小川淳也議員のすばらしい質疑。
1時間強の長い質疑でしたが、もう何回繰り返して聞いたか。
文字起こしがしたくてしたくて、ずっと時間を見つけようと頑張っていたのですが、先週は私用が続いて残念ながら取りかかれませんでした。
今日は久々の、何も予定が入っていない日曜日。
なので朝からずっと、作曲以外はパソコンの前に陣取り、キーをパタパタ叩いています。
予想していた通り、2万文字の制限をはるかに超える文字起こしではありますが、小川議員の毅然とした口調、そしてとてもわかりやすくまとめられた質疑は、自民党の大臣らのフラフラした答弁とは違い、作業の疲れが違います。
大切な部分(ほとんどが小川委員の質疑内容ですが)は太文字にしました。
句点はほぼ、実際に聞こえたものに従いました。
時間の無い方は、せめて太文字の部分だけでも読んでください。
音声とともに読まれると、小川議員の気迫と心意気がジンジン伝わってきますので、もちろんこちらをお勧めします。
小川淳也 立憲民主党・無所属フォーラム 予算委員会 衆議院 2019 02 04
文字起こしはじめ
第198回国会 衆議院予算委員会 平成31年(西暦2019年)2月4日
野田委員長:
小川淳也さん。
立憲民主党・小川淳也議員(以下、小川委員):
立憲民主党、無所属フォーラムの小川淳也です。
まず委員長、この賃金が跳ね上がったのは去年の6月です。
システム改修が始まったのは去年の1月です。
システム改修を指示したのは17年5月、一昨年5月の、当時の石原統計室長です。
それなぜだったのか。
そこには賃金の水準を、まさにアベノミクスの成果を偽装するために、少しでもいい数字を出そうと、いう思惑がなかったのかどうか、
中間報告読んでも分からないので、私は今日聞きたかった。
参考人要求してますが、なぜ来ていただけないのか、委員長のお答えを求めます。
野田委員長:
先ほど申し上げましたが、えーお昼の理事会において協議をいたしましたが、えー、えー協議が整いませんで、一部の参考人の処置について協議が整いませんでしたので、承知しないことと決定いたしたところです。
小川委員:
この国会に対して、これだけの統計不正が起きてるわけですからね、ほとんど関係大臣ですよ。
そして、この国会に対して、一定の真相究明、国民の期待は高いです。
しかし、肝心の真相知ってる人を更迭するは、出さないは、全くもって真相の究明のしようがないじゃないですか。
もう一人、1回チャンスがあったんですよこれは。
中間報告見ると、17年の冬に、当時の石原室長は、上司に報告をしてる。
「実は不正をしてた」と。
それを聞いた当時の酒光統括官、「すぐに正しなさい」と指示をしてる。
しかし石原さんはそのまま放置をし、酒光さんも一切その後お構いなし。
この辺の経過がなぜ、監督責任を果たせなかったのか、私は酒光元統括官にも聞きたかった。
参考人要求をしましたが、なぜこれも受け入れられないんですか。
野田委員長:
あのー、小川委員にお答えいたします。
今後の招致については、引き続き与野党で、協議をしていただきたいと、思います。
小川委員:
委員長、今のお言葉は重いと思いますよ。
委員長、ここで、ここだけやり過ごせばいいと、いうことではありませんから。
委員長の責任に置いて、しっかりリーダーシップを発揮してください。
与党側も与党側ですよ。
何故同意しないんですか。
今私が申し上げた、キーマンを呼ばなければ、何も分からないじゃないですか。
一緒に解明するんじゃなかったんですか、与野党超えて。
激しく苦言を申し上げたい、と思います。
本題に入りますが、安倍総理、去年の6月に3.3%という驚異的な数字の伸びがありました。
21年5ヶ月ぶりと大きく報じられたわけであります。
当時安倍総理は、初めて、民間に対して、具体的な数字をあげて賃上げ要請しています。
その数字が3パーセント、でありました。
従って、何らかこの、3.3%という数字が大きく報じられた時に、何らかの印象なり、記憶なり、感想なりがあったと思うんですが、まずそれをお聞かせいただきたいと思います。
野田委員長:
内閣総理大臣安倍晋三さん。
安倍晋三総理大臣:
あの、ご存知だと思いますが、私はその時の、えー毎勤のですね、えー上がったことについてですね、発言したことは一度もございません私自身は。
ですからこれ、私自身が非常に印象に残ってればそうだったんだろうと思いますが、私自身実はですね、それが上がったということについて、実はいちいち毎勤統計について私、報告を受けていません。
私が、えー統計で報告を受けるのはですね、失業率と有効求人倍率を、各人において、厚労大臣総務大臣から報告を受ける時でございました。
基本的に、いちいちのですね、毎勤統計について、私、一喜一憂する考えはございませんし。
そもそも、もう小川議員もお気づきになってるでしょうけど、むしろ私は、えーこの毎勤統計についてですね、えーそれはさきほどもご説明したんですが、
事業所において、その事業所の職員で割ったものの平均ってございますから、経済の実態を直接示しているかどうかということについて、私はむしろそれは、総雇用者所得で見るべきだという議論をいつもしていたわけでございました。
ですからそういう意味に置いてですね、そこを私は、特別な印象を持っているわけではないわけでございまして、その実態から見れば、ブレがあることもあると。
後、あの、その前にですね、この前入れ替えも行われたということだった、ということもあるんだろうと、まあこう思う次第でございます。
野田委員長:
小川さん。
小川委員:
今のは今ので、非常につれないご答弁だと思いますね。
これだけ毎年、民間に、賃上げ要請賃上げ要請、そして昨年は初めて具体的な数字まで出して、そして、毎月毎月いちいちと聞いてませんよ。
21年5ヶ月ぶりと、いう大きな報道があったわけですから、何らかの印象が残ってるんではないか、と期待をして私が聞いたわけであります。
しかし、残念ながらその数字は嘘だったわけでありまして、今、その善後策にてんやわんやされてるわけであります。
で、長妻委員が、さっき午前中に指摘しかかったこと、少し追いかけさせて頂きたいんですが、
私はこの勤労統計、つまり色々と反論はあるでしょうけれども、いくつもの段階で去年の数字はかさ上げされてるわけです。
いくつもの段階で。
単に3倍補正が復元したと、いう話ではないわけです。
で、さっき長妻委員が指摘されたように、この議論は15年の6月から始まってます、厚生労働省内で。
しかし、慎重意見がたくさんあって、結論は出さなかった。
むしろ慎重だという結論を出した。
ここにこう書いてあるんですよ。
この検討会を設置した時に。
根元大臣、検討会の中間整理はご覧になってますよね。
『近年政策の効果を測る指標の一つとして、特に、労働者の賃金に関心が高まっており、増減率の動向について注目度が高い。
増加から減少に転じた月、つまり入れ替えによってですね、が発生したことで、各方面から「分かりにくい」といった意見等が寄せられた』
根本大臣、お答えられる範囲で結構なんですが、この、各方面から下がったことに対して意見が寄せられた、各方面って誰ですか。
野田委員長:
厚生労働大臣根本匠さん。
根本厚生労働大臣:
まあ、この問題については、えー、例えば統計の専門家などからの指摘もあった、と聞いております。
野田委員長:
小川さん。
小川委員:
それは過去から確かに、この勤労統計について色々話はあるんですが、大事なことは、70年同じ方式で調査してきたんです。
で、少々エコノミストから言われたとか、少々外部から言われたで、私は急ハンドルを切るとは思えない。
思い返すとですね、総理これもご記憶だと思うんですが、私ここにいまして、14年当時でした。
10月の3日だったか4日だったか。
当時前原さんが、アベノミクスの誤算と、いう質疑したんですよ。
悪い物価上昇が続いてる、つまり原油高と円安ですね。
そして実質賃金が上がらない。
そして輸出数量が伸びない。
私は非常に力のある質疑だったと、今でも記憶してます。
14年のそれが、秋のことです。
そして14年の12月に何があったか。
総理は消費税を先送って、衆議院を解散すると、いう荒手に出たわけです。
これ増税必死だった財務省に、激震が走ったと思いますね、当時。
