ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

音を友と楽しむ

2014年02月10日 | 友達とわたし
先週の土曜日、ロングアイランドに行ってきた。
ACMA(アマチュア・クラシック・ミュージシャンズ・アソシエーション)の仲間であり、友人であるサイモンとクリスティンの新居での、ミニコンサート付きのパーティ。

土曜から日曜にかけて、三つの大きな雪嵐が重なるという、想像しただけでゾォ~ッとする予報が出てたのだけど、
どういうわけか、幸運にも(もしかしたらケムトレイルなのかも)、三つどころか一つも来ないまま、雪の無い道路を走ることができた。


それでもやはり、住宅街に入ると、どこもかしこも雪がてんこ盛りに積み上げられていて、
まあほんとに、こんな状態のところにまた、大雪が降るようなことになったら……本当に今年の冬はすごい。

サイモンはグーグルのコンピューターエンジニアリング&すばらし~いピアニスト。
クリスティンは大学の先生&精神医学の学者さん。
それはそれはあったかで、カジュアルで、楽しいカップル。

で、彼女が、彼らが心から愛するヘンリエッタちゃん。


可愛いのです、確かに、真っ正面からだと……けれどもやっぱり尻尾を見ると……あかん……ネズミさんや。


彼女の好物は輪っかのシリアル。こんなふうに両手で持って、カリカリカリカリ、お行儀よく食べる。


ACMAのメンバーによるコンサートが始まった。
まずは、エリオットのバイオリン演奏を、セレステのピアノと。


続いては、エリオットの良きパートナー、トシ子さんのピアノと。


彼、エリオットは、この数年ですんごっくうまくなった。
もともと表現が豊かだったけれども、音が不安定になることが多かった。
ところがところが、演奏会ごとに安定感が増し、もともと豊かだった表現力に磨きがかかってきた。
天真爛漫で優しいトシ子さんが、上手に支えてこられたこともひとつの理由なのかも。

いったい誰がどういう楽器を演奏するのか、はたまた歌い手なのか、そこが非常に分かりにくい。
みんなそれぞれに、暮らしのための仕事を持っている。
ついさっきまで、飲んだり食べたりしながら、ガハハガハハと笑い、話していた人が、ピアノや弦楽器を弾き始める。
それが本当に楽しい。

左端のセレステは、いろんなアンサンブルをプロデュースするのが得意。
今日も、例の、楽譜がいっぱい詰まったスーツケースを持ってきた。
その中から選んで、適当に弾く、弾く、弾く。



サイモンの義姉さんは、小学校の先生だけど、すばらしい歌手でもある。
サイモンの結婚式で、その歌声を披露してくれた。
この日も、いろんなアリアを歌って、部屋にいるみんなを魅了した。


伴奏はもちろんサイモン。






彼らもメンバー。テノールとソプラノのアリアを、濃厚?な演技とともに。


再び連弾を楽しむふたり。


ピアノさえあったら、こんなふうに、みんなでワイワイ言いながら、いろんな音楽を演奏できる。
それがもう本当に楽しい。
しみじみと、思い切ってACMAのメンバーになってよかったと思う。

帰りはもう真っ暗。
アイヴィを送りがてら、マンハッタンに寄る。


マンハッタンの街中も、雪に埋もれた車が何台もあった。
エンパイアも寒そう……。
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静岡県民と首都圏住民のみなさんは特に、浜岡原発がどれほど危険なものか、これを観て知ってください!

2014年02月06日 | 日本とわたし
この『浜岡原発の今とこれから』のビデオに収められている物事は、多分みなさんはもう、よくご存知のことだと思います。
けれどもつい先ほど、下記のこの中日新聞の記事を読み、いても立ってもいられないような気持ちになり、
ぜひもう一度、浜岡原発がなぜ、数ある原発の中でも最も危険であると見なされているのか、確認していただきたく思い、書き起こしをしてみました。
写真を数枚撮りましたが、いつものごとくボケボケです。すみません。

浜岡原発審査 14日にも申請
【中日新聞】2014年2月7日

中部電力が、浜岡原発4号機(御前崎市)の再稼働を目指し、14日にも、原子力規制委員会に安全審査を申請する方針を固めた
「3月末までのできるだけ早い時期」と説明してきた中電としては、もっと早く申請する方針だったが、
津波対策や想定外のトラブルに加え、原発ゼロを掲げる立候補者が注目を集める、東京都知事選も絡んでずれ込んできた
 
原発の新規制基準が、昨年7月に施行され、これに基づいて、規制委の安全審査が終わらなければ、再稼働は認められない。
これまでに7電力会社が、16基の審査を申請している。
浜岡など、福島第一原発と原子炉格納容器が同型の「BWR」と呼ばれるタイプは、特殊な排気設備の即時設置が義務付けられるなど、審査のハードルが高いとされる。
 
最大の課題は津波対策だ。
中電は、マグニチュード(M)9.1の南海トラフ地震を前提に、対策をしているが、
規制委は、審査ガイドの中で、南海トラフと南西諸島海溝との連動で起こり得る地震として、最大M9.6程度を「参考値」として例示
中電はこの影響の調査、分析に時間を要した。
 
昨年11月には、人為的ミスで、5号機の非常用ディーゼル発電機のスイッチを入れ忘れ、再発防止策を御前崎市長らに報告したのは今月になった。
都知事選では、原発即ゼロを掲げた細川護熙元首相が立候補したため、「政治的に利用されかねない」(幹部)との判断で、選挙期間中の申請は避けたとみられる。
 
申請後も、規制委の指摘を受けて、調査や対策をやり直す電力会社が相次いでおり、再稼働を見通せない状況は続く。
地元自治体は、安全審査を受けることは容認する一方で、再稼働反対の声は根強く
中電は、2015年9月末まで対策工事を進めながら、地元の理解を得られるかが焦点になる。


◆反対派「再稼働ありき」
 
浜岡原発の危険性を訴えて、再稼働に反対する人たちは6日、中部電力の安全審査申請について、
「再稼働を射程に入れている」「地震や津波の想定が不十分だ」と、反発や批判を強めた。
 
