コバジュンさんのブログ『
星の金貨プロジェクト』に、丁度4ヵ月前に掲載された記事と、それに関連する最近の記事を紹介します。
どちらも、原子力発電についての、ニューヨーク・タイムズの記事です。
↓以下、転載はじめ
(
*この記事↓は、4月半ばの、原発が全基停止中に書かれたものです。
再稼働をゴリ押しした原子力業界と政府、そして電力会社。
どうしてここまであからさまな愚行を押し切ろうとするのか。
それをこの記事から、読み取ってください)
『原子力ルネサンス』なるものはもはや存在しない!---【原子力発電の終焉は、少しばかり誇張され過ぎ?】
あるのは、『原子力発電の脅威への目覚め』だ – かつての原子力発電推進派・米共和党上院議員
【 原子力発電の終焉は、少しばかり誇張され過ぎ?】
「反転攻勢の機会をじっとうかがう原子力業界 – 全原発停止の今を過信してはいけない」
マシュー・ワルド / ニューヨークタイムズ 4月10日
『原子力発電は、今や、これまで経験したことの無い立場に追い込まれています。
原子力業界が、かつての繁栄を取り戻すことは無いでしょうが、彼らは、このままおとなしく引き下がるつもりなのでしょうか。
以下の状況こそ、今、原子力業界が、退潮に追い込まれている現状を、象徴しています。
テネシー州選出の、共和党上院議員ラマー・アレキサンダーは、今後数十年間で、100基の、新たな原子炉建設の必要性を、訴えてきました。
しかし彼は、2012年3月下旬に、原子力産業界の専門家を集めた会議で、
「これまで長く、鳴り物入りで喧伝されてきた『原子力ルネサンス』なるものは、もはや存在しない」と発言しました。
「今や、『原子力発電の、脅威への目覚め』が、それに取って代わってしまったのです」
しかし、その『目覚め』によって、300億ドル(2兆4,000億円)以上のビジネスが、失われることになります。
アレクサンダー上院議員の発言は、スリーマイル島事故から33周年を機に、開催された会議におけるものでした。
しかし、その数週間後には、アメリカ原子力規制委員会(NRC)が、ジョージア州オーガスタ近くのヴォグタイル原子力発電所において、
この30年間で初となる、2基の原子炉建設の、許可を与えたのです。
すべてが順調に進行しても、2基の原子炉の建設には、140億ドル(1兆1,200億円)の費用がかかります。
もしそうでない場合には、さらに、費用が膨らむことになります。
アレクサンダー上院議員の発言の数日後、NRCは、ほぼ同額の予算を必要とする、サウスカロライナ州の別の2基の、原子炉建設を許可しました。
さらに、いくつもの会社が、原子炉建設のため、それぞれ数億ドルの予算を確保しており、
原子力業界は、成否いずれであっても、画期的段階に入る可能性があります。
原子力業界にとって、最近発生した大きなつまずきは、
1. 福島第一原発の事故
2. 天然ガスの価格下落
3. 世界経済の停滞による電力需要の低迷
の3つです。
この3つが、数十か所に上る新しい原子炉建設計画に、水を差すことになりました。
しかし、地球温暖化に対する懸念が、世界の共通認識となっている今、原子力発電が存在し続けるための理由は、まだまだ豊富に残されています。
これに対し、
「
地球温暖化をテーマにする科学が、原子力産業によって創り出されたものである、というはっきりとした証拠はありません。
しかし、地球を守るための自然科学が、原子力産業と、これからもうまくやっていけるはずはないのです」
核分裂を、人為的に発生させる原子力発電の弊害について、3月に出版された
『地球を終わりに向かわせる機械』は、このように反論しています。
事実、アメリカの原子力産業界は、原子力発電は、二酸化炭素排出ゼロのエネルギー源だ、との主張を行い、
イメージを改善するための、大々的なキャンペーンを開始しました。
『地球を終わりに向かわせる機械』の著者、マーティン・コーエン氏とアンドリュー・マッキロップ氏によると、
「
ほとんどの国では、必要な電力量を確保するための計算とは無関係に、国際的につながっている政治勢力が、原子力発電に対し、支援を行っているのです。」
しかし、その指摘については、福島第一原発の、3基の原子炉がメルトダウンしたことにより、国内の54基の原子炉が停止している日本、
そして、原子力発電の中止を表明したドイツのことを考えると、多少の誇張も入っている、と言わなければなりません。
