ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

米国『内臓マニュピレーション体験記』事情

2012年09月20日 | 米国○○事情
オステオパシー(Osteopathy)から発展して、フランスのジャン・ピエール・バラル氏によって創始された、内臓マニピュレーションというのを受けてきました。

まずは、オステオパシーというものを説明せなあきませんね。

オステオパシーとは、1874年に、アメリカミズーリ州のカークスビル在住の医師、アンドリュー・テイラー・スティル (Andrew Taylor Still)によって創始されたものやそうな。

ほなちょっと、ウィキペディアに載ってる説明を抜粋してみます。

『オステオパシーは、ギリシア語のOsteon(骨)と、Pathos(病理、治療)の2つを語源とし、
日本では『整骨療法』と呼ばれていたこともあるが、骨のみを調整する手技とは異なり、
骨格などの運動器系、動脈・静脈やリンパなどの循環器系、脳脊髄液の循環を含む脳神経系など、
解剖学的、あるいは生理学的な、広範囲の医学知識の元に、手を使って治療を加える。

現在では、オステオパシーと、そのままで呼ぶ。
しかし、単なる療法ではなく、オステオパシーとは、そのままでひとつの哲学であり、

1. 身体全体を、ひとつのユニットとして考える、
2. 身体の機能と構造は、一体のものであると考える、
3. 自然治癒力を鼓舞することを主眼とする、など、独特の医学体系を持つ。

スティルは、南北戦争の従軍医師であったが、二人の息子と養子を、次々と髄膜炎によって亡くし、
自分の無力さに嘆き、それから研究を重ね、10年後の1874年に、オステオパシーを創始した。

元々、スティルは、人体の自然治癒力を阻害している原因は、骨にあるとしていたが、
後に、筋肉やリンパ、内臓、神経、血管等の異常を治せば、自然治癒力が高まる、と提唱した。

当初は、西洋医学からは受け入れられなかったが、多くの人に支持され、
1892年にアメリカン・スクール・オブ・オステオパシー(現在のA. T. Still University)が、ミズーリ州に設立され、1910年に医学認可を受ける。

オステオパシーでは、次のような基本的理論のもとに、治療を行う。

*身体は、ひとつのユニットであり、身体の諸器官や組織は、互いに関連して機能している。
*身体の機能と構造は、相互に関係する。
*身体は、自己治癒力を備えている。
*自己治癒力を上回る、何らかの外力、または、内的変化が生じた時に、病気が発生する。
そのような機能障害(オステオパシーでは、体性機能障害(Somatic dysfunction)という)を、
筋、関節、神経、血液(動脈・静脈)、リンパ、脳脊髄液、諸内臓などを、総合的に観察した上で見つけ、矯正することにより、健康に導く。

従って、本来は、整骨という意味であるが、現在では、骨や関節のみならず、身体全体の器官や、組織全てを治療対象としているため、
オステオパシーを、整骨療法、整骨医学と翻訳するのは、適切とは言えない。
アメリカオステオパシー学会でも、整骨医学ではなく、オステオパシーという名称として認定している』

で……、

『内臓マニュピレーションというのは、元々は、オステオパシー創始者のスティルが行なっていたとされるテクニック。
アメリカでは、医療として、オステオパシーが発展したため、忘れ去られてしまったテクニックだが、
それを、フランスのバラルD.O.MRO(F)らが研究しなおして、再構築したものが広まっている。
検査法は独特で、傾聴という方法を用いて、筋膜の引きを調べる。

そして、問題の部位を見つけたら、内臓を覆っている筋膜や胃等の、筋繊維でできた内臓のストレッチをしていく。
例えば、腎臓を覆う筋膜が、腰周囲の筋肉と筋膜で結合しているため、
腎臓周囲の筋膜が緊張すると、腰痛として症状が出てくることが考えられる。
そのため、オステオパシーでは、内臓の要素も考えている。

このような、内臓に対するアプローチが、内臓マニュピレーションである。
オステオパシーの内臓マニュピレーションの考え方は、健康な器官や内臓は、生理運動をするというもの。
内臓の生理運動には、2種類ある。
ひとつは、呼吸時や運動時の、横隔膜の動きと連動する動き(専門用語でいうとmobility 内臓可動力)、
もうひとつは、それぞれの内臓が、おのおのにもっている内臓固有の動き(motility 内臓自動力)。
内臓は、1分間に7~8回、生理的な運動をする。
本来、内臓の動きは、制限を受けずに、正しく動かなければならないのだが、
なんらかの原因で、本来の動きを失ってしまうと、1日にすれば、何千回も、正しくない動きをする事になる。
そのような状態が長く続けば、臓器を損傷する可能性が出てくる。
こうならないよう、マニュピュレーションにより、本来の生理運動を回復させてやれば、健康増進がはかれる』


ということで、えらい長い前置きになったけど、実は実際に受けた自分がよう解ってへんかったので、自分の勉強のためにもと思い、まとめてみました。

師のモーリーンは、すごい人気者で、予約を取ろうにも1ヵ月ほど待たなくてはなりません。
おまけに、はっきり言って非常に高額……ということで、かなり迷てたんですが、エイッとばかりに決めて行ってきました。

実は、彼女のことは、旦那母から、ずっと前から聞いてました。
母は、50代から、いろんな種類のマッサージ師の免許を取るため、そりゃもう大変な勉強をしていて、そのセミナーで知り合ったのでした。
母からも、この内臓マニュピレーションの治療を何回かしてもらい、そのたびに、肝臓が気になる、と言われてました。
で、旦那は、そりゃまあ、これほどパソコンの前で座ってたら、目と頭を使い過ぎて、肝臓を悪するに決まってると、ずっと言われてたわけです。

今回、半年ほど前から始まった、右腕の、ほぼ肩に近い部分の痛みが、少しずつ少しずつ強まってきて、
2ヵ月前ぐらいからは、痛うて夜中に目が覚めたり、じっと同じ姿勢を長く続けてると痛んできたりと、
とうとう旦那にも黙ってるわけにはいかんようになり、鍼の治療をしてもろたりして、一進一退の状態が続いてたんでした。

治療はまず、頭のてっぺんに手をかざし、それで身体全体の状態を調べることから始まりました。
それからベッドの上に座ったわたしを、薄いクッションを挟んで、柔らかく抱き込むようにしながら、モーリーンの治療開始。
彼女の手のひらの温かいこと!
横隔膜の両脇下に、子どもの頃から気になってるピンポン球ぐらいのグリグリにこだわるモーリーンの手のひら。
それをなんちゅうか、わたしの想像では、どっかに移したいような感じ。
そうこうしてるうちに、ぎょえ~!肝臓ストレッチ!

いったいどう説明したらええのかようわからんのですが、
深海の砂地から生えてる海草になった気分。
それはもう、実際に揺れてるのか揺れてないのかわからんぐらいのゆっくりさで、自分ではない何かの動きに身を任せて動く、そんな感じ。
と思たら、突然、むぎゅう~っと大きな揺れがあったりして、なんかこう、海草ダンサーになったような……。

わたしのことを知らなあかんからと、いろいろ質問してくるモーリーン。
話した後、長いことこの仕事してきたけど、まうみみたいな人は初めてやと、褒めてもろたんか呆れられたんか……。
とにかく、今日の2時間は、肝臓とホルモンの調整を主にしただけで、腕や肩、それから首の部分に集中できてないので、もう1回、10月に行くことになりました。
また稼がにゃ。

けどこの、内臓に直接問いかけていく治療。わたしは気に入ってます。
なんかこう、身体の奥の奥の方から、じわじわと元気印の泡がわき上がってくる感じ。

ちなみに、55年の年季が入ってたピンポン球のグリグリは、どっかに消えてしもてました。お~い……。
ということで、腕の状態は、痛みが和らぎ、軽うなった感じでとどまってますが、
旦那も、軽い電流を使た治療をやってみたいと言うてくれてるので、またお世話になろうと思てます。

パソコンを控え、イライラ怒らない。
いや、けど、そりゃ無理っちゅうもんやわ。
あんな連中のやりたい放題見せつけられたら。
ああ悩ましい……。
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あほらしい茶番劇をエンエンと続ける連中を、許し続ける人らの一員になんかなってたまるか!

2012年09月19日 | 日本とわたし
突然やけど、ストロンチウム分布図です。

なんせ、文部科学省とかいう、名前は立派やけど、子どもを全く救おうとせん人でなしの集まりがまた、
こそこそと、こんな分布図を出してきて、
それを伝えなあかんはずのマスコミが、ま~るで知らんふりしたまんまなんで、せめてこんなとこでもお知らせしよ思て。

今また、財閥の連中が仕組んだ茶番劇で、中国と日本がけったいなことになってるみたいなことを、マスコミが嬉々として騒いでるけど、
あんなもん、バレたらかなんことを隠すためのただの仕掛けやんか。ちゃんちゃら可笑しいわ。

この国の社会って、やたら携帯電話が発達してて、ネットもそこそこ発達してて、知ろう思たらなんぼでも調べられるくせに、
新聞が言わんから、テレビが言わんからと、いや、新聞がこう言うてるから、テレビがこう言うてるからと、
ほんでそれがまた、今の自分の生活や考え方を全然変えんでもええ、楽ちんな方やからと、
今まで通り、放射能汚染も、事故も無かったかのように、
そやから、今までの被災地支援そのまんまの方法でええやんかとばかりに、食べて応援やのでええことした気になって、

まともな検診も治療もしてもらえんままに、モルモットみたいに線量計だけ与えられて、
汚染にまみれた土地から出られへんように、あれこれ根回しした悪医者に取り囲まれて、
そこへもってきて、同じ立場の人間までが、ここでも暮らせる、危険ばっかり言う人間なんか信じたらあかんと引き止められて、
ほんまは今すぐにでも、汚染のほとんど無い土地に移って、子どもに好きなだけ外遊びさせたりたい思てる人がいっぱいいるのに、
子どもの身体に入ってしもた核物質が暴れるのを、少しでも和らげられるよう、免疫力を高めてやりたい思てる人がいっぱいいるのに、
それを知らんふりして、こともあろうに、もう大丈夫なんちゃうの、とか思てる人間がいっぱいいる社会って、
こんな社会ってあり?

↓この地図見て、もういっぺん人として考えてみて。



平成24年9月12日
文部科学省による、
①ガンマ線放出核種の分析結果、及び
②ストロンチウム 89、90 の分析結果(第2次分布状況調査)について

0.2μSv/h相当以上の、比較的線量の高い地域⇒オレンジ色。
0.2μSv/h以下⇒緑色。


 
写真を拡大させる技がのうて……すんません、見にくいです。

けど、はっきりしてることは、ストロンチウム90という物質の恐ろしさ。
カルシウムとよう似てて、そやから身体は、そんな恐ろしいもんやとは知らんと、ええもんやと思て骨に取り入れてしまう。
セシウム137も恐ろしい。充分に恐ろしい。
けど、ストロンチウムは、その恐ろしセシウムの、300~600倍もの健康リスクがあるねん。
300~600倍言われたかて、具体的に説明せえって言われてもできひん。
けど、想像ぐらいできるやろ?それで充分やろ?
 