「再稼働申請にほかならない」。

東京電力福島第一原発事故前から、東京高裁で控訴審が争われてきた、浜岡原発運転差し止め訴訟の原告団長、白鳥良香さん(81)はこう強調する。
 
中電は「申請が再稼働とはリンクしない」(水野明久社長)との立場を繰り返すが、「再稼働反対が多い世論を意識し、苦しい言い訳をしているだけ」と白鳥さん。
「審査を通れば中電は、『浜岡が安全とのお墨付きを得た』と、再稼働を突き進めかねない」と語気を強める。
 
この日は、県内の弁護士らが中電に、浜岡の廃炉などを求めた訴訟の口頭弁論が、静岡地裁であり、
原告側は、海抜22メートルの防潮壁について、「中電は、何ら具体的に強度を立証していない」と述べるなど、安全対策の不十分さを指摘した。
原告兼代理人の一人、鈴木敏弘弁護士は閉廷後、
「中電は、どういう地震を想定しているかも明らかにしていない。申請は出せるのに訴訟には出さない。あまりに不誠実だ」と疑問を投げ掛けた。
 
これに対し中電は、閉廷後に記者会見で、「申請の準備でいろいろ検討しているが、まだ結果が出ていない。誠実かどうかという問題ではない」(寺田修一法務部長)と反論した。


◆一層の安全対策を UPZ圏内の磐田市
 
緊急防護措置区域(UPZ)にある、磐田市の山下重仁危機管理監は、
「浜岡原発の再稼働と安全審査とは別と考えているが、使用済み燃料棒が保管されている現状を考えると、なお一層の安全対策を最優先で進めるべき。
UPZ圏内に、12万7千人の市民がいるので、現段階では再稼働に賛成できない」とコメントした。

↑以上、転載おわり

参考に、完成しつつある防潮堤なるものを、ここに載せておきます。
こんな、ペラペラの、ふすまのでき損ないのようなもので、巨大な津波が防げるとでも、本気に思っているのでしょうか?
こんな意味の無いものに、いったいどれだけのお金を注ぎ込んだのでしょうか?


では、ビデオを観てください。
時間の無い方は、書き起こしの文章を、ピンぼけですみませんが、写真を参考にして読んでください。
ちなみにこのビデオは、静岡県の原発議連会長の自民党天野一県議を中心に、浜岡原発の設計者渡辺敦雄氏監修のもと、作成されました。
浜岡原発に関するリスク情報として、客観的かつ公正な内容になっています。
静岡県民と首都圏の方は特に、必見です!!



浜岡原発の今とこれから

この映像を契機に、今後の原子力発電、新エネルギーのあり方について、
浜岡原子力発電所の安全性を第一に、みなさまと一緒に考えてみたいと思います。

知っていますか?
浜岡原発を知っていますか?
もうすぐ再稼働されることを、知っていますか?
その決定が、静岡県民にかかっていることを、知っていますか?


2011年6月、フランスのドゴール空港にて、
静岡産とされるお茶から、基準値を超えるセシウムが検出され、廃棄処分となりました。
フランス当局は、静岡県産のすべての農産物を、(放射能濃度)検査対象とすることを決定。
また、EU委員会にも、これをEU基準とするよう上申しました。
県、そして農業従事者が受けた影響は、計り知れません。
しかし、この事態は、フランスの対応が厳しかったから起こったものでは、決してないのです。

シリーズ 静岡の未来
『浜岡原発の今とこれから』
農業・商工業・日常生活に与える影響


みなさん、こんにちは。
今回は、『浜岡原発の今とこれから』と題しまして、静岡県御前崎市にあります、浜岡原子力発電所の、
現在の状況と将来の展望について、整理・考察していきたいと思います。
2011年3月に起こった東日本大震災。そして、福島で起こった原子力事故。
それを受けて、全国の原発で、これまでの運用を見直す動きが起こり、2012年5月、実に42年ぶりに、国内の全原発が停止しました


■『原発稼働停止』とは?

メディアでよく言われる『原発稼働停止』という言葉。
その言葉の正確な意味を、ご存知でしょうか?
原子力発電所の心臓部である『原子炉』。


その中では『燃料棒』と呼ばれるパーツが、核分裂反応によって、高熱を発し続けています。


原発が発電をしていない時でも、燃料棒は崩壊熱を発し続けており、それを冷やすための冷却水が、循環し続けています。
『原発稼働停止』とは、原子力発電所が『発電を止めている』という意味であり、
原子炉の状態を指す言葉ではありません。
原子炉内(貯蔵プール)には、今も変わらず、発熱を続ける燃料棒が収められています。
仮に、津波対策がうまくいったとしても、何らかの理由によって冷却機能が失われたならば、
燃料棒の温度は上がり続け、致命的な事態が起こるでしょう。
原発が稼働停止中であれば、地震が来ても大丈夫、などということは、決してないのです。

現在、浜岡原発では、稼働再開に向けて、大規模な津波対策工事が進められています。
浜岡原発を運営する中部電力は、解説映像の作成や見学会の開催など、安全性向上のアピールを積極的に行っており、
工事が終了する2015年、再稼働の申請を提出する予定です。



■浜岡原発の『位置』とは?

これは、世界の地震分布を図にしたものです。
日本とその近海に、地震が集中している様子がよくわかります。


これに、世界の原子力発電所の位置を重ねてみます。


日本以外の、世界中の原発が、地震の起こる地域を避けて建てられていることが、はっきりと分かります。




それでは、日本を詳しく見てみましょう。
これは、政府が毎年発表している、大地震の起こる確率を図にしたものです。


原発の位置を重ねてみます。


浜岡原発が、地震大国日本の中でも、もっとも危険とされる場所に建っていることが、よく分かります。


今後30年以内に、この場所が、震度6弱以上の地震に遭う可能性は、
2012年の発表で、約95%とされています。


■浜岡の『断層』とは?