しかし、莫大な量の電力需要があり、地球温暖化の問題には関わろうとしない、中国とインドの2つの国では、
大規模な原子炉建設プロジェクトが、計画されています。
[写真 : インド・クダンカラムに建設中の、ロシア製原発に、抗議行動を行う地元の漁師たち]
(*最近ですが、抗議行動をしている市民に警察が発砲し、一人の市民が射殺された、というニュースを読みました)
さらに、日本で起きた大惨事は、新しい原子炉を構築するための、主要な理由のひとつにすらされているのです。
たとえば、ジョージア州とサウスカロライナ州に建設中の、
原子炉AP1000型は、『進化した電力不要冷却システム』が、うたい文句になっています。
すなわち、福島第一原発の事故では、電源停止が冷却装置のポンプを止め、バルブを閉鎖してしまい、大事故につながりました。
これに対し、
AP1000型の緊急冷却装置は、重力、蒸気圧、そして水圧といった、もともと自然界にあるエネルギーを利用して動作するため、電源停止に追い込まれても、冷却装置は稼働します。
先にご紹介した、アレグザンダー上院議員が、演説を行った同じ会議で、ウェスティングス・エレクトリックの経営最高責任者のジム・ファーランドは、
「もし、福島第一原発にあった原子炉が、AP1000であったなら、私たちは、今、このような会議を招集する必要は無かったはずです。
福島第一原発の原子炉が、すべてAP1000であれば、今頃はもう、正常に運転を続けていたはずなのです」
東京電力が運営する、福島第一原発にマークⅠ型原子炉を設置した、ゼネラルエレクトリック社も、
AP1000同様の、『進化した電力不要冷却装置』を開発済みであり、似たような指摘を行いました。
アメリカ国内にある、104基の原子炉はすべて、1980年代以前に設置されたものであり、現在、少しずつ原子炉の入れ替えが進んでいます。
新しい原子炉は、可動部品の数を減らし、事故が起こりにくい設計になっています。
しかし、他のエネルギー源の開発も進んでおり、原子炉の更新は、計画通りに進まない可能性もあります。
アメリカでは、オバマ大統領が掲げる『all of the above – これまでやって来たことをすべて続ける』戦略により、既存の路線が優先されているため、
エネルギー開発の多様性が制限され、原子力発電以外の、新たな資源開発が、前に進みづらくなっています。
新しい原子炉建設には、債務保証が行われ、税制面での優遇措置もあります。
これらは、ブッシュ前政権が創り出したものですが、オバマ政権も、基本的には継承しています。
しかし一方で、『all of the above – これまでやって来たことをすべて続ける』戦略は、
太陽光や風力発電の支援も行い、石油や天然ガス生産、なかんずく、水圧破砕工法による、天然ガス生産の支援も行います。
今では広く知られていることですが、水圧破砕工法の開発は、天然ガスを競合するエネルギー源にとって、手強い競争相手に仕立て上げました。
天然ガスの取り引きには、100万BTU、という単位が用いられますが、これは、電力に換算すると、約150キロワット/毎時に相当し、
一般的家庭なら1週間分の、使用電力量に相当します。
仮に、100万BTUの価格が14ドル(約1,150円)だとすると、1キロワット/毎時の電力の発電には、9セントの費用が掛かることになります。
現在、天然ガスの価格は、100万BTUにつき約3ドル(240円)で、1キロワット/毎時の電力の発電には、2セントの費用しか掛かりません。
ただし、この中には、天然ガス処理工場の設備費用は、含まれていません。
しかし、その他の費用はすべて含まれ、ゼロカーボン・エネルギーである太陽光、風力、原子力と比較すると、価格優位性は明らかです。
新型原子炉の可能性にかける原子力発電を含め、その他のエネルギー産業は、この天然ガスと競合することを、余儀なくされます。
アメリカのエネルギー省は、老朽化した石炭火力発電所や、電力不足の地域に、
「小型モジュラー原子炉」を設置する予算として、4億5000万ドルを使う用意がある、とアナウンスしました。
政府は、商業ベースでの採算性に関わらず、あらゆるタイプの原子炉について、検証を進めています。
福島第一原発の事故が引き起こした、メルトダウンの教訓は、生かされませんでした。
