というても、わたしとちゃうのですが……。
行ったのは、ツィッター友のたかっちゃん。
彼は、金沢在住の、金沢でのデモの立ち上げ人。
その彼が、市民説明会に行って見た事聞いた事感じた事を、5つの記事に分けて、ブログにまとめてくれました。
それをここで、一挙に紹介させてもらいます。
↓以下、転載はじめ
金沢市の市民説明会に行って来ました
本日(9/9)開催の、ガレキ受け入れに関する、市民説明会に参加して来た。
開始から7時間半に渡る長丁場だったが、最後まで、沢山の方が残って話を聞いた。
で、率直な感想と言うか総括と言うか、とにかく、環境省も金沢市も、地域住民を納得・安心させる気なんか無いだろ?って事。
何かと言えば、「金沢市民の皆さんに安心して頂いて、理解頂いた上で、進めて参りたい」などと仰るのだが、
じゃあ、安心させるための、納得するための材料は?と言うと、何も用意して来ていないのだから。
終止、話は平行線を辿るのみ。
コレじゃ、双方ともに、実りある話し合いなど、出来る訳も無い。
■環境省の話
1. 金沢市に受入をお願いする瓦礫は、国際的なクリアランスレベルとしての、100Bq/kgを下回る物であり、一般ゴミである。
2. 今回、広域処理をお願いする瓦礫は、特措法で広域処理を認められた、8000Bq/kgのさらに80分の1以下であり、安全である。
との論法だが、ここで、ズルい言い回しをしている。
1.で、一般ゴミだと思わせておいて、
2.では、広域処理をする理由として、放射能瓦礫の処理方法を定めた特措法に基づき、処理を進めるとしている点がそれ。
一般ゴミだから安全だ、と言っておきながら、広域処理の根拠は、放射能瓦礫扱い?
それで、実測値は一般廃棄物レベルだから、一般廃棄物と同じ、埋め立て方法でOK?
非常にズルいやり方と、言わざるを得ない。
こんなゴマカシで、本当に、市民を納得させる気があるのか?
質疑応答では、市側の回答が、意図的にピントをずらしていた、と断言できる。
そのいくつかの例をあげてみる。
Q.「万が一、実害が発生した場合、国が補償するのか?その法整備は、出来ているのか?」
A.「風評被害については、真摯に検討し対策を取りたい」
Q.「そうじゃない。実害が発生した場合の事だ。
今、法整備が成されていないのであれば、発生した時点で、補償のための法整備が成されるのか?
その場合、過去に遡り、被害を補償・補填するのか?」
そこでお決まりの、「環境省の担当者は、時間ですので、コレを最後の回答とさせて頂きます」というアナウンスがあり、
A.「実害に関しましては、私は答える権限もございませんので、この場では申せません」と、その場をさっさと去ったのである。
見事だ!「持ち帰り、省内で、法整備の検討を致します」はおろか、
「責任者へ報告します」との言質すら取らせていない。
見事としか言いようの無い、逃げ足の早さである。
理解を求めようとしている市民に対して、この対応では、意図的ではない、と言うのは通らない。
つまり、国(環境省)は、この広域処理に於いて、風評、実害が発生しても、何ら責任を取る物ではない、と明言したに等しい。
これで安心しろとは、どの口が言うのだろうか?