人類の歴史が始まる前から、たくさんの地震にさらされてきた日本列島。
浜岡原発には、過去の大地震の痕跡、何本もの断層が、確認されています。
浜岡原発の敷地内を走る、複数の断層群は、H断層と呼ばれています。
原発内の建造物は、この断層を避けて建てられ、その間を配管がつないでいます。


これは、2012年に、SBSで放送された特集番組の中の、断層地帯における地震のイメージ模型です。


断層によって分断された地盤が、それぞれに違うタイミングで揺れ、その上にある建造物に、ダメージを与える様子が分かります。
浜岡原発敷地内には、原子力建屋とタービン建屋をつなぐ配管、海から冷却水を運ぶための配管が、縦横に走っており、
地震の際には、その両端が、違うタイミングの揺れに見舞われるのです。

これは、日本の原子力発電所を、上から見た図です。


どの原発も(建屋の順番において)、ほぼ同じ敷地レイアウトをしています。
海側から『タービン建屋』『原子炉建屋』、それが並行に並んでいきます。


断層を避けて主要施設を建てている、浜岡原発だけが、通常と逆、海側に『原子炉建屋』、その内側に『タービン建屋』を持ち、
また、それぞれの原子炉を、ばらばらに配置しているのです。


2012年に提出された、国会事故調査委員会最終報告書の中で、
福島第一原発において、津波到達以前に、配管の破断があった可能性が、指摘されています。
地震や津波の際には、複数の重要施設が同時に動かなくなる恐れがあり、
敷地内を断層が走る浜岡原発は、特に危険なのです。


■もしもの時、何が起こるのか?

ここからは、もし、浜岡原発で原子力事故が起こった場合、周辺地域にどのような影響が及ぶのか、それについて整理していきましょう。

これは、福島第一原発の事故後に発表された、放射性物質の拡散シミュレーションです。


細かい粒子が、西風に乗って、東へ運ばれてゆくさまが分かります。

この発生源を、浜岡原発の位置にずらしてみましょう。
空中にばらまかれた放射性物質が、静岡県から関東平野、東京を覆ってゆきます。


浜岡原発の近辺を見てみましょう。
ここに、福島第一原発事故で立ち入り禁止区域となった、半径20キロの円と、半径30キロの円を表示します。


静岡県のこの部分には、日本の東西をつなぐ交通の導線が、集中しています。
東海道新幹線、東海道本線、東名高速道路、新東名高速道路、国道一号線、そして静岡空港、
全てが、浜岡原発から30キロの圏内にあるのです。


地震大国である日本は、交通網の地震被害復旧について、東日本大震災の時にも、大きな力を見せました。
しかし、立ち入り禁止区域の中では、何もすることができないのです。

ここまで、浜岡原発の持つ、潜在的危険性について考えてきました。
ここで、現実問題として、浜岡原発を止めることは可能なのか。
再稼働を認めず、廃炉(永久停止)にしたとして、電力の供給に問題は無いのか。
その点を調べていきましょう。

これは、日本の電力会社の、発電電力量の電源別比率です。


中部電力の原発依存度は、原発を持たない沖縄電力を除けば、最低の12.3%にすぎません。
実際に、浜岡原発が稼働停止したあとでも、計画停電などの措置を行いませんでした。
中部電力は、原発が無くても、十分な電力供給を行える電力会社だといえるでしょう。

わたしたち日本国民が、これからも豊かな暮らしを維持していくためには、原子力という技術は必要なのかもしれません。
しかし、
全国17カ所の原発の中で、際立って高い、大地震と大津波の発生確率、
強固とは言い難い地盤の状態、
首都圏のすぐ西という立地、電力会社の低い原発依存度など、
静岡の浜岡原発は、他にはない条件を持っている
のです。

東日本大震災、そして、福島第一原発の事故。
わたしたち日本人に突きつけられたのは、100%の安全は無い、という当たり前の事実でした。
ひとたび原子力事故が起これば、農業、漁業、観光業をはじめ、すべての経済活動が、大きな被害を受けます。
わたしたちが代々つちかってきたコミュニティが破壊され、当たり前の生活が失われてしまうのです。
一方で、原子力発電に頼らない選択をすれば、新エネルギー産業の一大拠点として、
また、廃炉技術開発の中心地としての、発展の可能性もあるのです。
わたしたちは、未曾有の原子力事故の時代を生きる人間として、この問題を真剣に考えてゆかねばなりません。
それが、この地で生きる未来の世代への、義務であり、責任なのです。

制作:
静岡県議会議員 天野 一
(静岡県議会 原発・総合エネルギー対策議員連盟代表)
協力:
工学博士    渡辺敦雄
(NPO法人 APAST事務局)
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ごめんなショーティ

2014年02月06日 | 家族とわたし
月曜日の朝から、粉雪が、えらい勢いで空から落ちてきて、
あっという間に、真っ白けっけ。


ブロックが妙に楽しくなり、


風がまったく吹かないので、ありとあらゆる所にまんべんなく、ていねいに降り積もり、


こんなんが窓のすぐ向こうに現れた。




旦那は運動がてら、せっせと雪かきをし、




心の中は穏やかでなく(なんでオレっちだけがせにゃいかんわけ?)、ソコハカトナク、我々の間に緊張が漂う。



翌日は例のごとく良く晴れて、フェンス帽子はまだ健在で、


太陽と雪と氷は仲良しで、




こんなふうに、呑気に、窓の向こうの景色を撮っている分には楽しいのだけども、




ちょっとそこまで用事、となると、一気に現実を思い知らされる。


雪かきせにゃ……。


さて、家猫ショーティのその後を少し。

じゃことかつお節とカリカリを、擂り粉木で砕き、そこにお湯を足して練った餌を、パクパクと食べてくれるようになり、
後足以外は、すっかり元の状態に戻ったショーティ。
だいぶ体力も戻ってきた。
そんな様子を見ながら、考えに考え、悩みに悩んで、動物病院に連れて行くことにした。
町で多分、一番、昔ながらの診察をしてくれる。
触診してもらい、採血をし、その間彼女は、一鳴きもすることなく、これまで見たことがないくらい落ち着いていた。
年老いたからか?
それとも、少しボケているのか?
いずれにせよ、じっとしているので、ていねいに診てもらうことができた。