「
いつ何時、何が起きるかわからない、それが、原子力発電が宿命的に持つ危険性であることを、福島第一原発の事故は教えました。
あらゆる危険が、可能性としてある、それが原子力発電なのです。
もう、原子力産業に、未来はありません」
5人いる、アメリカ原子力規制委員会のメンバーの一人で、かつての原子力発電推進機構の副理事長であった、ウィリアム・D・マグウッド4世が、このように語りました。
また、テネシー州選出の上院議員(民主党)で、かつての下院の、科学・宇宙・技術に関する委員会の議長であったバート・ゴードンは、以下のように語りました。
「
福島の事故は、環境問題に関するこれまでの概念を、いくつか覆す結果となりました。
そのために、政治的な決断をくだすことは、より難しいものになったのです」
福島の事故は、エネルギー省が、特に、4つの案件を選んで債務保証を行う事になった、原子力発電所建設計画のうちのひとつ、
テキサス南部のプロジェクトに、水を差すことになりました。
この計画は、2011年3月以前に、関連する主要な自治体が、撤退を表明し、計画が頓挫していました。
この自治体に代わって、パートナーとして名乗りを上げていたのが、東京電力でした。
しかし、東京電力は今や、海外で、新たな原子力発電所開発に取り組む余裕などはありません。
さらなる候補は、債務保証機構ですが、おそらくこれもだめでしょう。
なぜなら、同機構は、首都ワシントンの南40マイルにある、カルバートクリフ3号原子炉の保証を行っていますが、
ここでは、安価な天然ガスの供給が行われ、原子炉が完成しても、商業的に運営不能に陥る可能性があるのです。
この原子炉の将来については、エネルギー省でさえ危惧しています。
しかし、前出のマグウッド氏は、「原子力ルネッサンス」が、一部の人間が騒ぎ立てたほどには、巨大なプロジェクトでは無かったため、
逆に、そのことによって、原子力産業界が置かれた状況は、それほど悲惨なものではない、と主張します。
彼が、2008年に行った調査では、当時検討されていた、23の開発計画のうち、実行に移されたのは12件だけであり、
それらの中で、ライセンスの問題や、技術的問題に遭遇しなかったのは、10件にとどまっていました。
さらに、財政面での見通しが立ったのは、この中の5件だけでした。
結局彼は、総合的に判断して、建設計画が実現できるのは3件だけ、と判断しましたが、実際に建設が開始されたのは、2件にとどまったのです。
これに対し、原子力産業界は、たとえ規模が縮小されるにしても、計画は実行に移される見通しである、と述べています。
2組の原子炉建設の基礎工事が、今、開始されました。
ウェスティングス・エレクトリックのファーランド氏は、中国での経験から、
「AP1000sの、アメリカ国内での建設は、より容易である」と語りました。
彼は、この工事で、技術者が、重量の大きな部品を誤って装着し、工事が2週間遅れたことを、例に挙げました。
「しかし、こうしたトラブルは、ジョージア州やカリフォルニア州南部の、原子炉建設現場では起きないだろう」と語ります。
「アメリカでは、ケーブル容器を効率的に使用するなど、細かなノウハウの蓄積があるため、
後で、別の装置を設置するために、必要となる場所を、異なる装置で占有してしまうようなことは無く、工事は手際よく進められるはずだ」と語りました。
地面を掘り返して、基礎を埋めただけですが、アメリカで、30年間行われなかった原子炉建設が、今始まってしまったのです。
http://www.nytimes.com/2012/04/11/business/energy-environment/nuclear-powers-death-somewhat-exaggerated.html?_r=1&scp=1&sq=fukushima&st=cse#
日本政府、原子力発電の段階的廃止を実質的に放棄≪この記事に対する、世界の人々の声も翻訳・掲載!≫
【政財界の圧力により、原子力発電の段階的廃止の決定を撤回】
ヒロコ・タブチ / ニューヨークタイムズ 9月19日
突然の方向転換が行われ、日本政府は、19日水曜日、先週発表したばかりの、2040年まで(2030年代)の原子力発電の段階的廃止を、政策として決定することを見送りました。
財界と、原子力発電所が立地する自治体からの、反対の圧力が強まった結果によるものです。