そんなもんが、福島、ほんで群馬、栃木、関東のあちこち、特に千葉の柏はとんでもなく酷い。
こんな現実を、なんで新聞もテレビもラジオも、えらいこっちゃ、これはめちゃくちゃ危険やと、手を尽くして伝えんのか?

ほんまのこと言うたらパニックになるから?

いつまでこんなマンガみたいな言い訳が通じると思てるんやろ。
けど、今だに、まるで普通に、今まで通りの暮らしを続けてる人らには、通じるんやろなあ……かなんなあ……。
こんな測量、まだまだ中途半端で、きちっとした数字が出てるわけでもなくて、そやからもっと汚染は深刻で、他の核種もあるかもしれんというのに。

文部科学省がするべきことは、こんな地図をこそこそ出すこと違て、

『調べたらこんな結果が出ました。
この地区におられる、妊婦、及び小さなお子さん、そして若い方々は、住み続けてるとかなり危険なので、移住命令を出させていただきます。
そのための移住先と、先での暮らしは、こちらが手を尽くして用意します。
一刻も早く、移住の準備をお願いします』

そういう通達を、各戸宛に送ることちゃうの?
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たとえ世界が悪しざまに言おうとも ー果敢な女たちへー 中村純

2012年09月18日 | 日本とわたし
たとえ世界が悪しざまに言おうとも
―勇敢な女たちへ― 
中村純



初めてあなたたちに会った2011年の秋

鴨川べりで子どもたちをぞんぶんに遊ばせましたね

次々と明らかになる東日本の土壌汚染

ベクレル、マイクロシーベルト、セシウム、ストロンチウム、放射線管理区域

そんなことばが 東日本の私たちの日常語に入ってきた2011年

私たちは 子どもに土を触らせることが怖くなった



「鴨川は触っていいの?」

子どもたちが私たちを見上げて訊いたことば

うれしそうに冷たい水にひたした小さなてのひら

「京都の砂場は遊んでいいの?」

不安がほころんだ笑顔になり 砂場にしゃがみ 夢中でシャベルを持った子どもたち

あの日の胸の底の蒼い沈黙 夕暮れの安堵

子どもたちとここで暮らそうと決めた あの日

たとえ世界が私たちを悪しざまに言おうとも



子どもと桜吹雪で遊んだことを 後悔した春

子どもたちが好きだった砂場には 死の灰の雨がふり続いた

セシウムが検出され 青いビニールシートで覆われ 閉鎖された保育園の砂場

砂を入れ替えても 二か月経ったらまた汚染された砂場

子どもたちの作った畑の野菜を 食べさせないでくれと言わなくてはならなかった夏

色とりどりの落ち葉のプールにうれしそうに飛び込もうとする

子どもの肩を掴んで止めた秋

子どもたちのおしっこからセシウムが検出された秋

どんなに努力しても そこでは 小さな人たちを守れなかった ごめんね



女たち 夫を主人と呼ばせられるのをやめよう

女たち 嫁と呼ばれるのをやめよう

子どもを守るために数十冊の本を読み

眠れない日々をインターネットで情報収集したあなたの判断を

ただ女だからというだけで

ただ母親であるというだけで

重んじない夫やその母や

権威のある男のことばにしか耳を傾けないふるびた世界から

権威も間違うと 権威は欺くと

私たちは知っているではないか



見えない毒から子どもを守るために

幼い子どもたちの手をひいて

見知らぬ土地に行く新幹線に飛び乗ったあなた

世界がたとえあなたを悪しざまに言おうとも

あなたはひとりではない



あなたは勇敢で有能なひとりの女です

あたらしい世界を拓くパイオニアです

権威よりやさしさを お金よりいのちを

海に流された人々のいのちと暮らし 降り続く死の灰

閉ざされた絶望の哀しみの日々に 自ら灯りを照らして歩いていく 新しい女



ふるびた世界がそれを知らなくても

私のことばがそれを記憶し 記録する

若い日のあなたが幼い子どもの手をひいて

なぜ見知らぬ鴨川べりに降り立ったのか

馴染みとなった新しい故郷で 青年となった子どもたちが

いつか知るときがくるでしょう

いつか私たちの手元を離れていくでしょう



そうしたら  銀髪をなびかせながら

私たちがであった鴨川べりに 再び立ってみましょう
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福島の人達に伝えて!「甲状腺検査は『健診』と違て『調査』やから、よそで本当の診査を受けて!」と

2012年09月18日 | 日本とわたし
現場に足を運び、精力的に取材を続け、真実を伝えてくださるフリージャーナリスト、田中龍作さん。
彼のおかげで、知る事ができた事柄の多いこと!
けれども彼には、我々からの支援が必要です。
取材には、ことの外、お金がかかります。
気力と情熱と正義感だけでは、どうしても成り立たないのが現実です。

以下の、転載させていただいた記事の後に、田中さんからのお願いを載せておきました。
どうかご理解いただき、田中さんを支えてあげてください。

↓以下、転載はじめ

【福島報告】子供の甲状腺検査 県立医大「2年後では遅いという根拠は?」と開き直る


「情報開示」「再検査の早期実施」などを求めて、交渉する父母ら。
左は松井史郎特命教授。
=13日、福島県立医大。写真:田中撮影=


原発事故で被曝した、福島の子どもたちの甲状腺検査は、遅々として進まない。
検査を受けても、結果は、なかなか明らかにしてもらえない。
業を煮やす父母や環境団体が、13日、甲状腺検査の実務を仕切る、福島県立医大を訪ね、改善を要求した。
 
医大側は、放射線医学健康管理センターの、松井史郎特命教授が対応した。
松井教授の、冒頭の言葉が、事態を象徴していた。

「何よりも、長期間にわたって、検査を受け続けることが大事。
大学という研究機関で、世界に証明することが必要」
……(後略)。

医大側の、こうした見解をめぐっては、「データ欲しさ」との、穿った見方もある。
環境団体の男性は、山下俊一・副学長が、日本疫学会に提出した最新論文を手に、次のように追及した。
「論文を読むと、山下副学長は、県民を被験者と見ている。モルモットではないか……」
交渉に出席した、父母の間からも、「モルモットだ」との声が、続けざまに上がった。

甲状腺検査を受けるには、保護者が、同意書に署名しなければならない。
同意書には、
データは、福島医大が保管することに同意する。これを理解した上で、甲状腺検査を受ける
」とある。
甲状腺検査を受ける条件として、検体を福島医大に提供する、ということである。

医大側は、「条件ではない」と説明するが、親たちは、「条件としか読めない」と受け止めている。
この日の交渉でも、母親たちから、「同意書はやめてほしい」の意見が出た。


松井教授が、
同意書があるから、検査結果についての、数字の公開ができる。山下(俊一)先生は医師ですから、人の命を救いたいんです」と答えると、
あちこちから、「そうは思えない」の声が飛び交った。

 
検査結果の情報開示についても、父母らから、厳しい要求が出た。
自分の子供の検査結果を知るのに、県に、情報開示請求を出さなければならないのである。
旧ソ連並みの秘密主義だ。

ある親は、
戸籍謄本を添えて、出さなければならない。そうまでしても、書類に不備があれば、突き返される」と情けなさそうに話した。
やっとこさ出てきても、超音波測定のエコー画像は、モノクロのコピーだ。

「開示請求を簡素化してほしい」
「エコー画像は、カラーの生データで頂きたい」と、父母らは要求した。
松井教授は、「県と検討中」と答えるに留まった。


福島県立医大の外観。福島市の郊外に建つ。
=写真:田中撮影=



この日の交渉を取材していて、我が子の健康に気を揉む親と、医大側の意識のズレに、唖然とすることがあった。

甲状腺検査の結果、結節(しこり)が5ミリ以下、嚢胞(のうほう)が20ミリ以下の子供は、再検査を受けるのが、2年後となる。
このカテゴリーの子供たちは、全体の43%を占める。
親は気が気でない。
一日も早く、再検査を願うのが、世の親である。

「2年後の再検査は遅い、もっと早くしてほしい」と詰め寄る母親に、松井教授は逆質問したのである。
「2年で早期発見できる。2年が遅い、という根拠は何ですか?」と。

開き直りとしか言いようがなかった。

母親は、血相を変えて答えた。
「普通の病院で、ポリープが見つかったら、2年後に来て下さい、とは言いませんよね。せめて3か月か、半年後に診てもらえるようにして下さい」

ある父親は、娘(17歳)を、北海道の病院で診てもらったところ、嚢胞の中にしこりが見つかった。
福島での検査結果は、これよりも軽度だった

北海道の病院からは、「1年後に来て下さい」と言われた。
父親は「(福島の検査は)信用できない」と、首をかしげる。

信頼できず、あげくに再検査は遅い。
原発事故直後、「100ミリシーベルトまでだったら、浴びても大丈夫」と言った、山下俊一センセイ率いる福島県立医大は、福島の子供たちを、どうしようと言うのだろうか。

《文・田中龍作 / 諏訪都》

*田中龍作より、お願い
財政難にあえぎ、広告を入れようか、メルマガを導入しようか、と考えたこともありました。
だが、記事のスタンスと矛盾する企業が、広告に登場することもあります。
メルマガは、一人でも多くの方々に、記事をお読み頂きたい、という趣旨には合いません。

これまで以上に、『田中龍作ジャーナル』を充実させて、ご支援くださる方の輪を広げるしかないことに、あらためて気付いたしだいです。
田中龍作の、現場からの発信に、何卒お力をお貸し下さい。

2012年6月12日
田中龍作

↑以上、転載おわり


開いた口が塞がらない、とはこういうことを言うのです。
 
この田中さんの記事の内容を、簡潔にまとめて記事にした『大人の常識』というブログ主さんは、
さらに、こう付け加えておられます。

この記事には書かれていませんが、実際の保護者宛の通知書をみると、タイトルが、
「県民健康管理調査に係る甲状腺検査の実施について(お知らせ)」となっています。
つまりこれは、健康診断ではなく、「調査」のための検査なのです。

もしこのブログを、福島県の方が読まれたら、ぜひ、子どもさんを持つお知り合いに伝えて下さい。
福島県の甲状腺検査は、「健診」ではなく「調査」だから、よそで、本当の、甲状腺の健康診査を受けたほうがいいよ、と。


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『日本政府は、原子力利権という祭壇に、国民を、生贄として捧げているのです』by ドイツZDF

2012年09月18日 | 日本とわたし
金吾さんのブログ『放射能メモ』に、今年の4月29日に掲載されていたビデオと、和訳を文字起こししてくださったものを転載させていただきます。
今からちょうど5ヵ月前の現実として、そしてこの現実が今、どのようになっているかを考えるために。

↓以下、転載はじめ



字幕ではなく、吹き替え版もあります。
【吹き替え】ドイツZDF「放射能ハンター」
Part1 http://youtu.be/WPJsgLLnMZo
Part2 http://youtu.be/AhM03n53nGI

チェルノブイリ封鎖区域のまん中、汚染されたゴーストタウンが建つ、人の住めない場所に進んで立ち入る男、エフゲン・ゴンチャレンコ、彼はハンターなのだ。
真実を求めて、ウクライナ、そして日本に足を運ぶ“放射能ハンター”。
放射能汚染がどれほど深刻か、人々は彼に尋ねる。身の危険を冒して。
彼はその真実を追う。
大きな危険だ。
「ここはひどい汚染地帯だ」。
チェルノブイリ、そして福島で、何かが隠蔽されているのか?