まさに政権にとっては、アベノミクスにとっては、雇用も成長率もいい数字が欲しい。
増税必至の財務省にとっても、何が何でもいい数字が欲しい。
14年の秋から15年にかけて、そういう思惑なり、熱意が生じたとしても、私は不思議ではない。
それが、この15年10月の、麻生発言につながるんじゃありませんか。
麻生大臣、ちょっとお聞きします。
わざわざ10月の経済財政諮問会議で、勤労統計を名指しして、「おかしいから見直せ」と言ってますね。
一体これ財務大臣、何の権限に基づいて統計にここまで具体的に、示唆してんですか。
それから是非聴きたい。
これは大臣が発言したいから、「財務省に資料を用意しろ」と言ったのか。
それとも財務省から「是非この趣旨で発言してください」と言われたのか。
それも含めて、大臣の当時の発言の真意を聞かせてください。
野田委員長:
財務大臣麻生太郎さん。
麻生財務大臣:
この勤労統計っていうのか、毎月勤労統計いろいろありますけれども、こういったようなものは、私ども、この財政をいろいろやっていく上において、正確な基礎統計ってものが出ていないと話になりませんから、そういったものをきちんとやってもらいたいと、いうものの中の一つで、
例えば消費者物価なんかでも、いわゆる通販が入ってないじゃないかと。
今時通販が入ってなくてなんで消費者物価が分かるんだと、いうような話やらなにやらいろんなことをしているんですここで。
その中の一環で、私どもとしては、この勤労統計中においても、いわゆるサンプルのあれがえらく多くって毎年よくいわれている、今までもよくいわれている話なんで、
こういった話をして、精度の向上に向けて取り決めでやってもらいたいという話をしたんであって、
これを、私どもが「財務省からこれを言ってください」、と言われたような記憶はありません。
野田委員長:
小川さん。
小川委員:
では大臣のイニシアチブで、発案で、この発言をしたと受け止めました。
その「統計の精度を上げろ」というその言葉なんですよね、大体そう言うんですよ。
「正確な統計を出せ」、「時代にあった統計を出せ」、「精度を上げろ」、大体そう言うんですよ。
それがほんとかどうか。
裏に隠された意図はないのか。
私はそこを今回非常に、訝ってます。
ちょっと資料をご覧頂きたいんですが、これまさに、麻生大臣が、経済財政諮問会議に提出した資料ですよ。
よく見ると極めて私は意図的だと思う。
まず右の端、ご覧頂きたいんですがね。
「消費関連指数が乖離してるじゃないか」と、大臣は発言してるわけです。
しかし上の青い曲線は、これは小売側の統計です。
そして下の赤い曲線は、家計調査です、買った側の統計です。
つまり「売った側と買った側が合ってないじゃないか」と言ってるわけですが、正確に議事録申し上げると、気になっているのは統計について、家計調査だと言ってる。
つまり上の小売統計については何も言ってないわけです。
下ブレしている家計側、買った側の数字がどうかしてんじゃないかと暗に示唆してる。
2番目の、まさにこれ毎月勤労統計です、勤労統計。
これはサンプルを入れ替えるんですが、後ほど議論させて頂きますが、サンプルを入れ替えた時に確かにですね、数値が下がるんですよね。
でこの資料、ちょっと黄色マークしたところ見て下さい真ん中。
大臣は、公式には、段差が大きいのが問題だと言ってる。
しかし資料には、下方修正してることが問題である、かのような表現になってる、わざわざですよ。
上がったら文句言ってなかったんじゃないかと、下がってるから問題だと、言いかけてるように私には見える。
さらに右側。
ネット販売、今さっきおっしゃいましたが、ネット販売が増えてんだからそれを統計に入れろとか、あるいは、リフォームが増えてんだからそれも掴めと、数字をつかめと。
いやそらそうかもしれませんが、これ、財務大臣が目くじら立てて統計に言うようなことですか、ということを私は申し上げてる。
極めて政治的な意図が、裏に隠れてんじゃないですか。
「精度を高めろ」「正しい統計を出す」と表ではいいながら、裏では「数字をあげろ」と、「良い数字を出せ」と、暗に政治的圧力をかけてんじゃありませんか。
野田委員長:
麻生財務大臣。
麻生財務大臣:
あの役所におられたらお分かりと思いますけど、圧力をかけたら数字が上がるもんでしょうか。
野田委員長:
小川さん。
小川委員:
役所にいたから聞いてんですよ。
ちょっと、この政権は、公文書書き換えさせてますからね。
それ具体的に指示したんですか。
指示してないのになんでやるんですか、官僚がそんなこと、追い詰められて。
そういう政権なんですよ。
そういう体質を持った政権なんだ。
その前提でこの数字について聞いてるわけです。
70年間、じゃこっから先ちょっと議論しましょう。
70年間ね、毎月勤労統計が、こういう全数入れ替えをやってきたにはそれなりの理由がある。
そしてわざわざ自前の研究会では、それをしないという結論を出した。
その後厚生労働省では一度も公式に研究してません。
いきなり統計委員会の場に持ってかれた。
つまり相当政治的な力学が働いた、と私には思えてならない。
ちょっと具体的な議論に入る前に、指摘したいことがいくつかありましてね。
まさにこの15年の時期から、極めて統計に対して政治家が発言するんですよ、安倍政権の下で。
私に言わせれば、統計に政治の手が入ってる。
統計が政治化してる。
具体的に言いますよ。
2000、これは翌年16年です、16年。
経済財政諮問会議の、これ骨太方針。
28年、2016年の6月ですね、副題は、『600兆円経済への道筋』ですよ。
私はね先に申し上げておきますが、麻生さんの発言、大臣の発言が15年の10月です。
15年の9月に何があったか。
安倍総裁が自民党総裁選挙で再選されてるんです。
そして9月24日、アベノミクス新三本の矢と大々的に発表した。
その一本目がGDP600兆円なんですよ。
このGDP600兆円という大本営発表に、一生懸命これ官僚ついてきたんじゃないですか、霞が関あげて、何とか辻褄合わそうと。
そういう文脈の上でお尋ねしてます。
心して聞いていただきたいと思いますが、この骨太方針、第2章は『成長と分配の好循環』、そしてその2が、『成長戦略の加速』なんですね、『成長戦略の加速』ですよ。
その中に、まあ分かりますよ、東京オリンピックやろうじゃないか 、PFI、TPP、国土強靭化、まあまあわかりますよ。
しかし最後にですよ、TPPやオリンピックやPFIや国土強靭化と並んで、統計改革、統計改善って書いてあるんですよ。
何でですか。
ちょっとこれ誰が担当ですかね、茂木さんですか。
なぜ統計改革が、成長戦略なんですか。
野田委員長:
茂木国務大臣。
茂木国務大臣:
あのーご指摘のですね、この統計の問題、計算方法の変更。
これ、2016年の12月に実施しましたGDPの基準改定、このことを指していると思います。
あのーお聞きください冷静に。
あのーこれはあのR&Dの資本家など最新の国際基準に対応するとともに、最新の産業関連表であったりとか、えー推計手法を反映した改定であります。
あのこの改定によりまして(小川委員・聞いてません、委員長、聞いてませんそんなこと。なぜ成長戦略が統計改革なのか)日本経済に強くより正確に計算できるようになったと考えております。
なお、この基準改定は、先生が与党にいらした、民主党政権時代にですね、11年に対応方針が決められ、その後専門家で決めさせて頂いた話であります。
野田委員長:
はい小川さん。
小川委員:
答えられないんですよ、何故、統計改革が成長戦略に位置づけられるのか。
答えられないんですよ。
そりゃそうでしょ、統計なんて極めて技術的、客観的、科学的、中立的にやってこそです。
もう一つありますよ。
この委員室にもおられると思いますが山本幸三先生、当時財政経済財政担当大臣だった、違うか、ごめんなさい、行革でした、失礼しました。
訂正します、お詫びして訂正します。
立派なお仕事です。
16年の、いいですか、今のが6月。
16年の12月に今度は、山本大臣がわざわざ臨時議員として経済財政諮問会議に出かけてった。
何を言ったのか。
「政治主導の統計改革を実現しよう」ですよ。
何でですか?
なぜですか?