市民からの、
Q.「南相馬市長が、防潮林のために震災瓦礫が欲しい、との要望を出している、と聞いたが、何故受理されないのか?」の質問に、以下の様に答えた点。
A「防潮林の建設に使用するためには、漁具・漁網は適切ではない」
↑これは明らかに、金沢用に用意された回答である。
何故なら、今年3月の時点で、TV番組の報道ステーションにて、南相馬市長がインタビューに答える中で、
「国への要望に対して、広域処理の受入先として、被災地は想定していないとの回答だった」と言っている。
回答する先によって、内容が変わるらしい。
被災地内で、瓦礫を処理されてしまっては困るかの様だ。
また、先の金沢用回答にしても、突っ込みどころが残る。
誰も、漁具・漁網を、防潮林に使えとは言わない。
震災瓦礫のなかでも、防潮林建設に適した瓦礫をそれに廻せば、他の瓦礫の現地処理に、その分余力が生まれるはずであり、
漁具・漁網の現地処理も、可能になるのでは?と言うのは、容易に想像出来る。
残念ながら、質問者は納得してしまい、私に、質問の機会は与えられなかった。
もう一つ付け加えれば、南相馬市長は、震災直後の5月から、他県の震災瓦礫をくれと、国へ打診していたそうである。
以上の経緯は、「南相馬市」「瓦礫受入」などで検索すれば、いくらでもヒットするので、確認してみて頂きたい。
広域処理が動き出したのはいつか、それを考えただけでも、矛盾点だらけである。
国は、是が非でも、震災瓦礫を拡散したいのだ。
金沢市は、一旦下ろした手を、再び挙げた(らしい)。私からはどう見ても、下ろしてなどいないが……。
■金沢市との対話内容について
言い訳になるが、私は結局、一度たりとも、発言の機会を与えられなかったので、以下の内容は、内なる私の声である。
市長の冒頭の挨拶として、
「この場で決を採る訳ではない。
意見を集約し、議会とも「議論」した上で決定する。
方向性としては、受け入れる事を表明したまでで、決定事項ではない」と始まった。
私としては、非常に微妙な言い回しが多い、と感じた。
市民の意見は聞く、との姿勢はありがたいが、決定において、重要なファクターとなるのか否か。
議会とも議論すると言うが、決議を取るのか?
どうも、そうではない様に感じる。
つまり、「市民」・「議会」とも、議論を交わした上で決定する、と言っている。
決定権は誰に?
明言しないまま、説明会が始まった。
まず強調されたのが、この瓦礫受入は、被災地からの強い要望のもと、国からの要請で動いている、とのスタンス。
国は国で、被災地が、と言っているのだが……。
ここで私は、釈然としない。
7/27に、岩手県と宮古市の、震災瓦礫の担当者に電話したのだが、その時の話と、かなりの温度差がある。
県も市も、広域処理に係る詳細は、国が決定しており、自分たちは一切分からないと、かなり困惑していたのだ。
非常に丁寧に返答頂き、とても腹芸を使えるような方々とは思えなかった。
つまり、広域処理について、積極的に関わっているのではなく、振り回されている印象だった。
ここで、震災瓦礫が、復興にとっての本当の障壁となっているのか、甚だ疑問に思う様になった。
また、何度も繰り返して強調される度に、責任を市で持つ気はない、との言い訳にしか聞こえなくなって行った。
■瓦礫の安全性について
「100Bq/kg以下の、漁具・漁網のみだ」と強調される。
しかし、そのサンプリング方法は、数万tの瓦礫のうち、容積にして50リットルあまり。
そこを指摘しても、
「サンプリングとはそんな物だ」と仰る。
なぜ、まだ一カ所に集約すらされていない漁具・漁網を、たった一カ所で、50リットル程度サンプリングして、安全だと結論付け出来るのか?
統計学を少しでもかじった事がある者なら、おかしいと思うはずである。
セシウムのみを測定し、安全と言われても、安心出来ない。
もっと多地点で、数多くサンプリングし直して欲しい、との要望には、
今のままで十分で、検討するつもりは無い、との回答に終止。
住民の安心が得られるのであれば、との積極的な姿勢は、一切ナシ。
■瓦礫受入後の安全対策
フレコンバックという袋につめて搬入され、そのまま埋め立てるので、飛散は無い。
埋め立ての際には、1mの覆土でサンドイッチして行くので、万が一、フレコンバックが破れても、放射性物質は、土に吸着される。
埋め立て地は、遮水シートで覆われているので、地層に浸透する事も無い。
しかし、誰がいつ、土による放射性セシウムの吸着率を、検証したのだろう?
どれだけ吸着されるかの、具体的数字は示されなかった。
大部分、という言い方にとどまっていた。
また、遮水シートの寿命についても、明言が無かった。
なにより、地震等による斜面の崩壊、地盤の亀裂等は、考慮していない様だ。
その結果、万が一にも、放射性物質はもとより、他の有害物質も、貯留槽のモニタリングで阻止出来る、と言い張る訳だ。
ここでも、想定外を、意図的に作っている様だ。
そして、福島から避難・移住された、Aさんからの意見。
「環境省の提出資料に、1年で排出される一般廃棄物の量との比較として、
岩手県の瓦礫:約395万t(約9年分)、宮城県の瓦礫:約1200万t(約15年分)とある。
ところが、産業廃棄物は、一般廃棄物の10倍以上出ており、それを合算しないで、何年分と表示するのは、誘導に他ならない。
金沢市としても、そこを環境省に正して欲しい」
金沢市の、環境局長の答弁として、
「産業廃棄物は一般廃棄物と違い、処理方法に於いて云々」
ヒトの話を聞いているのか?、と言いたくなる。
誰もあなたに、環境省に変わって答弁して欲しい、などと頼んだ覚えは無い。
表記方法がフェアでなく、誘導まがいなので、環境省に正してくれ、と言っているのだ。
これもまた、意図的なのだろうか?