(キャスター)
原発事故が起こると、まず真実を隠すシステムが、いつのまにか出来上がったようです。
26年前のチェルノブイリで、事故を過小評価したのは、ウクライナの責任者達だけではない。
当時のドイツ政府も、そして特にフランスも、同様でした。

今年は、福島原発事故から1周年、今回も明らかなのは、同じ隠蔽の手口。
その事情によく通じているのが、ウクライナのジャーナリスト、エフゲン・ゴンチャレンコです。
彼は、自分のデータと調査しか、信じなくなりました。
何年も前からです。
まず、チェルノブイリの経験から、そして今回は、日本のデータと真実を求めて、彼は、放射能汚染に、闘いを挑みます。

「放射能ハンター」
1. 死の地帯で
タチアーナ&アレクサンダー・デーティク監督



オパチチ村。チェルノブイリ原発から、わずか15キロ。
エフゲン・ゴンチャレンコは、今回もまた、ハンナ・サヴヨタラを訪ねる。
愛情をこめて、“バーバ・ハンニャ”と呼ぶ。
本来、誰も住んではいけない土地に、25年間住んでいる。
妹と二人、健康そのものだ。

「私はもう79歳よ」
「妹は74歳、子供の時から障害者なの」

役人が、帰郷者を、どのように扱っているか。
エフゲンは聞く。
「彼らは、ここの放射能測定してる?」
「ええ、いつも、何かしら持ってくわよ。キャベツとかニンジンとか水とか」
しかし、誰も彼女に、結果を知らせない。
エフゲンは、自分の手で、数値に変化がないか調べる。
「まったく普通の数値だ。僕の、キエフのアパートの数値の方が高い」

「ここは私のふるさとよ。自分の母親を、別のと取り替えたくないでしょ?ふるさとも同じこと。だから私は、ここに戻ってきたの。
放射能?見えないわ。私は歯がないから、噛まないのと同じよ。不安に思う理由なんてないわ。
移住した可哀想な人達も、居残った方が良かったのよ。移住先は異郷だからね」

事故当時、この村にとって、風向きが良かったことを、エフゲンは突き止めた。
バーバ・ハンニャの住む場所は、雨もほとんど降らなかった
老女が元気に住んでいられるのは、そのために過ぎない
11年前から、エフゲンは自主的に、チェルノブイリ封鎖区域を、訪れ続けている。

ジャーナリストの彼は、今でも、役人によって、隠蔽・改竄されている危険があるか追求する。
彼ほど、封鎖区域を熟知する者はいない。
原発作業者達から、「エキスパート」と呼ばれている。
自らの汚染調査のおかげで、住民達に危険を説明し、警告できる。
その知識と経験を、エフゲンは、日本でも生かしたい、と考える。

658平方kmの、汚染された土地、放棄された住宅13,500戸、避難民5万人。
かつて、活気に満ちた町だったプリピャット、今では、生命を危険にさらす汚染地だ。
ここでは、事故の規模がはっきりわかる。
エフゲンの放射能測定器は、この町が、何千年も、居住不可能であることを示す。
この場所に長くいる者も、健康を害する危険にさらされる。

多くの人々が、この町が永久に失われたことを認められず、2000年まで、町を整備する努力が続けられていた

エフゲンは、ヴァレリー・サビヤーカに会う。
事故当時、プリピャットに住み、避難を自ら体験した。
「4月26日、町では、6件の結婚式が行われ、子供達は戸外で、催し物に参加した。
しかし、27日、学校の2時間目の後、子供達は家に返され、3日間、町から避難するだけだ、と説明された」

しかし、真実は別だった。
後に、封鎖されることになった全地域から、およそ11万5千人が、永久に出て行かなければならなかった。
事故の2週間後、住民達は、家財道具を取りに戻ることを許された。
以後、ここに踏み入ることは、禁止された。

この丘の下には、コバチ村が埋もれている。
原発から約4キロ、村は永久に埋められた、放射性墓地である。
ウクライナの生態学者アレクセイ・ヴィトミツキィも、科学調査のために、エフゲンの知識を利用する。

「汚染は、均質に広がるのか?それとも、点在するのか?」
「専門書が書いているように、中心から同心円状に、広がるわけではない。5キロ、10キロ、20キロ、30キロと」

事故から1ケ月後、封鎖されるべき区域は、新たに測定し直され、円形から、今日の形に修正された。
ある地域は、風の難を逃れ、別の地域には、風が死を運んできた。
5号機と6号機の周辺のどこが、今でも特に危険か、エフゲンは調査する。

いわゆる、ホットスポット探し。
原子炉から直接飛んできた物体が、散らばっているのを発見した。
とっくに、密閉容器に収納しなければいけないはずだ。
防護服なしでは、数分間しか留まれない数値だ。
真実を暴くため、エフゲンは、身を危険にさらす。

チェルノブイリ封鎖区域境界の、検査所区域から出て行く者は、丹念に検査される。
「幸いにもここでは、少なくとも、住民は保護されている」と、エフゲンは言う。
服、靴、車、汚染された物は何一つ、封鎖区域外に持ち出せない。


エフゲンは、元消防士の、パヴロ・ネティオサに会う。
26年前、救助活動をした人々が、どのように事故を生きたか知るためだ。
当時とすっかり風景が変わってしまったが、学校だけはまだわかる。

「この学校は、ただ水で除染したんだ。何度も……。それでも線量は高かった」
「仕事は成功したの?」
「勿論。当時、屋内と外との線量を測定して比べると、戸外は10倍高かった」

エフゲンは、測定に際して、当時、数値が改竄されたことを知った

「封鎖区域で働いていた期間の、私の被曝量は、180ミリシーヴェルト、と言うことになっている」
「本当の数値を、知った人はいますか?」

パヴロは、「年中、頭痛に悩まされている」と話す。
チェルノブイリで働いて以来、消えることはない。
しかし彼は、運が良かった。
当時の同僚のほとんどは、死んでしまった。
ソ連軍から、当時、何千人もが、除染活動を志願した。
いかにそれが危険な仕事か、26年前、誰も彼らに知らせなかった。
人が生きるか死ぬかは、当時、政府が決定した。
福島でも、人の命が天秤にかけられている
……と、エフゲンは推測する。
彼は、日本の環境保護運動家に、招待された。
彼らには、原発事故に関するマスコミ報道が、うわべだけの断片的なものに思える。

エフゲンは、真実を暴く手助けを、出来るだろうか?

日本人が、原発事故にどう対処するかを見るのは、もちろん、僕にとって興味深い。
今では、世界中が、チェルノブイリを体験しているからだ。
当時の僕達は、何をどうしたらいいかわからなかった、と言い訳できる


チェルノブイリは、必然的に、放射能汚染実験場になって行った。
少なくとも、今日、福島の人々が、真実を知らされることを、エフゲンは望む。
いかに、生活が危険であるかを


原発事故直後、エフゲンは東電に、援助を申し出ていた。
しかし、断られた。
「国外からの助けは、必要ない」、という返信が来た
環境保護運動家、ハシモト・ケンゾウは、違う考えだった。
エフゲンの、チェルノブイリでの経験について知った彼は、エフゲンの知識と体験にあずかりたいと、彼を、日本に招いた。
ケンゾウは、福島県の出身だ。
県民の健康を、とても心配している。

二人はまず、東電の本社を訪れた。
今日も、デモが行われている。
この数ヶ月間、頻繁になったことだ。
今日は、「福島の女たち」が、怒りを東電にぶつけに、デモに来ている。
前線は、見るからに、険悪化している。
一方には東電幹部達、対するのは、心の高ぶった被害者達。
神経戦である。
「何故、3.11前は福島に来たのに、今は来てくれないのですか?何故、福島に来なくなったのですか?何故、私達の所に、来てくれないのですか?」

彼女の質問には、今回も答はなかった。

南相馬地方は、福島第一原発から、わずか20キロほどに位置する。
汚染状況の第一印象を得るために、エフゲンは、現地の住民に会うことにした。
日本政府は、未だに、放射能の測定に取り掛かっていない(注・4月29日現在)、と男達は話す。
住民達は、NGOの協力を得て、自らの手で測定を始めた。

「地方の、いたる所で集めたデータをもとに、測定ルートを決めます。
可能な限り、たくさんのデータをセンターに集め、分析し、東京で、信憑性の高い地図を作成します」

彼らは、最新の機器を使って測定しているが、異なるデータを分析出来るだけの経験を、身につけているだろうか?
測定値に目を通したエフゲンは、不審感を覚えた。
恐ろしい疑惑が、彼を襲う。
もしかして、日本政府は、誤った封鎖区域を設定したのか?
自ら測定を行うため、エフゲンは、20km圏禁止区域との境である山に行き、まず最初に驚いた。
封鎖区域への入り口は、誰にも監視されていないのだ。
測定される線量は、自然放射線の100倍、境界線上でさえ、この数値だ

「そんなに高いのなら 境界線を、もっと広げる必要がありますね。
いったい、どのように計ったのかわかりません。ちょっと不思議ですね」

ここに長く留まる者すべて、命に関わる線量。

この地方を除染するのは、不可能だと思う。あまりに広大なうえに、斜面だ

エフゲンの見つけた、立ち入り禁止区域への別の入り口は、警察に監視されていた。
特別許可証を持つ者は、出入りを許される。
しかし、いずれの車両も、放射能汚染検査されないことに、エフゲンは驚く。
チェルノブイリでは、今でも、検査を行っている。


原発から55キロ。
政府によれば、この水田は、安全な場所にある、と言うことだ。
ケンゾウは官僚を信用せず、エフゲンと二人で真実を調べる。

ここに生えるものは もちろんすべて、放射性物質を取り込む。この地方の植物を食べるのは、非常に危険だ

ここに育つものは、すべて汚染されている。
しかし、誰も、農家に知らせていない
ようだ。
何故、そんなことが起こるのか?
事故後、政府は、立ち入り禁止区域を、同心円状に設定した。
しかしそれは、実際の汚染状況とは一致しない。
風は、北西部に、放射性物質を運んだ。
チェルノブイリでは、事故後まもなく、実際の汚染状況に応じて、禁止区域は修正された。
何故、福島でも、同じことを行わないのか?