なぜ統計改革を政治主導でやらなきゃいけないんだ。
いいですか皆さん、一党一派に偏った政治家ですよ。
一党一派に偏った政治家が、やれ統計改革やれ統計改革、その旗を振ること自体が不謹慎だ。
おかしいんですよ。
誰か答弁したい人いますかこれ。
じゃあ総理にどうぞ。
野田委員長:
内閣総理大臣安倍晋三さん。
安倍総理:
これ山本大臣がですね、政治主導の統計改革と言ったのはですね、別に一党一派に偏るような統計(小川議員・偏ってる『人』ですから)いやいや、偏るような統計改革をしろと言ったのではないですよ。
これね、議事録が残るところの発言でありますから、つまり、第四次産業革命が今進行中である中においてですね、今までの統計のやり方、やり、やり方をですね墨守していていいのか、ということなんです。
もちろん専門家がやりますが、それにたいしてですね、政治家がまさに新しい時代の変化をしっかりとかぎとりながら、こういうことをやっていくべきではないか。
しかし、すいません、つまりその中でですね、もう一度統計のあり方を専門家で考えてもらったらいいのではないか、とこういうことであります。
つまり一切ですね、一切では、では一切ですね、我々は一言も口を出すな、ということなんでしょうか。
そうではなくて、専門家が決めていくことではありますが、今までのやり方でいいのかどうか検討しよう、ということはですね、これは政治主導でないと、できないんですよそれは。
政治主導でなければできないということは、申し上げておきたいと、こう思うわけでございます。
この際、ずっと今まで小川先生がおっしゃっていた、まるで私たちがですね、統計をいじってアベノミクスを良くしようとしている、そんなことできるはずがないじゃないですか。
そんなことできるはずがないんですよ。
今やってるじゃないですかっていう声があったんですが、でもこれは、もし東京の502以上の事業所をちゃんととっていれば、我々が政権をとった後も指標ももっとよくなっているんですよ。
景気回復はですね東京からよくなっていくし、どちらかというとやっぱり大手の方からよくなっていきますから、もっとよく差がでてくるんです。
それをむしろそのまま下がっていたからですね、下がっていたから今度、雇用保険もですね、労災保険も船員保険も、これは対応しなければいけなくなっていたわけであって、
私たちがもし、上にですね、上になんか下駄上げかさ上げしていたんだったらこれ、逆になるわけでありますから。
(小川議員・これは私の質問の場ですから、委員長、総理が言いたいことを仰る場ではありませんから)
だから冷静にですね、冷静に、なにが何でも安倍政権がですね、なにか偽造を、偽造をしようとしていたかっていう、結論ありきになるとですね、正確な議論ができませんから、やっぱりここは落ち着いてですね、統計の議論をされたらどうなんでしょう。
野田委員長:
小川さん。
小川委員:
これは私が思ってるだけじゃありませんからね。
多くの論評でありますよ。
これはエコノミストから、外国のメディアから、そして後ほどお聞きしますが、日銀と内閣府の間でもやり取りしてんですから。
元データ出せと、そんな話になってんですよ。
さらに言います。
山本大臣が、政治主導で統計改革をやるべきだと、わざわざ出張って、行かれて、発言したのが16年の12月。
そして、17年の2月に、今度は、菅官房長官を議長として、統計改革推進会議なるものができてるわけですよ。
メンバー、梶山行革担当大臣、茂木当時、今もそうですね経済財政政策担当大臣、そして予算委員長、総務大臣、そして麻生財務大臣、世耕経産大臣。
まあもちろん学識もいますけれどもね。
こうして、もう、相当統計に、政治のエネルギーってんですか、政治の、まあ良く言えばリーダーシップと言うのか、私に言わせれば政治的圧力だこれは。
現実にですよ、この時期統計委員会における、統計手法の変更ケースが増えてる。
だいたい民主党政権の頃は9件とか7件っていうんですかね、年間ですよ、統計手法を変更したのは。
安倍政権になって15、13、12、15、12、ものすごい数の統計手法の変更させてるんですよ。
これは事実だ。
それこれ見ると、今総理がおっしゃったような、なんか全体を見てんだっていう安気な話なのか、麻生大臣がおっしゃったような、精度を高めてんだと、いうような綺麗事ですむのか。
私はとてもそう思えない。
具体的に勤労統計について少し議論させてください。
麻生大臣、よくお聞きいただいて、できれば麻生大臣、それから根本大臣も、分かる範囲で結構ですから、ご答弁頂きたいんですが、
今回、不正調査をしてきたことは明らかに問題であり違法です。
長年にわたってね。
しかし午前中、長妻さんが指摘したように、これは単なる不正の復元だけでこの数字は出てないわけです。
不正の復元を隠蔽したことも問題。
しかしそれ以上に、これだけ高い数値が出るには、まあもちろん公表ベースで言えば、サンプリングを入れ替えたとか、標本で大企業の割合が増えたとか、まあもっともらしいこと書いてますよ。
しかし正面から私はこの制度改革をした、二つの点について議論させていただきたい。
ひとつは、まさに麻生大臣が嫌がった全数入れ替えを、部分入れ替えに変更すると何が起きるかということです。
これ誰に御答弁いただきましょうかね。
70年間全数入れ替えしてきたんですよ、3年に1回。
麻生大臣、3年に1回全数入れ替えをすると、麻生大臣が嫌がる通り数字は下がるんですよ。
私ねこれ驚きました。
昭和40年代50年代、もう高度成長期かと、バブル以前の成長率の高い時ですら下がってる。
何故だと思いますか大臣、麻生大臣。
野田委員長:
麻生財務大臣。
麻生財務大臣:
私はそのことをやれば上がるとが下がるとかいうことを、私どもがしてきたわけではありません。
私はきちんとして、統計の数字がきちんとしたものが出ないと、入れ替えるたんびに上がったり下がったりするのはいかがなものかと言うんで、きちんとした事をやってもらいたいという話を申し上げた結果なんであって、
その数字の結果についてより、私はそこに出てくる、いわゆる問題が大きいだということを申し上げて、先ほどなんだっけな、通販の話をしたんですかな、
今の時代に通販が入ってないということ自体がおかしいじゃないですか、というような一連の話の中から出たんだと記憶しております。
野田委員長:
小川さん。
小川委員:
私も、その数字が正しいのかどうかを議論をしてるわけですから大臣、ちゃんと真面目に議論に向き合ってください。
分からないなら分からないで結構です。
大臣はいつもね、俺は経営者だと、経営やってない奴にはわかんないだろうと、よくそういう、反論飛ばしてこられますよね、国会質問で。
だから聞いたんですけどね。
じゃあ言います大臣。
なぜ3年に1回、全数調査を入れ替えれば、数値は下がるのか。
この国の1年間の廃業率ご存知ですか総理、あ、麻生大臣。
ご存知ですか?