心臓はとてもしっかりしている。
背骨にコブのようなものがあると思ったのも、それは筋肉が落ちたことにより、急に手で触れるようになったからだと言う。
そして……、
彼女が苦しんでいた一番の問題は、口の中にあった。
今から5年ほど前に、急に、健康な牙が一本抜け落ち、医者に診てもらったことがあった。
それから今まで、そのことをすっかり忘れていたのだけれど、やはり歯茎周辺に、化膿が進んでいたようだ。
カリカリしか食べない、選り好みが激しい猫だけれども、食欲は旺盛で、あの急に食べなくなった日まではずっと、いつものペースで食べていた。
だからってなあ……今まで気づかずになあ……口をガアッと無理矢理あけて、調べてやればよかったなあ……。

それで、口内手術を勧められた。
手術を受けさせるかどうか、めちゃくちゃ悩んだ。
けれど、痛いって言えない、知らせる術を持たない、そんな仔を、あと何ヵ月、何年、生きてくれるかわからないけれども、
柔らかく砕いた餌にお湯を足して、もっとグジュグジュにしてあげるのを、もしそれで済むのなら、わたしは喜んでやるけれども、
もしこれからもずっと、大なり小なり痛むのなら、やっぱり痛みの無い毎日を送らせてやりたい。

彼女はどこか、視神経をはじめとする神経の支障を抱えていて、麻酔に過剰反応する。
けれどもこの手術は、麻酔無しでは到底できない。
大丈夫なんだろうか……。

手術前日の夜12時から、手術準備が始まる今朝の8時まで、お水も食べ物もあげてはいけないと言われ、
ここ半年ぐらい、お水をガブ飲みしていた彼女は、お水入れの前で座ってずっと鳴いていた。



病院に預けて2時間、獣医から電話がかかってきた。

「血糖値が高過ぎる(600)ので、まずその値を下げている。今は(270)ぐらい。
血糖値が下がり、安定してからでないと、麻酔を使う手術はできない。
とりあえず彼女を、こちらで月曜日まで預かろうと思う」

わたしたちのような、ケチで、能天気で、不注意な飼い主と暮らしてたから……。
毎日毎日、水をガブガブ飲み、巨大なおしっこ玉を作ってたのに、これは糖尿かもしれんなあと思ってたのに、
もうちょっと様子を見よう、あともうちょっとと、時間を無駄に伸ばしてきてしまったわたしたちのせいで……。
ごめんなショーティ。ほんとにごめん。
退院してからはわたしたちが、採血とインシュリン注射をしなければならない。
血糖値を測るのも大事。
抗生物質の液体を、スポイトで飲ませるのでさえ、ふたりがかりでヒイコラ言ってるヘタレなわたしたちだけども、
がんばるから。
これまでの分、がんばるから。


ショーティの友だちでもあるリス吉くん、雪原をタタタッと駆け抜けてったかと思うと……、


ありゃりゃ?


あ、出てきた!


またもぐって、出てきた!


モグラ叩き、もとい、リス叩き!



ついつい見てしまう、ショーティの寝床。
いつもどこかで丸くなって寝てた猫ベッドや、わたしの机のすぐ横のスツールも。
生まれて初めての入院で、落ち込み過ぎてやしないか……などと考えてはため息をつく。

ごめんなショーティ。
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『てんびんばかり』by 河島英五

2014年02月05日 | ひとりごと


真実は一つなのか
何処にでも転がっているのかい
一体そんなものがあるんだろうか
何も解らないで僕はいる

そしてそれがあるとすれば
どこまで行けば見えてくるんだろ
そしてそれが無いものねだりなら
なにを頼りに生きていけばいいんだろう

何も解らない 何も解らない 何も解らない
何も解らない 何も解らない
何も解らないで僕はいる

家を出て行く息子がいる
引き止めようとする母親がいる
どちらも愛してる
どちらも恨んでる 
どちらも泣いている

血のつながっている兄弟は
どんなふうに喜びを分かち合っているんだろう
血のつながっていない兄弟は
どんなふうに悲しみを分かち合っているんだろう

「いつまでも僕ら子どもじゃない」と 
口を尖らせる若者たち
「わたしたちだって 生まれた時から大人だったわけじゃないさ」
そんな風に言われてはじめて 親父たちの青春の時を思い
寂しさ知ったその日から 子どもは大人になりました

人を押しのけて生きることだけ教えられた子どもたちは
電車の中でも 老人たちさえ 押しのけて先へ行こうとする
人を押しのけて生きることに 疲れてしまった子どもたちは
挙げ句の果てに 誰も彼も押しのけて 長い眠りにつく

友達が殴られて 仕返しをしに行った男がいる
その殴った相手も友達だったので 困ってしまった男がいる

何人もの人を殺した男がいる
かけがえのない命を奪ってしまった
次は この男が殺される番だ
かけがえのない命を奪ってしまう
男が殺される
男が殺される
誰もなにも言わない
男が殺される
男が殺される
みんながそれに賛成したのです

