昨日、報道された、ふたつの沖縄からの記事を紹介します。
ヘリパッド工事再開 高江住民ら重機確認 【沖縄タイムス】9/20/2012
【東】米軍北部訓練場の一部返還に伴う、ヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)の移設工事が19日、東村高江の移設予定地で、12日ぶりに再開した。
工事は、オスプレイ配備に反対する、県民大会の開催後初めて。
午前7時半前、防衛局職員らが到着。
工事に反対する住民らが、車に乗った職員に、工事の中止や説明を求めたが、
職員は、車から降りることなく、作業員が予定地内に入ったことを確認し、現場を離れた。
作業員は、午後4時半までに撤収した。
また、住民らは同日、風船を使って空撮し、予定地内で重機を確認。
「安全宣言」が出されたことも受け、配備や工事を推し進める政府の姿勢に憤った。
『ヘリパッドいらない住民の会』の石原岳さん(41)は、
「県道70号も提供区域内。高江住民は、訓練場の中で生きてきて、危険性は変わらない」と批判。
比嘉真人さん(34)は、
「今までだまし討ちのようなことを続けてきて、今更、『安全』という言葉を信じられるわけがない」と憤った。
『安全宣言』と沖縄 『空飛ぶ恥』を飛ばすな 【琉球新報】9/20/2012
日本の戦後の基軸をなしてきた、日米安全保障体制は、その土台を支えてきた沖縄から、崩壊しかねない危機的な状況を迎えた。
米海兵隊の、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの、米軍普天間飛行場への配備をめぐり、政府は、見切り発車で「安全宣言」を出した。
努力規定ばかりで、実効性が乏しい代物である。
安全だ、と納得する県民はいまい。
日米両政府は、21日にも、一時、駐機先の山口県岩国基地で、試験飛行を始め、沖縄への配備を、遮二無二強行しようとしている。
ごく限られた地域に、他の大多数の地域が恩恵を受ける、安全保障の犠牲を負わせ続け、
その重圧に苦しむ、人々の叫びを無視して恥じない、為政者の姿がくっきりした。
仲井真弘多知事は、
「今の首相、今の政府が、責任を全て持つということだ」と突き放し、
翁長雄志那覇市長は、
「日本が、沖縄に甘えているのではないか」と問い掛けた。
もはや、沖縄と政府の溝は、埋め難い。
基地に向けた県民のまなざしは、敵意を帯び始めた。
万が一、県民の命を脅かす事故が起きれば、沖縄の民意はたちどころに、日米安保の根幹と在沖基地閉鎖に、矛先を向けるだろう。
基地の島・沖縄からは、この国の成熟度がよく見える。
統治機構の差別的対応を、もはやこれ以上甘受できない。
国際社会に向けて、より強く、より徹底的に、日米の差別的政策を、告発せざるを得ない。
普天間飛行場の県内移設と、オスプレイの配備をめぐり、県知事と全41市町村長が反対し、県議会と全市町村議会が反対を決議した。
県民は、間接民主主義の手立てを、誠実に尽くした。
そして、直接民主主義を生かす手法として、10万人超が結集した県民大会を催し、強固な意思を発信した。
それからわずか、10日しかたっていない。
沖縄には、生身の人間が住み、声を上げている。
決して政治的無人島でも植民地でもない。だが、日本政府の処し方は、米国の意向一辺倒に、物事を進める呪縛にとらわれている。
米メディアが、「空飛ぶ恥」と称したオスプレイの配備強行は、沖縄への構造的差別を帯び、民主主義の価値を破壊する愚行である。
だが、私たちは諦念を抱いたり、打ちひしがれることはない。
日米の厚い壁を崩すため、ためらわず、粘り強く、自己決定権を取り戻す主張を続けたい。
民主主義の正当性は、沖縄の側にある。
↑以上、転載おわり
だが、私たちは諦念を抱いたり、打ちひしがれることはない。
日米の厚い壁を崩すため、ためらわず、粘り強く、自己決定権を取り戻す主張を続けたい。
民主主義の正当性は、沖縄の側にある。
こんな今になってやっと、55年も生きてやっと、上記の言葉が身にしみるようになった。
自分のこととして考えられるようになった。
日本のこととして考えられるようになった。
同朋の苦しみとして受け取られるようになった。
なんちゅうこっちゃ。
わたしは、自分の人生さえ無事に、なんとか人並みに保てたらそれでええと思てた。
空港の設置や、沖縄の基地や、原発のことを、チラチラとニュースで聞いてたけど、
我が身に起こらんことを幸運と思い、当地の人達を気の毒と思う。ただそれだけやった。
そんなことしてたから、アメリカの財閥や政府につけこまれた。
その粘着力というたらもう、ちょっとやそっとでは剥がされへん。
皆の『無視』が作った糊は、皆の『有視』で溶かしていくしかない。
基地も原発も、それからでっかいもんの立地も、みな根っこはおんなじ。
民主主義の正当性を、根本から腐らす差別と押しつけ。
みんな、なんか方法を考えなあかんと思う。
これまで、なにひとつ、止めることができんかった。
なんか手を考えよう。
どれかひとつ、止められたら、そこから突破口が拓ける。
なんか考えよう。