知ってたら首縦に、知らなければ結構です。
今だいたいね、これ5%なんですよ、5%、廃業率がね。
それで、ということはですよ、これ、5年に一度の経済センサス、つまり、経済界に対する国政調査ですね、みてもそうなんですが、
ということはなんですが、企業の、5年生存率は、約8割なんです。
毎年5%ずつ企業は淘汰されていきますから。
そして企業全数入れ替えするということは、廃業、倒産、直前の企業も入るわけです。
そしてもちろん、生まれたての新発企業も入る。
しかしいずれも賃金水準低いんですね。
ところが、継続サンプルで1年目、2年目、そして3年目と、継続調査をすればするほど、比較的優良な成績を上げた企業の、賃金水準の高い企業が、標本として残るわけです。
だから、3年間これを続けると、賃金水準が高く出、そして3年後にサンプルを全数入れ替えで入れ替えると、必ず低く出るわけです。
そこで大臣に聞きます。
どちらが、国民の経済実態に近いですか、どちらが。
優良企業ばかりじゃないですよ世の中は。
どちらが、実際に働いてる現場の労働者の賃金感覚に近いですか。
野田委員長:
麻生財務大臣。
麻生財務大臣:
多分、全数入れ替えの方がと言いたいんだと思いますけども、景気の需要によって違うわねその今の話は。
随分景気が変わってくると随分変わるような気がするけどね今の感じは。
野田委員長:
はい、小川さん。
小川委員:
それが間違いだから聞いているんですよ。
さっき申し上げたでしょう。
昭和50年代から、あるいは平成に入って一桁、まだまだそんなに、なんていうんですか、今みたいに言われてない頃ですよ。
調べてみてください。
毎回下がってる。
2年3年に1回ね。
それぐらい、企業の、生き残りバイアスと、統計委員会でこれ議論された資料です。
読み上げます。
『賃金の水準を見ると、ローテーションサンプリング、つまり一部入れ替え制、導入にともなう留意点として、
賃金の水準を見ると、継続調査されている共通事業所の賃金は、全ての事業所の合計よりも約4000円、1.5ポイント高くなってる。
継続調査されている事業所の賃金水準が、新規事業の水準よりも高くなっていること』
ちょっとややこしいね、結論だけ言います。
つまり、生き残りバイアスが一定程度存在することを示している。
これが統計委員会の結論です。
従って、段差があることに服す麻生財務大臣は、ちょっと文句をつけておられますが、これは健全な段差だったんですよ。
70年間この手法で調査してきたんだ。
それを、鶴の一声で今回変えさせた。
それで一段目積み上がったわけです。
厚労大臣認めてください。
全数調査をした方が、世の中の実態に近い。
つまり労働者の受け取ってる賃金感覚、いい企業もあればそうでもない企業もあります。
これを継続している会社にすれば、企業の継続バイアスがかかり、生き残りバイアスがかかり、比較的賃金は高く出る。
これは、統計委員会でこう言われてますから大臣、ここで認めてください。
野田委員長:
根本厚生労働大臣。
根本厚生労働大臣:
あの、今その点についてお答えします前に、委員はね、本当にこの問題の本質を言ってるんです。
(小川委員・そうですよ)
全数入れ替えるでしょ、3年にいっぺん(小川委員・そう)。
そうすると仰るように、段差が生じるんですよ、段差が生じる。
だから今までどうしてきたかというと、(小川委員・補正してきたんですよ)補正する(小川委員・それでいいんですよ)。
段差を調整するために、さかのぼって補正するんですよ。
実はここが問題にされたんですよ。
期間統計、旧統計(小川委員・されても跳ね返さなければいけなかった)いやいや違う違う、これはですよ、ちょっと旧統計同士ね、私の記憶では、ローテーションサンプリングをやってる統計が確か、6統計あると思いますよ。
ですから、これはどういう統計のやり方が、正しい数値を表すか、極めて私はこれは、統計の専門家の議論で。
ですから仰るとおりなんですよ。
だから、3分の一、(小川委員・だったら認めてください私の言うことを)いや2分の一ずつ入れ替えれば、これは段差が生じるっちゅうことはないから、そうするとこれからはこの資料で見ていきましょうと。
ですから、段差が生ずるかどうか、これは、勤労統計でも長年の課題で、これはいろんな議論がされてきた。
今回それを、統計委員会で、客観な統計委員会で、段差を修正して補正するのがいいのか、ローテーションサンプリングでやるのがいいのか。
そしてローテーションサンプリングでいいという結論を、これでいきましょうという結論を出したんですよ。
それと、いや、委員の仰るね、継続している事業所の話、これはあれですか、共通事業所系列のお話ですか。
(小川委員・違いますよ、一般の)
あ分かった、じゃあね、だったら、(小川委員・もういいや)いや違うんですよ違う、ちょっとしゃべらしてくださいよ、聞かれてんだから。
だから、例えば3年にいっぺんだと、あのーやっぱり倒産していく企業がある。
そうすると、仰るように、生き残ってる企業、そしてサンプルを入れ替えると、そこは段差が生ずるんですね。
ですからもちろん、もちろん、継続してやってる企業だけずーっと取れば、そこは(小川委員・高く出るんだだから)それは高く、だから高く出る可能性がだって、あのーダメな企業はつぶれてくんだから。
だからそういうことですよ、そういうことじゃないですか。
だから、3年にいっぺんがらっと変えると、旧サンプルと新サンプルで段差が出る、そこが問題視されたってことですよ。
野田委員長:
小川さん。
小川委員:
大臣その、なにを御答弁されてる。
つまりそういうことなんです。
それでね、段差が出ることは、統計処理上課題がある。
それはその通りです。
従ってこれを1/3入れ替え制にすれば、比較的統計は連続するでしょう。
しかしそれは、世の中の経済実態から、少しとはいえ、乖離した指標が出がちになる調査方法に変更した、ということです。
しかも、17年と比較すると、18年は比較的高く出る。
これで一段目の下駄を履いたわけです。
もう一つ聞きます。
この年もう一つやってますよね。
これまで常用雇用者、について調べてるわけですが、勤労統計は。
常用雇用者の定義から、日雇い労働者を外しましたね。
それまで月に18日間勤務していた、日雇い労働者は、常用雇用者に含めて計算をしていた。
ところがこの18年1月から、常用雇用者からこの日雇い労働者を除いた。
これも賃金高めに出るんじゃありませんか。
野田委員長:
根本厚生労働大臣。
根本厚生労働大臣:
あのー日雇いを除いたのは事実です。
それにそれ、その結果どういう影響が出るかというのは、私はにわかには今お答えできません。
野田委員長:
小川さん。
小川委員:
まあ分かる範囲でお答えいただければいいとはいえ、どう考えても下がるでしょう。
ご紹介しますよ、統計委員会の、部会での審議。
実はね、今回の勤労統計の、統計手法の見直しにあたって、ここは統計委員会から相当警告が来てんですよね。
それを振り切ってやったんですよ、今回厚生労働省は。
読みますよ。
まず部会の委員から、「これ、どのくらいの影響があるんだ」と質問してる、議事録見ますとね。
そうすると、「労働者数で言うと大体全体の1%だと、いう統計はとれている」と、いう答弁があります。
しかし残念ながらこれは、賃金水準の調査が明確にあるわけではないのでわからない、ということになってるんですが、納得のいかない委員がさらに追いかけて、こう言ってんです。
「ざっとイメージしようじゃないですか。
常用雇用者の賃金が大体30万円として、仮にです、日雇い労働者の賃金が大体20万円だとすると、労働者数が1%であれば、これ賃金水準に、最大0.3%の影響がある可能性がありますよ。
それは、黙っていっていいんでしょうか。
ほおかむりしていていいんでしょうか。
そのまま先へ進むというのはやはり、難しいんじゃないでしょうか」、とまで立派な意見を言ってる人もいるんです。
これを振り切ってやったんだ。
統計の、正確さを正そうとか、連続性を高めようとか、それは美名のもとにいいですよ。
しかし実際には、あの手この手を尽くして、賃金水準を少しでも上げてやろう、そういう絵姿が見え見えじゃないですかこれ。
この上に3倍補正やったんだ。
それで3.3%なんていう21年ぶりの数字、しかも総理はそれはあまり記憶にないという。
私はね、今回、これで無理をした結果、長年陰に隠れていた不正が明るみに出たわけです。
異常に高くなったからです。
そして異常に高くなった背景には、こういう、それをそれと気付かせない、隠された意図、隠れた故意で、統計の数字に、政治が介入してきた疑惑がある。
これが果たして、勤労統計だけなのか。
それにとどまらないのか。
私は徹底的な検証が必要だと思いますよ。
なぜならこの政権は、公文書を書き換えさせてるからです。
私ね、私も霞ヶ関の出身ですよ。
官房長よく聞いて頂きたいんですがね。