以上で、私の印象に残る内容は全て。
結局、7時間半もの間で、上記の内容を、グルグル行ったり来たりしていた様に思う。
ここまでダラダラと、記憶を頼りに書いてみましたが、抜け漏れがありそう(^^;;
まぁ、USTにアーカイブもあるそうなので、気になる方はそちらで。
■個人的感想
まず、身内と言うか、反対派の問題点として、多くの方が、終止、「持ち込みは、100%あり得ない」だった事。
私は、もちろん瓦礫持ち込み、と言うか、瓦礫拡散に反対なんです。
が、しかしですね、なにか事に当たるにおいて、全てを疑ってかかれ、が信条でして。
つまり、瓦礫拡散反対そのものを、疑ってかかるわけです。
もちろん、瓦礫拡散も、同時に疑います。
なぜかと言うと、そうしないと、思考停止に陥ると思うのです。
それでは、今までと何ら変わらない事になる。
だから、あの場では、「瓦礫受入もあるのかも」と言う姿勢を取る、あるいは、「瓦礫受入ありかも」と思う事を自分に許可する、と言った事が必須だと思うのです。
そうする事により、結果、自分の意見が、瓦礫受入になびくのならば、その程度の想いだった、と言う事です。
最初っから「受入れ拒否」では、話し合いにも議論にもならないのです。
結果として、自分たちの意見は、何も聞き入れられない事になる。
だから、反対する者としては、問題点・疑問点を提示し、それに納得のいく説明が成されるのかに注目する、といった姿勢が、必要になると思うわけです。
私個人としては、受入れ条件として3点。
1. 受入れる前段階として、サンプリングを詳細にやり直す事。
これは、市民の持つ不安に答えるため、最低限の条件です
2. 受入れ瓦礫の線量を、空間線量ではなく、Bq/kgで、毎日無作為に測定し、その値を公表する事。
3. 受入れに関して、責任の所在を明白にし、万が一の場合、誰がどのようにどれだけの期間、どれだけの範囲で、どれだけの金額を補償するのか。
その補償金は、どこから出るのか、即ち、その予算の捻出元はどこか、を明白にする事。
以上が確実に守られ、実行されるのであれば、受入れを拒否出来ない、と考えます。
特に3.は、法整備を行った上で、補償が迅速に成される様に、手配しておかなければいけない、と考えます。
■金沢市当局側の問題点
まず、市民側に言えた事が、そんぐりそのまま金沢市側にも言える、いや上回ってる。
「市民と議論・対話する」と言った、市長の冒頭の挨拶は、なんだったのだろう。
市民側から出される質問・要望等は全て、端的に言えば、却下なのだから。
強いて言えば、その中でせいぜいまともだと思えたのは、
「受入れ前の瓦礫の線量測定を、月1からもっと短周期でやってくれ」とか「埋立場の空間線量率の測定間隔を縮める」などの処置要請に対して、
「受入れが決まってから検討する」と返答したくらいのものだけ。
1. 受入れ瓦礫のサンプリング調査を、もっと多地点で、大量に実施する。
2. フレコンバックではなく、最低でも、放射性物質用のドラム缶を使用する。
3. 受入れ後の汚染発生時を想定した、法整備をし、責任の所在を明確にする。
↑これら、私が最低限必要、と考えた物は、全て一笑に付されました。
彼ら、は話し合いをすると言いながら、そのテーブルには、何も用意しなかったわけだ。
コレは、極めて失礼な話。
客人を招いておきながら、振る舞う物を何一つ用意しなかったんだから、非常識、と言われてもしょうがなくない?
■その他
Q.埋立場で、フレコンバックが破れて、浸出水が河川を汚染するのではないのか
A.フレコンバックは、日光のもとでは確かに劣化もするが、埋めてしまえば劣化もしないし、破れる事はまず無いと思いますよ
↑あなたの感想を聞いてなんかいません。
思いますよ、って何なんですか?