お金の余ってる人は お金の無い人を 
どんなふうに思っているんだろう
お金の無い人は お金の余っている人を 
どんなふうに思っているんだろう

髪の長い男は 髪の短い男を
どんなふうに思っているんだろう
髪の短い男は 髪の長い男を
どんなふうに思っているんだろう

えらい人は僕を叱るけど、
その自信はどこからくるんだろう
でももしも 僕がえらくなったら
やっぱり僕もだれかを叱るだろう

男はいつでもいばっているけど
どんな目で女を見つめているんだろう
女はいつでもいばらせておくけど
どんな目で男を見つめているんだろう

僕が何気なくつぶやいた言葉が
君をとっても悲しませてしまった
慰めようと言葉をかけたら
君は泣き出してしまった

長い間君は とっても 辛い思いをしてきたのでしょう
やっと君を幸せにできると 思ったのに君はもういない

毎朝決まった時間に起きる人の喜びは どこにあるんだろう
電信柱にしょんべんひっかけた野良犬の悲しみは どこにあるんだろう

うちの仔犬はとても臆病で 一人では街を歩けない
首輪を付けると とても自由だ 
僕を神様だと思っているんだろう

拳を挙げる人々と 手を合わす人々が 
言い争いを続ける間に
ホラごらんなさい 野良犬の母さんが
可愛い仔犬を生みました

母親が赤ん坊を殺しても 「仕方なかった」時代なんて悲しいね
母親が赤ん坊を殺したら 「気違い」と呼ばれる今は 平和な時

誤魔化さないで 
そんな言葉では 僕は満足出来ないのです
てんびんばかりは 重たい方に傾くに決まっているじゃないか
どちらも もう一方より重たいくせに
どちらへも傾かないなんておかしいよ

誤魔化さないで 
そんな言葉では 僕は満足出来ないのです
てんびんばかりは 重たい方に傾くに決まっているじゃないか
どちらも もう一方より重たいくせに
どちらへも傾かないなんておかしいよ
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都知事選の水面下で、国民にトドメを刺す『安倍に絶対させてはならない最も危険な暴走』が進行している

2014年02月05日 | 日本とわたし
脱原発。
もちろん、日本が、そしていつかは世界全体が、原発マフィアの呪縛から解かれることを、心の底から願っています。
そして同時に、人の世には、原発だけではなく、無数ともいえる物事において、原発に匹敵する負の財産が存在していること、
さらにその負の財産は、ねっとりと、わたしたちの命に、暮らしにへばりついていて、それを剥ぎ取る術をまだ、わたしたちは知り得ていません。

けれども、喜ばしいことに、負の世界に目を向ける、勇気を持ちはじめた人が、日ごとに増えてきました。
その人たちが気づいたこと、これはいかんのではないかと感じたことを、率直に伝えることができる日本。
このような社会のシステムを、さらに蝕もうとしている連中は、じわじわと外堀から攻め続けています。

今回のこの、都知事選挙について、わたしは特定の候補者を支援することをずっと躊躇っていました。
躊躇うというより、混乱し、おおげさに言うと、途方に暮れていました。
そうしながらも、とにかくしっかりと調べられるだけ調べて、様子を見守ろうと思っていました。

投票日まであと4日。
投開票に練馬区では、『ムサシ』の最新器機が使われる、というニュースを読んで、暗澹たる気持ちにもなっています。
『ムサシ』という投開票独占会社は、安倍氏の親族が大株主になっている、それはそれはグレーな会社です。
下記の記事を読んだ限りでは、選挙という、民主主義の要となる物事に対して、
人件費だの翌朝からの通常業務に差し支えがあるだの、さらに、たかが1時間やそこらの違いのために、
こんな高価で、完全でもない機械を、便利だからと、公正なものなのかどうかの確証もないままに、どこもかしこも使い出している自治体の姿勢が情けないし、
それに対して、有権者である住民のみなさんが、抗議運動を高めず、気がついたらもう間に合わない、選挙だ投票だ、という事態になり続けていることも残念です。

いつ、やめさせますか?この投開票システム。

都知事選 機械の目でスピード開票 練馬区は最新機投入
【東京新聞】2014年2月5日

選挙の開票スピードアップは、自治体に共通の課題だ。
9日投開票の知事選では、投票用紙に書かれた候補者名を機械が認識して振り分ける「読み取り分類機」を、23区と、市部のほぼ全ての自治体が活用する
一方、開票が都内最速クラスの府中市は、機械に頼らず、手作業で臨む

自治体が開票の迅速化に取り組むのは、多数の職員が深夜未明まで従事することによる、人件費増大を抑えるほか、
翌朝から通常業務に就く、職員の負担を減らす狙いもあるからだ。
 
開票で最も手間がかかるのは、投票箱から出した何十万枚もの投票用紙を、候補者名ごとに仕分ける作業だ。
以前はどの自治体も、職員の手作業だったが、この10年ほどで「読み取り分類機」が普及した。
 
「今やこれ以外の選択肢は考えられない」と話すのは、練馬区選挙管理委員会の安江松児事務局長。
区内の有権者は、約58万人。
都知事選では、最新型の分類機15台を投入する。
 
これまでの分類機は、職員が手で一枚一枚、用紙の天地表裏をそろえて機械にかける必要があった。
区が今回導入したのは、表、裏の区別なく読み取りが可能で、漢字や平仮名、片仮名が交じっていても、毎分660票を識別できる。
 
練馬区の場合、手作業だった1999年の都知事選では、開票に約700人を動員、終了まで3時間43分を要した。
2003年に、初めて分類機を導入し、人手は約半分に。
今回は、2時間50分での終了を見込む。
 
分類機は、01年に、選挙機材メーカー「ムサシ」(中央区)が発売、有権者が多い都内の自治体で、加速度的に普及が進んだ。
同社によると、全国的にも、約半数の自治体で導入済みという。
 
ただ、精密機器にトラブルはつきもの。
東久留米市では、昨年6月の都議選の際に、分類機で票が詰まるトラブルが起き、一部は、職員が手で仕分けることになった。
 
読み取り精度も向上したが、極端な崩し字など、機械の目では読み取れないものも一部ある。
 
一方、折り目が自然に開く投票用紙を開発するなど、開票の迅速化で全国的にも知られる府中市は、昔ながらの手作業を貫いている。
今回も、職員や学生アルバイト約300人が、候補者名を張った分類ケースに票を振り分ける。
 
府中市選管の堀江幸雄事務局長は、
「機械を使っても、全体の5~10%は読めない票があり、結局人が分けることになる。
職員は手作業に慣れているし、トラブルの心配がなく、終わりの時刻が読めるのが良い」と話す。
有権者は約20万人。
都知事選は、1時間10分で終了する予定だ。