最近、この質問の準備するにあたっても、あるいはその他でも結構ですよ。
現場で、私は野党ですから、幹部の方は来られません。
せいぜい係長、課長補佐、若い人が来ますよ。
しかし彼らの今モラルは、どうなってしまったんだと、思うことが多々ある。
組織に媚びへつらって、何が正しいかではなく、何が都合が良いかを一生懸命探し、一生懸命この政権に対して、尻尾を振れば必ず出世し、楯突いて正論を吐けば、飛ばされて左遷される。
どうですか霞ヶ関の皆さん。
そういう体質が蔓延してきたんじゃないですか。
私はね、民主党政権の時に、十分に国民の期待に応えられなかったことは今でも良心の呵責です。
その後自民党は立派だと思ってきた面もある。
確かにプロですよ。
政治の運営にかけては玄人だ。
しかし政権がそれでも、これだけ長く続くと、この霞ヶ関の、あんな若い人たちまでこうしてしまうのかと。
私は、やっぱり長期政権は変えなきゃいけないと。
非常に強い危機感、これはやがて社会の隅々まで末端まで、モラルを崩壊させる。
正義感や倫理観を失わしめる。
政権の延命以外の目的がないじゃないですか。
私は今回ね、それぐらいのことを感じているわけです。
私だけですかね、この統計に関して言ってるのは。
******* ******* ******* *******
字数制限が近づいてきました。
そしてわたしの脳みそと集中力の限界も近づいてきました。
つづきは、日本銀行の参考人に続きます。
1時間強の長い質疑でしたが、もう何回繰り返して聞いたか。
文字起こしがしたくてしたくて、ずっと時間を見つけようと頑張っていたのですが、先週は私用が続いて残念ながら取りかかれませんでした。
今日は久々の、何も予定が入っていない日曜日。
なので朝からずっと、作曲以外はパソコンの前に陣取り、キーをパタパタ叩いています。
予想していた通り、2万文字の制限をはるかに超える文字起こしではありますが、小川議員の毅然とした口調、そしてとてもわかりやすくまとめられた質疑は、自民党の大臣らのフラフラした答弁とは違い、作業の疲れが違います。
大切な部分(ほとんどが小川委員の質疑内容ですが)は太文字にしました。
句点はほぼ、実際に聞こえたものに従いました。
時間の無い方は、せめて太文字の部分だけでも読んでください。
音声とともに読まれると、小川議員の気迫と心意気がジンジン伝わってきますので、もちろんこちらをお勧めします。
小川淳也 立憲民主党・無所属フォーラム 予算委員会 衆議院 2019 02 04
文字起こしはじめ
第198回国会 衆議院予算委員会 平成31年(西暦2019年)2月4日
野田委員長:
小川淳也さん。
立憲民主党・小川淳也議員(以下、小川委員):
立憲民主党、無所属フォーラムの小川淳也です。
まず委員長、この賃金が跳ね上がったのは去年の6月です。
システム改修が始まったのは去年の1月です。
システム改修を指示したのは17年5月、一昨年5月の、当時の石原統計室長です。
それなぜだったのか。
そこには賃金の水準を、まさにアベノミクスの成果を偽装するために、少しでもいい数字を出そうと、いう思惑がなかったのかどうか、
中間報告読んでも分からないので、私は今日聞きたかった。
参考人要求してますが、なぜ来ていただけないのか、委員長のお答えを求めます。
野田委員長:
先ほど申し上げましたが、えーお昼の理事会において協議をいたしましたが、えー、えー協議が整いませんで、一部の参考人の処置について協議が整いませんでしたので、承知しないことと決定いたしたところです。
小川委員:
この国会に対して、これだけの統計不正が起きてるわけですからね、ほとんど関係大臣ですよ。
そして、この国会に対して、一定の真相究明、国民の期待は高いです。
しかし、肝心の真相知ってる人を更迭するは、出さないは、全くもって真相の究明のしようがないじゃないですか。
もう一人、1回チャンスがあったんですよこれは。
中間報告見ると、17年の冬に、当時の石原室長は、上司に報告をしてる。
「実は不正をしてた」と。
それを聞いた当時の酒光統括官、「すぐに正しなさい」と指示をしてる。
しかし石原さんはそのまま放置をし、酒光さんも一切その後お構いなし。
この辺の経過がなぜ、監督責任を果たせなかったのか、私は酒光元統括官にも聞きたかった。
参考人要求をしましたが、なぜこれも受け入れられないんですか。
野田委員長:
あのー、小川委員にお答えいたします。
今後の招致については、引き続き与野党で、協議をしていただきたいと、思います。
小川委員:
委員長、今のお言葉は重いと思いますよ。
委員長、ここで、ここだけやり過ごせばいいと、いうことではありませんから。
委員長の責任に置いて、しっかりリーダーシップを発揮してください。
与党側も与党側ですよ。
何故同意しないんですか。
今私が申し上げた、キーマンを呼ばなければ、何も分からないじゃないですか。
一緒に解明するんじゃなかったんですか、与野党超えて。
激しく苦言を申し上げたい、と思います。
本題に入りますが、安倍総理、去年の6月に3.3%という驚異的な数字の伸びがありました。
21年5ヶ月ぶりと大きく報じられたわけであります。
当時安倍総理は、初めて、民間に対して、具体的な数字をあげて賃上げ要請しています。
その数字が3パーセント、でありました。
従って、何らかこの、3.3%という数字が大きく報じられた時に、何らかの印象なり、記憶なり、感想なりがあったと思うんですが、まずそれをお聞かせいただきたいと思います。
野田委員長:
内閣総理大臣安倍晋三さん。
安倍晋三総理大臣:
あの、ご存知だと思いますが、私はその時の、えー毎勤のですね、えー上がったことについてですね、発言したことは一度もございません私自身は。
ですからこれ、私自身が非常に印象に残ってればそうだったんだろうと思いますが、私自身実はですね、それが上がったということについて、実はいちいち毎勤統計について私、報告を受けていません。
私が、えー統計で報告を受けるのはですね、失業率と有効求人倍率を、各人において、厚労大臣総務大臣から報告を受ける時でございました。
基本的に、いちいちのですね、毎勤統計について、私、一喜一憂する考えはございませんし。
そもそも、もう小川議員もお気づきになってるでしょうけど、むしろ私は、えーこの毎勤統計についてですね、えーそれはさきほどもご説明したんですが、
事業所において、その事業所の職員で割ったものの平均ってございますから、経済の実態を直接示しているかどうかということについて、私はむしろそれは、総雇用者所得で見るべきだという議論をいつもしていたわけでございました。
ですからそういう意味に置いてですね、そこを私は、特別な印象を持っているわけではないわけでございまして、その実態から見れば、ブレがあることもあると。
後、あの、その前にですね、この前入れ替えも行われたということだった、ということもあるんだろうと、まあこう思う次第でございます。
野田委員長:
小川さん。
小川委員:
今のは今ので、非常につれないご答弁だと思いますね。
これだけ毎年、民間に、賃上げ要請賃上げ要請、そして昨年は初めて具体的な数字まで出して、そして、毎月毎月いちいちと聞いてませんよ。
21年5ヶ月ぶりと、いう大きな報道があったわけですから、何らかの印象が残ってるんではないか、と期待をして私が聞いたわけであります。
しかし、残念ながらその数字は嘘だったわけでありまして、今、その善後策にてんやわんやされてるわけであります。
で、長妻委員が、さっき午前中に指摘しかかったこと、少し追いかけさせて頂きたいんですが、
私はこの勤労統計、つまり色々と反論はあるでしょうけれども、いくつもの段階で去年の数字はかさ上げされてるわけです。
いくつもの段階で。
単に3倍補正が復元したと、いう話ではないわけです。
で、さっき長妻委員が指摘されたように、この議論は15年の6月から始まってます、厚生労働省内で。
しかし、慎重意見がたくさんあって、結論は出さなかった。
むしろ慎重だという結論を出した。
ここにこう書いてあるんですよ。
この検討会を設置した時に。
根元大臣、検討会の中間整理はご覧になってますよね。
『近年政策の効果を測る指標の一つとして、特に、労働者の賃金に関心が高まっており、増減率の動向について注目度が高い。
増加から減少に転じた月、つまり入れ替えによってですね、が発生したことで、各方面から「分かりにくい」といった意見等が寄せられた』
根本大臣、お答えられる範囲で結構なんですが、この、各方面から下がったことに対して意見が寄せられた、各方面って誰ですか。
野田委員長:
厚生労働大臣根本匠さん。
根本厚生労働大臣:
まあ、この問題については、えー、例えば統計の専門家などからの指摘もあった、と聞いております。
野田委員長:
小川さん。
小川委員:
それは過去から確かに、この勤労統計について色々話はあるんですが、大事なことは、70年同じ方式で調査してきたんです。