劣化は、紫外線ばかりではないですよ。
石油製品は皆、加水分解しますよ。
Q.フレコンバックが万一破れたら、やはり浸出水が、河川に流れ込むのでは?
A.そのために、覆土を、通常の倍である1mにしてあります。
粘土質を使いますので、吸着され、地下水へ漏れだす等は。まず無いと思いますよ。
↑重ねて、思いますよ。と来ました。
土の種類によって、セシウムの吸着率は違って来るだろうし、実際どれだけ吸着されるのか。
明確にはなっていませんよね。
バグフィルターで気化したセシウムが、全て除去出来る、と言う考え方と同質。
実際には分かっていない物を、さも分かり切っている、という方向に誘導している。
Q.全量測定しているワケではないので、スポット的に、高線量の瓦礫が混入しているかも知れない。
その際には、やはり、高濃度の浸出水が、地層を汚染するだろう。
A.遮水シートを、斜面に施行してあるため、たとえ浸出水が出たとしても、地層に侵出する事は無い。
↑地震や水害で、斜面の崩壊や地割れが発生する事を、まるまる忘れている。
いや、忘れたフリ?
そして、相も変わらず、
「被災地の強い要望のもと、国からの要請で、受入れを検討している。対応は、県と密に連携しながら取っている」だそうです。
金沢市は、一切責任を取るつもりは無く、国や県に押し付けつつ逃げている。
そんなところで逃げ切れたとしても、一旦事が起きてしまえば、国や県が責任など取るはずも無い。
結局、市民が泣きを見るだけ。
最後に、福島から避難され、金沢に骨を埋める覚悟のAさんから、市に対して、国から出ている資料への苦言が呈された。
災害瓦礫の量について、「岩手県:約395万t(約9年分)」「宮城県:約1,200万t(約15年分)」と書かれており、
その下に、細かい文字で、「※各県において、1年で排出される、一般廃棄物との比較」と有ります。
勘のいい人なら、ピンときたでしょう。
10倍以上の量の産業廃棄物が、その数字に関与していないのです。
単純計算すると、岩手県は約1年分、宮城県は1年半分でしかない。
もちろん、余力を使ってだから、こんなに短くはならない。
それにしても、この数字が与えるものは大きい。
一気に、現地での処理に、拍車がかかるであろう。
コレを、金沢市として、国に提言して欲しい」とのお話だったが、あえなく却下。
どうしても、責任の所在を、不明にしたいらしい。←マヂだよ!当然、補償など考えてもいない。
どうだろう、ここまでで。
信頼するに値するだろうか?
安心して、行政をまかせられるのか?
市民と同じ方向を向いている、と言えるのであろうか?
甚だ疑問だなぁ……。
結論
今の状況のまま、受入れが検討されるのであれば、瓦礫の汚染度がどうであれ、
市民と同じ方向を向こうとしない、話し合いのための材料すら持ち寄らない金沢市は、信頼するに値しない。
よって、今後も、瓦礫受入反対の姿勢を貫く。
以上。
↑以上、転載おわり。
この転載をさせてもらいながら、どこも同じ、市側のあまりにもいい加減で誠意も責任感も無い受け答えを知り、深いため息をついてたのやけど、
この意見↓は、すごくおもしろいと思た。
最初っから「受入れ拒否」では、話し合いにも議論にもならないのです。
結果として、自分たちの意見は、何も聞き入れられない事になる。
だから、反対する者としては、問題点・疑問点を提示し、それに納得のいく説明が成されるのかに注目する、といった姿勢が、必要になる。
この姿勢は、特にこちらでは当たり前の、議論する時の心得みたいな、大人の間では常識みたいなもんなんやけど、