野田政権は、2011年に発生した、福島第一原発の事故後の経済政策の決定にあたり、
2040年までの原子力発電の廃止については、考慮の余地があり得るものの、
公式には、『地方自治体、国際社会との議論を充分に行った上で、一般国民の理解が得られるよう努力する』という、漠然とした表現を行うにとどまりました。
野田内閣が公表した、最終決定報告書によれば、新たなエネルギー政策は、『柔軟な姿勢を保ちつつ、不断の見直しと再検討を行う』としています。
この日の午前中、日本において、主要な経済団体が、合同の記者会見を行い、
この中で、経団連の米倉会長は、野田首相が、2040年までの原子力発電の段階的廃止を、実質的に放棄したことを、高く評価しました。
2040年の期限は、「第一に掲げるべき、現実的な選択ではありませんでした」
岡村正日本商工会議所会頭は、記者会見でこう語りました。
原子力問題の、民間の専門家は、先週発表された政府の方針について、
漠然としており、決定は先延ばしにされ、どのような解釈もできる内容だとして、当初から疑念を抱いていました。
水曜日、政府が後退して見せた事を受け、これら専門家は、政府の態度を、日和見であり、腰砕けもいいところだ、と指摘しました。
「
私たちが見たものは、経済界の圧力に屈し、譲歩の上に譲歩を重ねる、日本政府の情けない姿、それだけでした」
民間の核問題・原子力発電の監視組織である、原子力資料情報室(
http://cnic.jp/)の、共同代表である伴英幸氏が、こう語りました。
古川元久内閣府特命担当大臣(経済財政政策・科学技術政策担当)は先週、
独自の、『エネルギーと環境のための、革新的戦略』と銘打った文書を公開しましたが、
この中で、
28年のうちに(2040年までに)、原子力発電を廃止し、天然ガスなども利用しながら、
最終的に、再生可能エネルギーへの依存に切り替えること、をうたっています。
しかし、水曜日になると、同大臣は、2040年の期限を実質放棄するという、野田政権の方針に従い、
先週発表された計画について、政府はもともと、それをひとつの参考材料とするために用意したのだ、と語りました。
「
政策決定のための、ひとつの参考資料です。内容そのものに、実質的な変更はありません」
しかし、こうした内閣の発言や行動は、日本の原子力発電を廃止する意思が、本当にあるのかどうか、その疑いを、さらに深めさせることになりました。
この方針を、最初に打ち出したのは、2011年、当時首相であった、菅直人氏でした。
昨年9月、菅前首相の後継者となった野田首相は、
『日本の、原子力発電への依存を減らす方向で…』といった、漠然とした発言を繰り返しながら、停止していた原子力発電所の、再稼働を行いました。
日本は、3月11日に襲った巨大地震と、巨大津波がきっかけとなり、福島第一原発の3基の原子炉が、メルトダウンを引き起こし、大量の放射性物質を、環境中に放出する前までは、
国内に、54基の原子炉を持ち、発電量の30%を、原子力発電に依存し、その割合を、50%にまで高める計画を持っていました。
現在は、2基を除き、これらの原子炉は、すべて停止しています。
福島第一原発の事故後、連続して開催された公聴会では、原子力発電の廃止を求める意見が、圧倒的に多数を占め、
野田首相は、原子力発電に代わる発電手段を、検討することを迫られました。
これらの公聴会において、誰の目にも明らかになった事実は、原子力発電の安全性を確保する、政府の能力に対する、深刻な不信でした。
しかし、経済界は、原子力発電への依存を減らすための、あらゆる取り組みを、
非現実的であり、すでに、アジア各地の、低価格攻勢に追いつめられている、日本の製造業を衰退させるものだ、と強力に批判しました。
そして、日本各地の、原子力発電所が立地する自治体は、高額の補助金、税制上の優遇措置、そして、原子力発電所関連の雇用が失われるとして、原子力発電の廃止に、反対の立場をとりました。
そして、原子力発電所が停止することにより、使用済み核燃料を貯めこんでいる、原子力発電所の施設が、
そのまま、核廃棄物の最終処分場になってしまう事を、恐れています。
そして水曜日、失われた国民の信頼を回復すべく、原子力規制委員会が発足したと同時に、
日本政府の、原子力発電の段階的廃止の方針は、覆ってしまったのです。