で、少々エコノミストから言われたとか、少々外部から言われたで、私は急ハンドルを切るとは思えない。
思い返すとですね、総理これもご記憶だと思うんですが、私ここにいまして、14年当時でした。
10月の3日だったか4日だったか。
当時前原さんが、アベノミクスの誤算と、いう質疑したんですよ。
悪い物価上昇が続いてる、つまり原油高と円安ですね。
そして実質賃金が上がらない。
そして輸出数量が伸びない。
私は非常に力のある質疑だったと、今でも記憶してます。
14年のそれが、秋のことです。
そして14年の12月に何があったか。
総理は消費税を先送って、衆議院を解散すると、いう荒手に出たわけです。
これ増税必死だった財務省に、激震が走ったと思いますね、当時。
まさに政権にとっては、アベノミクスにとっては、雇用も成長率もいい数字が欲しい。
増税必至の財務省にとっても、何が何でもいい数字が欲しい。
14年の秋から15年にかけて、そういう思惑なり、熱意が生じたとしても、私は不思議ではない。
それが、この15年10月の、麻生発言につながるんじゃありませんか。
麻生大臣、ちょっとお聞きします。
わざわざ10月の経済財政諮問会議で、勤労統計を名指しして、「おかしいから見直せ」と言ってますね。
一体これ財務大臣、何の権限に基づいて統計にここまで具体的に、示唆してんですか。
それから是非聴きたい。
これは大臣が発言したいから、「財務省に資料を用意しろ」と言ったのか。
それとも財務省から「是非この趣旨で発言してください」と言われたのか。
それも含めて、大臣の当時の発言の真意を聞かせてください。
野田委員長:
財務大臣麻生太郎さん。
麻生財務大臣:
この勤労統計っていうのか、毎月勤労統計いろいろありますけれども、こういったようなものは、私ども、この財政をいろいろやっていく上において、正確な基礎統計ってものが出ていないと話になりませんから、そういったものをきちんとやってもらいたいと、いうものの中の一つで、
例えば消費者物価なんかでも、いわゆる通販が入ってないじゃないかと。
今時通販が入ってなくてなんで消費者物価が分かるんだと、いうような話やらなにやらいろんなことをしているんですここで。
その中の一環で、私どもとしては、この勤労統計中においても、いわゆるサンプルのあれがえらく多くって毎年よくいわれている、今までもよくいわれている話なんで、
こういった話をして、精度の向上に向けて取り決めでやってもらいたいという話をしたんであって、
これを、私どもが「財務省からこれを言ってください」、と言われたような記憶はありません。
野田委員長:
小川さん。
小川委員:
では大臣のイニシアチブで、発案で、この発言をしたと受け止めました。
その「統計の精度を上げろ」というその言葉なんですよね、大体そう言うんですよ。
「正確な統計を出せ」、「時代にあった統計を出せ」、「精度を上げろ」、大体そう言うんですよ。
それがほんとかどうか。
裏に隠された意図はないのか。
私はそこを今回非常に、訝ってます。
ちょっと資料をご覧頂きたいんですが、これまさに、麻生大臣が、経済財政諮問会議に提出した資料ですよ。
よく見ると極めて私は意図的だと思う。
まず右の端、ご覧頂きたいんですがね。
「消費関連指数が乖離してるじゃないか」と、大臣は発言してるわけです。
しかし上の青い曲線は、これは小売側の統計です。
そして下の赤い曲線は、家計調査です、買った側の統計です。
つまり「売った側と買った側が合ってないじゃないか」と言ってるわけですが、正確に議事録申し上げると、気になっているのは統計について、家計調査だと言ってる。
つまり上の小売統計については何も言ってないわけです。
下ブレしている家計側、買った側の数字がどうかしてんじゃないかと暗に示唆してる。
2番目の、まさにこれ毎月勤労統計です、勤労統計。
これはサンプルを入れ替えるんですが、後ほど議論させて頂きますが、サンプルを入れ替えた時に確かにですね、数値が下がるんですよね。
でこの資料、ちょっと黄色マークしたところ見て下さい真ん中。
大臣は、公式には、段差が大きいのが問題だと言ってる。
しかし資料には、下方修正してることが問題である、かのような表現になってる、わざわざですよ。
上がったら文句言ってなかったんじゃないかと、下がってるから問題だと、言いかけてるように私には見える。
さらに右側。
ネット販売、今さっきおっしゃいましたが、ネット販売が増えてんだからそれを統計に入れろとか、あるいは、リフォームが増えてんだからそれも掴めと、数字をつかめと。
いやそらそうかもしれませんが、これ、財務大臣が目くじら立てて統計に言うようなことですか、ということを私は申し上げてる。
極めて政治的な意図が、裏に隠れてんじゃないですか。
「精度を高めろ」「正しい統計を出す」と表ではいいながら、裏では「数字をあげろ」と、「良い数字を出せ」と、暗に政治的圧力をかけてんじゃありませんか。
野田委員長:
麻生財務大臣。
麻生財務大臣:
あの役所におられたらお分かりと思いますけど、圧力をかけたら数字が上がるもんでしょうか。
野田委員長:
小川さん。
小川委員:
役所にいたから聞いてんですよ。
ちょっと、この政権は、公文書書き換えさせてますからね。
それ具体的に指示したんですか。
指示してないのになんでやるんですか、官僚がそんなこと、追い詰められて。
そういう政権なんですよ。
そういう体質を持った政権なんだ。
その前提でこの数字について聞いてるわけです。
70年間、じゃこっから先ちょっと議論しましょう。
70年間ね、毎月勤労統計が、こういう全数入れ替えをやってきたにはそれなりの理由がある。
そしてわざわざ自前の研究会では、それをしないという結論を出した。
その後厚生労働省では一度も公式に研究してません。
いきなり統計委員会の場に持ってかれた。
つまり相当政治的な力学が働いた、と私には思えてならない。
ちょっと具体的な議論に入る前に、指摘したいことがいくつかありましてね。
まさにこの15年の時期から、極めて統計に対して政治家が発言するんですよ、安倍政権の下で。
私に言わせれば、統計に政治の手が入ってる。
統計が政治化してる。
具体的に言いますよ。
2000、これは翌年16年です、16年。
経済財政諮問会議の、これ骨太方針。
28年、2016年の6月ですね、副題は、『600兆円経済への道筋』ですよ。
私はね先に申し上げておきますが、麻生さんの発言、大臣の発言が15年の10月です。
15年の9月に何があったか。
安倍総裁が自民党総裁選挙で再選されてるんです。
そして9月24日、アベノミクス新三本の矢と大々的に発表した。
その一本目がGDP600兆円なんですよ。
このGDP600兆円という大本営発表に、一生懸命これ官僚ついてきたんじゃないですか、霞が関あげて、何とか辻褄合わそうと。
そういう文脈の上でお尋ねしてます。
心して聞いていただきたいと思いますが、この骨太方針、第2章は『成長と分配の好循環』、そしてその2が、『成長戦略の加速』なんですね、『成長戦略の加速』ですよ。
その中に、まあ分かりますよ、東京オリンピックやろうじゃないか 、PFI、TPP、国土強靭化、まあまあわかりますよ。
しかし最後にですよ、TPPやオリンピックやPFIや国土強靭化と並んで、統計改革、統計改善って書いてあるんですよ。
何でですか。
ちょっとこれ誰が担当ですかね、茂木さんですか。
なぜ統計改革が、成長戦略なんですか。
野田委員長:
茂木国務大臣。
茂木国務大臣:
あのーご指摘のですね、この統計の問題、計算方法の変更。
これ、2016年の12月に実施しましたGDPの基準改定、このことを指していると思います。
あのーお聞きください冷静に。
あのーこれはあのR&Dの資本家など最新の国際基準に対応するとともに、最新の産業関連表であったりとか、えー推計手法を反映した改定であります。
あのこの改定によりまして(小川委員・聞いてません、委員長、聞いてませんそんなこと。なぜ成長戦略が統計改革なのか)日本経済に強くより正確に計算できるようになったと考えております。
なお、この基準改定は、先生が与党にいらした、民主党政権時代にですね、11年に対応方針が決められ、その後専門家で決めさせて頂いた話であります。
野田委員長:
はい小川さん。
小川委員:
答えられないんですよ、何故、統計改革が成長戦略に位置づけられるのか。
答えられないんですよ。
そりゃそうでしょ、統計なんて極めて技術的、客観的、科学的、中立的にやってこそです。
もう一つありますよ。
この委員室にもおられると思いますが山本幸三先生、当時財政経済財政担当大臣だった、違うか、ごめんなさい、行革でした、失礼しました。
訂正します、お詫びして訂正します。
立派なお仕事です。
16年の、いいですか、今のが6月。
16年の12月に今度は、山本大臣がわざわざ臨時議員として経済財政諮問会議に出かけてった。
何を言ったのか。
「政治主導の統計改革を実現しよう」ですよ。
何でですか?
なぜですか?