話が少しそれてしまいました。
戻します。

今回のこの都知事選。
脱原発を訴える候補者は数名。
一本化云々で、ネットでは喧々囂々、いろんな意見が飛び交っています。

そしてここにきて、わたし個人のことではありますけれども、視界がスウッと晴れてきました。
その理由を、これからここに載せさせていただきます。
ある女性編集者の視点です。

↓以下、転載はじめ

★都知事選と、この国の「争点」を考える

┏【特別寄稿】━━━━━━━━━━━━━
◆ 都知事選の隠された争点!◆
郭洋春著『TPP すぐそこに迫る亡国の罠』を担当した女性編集者の視点から
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 


来たる2月9日は、東京都知事選の投票日ですね。

都民の皆様は、どの候補者に投票するか、もうお決めになっているでしょうか?  
ちなみに、私はまだです。  

私の周囲では、特に、これまでなら選挙を盛り上げる立場で大活躍をしていたオピニオンリーダーほど、投票する候補者を決めかねている傾向があると感じています。
いや、それどころか、
「今回の都知事選には心の底から辟易している、ウンザリだ」
「事の本質から論点がずらされた茶番劇が、またまた始まった」
と、失望の念を露わにしている人も少なくありません。

なぜでしょう?

ちなみに、私の気持ちを一言で言うと、「あぁ、こうして戦争に突入したんだな」という、言い知れぬ薄気味悪さを感じています。  

そんな不安にかられる理由がどこにあるのか、自分なりに探ってみました。


◆都知事の大命題とは?◆

今回の都知事選挙は、大きく2極の波に分かれています。
「自民党のアベノミクスを推進する波」と「安倍首相の暴走を阻止ようとする波」です。

前者に関しては、私個人としては論外なので、ここでは無視してお話いたします。  

さて、後者「安倍首相の暴走を食い止めようとする波」に関してですが、おおむね「脱原発の実現」が争点になっているようですね。

個人的には、東電の電力最大消費地でありながら、原発立地ではない東京都の知事という存在が、国策であるエネルギー政策にどれほどの影響を及ぼせるのか、
それによって、安倍政権の牙城を揺るがすことが果たして出来るか否かに関しては、甚だ疑問
です。

「何を言う! 東京都は、東京電力の主要株主なんだぞ。都知事の一存で東京電力を如何様にも出来るはずだ」
「東京都知事として、消費するエネルギーを原発以外で再構築すれば、脱原発が達成でき、それによって、自民党が割れ、安倍の暴走が阻止できる」

と思っていらっしゃる方も多いかもしれません。
   
ところが、東京電力の、発行済株式総数に対する所有株式数の割合を見てみると、
・54.69%を所有する原子力損害賠償支援機構が最も多く、
・次に1.33%を所有する東京電力従業員持株会、
・さらに1.23%を所有するクレディ・スイス・セキュリティーズ(ユーエスエー)エルエルシー エスピーシーエル.フォー イーエックスシーエル.ビーイーエヌが続き、
・そして、その次の四番目が、1.20%を所有する東京都となっています。(東京電力ホームページ 株式等の状況)

主要株主の定義は、「発行済株式総数の100分の10以上の株式を有している株主」のことだそうですから、
実は東京都は主要株主ではありません。  

したがって、東京都は議決権数は第4位、議決権全体に占める割合は1.20%しかないので、
議案の提案権はあっても、前猪瀬知事がそうであったように、政府傘下である原子力損害賠償支援機構に押し切られて終わる可能性も高いでしょう。

それでも、世界の潮流は、脱原発に向かって大きく流れを変えていますから、
もしかすると、都知事の熱意が反映され、東電に限って言えば、組織の解体や、原発を全廃炉という形に導ける可能性はあるかもしれません。
そして、それが、他の原発立地に、脱原発に向けた好影響を与えることも考えられます。  

ですが、後で述べますが、実は、安倍首相の暴走の根はもっともっと深く、そうしたことすら凌駕してしまう可能性がある、と言わねばなりません。  

ところがネット上の一部、特に脱原発を標榜する人々の間では、
「安倍首相の暴走を止められるのはH氏しかいない」
「いや、U氏以外に、安倍首相に再稼働を思い止まらせられる人材はいない」 などと、まことしやかに盛り上がっています。  

本当に、そうなれば、個人的には大変嬉しいのですが。  
しかし、そう信じるに値する、確たる根拠は何も見えません

それ以前に、都知事の職務といえば、都民の生活にもっと密着した問題、例えば、福祉や教育、雇用問題なども、重要な懸案であるはずです。
たしかに、脱原発は、喫緊の非常に重要な問題ではありますが、
単にそれだけでは、一般都民にとって、目に見えるメリットがイメージ出来ないのではないでしょうか?

その証拠に、ネット上の脱原発派の白熱とは裏腹に、現実社会で出会う人々からは、
「脱原発は当然重要だと思うが、まずは生活がとても苦しいので、そっちも何とかして欲しい」
「漠然とした理想論しか言わないから、具体的にどう景気を回復してくれるかサッパリ分からない」
「今の状況では、働きながら育児や介護は絶対にできない。これ以上の負担はありえない」
など、
脱原発を重要課題とは分かっていながらも、それだけでは生きられない、実生活に直結した問題の解決策も具体的に説明してほしい、という声が圧倒的
です。  

脱原発に意欲的な東京新聞の調査でさえ、
投票の際に重視する政策は、「医療・福祉」「教育・子育て」「原発・エネルギー政策」「雇用対策」の順でした。
原発に関しては3番目です。

どちらかと言えば、政府寄りの朝日新聞の同様の調査では、
「景気や雇用」29%と「医療や福祉」25%が多く、ほかは「原発やエネルギー」14%、「教育や子育て」12%、「防災対策」9%、「オリンピックへの取り組み」7%でした。
やはり、東京新聞と同様に3番目で、7人に1人の割合でした。

今回の都知事選に対して、私の感じている得も言われぬ気味の悪さは、きっとここにあるのだと思います。  
 
つまり、都民の苦悩する実態や思いを無視し、都民の目線から遠く離れたところで、争点が漠然と設定されてしまっているということ。
そして、そのまやかしの争点に浮かれ、
「同じ考えを持たぬものは非国民だ」「我々と同調しない者達は敵と同じだ」といった論調が強まっていることです。  
実に嘆かわしいことです。  
 
しかしながら、現実的に考えてみてください。
都知事の職務の第一義は、都民の生活に密着した様々な不安や問題ひとつひとつに、ソリューションをもたらしてくれることではないでしょうか?  