エフゲンは、歩道を除染中の、男達を見つけた。
地方のあちこちで ボランティアの、除染グループが見られる。
もっとも簡単な形の除染さえ、政府や東電は、未だに引き受けない、と住民達は語る。
子供の通学路さえ、未だに安全でないことを、役所が気にしないことに、エフゲンは驚く


三春町。人口2万人。
町長の鈴木義孝が、エフゲンを待っている。
ウクライナから来た、放射能ハンターの、中立の測定に期待しているのだ。
事故後すぐに町長は、官僚システムは、時間が掛かり過ぎることに気付いた。
三春町の住民にとっては、長すぎる時間だ。
ボランティア達はまず、町の一番重要な場所を除染した。
小学校である。
そして、校庭と運動場の、汚染した表土を除去した。
ボランティアの除染が終わるのを待って、役所は、国の測定器を設置した。
現在の線量は、当然正常だ。

「この町は、やらなければならいこと、特に、学校の除染を、きちんと最初に行った。
これは大切だ。子供達が、長い時間過ごす場所だからね。ここで遊ぶし、そうすれば、埃が立つ。
簡単な方法で除染したようだが、私の見る限り、とてもきれいになった」

しかし、除去された土は 学校の横の穴に、土を掛けて、一時保管されている。
ここの線量は、今でも高い。
この場所を、柵で閉鎖するよう、エフゲンは、町長にアドバイスする。

鈴木義孝、三春町町長:
「私達も、土を別のところに運びたいのですが、その場所はどこにもありません。誰も引き受けたいとは思いません。
政府は、処分場を作る、と言っています。それまでは、ここに保管するほかありません。住民も了解しています」

調査を続けるエフゲンは、見捨てられた町に、たどり着いた。
防護服を着て、ここに集まった男達も、除染活動のための、新たなボランティアだ。
汚染された落ち葉を集めたり、表土を除去したりする。
ビニールシートの下に、一時保管される、放射性廃棄物。
エフゲンは、ボランティア達が、仕事のトレーニングを受けているか尋ねる。

タカシマ・カズキ、ボランティア:
「特にトレーニングは受けていません。すぐわかる、簡単な仕事ですから」

これ以上ないほどの、危険を伴う仕事である。
不注意な者は被曝をし、数年後に、癌や白血病になる危険がある。


ビニールシートの上は、毎時25マイクロシーベルトだ

自然線量の、ほぼ200倍の数値である。
「本来、このゴミは、安全な密閉容器に入れて、何千年も保管されるべきだ」
と、エフゲンは言う。
しかし、日本では、今のところ、そのような指令はまったくない。
この場所も、26年後には、チェルノブイリの封鎖区域と、同じ状態になっているかもしれない。
今でも、チェルノブイリには、高濃度放射性廃棄物が転がっている。

エフゲンとケンゾウは、原発が今、どれくらい安全になったか、知りたいと思った。
原発作業員が、情報を提供してくれた。

福島原発作業員:
「放出される放射能の量は、事故当初に比べて、非常に減少しましたが、今でも大量に飛んでいます。
今でも大変な量で、2,3,4号機は、まだカバーを付けないといけない」

エフゲン:
「チェルノブイリでは、6ヶ月で、事故は制御されました。福島は、もう9ヶ月も経つのに、何故コントロールさえできないのか?」

福島原発作業員:
「理由は簡単です。福島は、チェルノブイリの4倍、問題がある。4基の事故を、コントロールしないといけないからだ」

エフゲン:
「我々から見ると、問題は、東電にあるように思えるのですが?」

福島原発作業員:
「問題は、東電ではない。日本政府です」
チェルノブイリは、ソ連軍を使うことが出来た。軍隊が、すべてを指揮して、すべてにおいて大きな力になった。
自衛隊は、3号機が爆発した時、現場にいたのに、怖気づいて逃げてしまった。
一万人の自衛隊が協力していれば、作業もずっと、進んでいたはずです」


ふたたび、地域の調査に戻る。
エフゲンとケンゾウは、独自の測定から、ここも本来、避難させるべきだ、と突き止めている。
彼らの推測通り、同心円状に設定された封鎖区域は、間違っているのだ。
この子供達は、自分達の置かれた危険を知らない。
政府も、彼らが、安全な場所に避難できるような政策は取らない。
避難したい住民は自主的にすればいい、と言うのが、公式表明
だ。

コンドウ・ヨシユキ 幼稚園園長:
「幼稚園の除染が終わって、今度は、子供達の家を除染します。私も、毎週、他のボランティアの人達と、家を除染しに行っています」

まるで、風車と闘うドンキホーテだ。

癌を発症するリスクは、明らかに高くなっている。
幼稚園の横で、測定を行ったエフゲンは、心配が現実であることを確かめた。

当時のプリピャットと、同じ状況だ。
プリピャットでも、除染が試みられた。何度も何度も洗って、線量は確かに下がった。
しかし、とうとうある時、無意味だ、と認めざるを得なかった。
汚染地帯の真ん中に、きれいな町を保つなんて……どうやって、人々は生きたらいいんだ?
ここも、同じ状況だ。
幼稚園は、除染をして、線量を下げることに成功した。
だけど、数m先の線量は、特に子供には危険な高さだ。
非常に心配な数値だ。うまく行くわけがない。
今、子供達は、幼稚園の中だけど、終われば、境界の外に遊びに行ったり、町の汚れた道を、走り回ったりする


残念ながら、エフゲンの結論は、希望を砕くものだった。

僕は、毎日たくさんの人々と話をし、原発から20キロの、ひどい汚染地域に行った。
人々は、重要な情報の多くを、知らないことに気付いた。単純に、知らされてないんだ。
放射能の影響や危険について、あまりに知らなさ過ぎると思う。
それは、日本政府や環境省が、幾つかの事実を無視をしているか、隠蔽しているからに違いない。
上層部の責任者達が、そうした基礎知識を、持っていないとは思えないからだ。
今回の調査を、楽観的な結論で締めくくりたい、と望んできたが、肯定的な言葉が見つからない……。
正直言って、ただ呆然としている


(スタジオ)
ただ、想像を絶します。
日本政府は、原子力利権という祭壇に、国民を、生贄として捧げているのです。
東電は、長年に渡って、ずさんな安全基準を通して来ました。
安全対策に、もっと投資していれば、大事故は、回避出来ていたかもしれないのです。


後略。

↑以上、転載おわり


これは、ツィッターでつながりを持てたfukuzawaさんという方が、送ってくださった映像です。
福島の現実が、この9分半の時間の中に、厳然と存在しているのを目の当たりにして、言葉を失いました。
本当に、なにが収束なのか、どこが収束なのか。
政治ゴッコに明け暮れている人達に、突きつけてやりたいと思うけれど、
突きつけたところで、なにも感じず、なにも思いもしないだろうことも大いに予想できることが、本当に忌々しい。



8月26日「楢葉町慰霊と復興の集い」に参加した。
東日本大震災から1年半経ち、8月10日、避難解除準備区域に指定され、出入り自由となったが、滞在できるのは16時まで­。
伸び放題の夏草に被われた、無人の家々、会社、農地、竜田駅、公園……。
町は、3.11の爪痕を真超したままに、時が止まっていた。
収束宣言が出ているが……何が終わったのだろう­か。
地震津波で助かった我が家にさえ、住むことが出来ない。
家の中では、畳や布団から、キノコが生えていたと……。
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子ども用簡易放射線モニター『はかるっち』……この国は、どこまで堕ちたら気が済むか!

2012年09月17日 | 日本とわたし
これは、少し前の、今年の4月22日に、『院長の独り言』というブログに書かれた記事。
記事を書いたのは、熊本在住の小野先生。

震災と原発事故の後、考えなあかんこと、なにか行動に移さなあかんことが多過ぎて、
けれどもなにか、その中からひとつに絞って学んだり調べたりもできんと、あれこれまとまりも無く記事を書いてきた。

けど……、

この頃、巨大津波に襲われ、命からがら助かった人、津波の被害には遭わんかったけど、放射能汚染から逃れられへん人、
とりわけ、子どものことが気になって気になってしゃあない。
なんで、こんな時間が経ってしもてるのに、助けてやることができんままなのか……。
あかんやん、そんなん。

前回の記事は、今現在、身体に異常が出てき始めた子ども達のことを書いた。
多分、今これから転載させてもらう記事に出てくる子ども達も、その検査を受けたはず。

政治家はもうカス。
人間としてカスの中のカス。
こんだけ時間かかっても、この子らを助けられんでいる。
こんなどうしようもない、とんでもない時はもう、市民が、ものすごい数集まって、怒濤の抗議をせん限り、なんも変わらへん。
そやのに今だに、知らんふりして、自分には関係ないような顔して、タラタラ生きてる大人がぎょうさんいる。

アホ!
この子らの手紙を読め!
こんな通販の写真を見たら、ズタズタに切り裂いて抗議しろ!
こんな異様なことに、背筋が冷とうならんのか!

↓以下、転載はじめ


福島の子どもたちからの手紙「わたしは何さいまで生きられますか?」
2012.4.22

『福島の子どもたちからの手紙』という本があります。
その中から、哀しい子どもたちの、声なき声をご覧ください。

小学校3年生


小学校5年生



小学生に、「何歳まで生きられますか?」と聞かれるような国・政府が、健全なはずはありません。
放射能のガレキを、全国に振りまくのではなく、子どもの健康のことを、一番に考えないとおかしいのではありませんか。
なぜ、この子どもたちのさけびを無視して、放射能をばらまき、さらには、放射能という毒を作る原発を、再稼働するのか、私には全く理解できません。
毒を作って、世界中の人たちを死滅することが、電力会社の使命としか思えません。
 
子どもに言われました。
「なぜ、電気を作るときに、毒を作るの?つくんなきゃいいじゃん」と。

この言葉に、きちんと答えられる大人がいますか?
「毒を作らないと、みんなが食べていけないんだよ」とでも、説明するのですか?
電力会社の、本当の使命はなんですか。

通販のカタログ(表紙)


1ページ


拡大



放射線量計が、育児関係の通販に、平然と載っていますし、この線量計は、アラーム機能がありません。
(わざと省いているんでしょうか?子どもにストレスを与えないために)

このような線量計が、大々的に売られていることからも、この問題が、決して福島に限定されるわけではないことがよく分かります(この通販誌は、全国で売られています)。

もう、放射能は、風評被害ではなく、現実の問題なのです。
ところが、福島では、次のような催しを、わざわざするそうです(本年4月現在)。
 
小学校鼓笛パレード復活 福島市教委が2年ぶり
 福島市教委は、20日までに、東京電力福島第1原発事故の影響で、昨年中止した、市小学校鼓笛パレードについて、
今年は、5月16日に、実施することを決めた。
児童への、放射線の健康影響に配慮し、パレード区間の短縮や、放射線量測定の徹底など、放射線対策を万全に実施する方針。

(中略)

区間内の放射線量については、今月5日に、区間内9カ所で測定し、安全性を確認したほか、開催2日前となる5月14日にも測定する。
さらに当日は、参加全児童を、バスで待機場所から送迎するほか、マスクを配布するなどの対策も講じる。
 
市教委は、
放射線に対する、保護者の不安も理解できるが、鼓笛パレードの実施による子どもたちの成長が、より重要と考えた」と話している。
(2012年4月21日 福島民友トピックス)


また、得意の、外部被曝だけを測定する方法で、安全だと称しているのでしょう。
放射能が舞う中での、鼓笛隊パレードは、肺の中に放射能を吸い込み、内部被曝につながります。
なぜ、放射能を無視して、このような、危険な催しをさせるのでしょう?
教育委員会が、もっとも大事だと思っていることはなんですか?