なぜ統計改革を政治主導でやらなきゃいけないんだ。
いいですか皆さん、一党一派に偏った政治家ですよ。
一党一派に偏った政治家が、やれ統計改革やれ統計改革、その旗を振ること自体が不謹慎だ。
おかしいんですよ。
誰か答弁したい人いますかこれ。
じゃあ総理にどうぞ。
野田委員長:
内閣総理大臣安倍晋三さん。
安倍総理:
これ山本大臣がですね、政治主導の統計改革と言ったのはですね、別に一党一派に偏るような統計(小川議員・偏ってる『人』ですから)いやいや、偏るような統計改革をしろと言ったのではないですよ。
これね、議事録が残るところの発言でありますから、つまり、第四次産業革命が今進行中である中においてですね、今までの統計のやり方、やり、やり方をですね墨守していていいのか、ということなんです。
もちろん専門家がやりますが、それにたいしてですね、政治家がまさに新しい時代の変化をしっかりとかぎとりながら、こういうことをやっていくべきではないか。
しかし、すいません、つまりその中でですね、もう一度統計のあり方を専門家で考えてもらったらいいのではないか、とこういうことであります。
つまり一切ですね、一切では、では一切ですね、我々は一言も口を出すな、ということなんでしょうか。
そうではなくて、専門家が決めていくことではありますが、今までのやり方でいいのかどうか検討しよう、ということはですね、これは政治主導でないと、できないんですよそれは。
政治主導でなければできないということは、申し上げておきたいと、こう思うわけでございます。
この際、ずっと今まで小川先生がおっしゃっていた、まるで私たちがですね、統計をいじってアベノミクスを良くしようとしている、そんなことできるはずがないじゃないですか。
そんなことできるはずがないんですよ。
今やってるじゃないですかっていう声があったんですが、でもこれは、もし東京の502以上の事業所をちゃんととっていれば、我々が政権をとった後も指標ももっとよくなっているんですよ。
景気回復はですね東京からよくなっていくし、どちらかというとやっぱり大手の方からよくなっていきますから、もっとよく差がでてくるんです。
それをむしろそのまま下がっていたからですね、下がっていたから今度、雇用保険もですね、労災保険も船員保険も、これは対応しなければいけなくなっていたわけであって、
私たちがもし、上にですね、上になんか下駄上げかさ上げしていたんだったらこれ、逆になるわけでありますから。
(小川議員・これは私の質問の場ですから、委員長、総理が言いたいことを仰る場ではありませんから)
だから冷静にですね、冷静に、なにが何でも安倍政権がですね、なにか偽造を、偽造をしようとしていたかっていう、結論ありきになるとですね、正確な議論ができませんから、やっぱりここは落ち着いてですね、統計の議論をされたらどうなんでしょう。
野田委員長:
小川さん。
小川委員:
これは私が思ってるだけじゃありませんからね。
多くの論評でありますよ。
これはエコノミストから、外国のメディアから、そして後ほどお聞きしますが、日銀と内閣府の間でもやり取りしてんですから。
元データ出せと、そんな話になってんですよ。
さらに言います。
山本大臣が、政治主導で統計改革をやるべきだと、わざわざ出張って、行かれて、発言したのが16年の12月。
そして、17年の2月に、今度は、菅官房長官を議長として、統計改革推進会議なるものができてるわけですよ。
メンバー、梶山行革担当大臣、茂木当時、今もそうですね経済財政政策担当大臣、そして予算委員長、総務大臣、そして麻生財務大臣、世耕経産大臣。
まあもちろん学識もいますけれどもね。
こうして、もう、相当統計に、政治のエネルギーってんですか、政治の、まあ良く言えばリーダーシップと言うのか、私に言わせれば政治的圧力だこれは。
現実にですよ、この時期統計委員会における、統計手法の変更ケースが増えてる。
だいたい民主党政権の頃は9件とか7件っていうんですかね、年間ですよ、統計手法を変更したのは。
安倍政権になって15、13、12、15、12、ものすごい数の統計手法の変更させてるんですよ。
これは事実だ。
それこれ見ると、今総理がおっしゃったような、なんか全体を見てんだっていう安気な話なのか、麻生大臣がおっしゃったような、精度を高めてんだと、いうような綺麗事ですむのか。
私はとてもそう思えない。
具体的に勤労統計について少し議論させてください。
麻生大臣、よくお聞きいただいて、できれば麻生大臣、それから根本大臣も、分かる範囲で結構ですから、ご答弁頂きたいんですが、
今回、不正調査をしてきたことは明らかに問題であり違法です。
長年にわたってね。
しかし午前中、長妻さんが指摘したように、これは単なる不正の復元だけでこの数字は出てないわけです。
不正の復元を隠蔽したことも問題。
しかしそれ以上に、これだけ高い数値が出るには、まあもちろん公表ベースで言えば、サンプリングを入れ替えたとか、標本で大企業の割合が増えたとか、まあもっともらしいこと書いてますよ。
しかし正面から私はこの制度改革をした、二つの点について議論させていただきたい。
ひとつは、まさに麻生大臣が嫌がった全数入れ替えを、部分入れ替えに変更すると何が起きるかということです。
これ誰に御答弁いただきましょうかね。
70年間全数入れ替えしてきたんですよ、3年に1回。
麻生大臣、3年に1回全数入れ替えをすると、麻生大臣が嫌がる通り数字は下がるんですよ。
私ねこれ驚きました。
昭和40年代50年代、もう高度成長期かと、バブル以前の成長率の高い時ですら下がってる。
何故だと思いますか大臣、麻生大臣。
野田委員長:
麻生財務大臣。
麻生財務大臣:
私はそのことをやれば上がるとが下がるとかいうことを、私どもがしてきたわけではありません。
私はきちんとして、統計の数字がきちんとしたものが出ないと、入れ替えるたんびに上がったり下がったりするのはいかがなものかと言うんで、きちんとした事をやってもらいたいという話を申し上げた結果なんであって、
その数字の結果についてより、私はそこに出てくる、いわゆる問題が大きいだということを申し上げて、先ほどなんだっけな、通販の話をしたんですかな、
今の時代に通販が入ってないということ自体がおかしいじゃないですか、というような一連の話の中から出たんだと記憶しております。
野田委員長:
小川さん。
小川委員:
私も、その数字が正しいのかどうかを議論をしてるわけですから大臣、ちゃんと真面目に議論に向き合ってください。
分からないなら分からないで結構です。
大臣はいつもね、俺は経営者だと、経営やってない奴にはわかんないだろうと、よくそういう、反論飛ばしてこられますよね、国会質問で。
だから聞いたんですけどね。
じゃあ言います大臣。
なぜ3年に1回、全数調査を入れ替えれば、数値は下がるのか。
この国の1年間の廃業率ご存知ですか総理、あ、麻生大臣。
ご存知ですか?