都知事選は、「自民党のアベノミクス推進」VS「安倍首相の暴走阻止」という、国政に関わる事案のためだけに純化されてはいけないと思います。


◆安倍首相へ世界が突きつけた覚悟◆

昨今の状況をよく観てください。
ここにきて、アベノミクスの失墜は必至であり、安倍政権には既に陰りが見え始めている中、
今後は、安倍首相の暴走も、弱体化せざるを得ない状況に陥っているように見えませんか?

つい先日も、スイスのダボス会議で、安倍首相の発言をめぐり一悶着あったことによって、
安倍首相の靖国参拝に対する諸外国の見方には、極めて厳しいものがあることを再認識せざるを得ませんでした。  

諸外国は、明らかに、安倍首相の暴走にブレーキを要求しているのです。
 
そんな中、運転中の原発数が世界一の米国ですが、安倍首相嫌いで有名なオバマ大統領は、米国内の原発を、次々に廃炉にしたいと考えているようです。
たとえば、メリーランド州のカルバートクリフス原発3号機は、建設許可を出さないことを決定し、
フロリダ州の原発(デューク・エナジー)を、廃炉にすると発表し、
ウィスコンシン州の原発(ドミニオン)も廃炉を決め、
ニュージャージー州の原発(エクセロン)を、10年前倒しで閉鎖する方針です。  

米国は、原発を削減する方向に、大きく舵を切ったようです。  

日本は、戦後ずっと、米国の顔色を見ながら、その思いを忖度する政治を行ってきたと言えます。
そういう意味では、あえて都知事がどうのこうのするまでもなく、そうした米国の政策転換に少なからず影響を受け、
安倍首相の原発に対する政策にも、変更や影響が出てくるかもしれません。  

ところがです、その一方で、米国は、TPPや集団的自衛権、特定秘密保護法などに関しては、日本に対し積極的な姿勢を要求しているようです。
これらの暴走に関しては、米国が後押しして、暴走を加速させているかのようにさえ見えます。  

その中でも、今回の都知事選において、最も見過ごしてはいけないのが、このTPPの行方です。  
この問題こそ、都民にとって、いや、全国民ひとりひとりにとって、あらゆる意味で日々の生活に多大な影響を及ぼし
ひいては、国家主権を売り渡すことにも繋がる重大問題だからです。   

特に、脱原発を標榜するなら、TPPは重要です。
なぜなら、TPPに加盟してしまうと、脱原発も絵に描いた餅と化すからです。
脱原発を達成するためにも、TPPには反対しなければならないのです。

そこで、TPPに関して、ここで重要なポイントだけ、ザッとおさらいしておきます。


◆TPP、「ISD」という名のポイズン(毒)◆

私は、昨年6月に、郭洋春立教大学経済学部長の著書『TPPすぐそこに迫る亡国の罠』という本を編集しました。
郭教授は、TPPに関して大変博識で、お人柄も抜群に素晴らしい方です。

ちなみに、この本では、TPPのモデルと言われる米韓FTAで、実際に今進行中の韓国の悲劇を追うことを通して、
日本がTPPに加盟したあとに起きる様々な問題点を、分かりやすく述べてくださっています。

※2013/02/21 「TPPは現代の植民地政策」 米韓FTAの惨状からTPPを考える ~
郭洋春氏(立教大学経済学部教授)緊急インタビュー

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/59749

ちなみに、前民主党政権や自民党の議員たちが、足しげく米国に赴き、なんとかTPPの内容を知ろうとした際、
米国の政府関係者が、必ずと言っていいほど述べたのが、以下のような発言です。

「米韓FTAを見てくれ」
「TPPで議論していることは、すべて米韓FTAに盛り込まれている」
「TPPは、米韓FTAの貿易自由化のレベルをもっと強めたモノ」


したがって、米韓FTAで、今まさに韓国に起きている事案を見ていくと、TPPで日本に起こるであろう問題点も、自然と見えてくるのです。  

その際、「脱原発は、いったんTPPに加盟してしまえば実現できない(しかも後戻りややり直しは効かない)」と実感しました。  

つまり、脱原発を実現するには、TPPに加盟しないことが大前提となるのです。
これは、非常に重要なポイントです。  

逆に言えば、安倍政権が、たとえ一時的に「日本は脱原発します」と約束したとしても、
後にTPPに加盟しさえすれば、その約束は反故にされてしまう可能性が非常に大きい
わけです。  

なぜなら、TPPの中に組み込まれる『ISD条項』が、日本の国家司法の上に、燦然と君臨することになるからです。  

つまり、
・TPP加盟国同士の企業活動において、起きた問題や紛争は、それが日本国内で起きたとしても、日本の司法では裁くことが出来ないのです。
・それらは全て、TPPの『ISD条項』に則り、米国の国際投資紛争解決センターで審判が行われます。
・国際投資紛争解決センターは、世界銀行傘下の組織です。
・世界銀行の総裁は、1946年に設立されて以来、一貫して米国人です。
・また、議決権の割合を決める最大の融資国も、米国です。  
・さらには、仲裁審判員の最終任命権は、その米国の影響下にある、国際投資紛争解決センターの事務総長が持っているのです。  