それでも話が白熱してくると、もちろん興奮して、ついつい脱線してしまうこともあるのやけど、
とにかく、最初っから怒ってたり、声色が不服色たっぷりやったり、ということは幼稚、という印象を与えるというのが一般的な考え。
問題がいかに深刻でも、切羽詰まってても、議論の場に臨む限りは、とにかく冷静に、相手の意見をまず聞こうという心構えが必要で、
感情的な態度をとると、まず、相手にされない。
そういう基本を思い出させてくれる、たかっちゃんの意見やった。
行ったのは、ツィッター友のたかっちゃん。
彼は、金沢在住の、金沢でのデモの立ち上げ人。
その彼が、市民説明会に行って見た事聞いた事感じた事を、5つの記事に分けて、ブログにまとめてくれました。
それをここで、一挙に紹介させてもらいます。
↓以下、転載はじめ
金沢市の市民説明会に行って来ました
本日(9/9)開催の、ガレキ受け入れに関する、市民説明会に参加して来た。
開始から7時間半に渡る長丁場だったが、最後まで、沢山の方が残って話を聞いた。
で、率直な感想と言うか総括と言うか、とにかく、環境省も金沢市も、地域住民を納得・安心させる気なんか無いだろ?って事。
何かと言えば、「金沢市民の皆さんに安心して頂いて、理解頂いた上で、進めて参りたい」などと仰るのだが、
じゃあ、安心させるための、納得するための材料は?と言うと、何も用意して来ていないのだから。
終止、話は平行線を辿るのみ。
コレじゃ、双方ともに、実りある話し合いなど、出来る訳も無い。
■環境省の話
1. 金沢市に受入をお願いする瓦礫は、国際的なクリアランスレベルとしての、100Bq/kgを下回る物であり、一般ゴミである。
2. 今回、広域処理をお願いする瓦礫は、特措法で広域処理を認められた、8000Bq/kgのさらに80分の1以下であり、安全である。
との論法だが、ここで、ズルい言い回しをしている。
1.で、一般ゴミだと思わせておいて、
2.では、広域処理をする理由として、放射能瓦礫の処理方法を定めた特措法に基づき、処理を進めるとしている点がそれ。
一般ゴミだから安全だ、と言っておきながら、広域処理の根拠は、放射能瓦礫扱い?
それで、実測値は一般廃棄物レベルだから、一般廃棄物と同じ、埋め立て方法でOK?
非常にズルいやり方と、言わざるを得ない。
こんなゴマカシで、本当に、市民を納得させる気があるのか?
質疑応答では、市側の回答が、意図的にピントをずらしていた、と断言できる。
そのいくつかの例をあげてみる。
Q.「万が一、実害が発生した場合、国が補償するのか?その法整備は、出来ているのか?」
A.「風評被害については、真摯に検討し対策を取りたい」
Q.「そうじゃない。実害が発生した場合の事だ。
今、法整備が成されていないのであれば、発生した時点で、補償のための法整備が成されるのか?
その場合、過去に遡り、被害を補償・補填するのか?」
そこでお決まりの、「環境省の担当者は、時間ですので、コレを最後の回答とさせて頂きます」というアナウンスがあり、
A.「実害に関しましては、私は答える権限もございませんので、この場では申せません」と、その場をさっさと去ったのである。
見事だ!「持ち帰り、省内で、法整備の検討を致します」はおろか、
「責任者へ報告します」との言質すら取らせていない。
見事としか言いようの無い、逃げ足の早さである。
理解を求めようとしている市民に対して、この対応では、意図的ではない、と言うのは通らない。
つまり、国(環境省)は、この広域処理に於いて、風評、実害が発生しても、何ら責任を取る物ではない、と明言したに等しい。
これで安心しろとは、どの口が言うのだろうか?