↑以上、転載おわり



育児用通販カタログで、子ども用の、子どもが好みそうな、タマゴッチみたいな放射線量の測定器が、
しかもアラーム機能無しの、まるで万歩計みたいに、数字を見るのが楽しくなるような放射線量測定器が売られてて、
それを、笑顔の女の子が持ちながら、こっちを見てる。
名前も『はかるっち』……。

狂てる……。
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「どうせ病気になるんでしょ」と子どもに言われる親よ、国に向かって叫べ!怒れ!

2012年09月16日 | 日本とわたし
先日11日、『小出先生を囲んでの温泉飲み会』っちゅう、なんとも夢のような会の様子がユーストで流れてた。
福一の原発重大事故後、原発問題について、毎日のように、字起こしなどの膨大な労力を提供し、世の中に伝え続けているブロガーの皆さんがいはった。
わたしはその中に絶対、きーこさんもいはると思たんやけど、画面上には男性ばっかり。
あれ?っと思てたら……、

すごい量の文字起こしを続けてくれてはる人として、小出先生がまず最初に、きーこさんの存在を讃えはった。
やった!
ほんでもって、『ぼちぼちいこか』のトキコさんのことも!
今までの、ほんでこれからの、慣れてはおられるやろけど、それでもやっぱりものすごく大変な作業への、なによりのご褒美やったと思います。

このおふたり(きーこさん、トキコさん)には、本当に助けてもらってる。
毎日必ず、このおふたりのブログを覗きに行かせてもらい、そこに書かれている膨大な量の文字を読ませてもらう。
学んだことを全部、ここにも載せたいと思たりするけれど、それはいくらなんでも厚かましいので控えてる。
そして、これはどうしても、と思う記事を、おふたりの労力と時間をかけた作業に感謝しながら、まるまる、ここに移させてもらってる。
申し訳ない気持ちでいっぱいなのやけど、ビデオやラジオの内容の書き出しは、やった者でないとわからん、とてつもないエネルギーが要る。
わたしは数回それをやってみて、へっとへとに疲れ、これは自分には続けられんと観念した。
なので、こうやってズルをさせてもろてるのやけど、せめて転載する時に学ばせてもらおうと、一字一字を読みながらキーを打ってる。

字起こしは学び。

何回も聞き逃したことを戻して聞き直しているうちに、言葉が栄養になって頭に、心にしみ込んでいく。
きーこさん、トキコさんも、それからざまみやさんらの、文字起こししてはる人達のその、学びとボランティア精神は、本当に尊いしありがたい。

文字起こし隊のみなさん、ほんまにほんまにありがとう!

↓以下、転載はじめ


「福島の甲状腺検査に問題は」とくダネ!9/11(内容書き出し)

福島県の子どもの甲状腺検査について取材していました。

「検査の邪魔をしたくない」と他の医師たちに言わせることとなったメールについて、
一人の甲状腺がんが見つかった時に、
「原発事故の可能性は低い」と発言している鈴木眞一教授、
そして、山下俊一氏にもインタビュー……。


福島県の検査で
「のう胞が最大が2.5mmの大きさで複数ある。その数は知らせない」と言われた一人の子どもは、
東京で検査し直した結果、「10mm程度のものが二つ」あると診断されています。

福島県の検査自体の正確さ、または親ごさんへの報告が正確なのか?
わたしは、疑問に思いました。





9/11(火)の放送
【キャスター】小倉智昭・菊川怜

とくスペ
●医療プロジェクト 保護者に不安…福島県の対応に問題は

菊川:
続いては、医療プロジェクトです。
今日で、東日本大震災から1年半になります。
福島県では、原発事故を受けて、子どもの甲状腺検査が行われていますが、
県の対応をめぐって、保護者の間に、不安や不信が広がっているんです。
この問題について検証します。



医療プロジェクト@福島 子どもの甲状腺検査に問題は

先週水曜日、福島二本松市、先週も、福島県で行われていた、甲状腺検査。
対象は、県内の0歳から18歳の子供たち、およそ36万人。
エコー検査機を使い、甲状腺に異常がないかを調べる。



今年3月末の時点で、およそ3万8000人の検査が終了。
その結果、およそ36%の子どもに、のう胞やしこりなどが確認された。




保護者母1:
うちは3人いるから、3人のうち誰かはある、という確率な訳ですよね。

保護者母2:
ここから逃げられないのが現実なので、放射線とともに生きていくっていうのが近いかな。
7歳の長女と3歳になる長男は、6月に甲状腺検査をうけた。

福島県郡山市に住むAさん:
この子も上の子も、A2(判定)です。



検査結果は、のう胞やしこりの大きさにより、4段階で判定される。
A2は、5mm以下のしこりや、20mm以下ののう胞がある場合で、検査を受けた子どものおよそ36%。1万3400人がこれに当たる。

郡山市在住Aさん(37):
うちの場合は二人とも、「のう胞があります」っていうふうに、ん……言われたんで、
これを開ける時に、覚悟はしたんですけど、「あぁ……うちもだったか」みたいな感じですよね、本当に。

子どもにとっては、検査を受けるだけで、大きな負担がある。

福島県郡山市に住むAさん:
(子どもは)原発の事故があったから、(検査を)受けているんだなって、もう分かっているから、(理由を)聞かないんですよね。
聞かないで黙って、検査を受けてくれるので、車の中で、「どうせ……病気になるんでしょ?」って言ったんですよね、子どもが。



のう胞は、体液が溜まった袋状のもので、中にはしこりを伴うものがある。
甲状腺がんは、そのしこりの一部が、悪性の腫瘍になったものだ。
つまり、のう胞やしこりがあるからといって、すぐ、がんに直結するわけではない。

福島県が、甲状腺検査を進めることには、理由がある。
26年前のチェルノブイリ原発事故の後、放射能の影響で、子どもの甲状腺がんが多く発症したからだ。

甲状腺は、喉仏付近にある、ホルモンを分泌する臓器。
放射性物質の、ヨウ素131を吸収する性質があり、蓄積されやすい。
それが原因で、内部被ばくを起こし、甲状腺がんが発症する、と考えられている。

36%の子どもに、のう胞などが見つかったことについて、専門家は、



北海道がんセンター・西尾正道委員長:
えー、こんなにあるの?、というのが実感ですね。
ですけども、冷静に考えてみますと、子どものですね、甲状腺に、どの位こういった小さいのう胞を含めですね、異常があるかっていうのは、全く分かっていないんです。
実は、データが無いんです。

そもそも、子どものうち、どのくらいの割合で、のう胞やしこりがあるのか、比較するデータが無い。
そのため、36%が、一般の子どもと比べ、多いのか少ないのか、判断できないという。



そこで政府は、先月末、福島県以外の子どもを対象に、甲状腺の検査を行う事を決定したが、福島県の対応をめぐり、親たちは不安を募らせている。
3人の子供を持つBさん。7歳の長男に、A2の判定が出た。

福島市在住Bさん(27):
率直に、ショックでした。

そこに書かれていたのは、のう胞やしこりの有無だけで、具体的な数や大きさは分からない。
そこで、検査を実施管理している福島県立医科大学に、子どもの検査結果を詳しく聞いて見ると、

福島市在住Bさん:
電話「(のう胞が)2.5mmですね、ああ、そうですか。複数というのは、具体的に何個ですか?カウントしない……」
一番の大きい物が2.5mmで、「何個あるんですか?」って聞いても、
複数ある場合はカウントしない、という事で……」

Q:
カウントしないっていうのは、数えないっていう事?

福島市在住Bさん:
そうですね。

Q:
納得できました?

福島市在住Bさん:
いや、複数っていうのが何個なのか、不安ですね。
ただ単に、面倒なのかな?っていう感じですね。


何故、わが子の検査結果を、詳しく知ることが出来ないのか?
不安が解消されないBさんは、7歳の長男を連れて東京へ。
息子の、具体的な検査結果が知りたい。
甲状腺の再検査へ来たのだ。

長男の表情に、緊張が広がる。

川内章裕院長・池袋病院:
冷たいな、ちょっとな、軽く息吸って、はいそこで止めて。



のう胞やしこりの、正確な大きさは、数は?
検査結果が告げられた。


福島では説明されない詳しい内容が・・・

再検査の結果は、

川内:
大丈夫だよ、全く心配いりません、いまのところ。
うん、1cmぐらいの大きさはあるよ。

福島市在住Bさん:
2.5mmよりも大きいっていうことですか?

川内:
ま、のう胞が固まったようなしこりなんです。



見つかったのは、福島県の検査結果よりも大きなしこり。
10mm程度のものが二つ

だが……。

川内:
がんじゃないですよ。

福島市在住Bさん:
将来もがんになる恐れはない?

川内:
それは分からない。

福島市在住Bさん:
それは分からないですか……。



川内:
あんまり心配しなくていいよ。
でね、心配だったら、いつでもいらっしゃい。


福島市在住Bさん:
安心するためには、定期的に受けた方がいいのかな、とは思いますね。

Bさんは、現状を詳しく知ったことで、今後必要なことが見えてきた、という。
しかし、その再検査を、断られた人もいる。

孫(3)にA2の検査結果が届いた、Cさん夫婦。
そこで、県外の病院に、再検査を申し込んだのだが、

Cさん夫:
福島県の検査を受けて、A2の判定が出たので、もう一度確認だ、と伝えると、
福島県の方の甲状腺検査ですね?それだと、うちでは検査できない」と、

福島の子供だという理由で、拒否された、というのだ。
一体なぜ?





