どうもですね、私が2012年に行った時には、私の内部被ばくはゼロだったんですね。
検出されませんでした。
2013年、9か月後に行った時には、20Bq/kgになっておりまして、
私は非常に気を付けて暮らしているんです。
だけれども、それ位になってしまっているとすれば、
ま、それは、ベラルーシに行ったら、ベラルーシの物を食べていますけれど、
福島に行ったら福島のものも、出してくれらら食べずざるを得ないんですけれども、
でもこれはまんべんなく日本中に、やはり、外食産業の中に入り込んでいる可能性がある、と考えた方がいいですね。
それで、例えば中国が、輸入規制をしている日本の食品の放射線計測データというのを最近みますと、
やはり結構海産物がですね、冷凍物のものが、100を超えています。
それは、日本の中でも出回っているんじゃないか?と、私は思っているんですね。
それでやはり、私が福島に通うたびに思うのは、
もうとにかく風化をしてしまって、「危険だ」という様な事は言わない方がいいと。
で、すごく、福島産のものも安全だし、規制値以内だから食べてもいいし、
空間線量も下がっているんだから、ここにずっと住んでていいんだ。
という声が、非常に大きいんですね。
これは単にそれを言う人達だけに罪があるというよりは、
もちろんそれを言ってきた人にはすごい重大な責任があると思いますけれども、
でももうすでに定着させられてしまっている福島の人達は、
「自分たちがずっとここに住みたい!」っていう人達がすごく多いんですね。
ですから、私の提案としては、この『小さき声のカノン』という映画をつくっているんですけど、
1カ月に1回、鎌レポというのを出していますが
その1回目で、300km~600km、チェルノブイリ原発から離れた地点に住んでいる人々が、
いま、特に女性を中心にして、甲状腺障害、橋本病とか機能障害とか、線種とか腫瘍がですね、いますごく出ているんですね。
これに関しましては、この担当しているお医者さんは、この女性は29歳で、腫瘍がすでにあるんですね。
でも、事故の時は3歳だったんです。
こういう感じで出てきているので、小児だけではなく、全人口の甲状腺癌というのは、
ガーーッと、小児甲状腺がんのピークが下がっても増え続けまして、いま高止まりをしています。
そしてそれは、広く認識されている考え方では、2086年、つまり100年、この状態が続くだろう。
それは、小児甲状腺がんだけじゃないですね。
つまり、今27年経って、事故当時児童だった子どもたちが、ゆくゆくは、やがてすごいリスクを出してくる。
それは、津波のように、まず第1波があり、第2波があり第3波があるように、
年齢ごとに、ちょっと時間差であらわれてくるという事が、すでに27年の体験の中から出てきているんですね。
たとえばウクライナではですね、この子はお父さんが、11歳の時に、30km圏内から3日目に避難したんですけれども、
100km離れたキエフで出会った女性と、結婚して生まれた子どもがですね、目と耳に障害があります。
そうすると、その障害を発見したお医者さんはすぐに、「これはチェルノブイリのせいだ」と断定しました。
そしてそれは認められて、ちゃんと医療補償をもらっているんですね。
で、やっぱり、免疫低下とか慢性疾患がすごく増えています。
2代目3代目に増えているんですね。
だから、子どもたちの内部被ばく量を下げるためにも、未だに、27年経った今でも、
この子なんか、15年経ってから生まれているんですけれども、保養を受けています。
こういう保養施設が、50か所以上ベラルーシにあって、
毎年、4万5000人の子どもたちが、最低24日以上の保養を無料で受けています。
3歳から18歳まで無料です。
で、この持っているカルテに、何をしなさい、あれをしなさいというプログラムが書いてあって、
ひとりひとり自分のプログラムを持って、ここで過ごして、そして健康を維持するっていう事を、国家予算でやっているんですね。
で、日本とベラルーシは、2国間協定を去年結びまして、今年、初めての実務会議を、7月にやりました。
私が「取材させてくれ」って言ったら、外務省は「ダメだ」と言って、取材させてくれなかったんですけど、
後で聞いたところによりますと、この保養所で国際会議をやった。
そこに200人の、厚生労働省とか、環境省とか総務省とか、日本の官僚たちが来て、
「すごいビックリしてた」って通訳の子が言うんですよ。
そこの通訳の子が、私の取材をずっとしてくれていたので、ま、1日だけ、その会議に貸し出したんですね。
そして帰ってきて、「すっごい、日本人がビックリしてた」て言うんですが、
その200人の官僚たちは、日本に戻ってきて、
「こんなことをベラルーシがやっていた」と、「私たちは見習わなければいけない」と言ったのか?