前身である、原子力安全・保安院が、規制されるはずの電力会社と、深く癒着し、共謀を繰り返しながら、
結局は、福島第一原発の事故を防ぐためのどのような対策も、取ることはできなかったことを受け、原子力規制委員会が、新たに発足することになりました。
しかし、5人のメンバーによって構成される、原子力規制委員会の委員長に、田中俊一氏が就任したことで、
新たな核監視機関も、すでに、批判の対象になっています。
田中氏は、より厳しい安全基準を、厳格に適用してもらいたいとする立場の人々から見れば、
旧体制の下にあった委員会で、日本の原子力産業界の立場を、強めるために働いてきた人物です。
せっかく、新たに、原子力規制委員会が設けられても、田中氏が委員長になったのでは、旧原子力安全・保安院と何も変わらない、
いい加減な規制しか行わなのではないか、というのが、大方の人々の懸念になっています。
枝野幸男経済産業大臣は、原子力規制委員会は、
「原子力発電を運用する側と、管理監督する側を、厳しく分離」することを実現する、新たな枠組みとなる、と語りました。
そして、日本政府は、
「世界の中で、最も高水準の、規制と災難準備計画作成」のための助力を惜しまない、そうつけ加えました。
取材協力 : 井上まり子
http://www.nytimes.com/2012/09/20/world/asia/japan-backs-off-of-goal-to-phase-out-nuclear-power-by-2040.html?_r=1&partner=rss&emc=rss
★ この記事に対する世界の人々の反応 ★
「何と悲しむべきことだろう……私が考えていた以上に、日本という国は、国民一人一人の利益より、大企業の利益を優先する国だったのだ。
これじゃアメリカ以上だ」
米国マサチューセッツ州ニュートン・isoisaさん
「日本政府は恥を知れ!」
米国フロリダ州・smile mcguiさん
「ニューヨークタイムズが伝える、日本とはそういう国なのだろうな、という報道。
再生可能エネルギー分野で、成長が続く中、ドイツの大企業に、何か困った事態は起きているだろうか?
答えはノーだよ。
たとえば、アルミの精錬業は、莫大な電力を必要とするけど、彼らは公正な競争の下、提示された電気料金を比較し、最も有利な取引を行い、利益もきちんと得ている。
原子力発電が無くなった、ドイツの地方自治体は、困窮しているだろうかか?
こちらもノー。
原子力発電所が雇用する人数は、300人程度。これに対し、再生可能エネルギーは、もっと多くの雇用を実現させている。
ドイツ政府が、2022年の、原子力発電の廃止を決定して、一番変わったことは、巨大電力会社の、原子力発電のためのロビー活動が、パタッと止んだこと。
今や彼らも、再生可能エネルギーの将来性が明るいことに気がついて、嬉々として、開発に取り組んでいるよ」
ドイツ・ルパートさん
+ – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +
みなさん、お気づきでしょうか?
19日に、日本政府が下した「具体的決断」は、現在建設中の、原子炉の工事続行と、完成後の稼働だけなのです。
そして、同日に発足した、原子力規制委員会の役割は、現在停止中の原子炉の再稼働に、許可を与える事です。
従って、以下の式が、将来現実になる可能性がでてきました。
停止中の原子炉50基(原子力規制委員会の承認があれば再稼働)+建設中の原子炉(日本政府が工事の継続を承認)=?基
これでは、原子力発電の段階的廃止どころか、3.11以前の54基を上回る原子炉の稼働に、道を開いただけなのではありませんか?
しかも、高速増殖炉『もんじゅ』に関する、国家予算の浪費も止まらなければ、核燃料サイクルも継続です。
これでは、原子力発電の段階的廃止どころか、原子力ルネッサンスの復活です。
原子力発電の段階的廃止について、『討議の場』を設けながら、肝心の廃止については、何の結論も出さず、
『ついでの方の』原子力発電所の、新規建設の方だけ承認する。
こんな狡猾なやりかたがあるでしょうか?
これが日本の政治なのだ、と認めた瞬間、大げさに言えば、日本の民主主義国家としての実体は、崩壊します。
それほどの、国民(=主権者)に対する、痛烈な裏切りだと思っています。
↑以上、転載おわり