実は、福島県で検査する、甲状腺検査の責任者山下俊一氏と鈴木眞一氏の連名で
各学会に、あるメールが送られていた。

「自覚症状等が出現しない限り、追加検査は必要ないことをご理解いただき、充分にご説明いただきたく存じます」

このメールを受け、各病院が、検査に二の足を踏んでいる、という指摘もある。





さらに、県の甲状腺検査を受ける際、保護者には、同意書の提出が求められている。
そこに書かれていたのは、
「検査データを、今後の基礎資料として、大学が保管し活用することに同意」

これを承諾しないと、検査を受けられない。
そう思う人がいるという。

何故、福島県は、検査結果についての詳しい説明をせず、不安や不信感が高まるような対応を取るのか?
我々は、あのメールの差出人でもある、甲状腺検査担当の鈴木氏に、説明を求めた。

Q:
これ(メール)の、意図するものは、どのようなものなんですか??



鈴木眞一教授・福島県立医科大学:
(再検査を)阻害しているものじゃなくて、よくやっているという事を伝えてほしい、という事です。

Q:
放射線学会の会長だったりとか、権威ある人たちの連名でね、こういうメールが来ると、医師たちにプレッシャーを感じるのではないか?

鈴木眞一:
そういう捉え方よりは、逆に僕らは、専門の学会の先生たちには、こういう事をやっているという事を伝えておかないと、
あの、やはり、混乱を招くだろうと、それだけです。

メールはあくまで、患者への説明を求めるもので、「再検査を阻害する意図があるわけではない」という。

では、同意書については?

鈴木眞一:
同意の取り消しによる不利益を、一切受けないという事も書いてありますので、検査を受けて、同意を取り消すことは、十分出来ます。

検査と引き換えに、疫学調査の同意を求めているものではない」と主張した。

しかし、医療問題に詳しい細川弁護士は、



細川大輔弁護士:
こういう条件が付いていてもですね、後で、実は、疫学調査に協力しないという事で、
総意を取り消すことは、一般的には、なかなか難しいんじゃないかと、
分かりやすく、保護者のみなさんに、検査を受けることと調査に協力することは、全く別の別の事ですよ、と告知することが必要
だと思います。


子どもの甲状腺検査は、いったい誰のためのものなのか?
我々は、責任者の山下氏に、直接質問をぶつけた。

何故詳細伝えない?検査の目的は


ー後編ー

不安と不信が広がる、福島県の甲状腺検査。
責任者である山下俊一氏に、取材を申し込んだが、「多忙のため対応できない」との返答。
そこで、直接質問をぶつけに行くと、

Q:
山下先生、あの、

ー:あのすみませんちょっと、ごめんなさい

Q:
山下先生、あのー、どうして、あのー、お話しいただけないんですかね?
甲状腺検査の、本来の目的はなんですか?



Q:山下先生……、

山下氏から、真意を聞くことはできなかった。
「甲状腺検査は自分たちのために行われている」
一体どれだけの県民がそう感じているだろうか?

ーースタジオ

小倉:
甲状腺検査というのは、子どもたちの被害を考えている検査なのか、
あるいは、調査をして、データを取るための検査なのか、よく分からない所がありますが、えー……、

菊川:
あ、スタジオには、医療ジャーナリストの、伊藤隼也さんにお越しいただいています。



伊藤:
よろしくお願いします。

小倉:
子どもの甲状腺検査って、今でも続いているようなんですけれど、何が一番問題なんですか?

伊藤:
えー、ま、一言で言うと、いっぱい問題があるんですけれども、
この、36%近いというね、ま、この数字をどう見るのか?っていうことなんですが、

小倉:
子どもたちから、A2というか、のう胞があるという、

伊藤:
多少なりとも、少しね、問題ではないんですけれども、
ま、その問題の可能性がある、というものが見つかったことに関して、
で、先程、がんセンターの西尾先生が、「比べるものが無い」とおっしゃっていたんですけれども、
それは確かなんですが、たとえばその、古いデータとしてね、チェルノブイリだとか、いわゆる長崎の2000年位のデータだと、
ま、あの、数値はかなり低いんです、1%以下なんですね。
それをどう見るか?というと、ま、いろいろと、その、検査というもののやりかただとか、状況だとか、
ま、大きさをどう捉えるか、ま、いろんな差があってですね、まぁ、結局、正確なものはない。
だから、今後、しっかりと見ていかなければならないという事が、ま、ひとつですね。

それともうひとつ、情報公開が、とても不十分で、これ、本当にあの~、疫学調査っていうかですね、
調査をこれからやることに意味があるのか、ま、お子さん一人の健康を、どう考えるか?っていう、
これで、大きく違う
と思うんですよ。
で、親御さんにしてみると、やっぱりわが子のことが一番ですから、
当然調査も重要だけど、自分の子どもが、今後どうなって行くのか?という事をですね、やっぱりきちっとフォローしてほしいんだけど、
今の態勢は、そうなっていないですね。

さらに、やっぱり、同意書がややこしくてですね、ま、ぼくも読んだんですけれども、これを見る限り、なんとなく、
あのー、避けてしまう子どもたちがいるんじゃないか、実際に、そういうお子さんが出ているんですね。
これはやっぱり、良くないし。

もっと問題なのはですね、これが、福島でしかできないという事は、非常に問題で、
これは、最後までやるのには、2年から3年かかる、と言われているんです。

菊川:
あー、人数が多くて、ですか?

伊藤:
はい。

小倉:
これーー、調査のためだとしても、結果がある程度見えて、A2だって言うのが分かったら、本人に知らせますよね。
という事は、親は当然、「再検査をしてもらいたい」と思う訳でしょ?
でも、「福島の子だから、再検査はできませんよ」っていうところもあるんですか?現実に。

伊藤:
現実に、残念ですが、そういう……あったんですね。
だから、あのー、鈴木(眞一)先生はああいう方で、自分たちがやっている事を、あの、きちんと報告するためだ、という事をおっしゃっているけれど、
ま、極解してですね、どうも、福島医大の方を伺いながら、
「うちの方では、やらない方がいいんじゃないか」と思っている人もどうもいる
ようですね。
それも問題ですよね。
だから、これ、全国で、好きな時に、きちっとした検査が出来るような体制を、僕はするべきだ、と思うんですね。

小倉:
そうですよね、あの~、子どもたちのデータが、沢山残れば残るほど、なにかあった時に分かるわけですから、やるべきだと思うんですが、
武田さん、徹底的に調べた方が前向きでしょ?本当は。



武田:
内部被ばくのデータって、数字が独り歩きしたり、その、政治的に利用されたり、
あとその、一部的なものだけを見て、たとえば、福島県全体に、なんかラべリングしたような事があるんで、その前提はあるんですけれど、
ただ、だからと言って、調べない事の理由には全然ならない
、と思うんですよね。
やっぱり、そのー、きちんとしたデータを取って、一般論で考えても、なにかの可能性を示す数値が出てきたというのは、対処するためには良い事だ、と思うんですよ。
だから、それはもっと、やっぱどんどん調べて、
もっといえば、その福島の事故という事から、何を学べるのかという事を、世界に対して、データとしてきちんと持つという事は、日本の国としての責任でもある、と思いますけれども。

小倉:
うーん、しょこたん、とにかく、子供たちのために、キチンとしてあげないとね。



中川翔子:
もう、子どもたちの未来を、誰が守るのか、
国も何でも、「安全、安全」って言い過ぎだし、みんな見て見ぬふりをしすぎ
だし、
36%近い異常っていうのは、これは大問題だ、と思うんですけれども、
どうしてみんな、いろんな事を隠すというか、こういう事になってしまうのか!

伊藤:
あのー、ま、すごくね、36%をどう捉えるか?っていうのは、実は難しいんですけれど、
少なくても僕は、そのー、僕も子ども、あのー、が、当然ね、自分の子どもであれば、知りたいですよね、皆さん。

菊川:
知りたいです。

伊藤:
やっぱり、情報公開がとても不十分で、やっぱり電話をしないとね、結果が聞けない
たとえば、がん検診なんて、ないんですよ、ハッキリ言って。
今、がん検診をやっているみなさんは、自分の結果を、詳細にきちっと、報告を受けている訳ですよ。
で、それが、本来の、いわゆる健康調査という目的なのに、なんだか、あのー、
「疫学的なね、調査を目的としているんじゃないか」みたいに、邪推されること自体がとても問題なので、
僕は、これは国がですね、早急に、改善を命じた方がいい
と思います。正直言って。

小倉:
そうですね、良く分かりました。
ありがとうございました。

↑以上、転載おわり


甲状腺にしこりやのう包ができる。
これを、ただのできもんみたいに思てる人はおらんか?
旦那の姉は、16才の時、スリーマイル島の原発から20キロ離れたとこに住んでた。
事故が起こり、住民には避難命令が発令されたけど、数日で家に戻ったらしい。
姉はもともと、深刻なピーナッツと大豆アレルギーを抱えた人やけど、40代になるまでずっと、首や肩に痛みを伴う問題を抱えてた。
そして40代に入って急に、甲状腺に次々とガンが見つかり、その後何回か手術を受け、一生飲み続けなあかん薬を飲んでる。

彼女は言う。
今になって思えば、すぐに疲れる。それも異常なほどに。
それから、ずっと体内のカルシウムについての問題を抱えていて、それが身体中のあちこちに痛みをもたらしていた。
そしてガン……。
もし、今日本で、原発の近くに暮らしてる子どもと、その親御さんに伝えてあげて欲しい。
毎日、なにがしかの痛みや怠さを抱えて生きることは、怒りと失望を抱えること。
そんな人生をわざわざ選ばないでほしい。


わたしは彼女がずっと苦手やった。
なにかというとすぐに疲れた、疲れたと言うし、パニックに陥りやすいし、すぐにキレたりもする。
なんて自分本位なんやろうと思うことも多々あった。

けれども、こうやって、被ばくによる健康被害のことを細かく学んでいくうちに、
彼女のそういった一連の混乱と性質は、もしかしたら、彼女自身にもコントロールの仕様がない、とてつもない被ばくの暴力によるもんではなかったかと、思うようになった。

日本に、彼女のように、自分でもどうにもできない暴力でもって、人生を狂わされる人が増えてくるかもしれん。
それを子どもが、なんで無理矢理承知させられなあかんの?

データがなんじゃい!
そんなもんクソっ食らえ!
全国どこでも、行きたいとこで、行けるとこで、診てもらえるのが日本の医療のすばらしいとこちゃうの?
のう包が見つかったら、とことん調べて、予防して、事が難しいならんうちに治療してもらえるよう、
ちっちゃい子どもが、最初っからあきらめて生きていかんでもええよう、
ひとりひとりをちゃんと診たってよ!向き合うたってよ!どこの医者でも病院でも、子どもの命を救たってよ!