市民からの、
Q.「南相馬市長が、防潮林のために震災瓦礫が欲しい、との要望を出している、と聞いたが、何故受理されないのか?」の質問に、以下の様に答えた点。
A「防潮林の建設に使用するためには、漁具・漁網は適切ではない」
↑これは明らかに、金沢用に用意された回答である。
何故なら、今年3月の時点で、TV番組の報道ステーションにて、南相馬市長がインタビューに答える中で、
「国への要望に対して、広域処理の受入先として、被災地は想定していないとの回答だった」と言っている。
回答する先によって、内容が変わるらしい。
被災地内で、瓦礫を処理されてしまっては困るかの様だ。
また、先の金沢用回答にしても、突っ込みどころが残る。
誰も、漁具・漁網を、防潮林に使えとは言わない。
震災瓦礫のなかでも、防潮林建設に適した瓦礫をそれに廻せば、他の瓦礫の現地処理に、その分余力が生まれるはずであり、
漁具・漁網の現地処理も、可能になるのでは?と言うのは、容易に想像出来る。
残念ながら、質問者は納得してしまい、私に、質問の機会は与えられなかった。
もう一つ付け加えれば、南相馬市長は、震災直後の5月から、他県の震災瓦礫をくれと、国へ打診していたそうである。
以上の経緯は、「南相馬市」「瓦礫受入」などで検索すれば、いくらでもヒットするので、確認してみて頂きたい。
広域処理が動き出したのはいつか、それを考えただけでも、矛盾点だらけである。
国は、是が非でも、震災瓦礫を拡散したいのだ。
金沢市は、一旦下ろした手を、再び挙げた(らしい)。私からはどう見ても、下ろしてなどいないが……。
■金沢市との対話内容について
言い訳になるが、私は結局、一度たりとも、発言の機会を与えられなかったので、以下の内容は、内なる私の声である。
市長の冒頭の挨拶として、
「この場で決を採る訳ではない。
意見を集約し、議会とも「議論」した上で決定する。
方向性としては、受け入れる事を表明したまでで、決定事項ではない」と始まった。
私としては、非常に微妙な言い回しが多い、と感じた。
市民の意見は聞く、との姿勢はありがたいが、決定において、重要なファクターとなるのか否か。
議会とも議論すると言うが、決議を取るのか?
どうも、そうではない様に感じる。
つまり、「市民」・「議会」とも、議論を交わした上で決定する、と言っている。
決定権は誰に?
明言しないまま、説明会が始まった。
まず強調されたのが、この瓦礫受入は、被災地からの強い要望のもと、国からの要請で動いている、とのスタンス。
国は国で、被災地が、と言っているのだが……。
ここで私は、釈然としない。
7/27に、岩手県と宮古市の、震災瓦礫の担当者に電話したのだが、その時の話と、かなりの温度差がある。
県も市も、広域処理に係る詳細は、国が決定しており、自分たちは一切分からないと、かなり困惑していたのだ。
非常に丁寧に返答頂き、とても腹芸を使えるような方々とは思えなかった。
つまり、広域処理について、積極的に関わっているのではなく、振り回されている印象だった。
ここで、震災瓦礫が、復興にとっての本当の障壁となっているのか、甚だ疑問に思う様になった。
また、何度も繰り返して強調される度に、責任を市で持つ気はない、との言い訳にしか聞こえなくなって行った。
■瓦礫の安全性について
「100Bq/kg以下の、漁具・漁網のみだ」と強調される。
しかし、そのサンプリング方法は、数万tの瓦礫のうち、容積にして50リットルあまり。
そこを指摘しても、
「サンプリングとはそんな物だ」と仰る。
なぜ、まだ一カ所に集約すらされていない漁具・漁網を、たった一カ所で、50リットル程度サンプリングして、安全だと結論付け出来るのか?
統計学を少しでもかじった事がある者なら、おかしいと思うはずである。
セシウムのみを測定し、安全と言われても、安心出来ない。
もっと多地点で、数多くサンプリングし直して欲しい、との要望には、
今のままで十分で、検討するつもりは無い、との回答に終止。
住民の安心が得られるのであれば、との積極的な姿勢は、一切ナシ。
■瓦礫受入後の安全対策
フレコンバックという袋につめて搬入され、そのまま埋め立てるので、飛散は無い。
埋め立ての際には、1mの覆土でサンドイッチして行くので、万が一、フレコンバックが破れても、放射性物質は、土に吸着される。
埋め立て地は、遮水シートで覆われているので、地層に浸透する事も無い。
しかし、誰がいつ、土による放射性セシウムの吸着率を、検証したのだろう?
どれだけ吸着されるかの、具体的数字は示されなかった。
大部分、という言い方にとどまっていた。
また、遮水シートの寿命についても、明言が無かった。
なにより、地震等による斜面の崩壊、地盤の亀裂等は、考慮していない様だ。
その結果、万が一にも、放射性物質はもとより、他の有害物質も、貯留槽のモニタリングで阻止出来る、と言い張る訳だ。
ここでも、想定外を、意図的に作っている様だ。
そして、福島から避難・移住された、Aさんからの意見。
「環境省の提出資料に、1年で排出される一般廃棄物の量との比較として、
岩手県の瓦礫:約395万t(約9年分)、宮城県の瓦礫:約1200万t(約15年分)とある。
ところが、産業廃棄物は、一般廃棄物の10倍以上出ており、それを合算しないで、何年分と表示するのは、誘導に他ならない。
金沢市としても、そこを環境省に正して欲しい」
金沢市の、環境局長の答弁として、
「産業廃棄物は一般廃棄物と違い、処理方法に於いて云々」
ヒトの話を聞いているのか?、と言いたくなる。
誰もあなたに、環境省に変わって答弁して欲しい、などと頼んだ覚えは無い。
表記方法がフェアでなく、誘導まがいなので、環境省に正してくれ、と言っているのだ。
これもまた、意図的なのだろうか?