知ってたら首縦に、知らなければ結構です。
今だいたいね、これ5%なんですよ、5%、廃業率がね。
それで、ということはですよ、これ、5年に一度の経済センサス、つまり、経済界に対する国政調査ですね、みてもそうなんですが、
ということはなんですが、企業の、5年生存率は、約8割なんです。
毎年5%ずつ企業は淘汰されていきますから。
そして企業全数入れ替えするということは、廃業、倒産、直前の企業も入るわけです。
そしてもちろん、生まれたての新発企業も入る。
しかしいずれも賃金水準低いんですね。
ところが、継続サンプルで1年目、2年目、そして3年目と、継続調査をすればするほど、比較的優良な成績を上げた企業の、賃金水準の高い企業が、標本として残るわけです。
だから、3年間これを続けると、賃金水準が高く出、そして3年後にサンプルを全数入れ替えで入れ替えると、必ず低く出るわけです。
そこで大臣に聞きます。
どちらが、国民の経済実態に近いですか、どちらが。
優良企業ばかりじゃないですよ世の中は。
どちらが、実際に働いてる現場の労働者の賃金感覚に近いですか。
野田委員長:
麻生財務大臣。
麻生財務大臣:
多分、全数入れ替えの方がと言いたいんだと思いますけども、景気の需要によって違うわねその今の話は。
随分景気が変わってくると随分変わるような気がするけどね今の感じは。
野田委員長:
はい、小川さん。
小川委員:
それが間違いだから聞いているんですよ。
さっき申し上げたでしょう。
昭和50年代から、あるいは平成に入って一桁、まだまだそんなに、なんていうんですか、今みたいに言われてない頃ですよ。
調べてみてください。
毎回下がってる。
2年3年に1回ね。
それぐらい、企業の、生き残りバイアスと、統計委員会でこれ議論された資料です。
読み上げます。
『賃金の水準を見ると、ローテーションサンプリング、つまり一部入れ替え制、導入にともなう留意点として、
賃金の水準を見ると、継続調査されている共通事業所の賃金は、全ての事業所の合計よりも約4000円、1.5ポイント高くなってる。
継続調査されている事業所の賃金水準が、新規事業の水準よりも高くなっていること』
ちょっとややこしいね、結論だけ言います。
つまり、生き残りバイアスが一定程度存在することを示している。
これが統計委員会の結論です。
従って、段差があることに服す麻生財務大臣は、ちょっと文句をつけておられますが、これは健全な段差だったんですよ。
70年間この手法で調査してきたんだ。
それを、鶴の一声で今回変えさせた。
それで一段目積み上がったわけです。
厚労大臣認めてください。
全数調査をした方が、世の中の実態に近い。
つまり労働者の受け取ってる賃金感覚、いい企業もあればそうでもない企業もあります。
これを継続している会社にすれば、企業の継続バイアスがかかり、生き残りバイアスがかかり、比較的賃金は高く出る。
これは、統計委員会でこう言われてますから大臣、ここで認めてください。
野田委員長:
根本厚生労働大臣。
根本厚生労働大臣:
あの、今その点についてお答えします前に、委員はね、本当にこの問題の本質を言ってるんです。
(小川委員・そうですよ)
全数入れ替えるでしょ、3年にいっぺん(小川委員・そう)。
そうすると仰るように、段差が生じるんですよ、段差が生じる。
だから今までどうしてきたかというと、(小川委員・補正してきたんですよ)補正する(小川委員・それでいいんですよ)。
段差を調整するために、さかのぼって補正するんですよ。
実はここが問題にされたんですよ。
期間統計、旧統計(小川委員・されても跳ね返さなければいけなかった)いやいや違う違う、これはですよ、ちょっと旧統計同士ね、私の記憶では、ローテーションサンプリングをやってる統計が確か、6統計あると思いますよ。
ですから、これはどういう統計のやり方が、正しい数値を表すか、極めて私はこれは、統計の専門家の議論で。
ですから仰るとおりなんですよ。
だから、3分の一、(小川委員・だったら認めてください私の言うことを)いや2分の一ずつ入れ替えれば、これは段差が生じるっちゅうことはないから、そうするとこれからはこの資料で見ていきましょうと。
ですから、段差が生ずるかどうか、これは、勤労統計でも長年の課題で、これはいろんな議論がされてきた。
今回それを、統計委員会で、客観な統計委員会で、段差を修正して補正するのがいいのか、ローテーションサンプリングでやるのがいいのか。
そしてローテーションサンプリングでいいという結論を、これでいきましょうという結論を出したんですよ。
それと、いや、委員の仰るね、継続している事業所の話、これはあれですか、共通事業所系列のお話ですか。
(小川委員・違いますよ、一般の)
あ分かった、じゃあね、だったら、(小川委員・もういいや)いや違うんですよ違う、ちょっとしゃべらしてくださいよ、聞かれてんだから。
だから、例えば3年にいっぺんだと、あのーやっぱり倒産していく企業がある。
そうすると、仰るように、生き残ってる企業、そしてサンプルを入れ替えると、そこは段差が生ずるんですね。
ですからもちろん、もちろん、継続してやってる企業だけずーっと取れば、そこは(小川委員・高く出るんだだから)それは高く、だから高く出る可能性がだって、あのーダメな企業はつぶれてくんだから。
だからそういうことですよ、そういうことじゃないですか。
だから、3年にいっぺんがらっと変えると、旧サンプルと新サンプルで段差が出る、そこが問題視されたってことですよ。
野田委員長:
小川さん。
小川委員:
大臣その、なにを御答弁されてる。
つまりそういうことなんです。
それでね、段差が出ることは、統計処理上課題がある。
それはその通りです。
従ってこれを1/3入れ替え制にすれば、比較的統計は連続するでしょう。
しかしそれは、世の中の経済実態から、少しとはいえ、乖離した指標が出がちになる調査方法に変更した、ということです。
しかも、17年と比較すると、18年は比較的高く出る。
これで一段目の下駄を履いたわけです。
もう一つ聞きます。
この年もう一つやってますよね。
これまで常用雇用者、について調べてるわけですが、勤労統計は。
常用雇用者の定義から、日雇い労働者を外しましたね。
それまで月に18日間勤務していた、日雇い労働者は、常用雇用者に含めて計算をしていた。
ところがこの18年1月から、常用雇用者からこの日雇い労働者を除いた。
これも賃金高めに出るんじゃありませんか。
野田委員長:
根本厚生労働大臣。
根本厚生労働大臣:
あのー日雇いを除いたのは事実です。
それにそれ、その結果どういう影響が出るかというのは、私はにわかには今お答えできません。
野田委員長:
小川さん。
小川委員:
まあ分かる範囲でお答えいただければいいとはいえ、どう考えても下がるでしょう。
ご紹介しますよ、統計委員会の、部会での審議。
実はね、今回の勤労統計の、統計手法の見直しにあたって、ここは統計委員会から相当警告が来てんですよね。
それを振り切ってやったんですよ、今回厚生労働省は。
読みますよ。
まず部会の委員から、「これ、どのくらいの影響があるんだ」と質問してる、議事録見ますとね。
そうすると、「労働者数で言うと大体全体の1%だと、いう統計はとれている」と、いう答弁があります。
しかし残念ながらこれは、賃金水準の調査が明確にあるわけではないのでわからない、ということになってるんですが、納得のいかない委員がさらに追いかけて、こう言ってんです。
「ざっとイメージしようじゃないですか。
常用雇用者の賃金が大体30万円として、仮にです、日雇い労働者の賃金が大体20万円だとすると、労働者数が1%であれば、これ賃金水準に、最大0.3%の影響がある可能性がありますよ。
それは、黙っていっていいんでしょうか。
ほおかむりしていていいんでしょうか。
そのまま先へ進むというのはやはり、難しいんじゃないでしょうか」、とまで立派な意見を言ってる人もいるんです。
これを振り切ってやったんだ。
統計の、正確さを正そうとか、連続性を高めようとか、それは美名のもとにいいですよ。
しかし実際には、あの手この手を尽くして、賃金水準を少しでも上げてやろう、そういう絵姿が見え見えじゃないですかこれ。
この上に3倍補正やったんだ。
それで3.3%なんていう21年ぶりの数字、しかも総理はそれはあまり記憶にないという。
私はね、今回、これで無理をした結果、長年陰に隠れていた不正が明るみに出たわけです。
異常に高くなったからです。
そして異常に高くなった背景には、こういう、それをそれと気付かせない、隠された意図、隠れた故意で、統計の数字に、政治が介入してきた疑惑がある。
これが果たして、勤労統計だけなのか。
それにとどまらないのか。
私は徹底的な検証が必要だと思いますよ。
なぜならこの政権は、公文書を書き換えさせてるからです。
私ね、私も霞ヶ関の出身ですよ。
官房長よく聞いて頂きたいんですがね。
最近、この質問の準備するにあたっても、あるいはその他でも結構ですよ。
現場で、私は野党ですから、幹部の方は来られません。
せいぜい係長、課長補佐、若い人が来ますよ。
しかし彼らの今モラルは、どうなってしまったんだと、思うことが多々ある。
組織に媚びへつらって、何が正しいかではなく、何が都合が良いかを一生懸命探し、一生懸命この政権に対して、尻尾を振れば必ず出世し、楯突いて正論を吐けば、飛ばされて左遷される。
どうですか霞ヶ関の皆さん。
そういう体質が蔓延してきたんじゃないですか。
私はね、民主党政権の時に、十分に国民の期待に応えられなかったことは今でも良心の呵責です。
その後自民党は立派だと思ってきた面もある。
確かにプロですよ。
政治の運営にかけては玄人だ。
しかし政権がそれでも、これだけ長く続くと、この霞ヶ関の、あんな若い人たちまでこうしてしまうのかと。
私は、やっぱり長期政権は変えなきゃいけないと。
非常に強い危機感、これはやがて社会の隅々まで末端まで、モラルを崩壊させる。
正義感や倫理観を失わしめる。
政権の延命以外の目的がないじゃないですか。
私は今回ね、それぐらいのことを感じているわけです。
私だけですかね、この統計に関して言ってるのは。
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字数制限が近づいてきました。
そしてわたしの脳みそと集中力の限界も近づいてきました。
つづきは、日本銀行の参考人に続きます。