データが今後の何に役立つん?
また事故起きた時のため?
うそつけ!
チェルノブイリにも、山ほどのデータがあるやんか。
それでも、そんなもん、なんも役立ってへんやんか!

子どもを守れ!
大人も守れ!
生き物を守れ!

そのために、今、大人が立ち上がれ! 
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秋の良き日、音、愛でるなりけり♪

2012年09月16日 | 音楽とわたし
なんだか久しぶりな感じがするマンハッタン。そりゃもう気持ちのいい気候の真っただ中。


ACMA(The Amateur Classical Musicians Association)の、今期初のコンサートを聞きに出かけた。

フレンチホルンの二重奏があり、


わたしの演奏復帰を待ってくれているソプラノ歌手のポーレットが歌い、


同じくわたしを待ってくれているテノールのマイケルが歌い、


一度、パートナーとして演奏を頼んだくせに、その後、彼の音程が不安定なことを理由にキャンセルしたわたしを、ずっと怒っているエリオット。
今日の、トシコさんとの共演の、ブラームスのバイオリンソナタでは、目覚ましい上達を見せてくれた。
おめでとう~エリオット!


この女性は今夜が初めて。おいくつなんだろうか。すばらしく伸びのあるソプラノで『マダム・バタフライ』のあの有名なアリアを聞かせてくれた。


そしてアヤちゃんのソロがあり、


彼も初出演で、めちゃくちゃ緊張してると言いながら、会場がしんとするほどのクラシックギターの演奏を聞かせくれた。


今年12月にあるカーネギー・ホール演奏会のオーディションで初登場したスチームパン。この楽器の音色はいつ聞いてもお腹にしみる。


そして最後に、ACMA恒例、大人数の演奏者による珍しい音楽披露。


プログラムには、ダンサーとしてジェニーの名前が上がってる……ふむ……。
ジェニーは、プロのハーモニカ奏者の娘ちゃん。
うちの息子達と同い年ぐらいの若者だけど、エンジニアとしてキャリアを積みながら、ダンスの講師をし、ピアノもバリバリ弾く。
そして、今年の春から、ディレクターのひとりとして、会議に参加してくれている。

その彼女が……、


もうほんとに、


どうしようもなくプロなのだ?!



いやあ、今夜のコンサートは、超~楽しく、聞き応えのあるすばらしいものだった。

なんでわたしは、いつまでも、客やってんのやろ……。

と、あまりにも悔しくなってしまったので、勢いあまって、セラピストであり、素晴らしいソプラノ歌手であるアイヴィーに「歌を教えて!」と頼んでしまった。

来々週の日曜日からレッスン開始。

ふふふ、どうせやるなら、オペラ歌手を狙うぜぃ!って、うそうそ、イチビリのでまかせです。
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ケツメイシとブロッコリー

2012年09月14日 | ひとりごと
性懲りもなく、またまた血尿が出た。
多分、膀胱炎が癖になったんやと思う。

一昨日、昨日と、二晩続きでちゃんと眠れんかったのと、新学期とともに、月曜から土曜まで、前より6人増えたレッスンが始まったのが原因?
まさか……。

けどまあ、このなんとも言えん、お腹の底の方がぎゅう~っとなるイヤな感じと残尿感、これはもう立派な炎症。

ケツメイシを煮る。


利尿作用と身体を冷やす効果があるので、これを今日はゴクゴク飲もう。

ほんでもってこれ。
去年の11月に、いざ明日は日本だぜぃ~という晩に、いきなり真っ赤な血尿(というより血でした、あれは)が出て、
こりゃもう、飛行機はキャンセルやな、とほぼあきらめながら飲んだ漢方の抗生物質。
結局ギリギリの2時間前に、とりあえず血尿の色が薄くなったので、これをカバンに入れて出発したという、帰郷の恩人、いや、恩薬。



なんちゅうか、身体から血の色したのんが出ると、一気に元気が砕けるね。
別に、大して、そのトイレの前後に変わったことしてへんのに……。

ここ数日、そりゃもう気持ちのいい、適度に乾いた、適度な気温の、なんとも爽やかな風がサラサラと吹く日が続いてる。
人間には気持ちいいけど、畑の野菜や草花は、喉をカラカラに乾かしてる。
お水まきだけはしとかなね。

ブロッコリーって葉っぱが巨大。


あぁ~!!葉っぱだけで終るのか……とすっかりあきらめてたのに、赤ちゃんがっ?!


ばんざ~い!ばんざ~い!ばんざ~い!

これはおまけ。


さて、今夜は養生します。
コメント (13)
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金沢市の市民説明会に行って来ました!

2012年09月13日 | 日本とわたし
というても、わたしとちゃうのですが……。
行ったのは、ツィッター友のたかっちゃん。
彼は、金沢在住の、金沢でのデモの立ち上げ人。
その彼が、市民説明会に行って見た事聞いた事感じた事を、5つの記事に分けて、ブログにまとめてくれました。
それをここで、一挙に紹介させてもらいます。

↓以下、転載はじめ

金沢市の市民説明会に行って来ました

本日(9/9)開催の、ガレキ受け入れに関する、市民説明会に参加して来た。
開始から7時間半に渡る長丁場だったが、最後まで、沢山の方が残って話を聞いた。

で、率直な感想と言うか総括と言うか、とにかく、環境省も金沢市も、地域住民を納得・安心させる気なんか無いだろ?って事。
何かと言えば、「金沢市民の皆さんに安心して頂いて、理解頂いた上で、進めて参りたい」などと仰るのだが、
じゃあ、安心させるための、納得するための材料は?と言うと、何も用意して来ていないのだから。
終止、話は平行線を辿るのみ。
コレじゃ、双方ともに、実りある話し合いなど、出来る訳も無い。

■環境省の話

1. 金沢市に受入をお願いする瓦礫は、国際的なクリアランスレベルとしての、100Bq/kgを下回る物であり、一般ゴミである。
2. 今回、広域処理をお願いする瓦礫は、特措法で広域処理を認められた、8000Bq/kgのさらに80分の1以下であり、安全である。

との論法だが、ここで、ズルい言い回しをしている。

1.で、一般ゴミだと思わせておいて、
2.では、広域処理をする理由として、放射能瓦礫の処理方法を定めた特措法に基づき、処理を進めるとしている点がそれ。

一般ゴミだから安全だ、と言っておきながら、広域処理の根拠は、放射能瓦礫扱い?
それで、実測値は一般廃棄物レベルだから、一般廃棄物と同じ、埋め立て方法でOK?
非常にズルいやり方と、言わざるを得ない。
こんなゴマカシで、本当に、市民を納得させる気があるのか?

質疑応答では、市側の回答が、意図的にピントをずらしていた、と断言できる。
そのいくつかの例をあげてみる。

Q.「万が一、実害が発生した場合、国が補償するのか?その法整備は、出来ているのか?」
A.「風評被害については、真摯に検討し対策を取りたい」

Q.「そうじゃない。実害が発生した場合の事だ。
今、法整備が成されていないのであれば、発生した時点で、補償のための法整備が成されるのか?
その場合、過去に遡り、被害を補償・補填するのか?」

そこでお決まりの、「環境省の担当者は、時間ですので、コレを最後の回答とさせて頂きます」というアナウンスがあり、
A.「実害に関しましては、私は答える権限もございませんので、この場では申せません」と、その場をさっさと去ったのである。

見事だ!「持ち帰り、省内で、法整備の検討を致します」はおろか、
「責任者へ報告します」との言質すら取らせていない。
見事としか言いようの無い、逃げ足の早さである。
理解を求めようとしている市民に対して、この対応では、意図的ではない、と言うのは通らない。
つまり、国(環境省)は、この広域処理に於いて、風評、実害が発生しても、何ら責任を取る物ではない、と明言したに等しい。
これで安心しろとは、どの口が言うのだろうか?


市民からの、
Q.「南相馬市長が、防潮林のために震災瓦礫が欲しい、との要望を出している、と聞いたが、何故受理されないのか?」の質問に、以下の様に答えた点。
A「防潮林の建設に使用するためには、漁具・漁網は適切ではない」

↑これは明らかに、金沢用に用意された回答である。

何故なら、今年3月の時点で、TV番組の報道ステーションにて、南相馬市長がインタビューに答える中で、
「国への要望に対して、広域処理の受入先として、被災地は想定していないとの回答だった」と言っている。
回答する先によって、内容が変わるらしい。

被災地内で、瓦礫を処理されてしまっては困るかの様だ。
また、先の金沢用回答にしても、突っ込みどころが残る。
誰も、漁具・漁網を、防潮林に使えとは言わない。
震災瓦礫のなかでも、防潮林建設に適した瓦礫をそれに廻せば、他の瓦礫の現地処理に、その分余力が生まれるはずであり、
漁具・漁網の現地処理も、可能になるのでは?と言うのは、容易に想像出来る。
残念ながら、質問者は納得してしまい、私に、質問の機会は与えられなかった。
もう一つ付け加えれば、南相馬市長は、震災直後の5月から、他県の震災瓦礫をくれと、国へ打診していたそうである。
以上の経緯は、「南相馬市」「瓦礫受入」などで検索すれば、いくらでもヒットするので、確認してみて頂きたい。
広域処理が動き出したのはいつか、それを考えただけでも、矛盾点だらけである。
国は、是が非でも、震災瓦礫を拡散したいのだ。

金沢市は、一旦下ろした手を、再び挙げた(らしい)。私からはどう見ても、下ろしてなどいないが……。


■金沢市との対話内容について

言い訳になるが、私は結局、一度たりとも、発言の機会を与えられなかったので、以下の内容は、内なる私の声である。

市長の冒頭の挨拶として、
「この場で決を採る訳ではない。
意見を集約し、議会とも「議論」した上で決定する。
方向性としては、受け入れる事を表明したまでで、決定事項ではない」
と始まった。

私としては、非常に微妙な言い回しが多い、と感じた。
市民の意見は聞く、との姿勢はありがたいが、決定において、重要なファクターとなるのか否か。
議会とも議論すると言うが、決議を取るのか?