言ってないんですよ。
私はこれを、すごく広めたいと思っています。
だから、この4つを、私は提案したいんですけれども、
・福島の子どもたちに甲状腺検査を実施しているが、福島の子どもたちだけではだめ。
茨城や群馬、東京など、首都圏や宮城県も含めた地域で、検査を受けられるようにすべき。
・甲状腺エコー検査とともに、血液検査や、ホールボディカウンターによる内部被ばく量検査などを、合わせて行うべき。
・東京大学の児玉龍彦先生は、放射線由来の甲状腺がん独特の、ゲノム異常があることを言及。
ゲノムの修復が3本になる特徴があり、
放射能汚染地域以外で起きた小児甲状腺がんには、この3本の過剰修復がない。
むげに放射能由来ではないと否定するのではなく、きちんと調べるべき。
・ベラルーシやウクライナでは、原発事故収束作業員の健康検査を全員、登録して続けている。
日本もそうするべき。
ベラルーシやウクライナでは、原発事故作業員の健康検査を、全員登録して今も続けているんです。
全ての人のカルテが、80万人分のカルテが、今もあります。
だから、この子たちは、首都圏の子たちなんですけど、セシウムがオシッコから出てるし、
先程の方が、ここで匿名でお話しされた、その方がここで証言されたことが、全部起きています。
これはやっぱり、子供最優先で、そこに定住しようと決めた親がいたとしてもですね、
意識のある親も、意識のない親の子も、等しく保養や疎開ができる仕組みを、一刻も早くつくらないと、
日本のすごく広範囲にわたって、子どもたちの健康がこれからますます悪くなっていく、というふうに危惧しています。
終わります。
質問
2:45:40
Q:
子どもたちの保養する先なんですけど、私たちが行っている保養との違いを教えていただきたい。
ベラルーシで行っている保養システムとの違い。
鎌仲:
日本の場合はなんかこう…短いんですよね。
この保養所は、2012年には取材が出来なくて、2013年に、駐日の在ベラルーシ大使が代わったんです。
で、新しい大使にお願いしたら、彼は科学者で、科学アカデミーの会員で、
「10日ではダメだ。
24日、そうやって隔離されなければ、身体の中から放射性物質を出し切ることができない」
それは、本当に長い試行錯誤で出てきた結論なので、
保養は24日以上というのが必須である。
あと、食べるものに関しても、ミネラルが豊富であるとか、
全てストロンチウムまで検査してクリーンなものを24日間必ず通しで食べさせるということ。
水も、ものすごくいいものを使っていて、
検査しまくって、環境が確保されたところに、健康増進を目的としてプログラムを組んでいると。
それは何故かというと、この27年間で、
子ども達の健康が、事故前から、総合的にものすごく損なわれているという認識を、国家が持っているから。
もしそれをやらなかったら、4万5000人にケアをしなかったら、子どもたちの健康状態は下がっていく一方だからやっているわけで、
その、子どもたちの一人一人が、何らかのちょっとした慢性病を抱えてしまっているわけです、複数の。
それに対応する療法をやっているんですけど、
それは、絶対化学薬品を使わない、自然療法でやっている。
だから、物理的にマッサージをしたり、温熱療法をしたり、あるいはプールの中で歩かせたりという、
症状に応じた、彼らがあみ出した、自然の健康増進法を適用して、24日間一人一人に合わせてケアをするという、それが保養なんですよ。
でも日本の場合は、ちょっとストレス解消に行きましょうとか、気分転換に行きましょう。
でも、それでも私は、短期であれば、精神的なプラス面はあると思うんですけれど、
でも本来のベラルーシがやっている保養というのは、もっともっと、毎時的に、子どもたちの健康にアプローチすることなんですね。
Q:
いま、4万5000という数字が出たんですけれども、それは何の数字ですか?
鎌仲:
毎年、それだけの子どもが、保養を受けているという事です。
でも、それにプラスして、実は海外にも沢山出ているので、最低国家が補償しているのが、年間4万5000人だということです。