以上で、私の印象に残る内容は全て。
結局、7時間半もの間で、上記の内容を、グルグル行ったり来たりしていた様に思う。
ここまでダラダラと、記憶を頼りに書いてみましたが、抜け漏れがありそう(^^;;
まぁ、USTにアーカイブもあるそうなので、気になる方はそちらで。
■個人的感想
まず、身内と言うか、反対派の問題点として、多くの方が、終止、「持ち込みは、100%あり得ない」だった事。
私は、もちろん瓦礫持ち込み、と言うか、瓦礫拡散に反対なんです。
が、しかしですね、なにか事に当たるにおいて、全てを疑ってかかれ、が信条でして。
つまり、瓦礫拡散反対そのものを、疑ってかかるわけです。
もちろん、瓦礫拡散も、同時に疑います。
なぜかと言うと、そうしないと、思考停止に陥ると思うのです。
それでは、今までと何ら変わらない事になる。
だから、あの場では、「瓦礫受入もあるのかも」と言う姿勢を取る、あるいは、「瓦礫受入ありかも」と思う事を自分に許可する、と言った事が必須だと思うのです。
そうする事により、結果、自分の意見が、瓦礫受入になびくのならば、その程度の想いだった、と言う事です。
最初っから「受入れ拒否」では、話し合いにも議論にもならないのです。
結果として、自分たちの意見は、何も聞き入れられない事になる。
だから、反対する者としては、問題点・疑問点を提示し、それに納得のいく説明が成されるのかに注目する、といった姿勢が、必要になると思うわけです。
私個人としては、受入れ条件として3点。
1. 受入れる前段階として、サンプリングを詳細にやり直す事。
これは、市民の持つ不安に答えるため、最低限の条件です
2. 受入れ瓦礫の線量を、空間線量ではなく、Bq/kgで、毎日無作為に測定し、その値を公表する事。
3. 受入れに関して、責任の所在を明白にし、万が一の場合、誰がどのようにどれだけの期間、どれだけの範囲で、どれだけの金額を補償するのか。
その補償金は、どこから出るのか、即ち、その予算の捻出元はどこか、を明白にする事。
以上が確実に守られ、実行されるのであれば、受入れを拒否出来ない、と考えます。
特に3.は、法整備を行った上で、補償が迅速に成される様に、手配しておかなければいけない、と考えます。
■金沢市当局側の問題点
まず、市民側に言えた事が、そんぐりそのまま金沢市側にも言える、いや上回ってる。
「市民と議論・対話する」と言った、市長の冒頭の挨拶は、なんだったのだろう。
市民側から出される質問・要望等は全て、端的に言えば、却下なのだから。
強いて言えば、その中でせいぜいまともだと思えたのは、
「受入れ前の瓦礫の線量測定を、月1からもっと短周期でやってくれ」とか「埋立場の空間線量率の測定間隔を縮める」などの処置要請に対して、
「受入れが決まってから検討する」と返答したくらいのものだけ。
1. 受入れ瓦礫のサンプリング調査を、もっと多地点で、大量に実施する。
2. フレコンバックではなく、最低でも、放射性物質用のドラム缶を使用する。
3. 受入れ後の汚染発生時を想定した、法整備をし、責任の所在を明確にする。
↑これら、私が最低限必要、と考えた物は、全て一笑に付されました。
彼ら、は話し合いをすると言いながら、そのテーブルには、何も用意しなかったわけだ。
コレは、極めて失礼な話。
客人を招いておきながら、振る舞う物を何一つ用意しなかったんだから、非常識、と言われてもしょうがなくない?
■その他
Q.埋立場で、フレコンバックが破れて、浸出水が河川を汚染するのではないのか
A.フレコンバックは、日光のもとでは確かに劣化もするが、埋めてしまえば劣化もしないし、破れる事はまず無いと思いますよ
↑あなたの感想を聞いてなんかいません。
思いますよ、って何なんですか?