どうも、そうではない様に感じる。
つまり、「市民」・「議会」とも、議論を交わした上で決定する、と言っている。
決定権は誰に?
明言しないまま、説明会が始まった。

まず強調されたのが、この瓦礫受入は、被災地からの強い要望のもと、国からの要請で動いている、とのスタンス。
国は国で、被災地が、と言っているのだが……。

ここで私は、釈然としない。
7/27に、岩手県と宮古市の、震災瓦礫の担当者に電話したのだが、その時の話と、かなりの温度差がある。
県も市も、広域処理に係る詳細は、国が決定しており、自分たちは一切分からないと、かなり困惑していたのだ。
非常に丁寧に返答頂き、とても腹芸を使えるような方々とは思えなかった。
つまり、広域処理について、積極的に関わっているのではなく、振り回されている印象だった。
ここで、震災瓦礫が、復興にとっての本当の障壁となっているのか、甚だ疑問に思う様になった。

また、何度も繰り返して強調される度に、責任を市で持つ気はない、との言い訳にしか聞こえなくなって行った。


■瓦礫の安全性について

100Bq/kg以下の、漁具・漁網のみだ」と強調される。
しかし、そのサンプリング方法は、数万tの瓦礫のうち、容積にして50リットルあまり。
そこを指摘しても、
サンプリングとはそんな物だ」と仰る。

なぜ、まだ一カ所に集約すらされていない漁具・漁網を、たった一カ所で、50リットル程度サンプリングして、安全だと結論付け出来るのか?
統計学を少しでもかじった事がある者なら、おかしいと思うはずである。
セシウムのみを測定し、安全と言われても、安心出来ない。
もっと多地点で、数多くサンプリングし直して欲しい、との要望には、
今のままで十分で、検討するつもりは無い、との回答に終止。
住民の安心が得られるのであれば、との積極的な姿勢は、一切ナシ。



■瓦礫受入後の安全対策

フレコンバックという袋につめて搬入され、そのまま埋め立てるので、飛散は無い。
埋め立ての際には、1mの覆土でサンドイッチして行くので、万が一、フレコンバックが破れても、放射性物質は、土に吸着される。
埋め立て地は、遮水シートで覆われているので、地層に浸透する事も無い。

しかし、誰がいつ、土による放射性セシウムの吸着率を、検証したのだろう?
どれだけ吸着されるかの、具体的数字は示されなかった。
大部分、という言い方にとどまっていた。
また、遮水シートの寿命についても、明言が無かった。
なにより、地震等による斜面の崩壊、地盤の亀裂等は、考慮していない
様だ。
その結果、万が一にも、放射性物質はもとより、他の有害物質も、貯留槽のモニタリングで阻止出来る、と言い張る訳だ。
ここでも、想定外を、意図的に作っている様だ。

そして、福島から避難・移住された、Aさんからの意見。
「環境省の提出資料に、1年で排出される一般廃棄物の量との比較として、
岩手県の瓦礫:約395万t(約9年分)、宮城県の瓦礫:約1200万t(約15年分)とある。
ところが、産業廃棄物は、一般廃棄物の10倍以上出ており、それを合算しないで、何年分と表示するのは、誘導に他ならない。
金沢市としても、そこを環境省に正して欲しい」


金沢市の、環境局長の答弁として、
「産業廃棄物は一般廃棄物と違い、処理方法に於いて云々」
ヒトの話を聞いているのか?、と言いたくなる。
誰もあなたに、環境省に変わって答弁して欲しい、などと頼んだ覚えは無い。
表記方法がフェアでなく、誘導まがいなので、環境省に正してくれ、と言っているのだ。
これもまた、意図的なのだろうか?

以上で、私の印象に残る内容は全て。
結局、7時間半もの間で、上記の内容を、グルグル行ったり来たりしていた様に思う。
ここまでダラダラと、記憶を頼りに書いてみましたが、抜け漏れがありそう(^^;;
まぁ、USTにアーカイブもあるそうなので、気になる方はそちらで。


■個人的感想

まず、身内と言うか、反対派の問題点として、多くの方が、終止、「持ち込みは、100%あり得ない」だった事。
私は、もちろん瓦礫持ち込み、と言うか、瓦礫拡散に反対なんです。
が、しかしですね、なにか事に当たるにおいて、全てを疑ってかかれ、が信条でして。
つまり、瓦礫拡散反対そのものを、疑ってかかるわけです。
もちろん、瓦礫拡散も、同時に疑います。
なぜかと言うと、そうしないと、思考停止に陥ると思うのです。
それでは、今までと何ら変わらない事になる。
だから、あの場では、「瓦礫受入もあるのかも」と言う姿勢を取る、あるいは、「瓦礫受入ありかも」と思う事を自分に許可する、と言った事が必須だと思うのです。
そうする事により、結果、自分の意見が、瓦礫受入になびくのならば、その程度の想いだった、と言う事です。
最初っから「受入れ拒否」では、話し合いにも議論にもならないのです。
結果として、自分たちの意見は、何も聞き入れられない事になる。
だから、反対する者としては、問題点・疑問点を提示し、それに納得のいく説明が成されるのかに注目する、といった姿勢が、必要になると思うわけです。

私個人としては、受入れ条件として3点。

1. 受入れる前段階として、サンプリングを詳細にやり直す事。
  これは、市民の持つ不安に答えるため、最低限の条件です
2. 受入れ瓦礫の線量を、空間線量ではなく、Bq/kgで、毎日無作為に測定し、その値を公表する事。
3. 受入れに関して、責任の所在を明白にし、万が一の場合、誰がどのようにどれだけの期間、どれだけの範囲で、どれだけの金額を補償するのか。
その補償金は、どこから出るのか、即ち、その予算の捻出元はどこか、を明白にする事。

以上が確実に守られ、実行されるのであれば、受入れを拒否出来ない、と考えます。
特に3.は、法整備を行った上で、補償が迅速に成される様に、手配しておかなければいけない、と考えます。


■金沢市当局側の問題点

まず、市民側に言えた事が、そんぐりそのまま金沢市側にも言える、いや上回ってる。
「市民と議論・対話する」と言った、市長の冒頭の挨拶は、なんだったのだろう。
市民側から出される質問・要望等は全て、端的に言えば、却下なのだから。
強いて言えば、その中でせいぜいまともだと思えたのは、
「受入れ前の瓦礫の線量測定を、月1からもっと短周期でやってくれ」とか「埋立場の空間線量率の測定間隔を縮める」などの処置要請に対して、
受入れが決まってから検討する」と返答したくらいのものだけ。

1. 受入れ瓦礫のサンプリング調査を、もっと多地点で、大量に実施する。
2. フレコンバックではなく、最低でも、放射性物質用のドラム缶を使用する。
3. 受入れ後の汚染発生時を想定した、法整備をし、責任の所在を明確にする。


↑これら、私が最低限必要、と考えた物は、全て一笑に付されました。
彼ら、は話し合いをすると言いながら、そのテーブルには、何も用意しなかったわけだ。
コレは、極めて失礼な話。
客人を招いておきながら、振る舞う物を何一つ用意しなかったんだから、非常識、と言われてもしょうがなくない?


■その他

Q.埋立場で、フレコンバックが破れて、浸出水が河川を汚染するのではないのか
A.フレコンバックは、日光のもとでは確かに劣化もするが、埋めてしまえば劣化もしないし、破れる事はまず無いと思いますよ

↑あなたの感想を聞いてなんかいません。
思いますよ、って何なんですか?
劣化は、紫外線ばかりではないですよ。
石油製品は皆、加水分解しますよ。

Q.フレコンバックが万一破れたら、やはり浸出水が、河川に流れ込むのでは?
A.そのために、覆土を、通常の倍である1mにしてあります。
粘土質を使いますので、吸着され、地下水へ漏れだす等は。まず無いと思いますよ。

↑重ねて、思いますよ。と来ました。
土の種類によって、セシウムの吸着率は違って来るだろうし、実際どれだけ吸着されるのか。
明確にはなっていませんよね。
バグフィルターで気化したセシウムが、全て除去出来る、と言う考え方と同質。
実際には分かっていない物を、さも分かり切っている、という方向に誘導している。

Q.全量測定しているワケではないので、スポット的に、高線量の瓦礫が混入しているかも知れない。
その際には、やはり、高濃度の浸出水が、地層を汚染するだろう。
A.遮水シートを、斜面に施行してあるため、たとえ浸出水が出たとしても、地層に侵出する事は無い。

↑地震や水害で、斜面の崩壊や地割れが発生する事を、まるまる忘れている。
いや、忘れたフリ?

そして、相も変わらず、
「被災地の強い要望のもと、国からの要請で、受入れを検討している。対応は、県と密に連携しながら取っている」だそうです。
金沢市は、一切責任を取るつもりは無く、国や県に押し付けつつ逃げている。
そんなところで逃げ切れたとしても、一旦事が起きてしまえば、国や県が責任など取るはずも無い。
結局、市民が泣きを見るだけ。


最後に、福島から避難され、金沢に骨を埋める覚悟のAさんから、市に対して、国から出ている資料への苦言が呈された。

災害瓦礫の量について、「岩手県:約395万t(約9年分)」「宮城県:約1,200万t(約15年分)」と書かれており、
その下に、細かい文字で、「※各県において、1年で排出される、一般廃棄物との比較」と有ります。
勘のいい人なら、ピンときたでしょう。
10倍以上の量の産業廃棄物が、その数字に関与していないのです。
単純計算すると、岩手県は約1年分、宮城県は1年半分でしかない。
もちろん、余力を使ってだから、こんなに短くはならない。
それにしても、この数字が与えるものは大きい。
一気に、現地での処理に、拍車がかかるであろう。
コレを、金沢市として、国に提言して欲しい」とのお話だったが、あえなく却下。

どうしても、責任の所在を、不明にしたいらしい。←マヂだよ!当然、補償など考えてもいない。


どうだろう、ここまでで。
信頼するに値するだろうか?
安心して、行政をまかせられるのか?
市民と同じ方向を向いている、と言えるのであろうか?
甚だ疑問だなぁ……。


結論

今の状況のまま、受入れが検討されるのであれば、瓦礫の汚染度がどうであれ、
市民と同じ方向を向こうとしない、話し合いのための材料すら持ち寄らない金沢市は、信頼するに値しない。
よって、今後も、瓦礫受入反対の姿勢を貫く。

以上。

↑以上、転載おわり。


この転載をさせてもらいながら、どこも同じ、市側のあまりにもいい加減で誠意も責任感も無い受け答えを知り、深いため息をついてたのやけど、

この意見↓は、すごくおもしろいと思た。

最初っから「受入れ拒否」では、話し合いにも議論にもならないのです。
結果として、自分たちの意見は、何も聞き入れられない事になる。
だから、反対する者としては、問題点・疑問点を提示し、それに納得のいく説明が成されるのかに注目する、といった姿勢が、必要になる。


この姿勢は、特にこちらでは当たり前の、議論する時の心得みたいな、大人の間では常識みたいなもんなんやけど、
それでも話が白熱してくると、もちろん興奮して、ついつい脱線してしまうこともあるのやけど、
とにかく、最初っから怒ってたり、声色が不服色たっぷりやったり、ということは幼稚、という印象を与えるというのが一般的な考え。
問題がいかに深刻でも、切羽詰まってても、議論の場に臨む限りは、とにかく冷静に、相手の意見をまず聞こうという心構えが必要で、
感情的な態度をとると、まず、相手にされない。

そういう基本を思い出させてくれる、たかっちゃんの意見やった。
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