劣化は、紫外線ばかりではないですよ。
石油製品は皆、加水分解しますよ。
Q.フレコンバックが万一破れたら、やはり浸出水が、河川に流れ込むのでは?
A.そのために、覆土を、通常の倍である1mにしてあります。
粘土質を使いますので、吸着され、地下水へ漏れだす等は。まず無いと思いますよ。
↑重ねて、思いますよ。と来ました。
土の種類によって、セシウムの吸着率は違って来るだろうし、実際どれだけ吸着されるのか。
明確にはなっていませんよね。
バグフィルターで気化したセシウムが、全て除去出来る、と言う考え方と同質。
実際には分かっていない物を、さも分かり切っている、という方向に誘導している。
Q.全量測定しているワケではないので、スポット的に、高線量の瓦礫が混入しているかも知れない。
その際には、やはり、高濃度の浸出水が、地層を汚染するだろう。
A.遮水シートを、斜面に施行してあるため、たとえ浸出水が出たとしても、地層に侵出する事は無い。
↑地震や水害で、斜面の崩壊や地割れが発生する事を、まるまる忘れている。
いや、忘れたフリ?
そして、相も変わらず、
「被災地の強い要望のもと、国からの要請で、受入れを検討している。対応は、県と密に連携しながら取っている」だそうです。
金沢市は、一切責任を取るつもりは無く、国や県に押し付けつつ逃げている。
そんなところで逃げ切れたとしても、一旦事が起きてしまえば、国や県が責任など取るはずも無い。
結局、市民が泣きを見るだけ。
最後に、福島から避難され、金沢に骨を埋める覚悟のAさんから、市に対して、国から出ている資料への苦言が呈された。
災害瓦礫の量について、「岩手県:約395万t(約9年分)」「宮城県:約1,200万t(約15年分)」と書かれており、
その下に、細かい文字で、「※各県において、1年で排出される、一般廃棄物との比較」と有ります。
勘のいい人なら、ピンときたでしょう。
10倍以上の量の産業廃棄物が、その数字に関与していないのです。
単純計算すると、岩手県は約1年分、宮城県は1年半分でしかない。
もちろん、余力を使ってだから、こんなに短くはならない。
それにしても、この数字が与えるものは大きい。
一気に、現地での処理に、拍車がかかるであろう。
コレを、金沢市として、国に提言して欲しい」とのお話だったが、あえなく却下。
どうしても、責任の所在を、不明にしたいらしい。←マヂだよ!当然、補償など考えてもいない。
どうだろう、ここまでで。
信頼するに値するだろうか?
安心して、行政をまかせられるのか?
市民と同じ方向を向いている、と言えるのであろうか?
甚だ疑問だなぁ……。
結論
今の状況のまま、受入れが検討されるのであれば、瓦礫の汚染度がどうであれ、
市民と同じ方向を向こうとしない、話し合いのための材料すら持ち寄らない金沢市は、信頼するに値しない。
よって、今後も、瓦礫受入反対の姿勢を貫く。
以上。
↑以上、転載おわり。
この転載をさせてもらいながら、どこも同じ、市側のあまりにもいい加減で誠意も責任感も無い受け答えを知り、深いため息をついてたのやけど、
この意見↓は、すごくおもしろいと思た。
最初っから「受入れ拒否」では、話し合いにも議論にもならないのです。
結果として、自分たちの意見は、何も聞き入れられない事になる。
だから、反対する者としては、問題点・疑問点を提示し、それに納得のいく説明が成されるのかに注目する、といった姿勢が、必要になる。
この姿勢は、特にこちらでは当たり前の、議論する時の心得みたいな、大人の間では常識みたいなもんなんやけど、
それでも話が白熱してくると、もちろん興奮して、ついつい脱線してしまうこともあるのやけど、
とにかく、最初っから怒ってたり、声色が不服色たっぷりやったり、ということは幼稚、という印象を与えるというのが一般的な考え。
問題がいかに深刻でも、切羽詰まってても、議論の場に臨む限りは、とにかく冷静に、相手の意見をまず聞こうという心構えが必要で、
感情的な態度をとると、まず、相手にされない。
そういう基本を思い出させてくれる、たかっちゃんの意見やった。