要するに、国際投資紛争解決センターの実態は、国際機関といいながら、米国の影響力が非常に色濃い組織であり、到底中立とは言いがたいのです。  

かつて、国際投資紛争解決センターの仲裁審判員を務めたことのある、前職の連邦裁判所判事が、
「実際に、裁判過程で米国の圧力があった」と暴露したことがありました。
この発言一つをとってみても、米国が議長仲裁人を選任する際に、いかがわし気な影響力を行使する可能性が、常にあるのです。  

TPPに加盟すると、電気・水道・ガス・通信のような公共部門も当然、外資に開放することになるでしょう。
実際、麻生副総理は、米国訪問の際に、日本の水道をすべて民営化する、すなわち外資に開放すると表明してしまいました。

※「日本のすべての水道を民営化します」 ~マスコミが一切報じない我が愛すべき「麻生さん」の超弩級問題発言
(<IWJの視点>佐々木隼也の「斥候の眼」: IWJウィークリー13号より)

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/95944

将来は、電力事業も、発送電分離が行われて、外資の参入も行われるかもしれません。  

そうすれば、米国をはじめとするグローバル大企業は、自国に及ぼす危険の少ない日本に、原発を作って電気を提供しようとするかもしれません。

「そんなことをされたら、日本は脱原発を成し遂げられないじゃないか!」
と、それを日本が規制しようとすれば、企業の自由な経済活動を邪魔されたとして、『ISD条項』によって訴えられることになります。
 
 
この『ISD条項』を見ていく時に参考になるのが、NAFTA(北米自由貿易協定)です。  

NAFTA(北米自由貿易協定)の場合は、UNCTAD(国連貿易開発会議)の調査によると、
紛争件数46件のうち、米国が訴えられた件数が15件であり、それ以外は、米国の企業が、カナダ、メキシコ両政府を提訴しています。  

その15件中、米国の敗訴はゼロ
逆に、米国の企業がカナダ・メキシコ両政府を訴えて、一部容認か和解を含め賠償金を得た件数は6件、請求件棄却はたった6
あとは不明か係属中です。(2011年10月現在)  
 
ここからわかることは、
米国政府が訴えられて負けたことはなく、逆に、米国の企業が他国を訴えて賠償金を得た(事実上、勝った)ケースは、6件あるということです。  

さらに言えば、TPPには他にも、『ラチェット条項』という規定があります
『ラチェット』とは、「歯止め」、「元に戻せない」という意味です。
すなわち、「いったん決めた約束は、反故に出来ない」、「あとになって見直したいと思っても、それが許されない」という規定です。  

後悔しても、後の祭り。
いったん回り始めた歯車TPPは、逆回転出来ないのです。  

このように、日本が、国民の利益のためとか、環境上の保全など、公序良俗を考えて、「原発はもう作らないんだ。再稼働もしないんだ」といくら懇願し叫んでみたところで、
TPPに加盟してしまえば、米国をはじめとするグローバル大資本には、その思いのひとかけらも届かない可能性がある
、ということを知っておく必要があります。

それは、諸外国の例をみれば、明らかです。

たとえば、最初に『ISD条項』が注目されたのは、1994年に締結されたNFTA(北米自由貿易協定)で、米国の企業がカナダ政府を訴えたケースです。  
米国の廃棄物処理業者が、カナダで処理をした廃棄物(PCB)を、米国内に輸送してリサイクルする計画を立てたところ、
カナダ政府は、環境保護上の理由から、米国への廃棄物の輸出を、一定期間禁止しました。  

これに対し、米国の廃棄物処理業者は、『ISD条項』に則ってカナダ政府を提訴し、結果、カナダ政府は、823万ドルの賠償金を支払わなければならなくなりました
また、2011年11月に、東日本大震災による福島第一原発事故を受け、脱原発政策に転じたドイツ政府が、
(フランクフルト近郊に原発を提供していた)スウェーデン企業バッテンフォール社から、EU版『ISD条項』によって訴えられたケースもあります。  

ドイツ政府は、「2011年までに6つの原発を廃炉にし、2022年までに残りの9つを廃炉にする」との政策を表明しました。  
このバッテンフォール社は、ドイツの原発ゼロ政策方針に対して、『ISD条項』を盾に、原発ゼロ政策方針取り消すよう求めてきたのです。  
その原発の寿命延長を考慮して計算すると、「70億ユーロ(約9,000億円)の損失が予想される」として、その賠償を求めたのです。

日本でも、こうした賠償請求が行われる可能性がないとは言えません。



◆竹中氏のもたらす『国家戦略特区』という罠◆

さて、そうした経緯を知ってか知らずか、日本政府は昨年5月14日、議長・安倍晋三首相の下、産業競争力会議を開き、
アベノミクスの第三の矢となる、成長戦略の取りまとめを行いました。
成長戦略は、大胆な金融緩和、機動的な財政運営に続く、アベノミクスの柱とされています。

特筆すべきは、この産業競争力会議のメンバーに、あの竹中平蔵氏がいるということです。

その会議では、TPPなどの経済連携の推進や、国主導で規制緩和や税制優遇に取り組む、『国家戦略特区』の創設が目玉となりました。  

しかし、なんだか漠然としていて分かりにくいですよね?  

そもそも『国家戦略特区』は、2011年当時に、民主党の菅政権が主導した『総合特区』がベースとなっています。
この『総合特区』のキーワードは、「国民経済の発展、及び国民生活の向上」でした。  

ところが、第二次安倍政権発足後、『国家戦略特区』と名称が変わった途端、
「民間投資の喚起により日本経済を停滞から再生へ導く」
「国際競争力の向上、世界で一番ビジネスのしやすい環境」
と、
かつての「特区」の目的がゴッソリ抜け落ち、「投資」という言葉が象徴するように、企業優先の概念になってしまいました。  

 
以前の『総合特区』で掲げていた「地域の活性化」という言葉は、今回の『国家戦略特区』で消え去りました。
これは、地域の住民生活や産業振興のことなど、眼中にないことを示しています。

それどころか、『国家戦略特区』関連法について、一括新法で議決される可能性が指摘されています。
関連法の中に、労働・医療・税制などを一括新法で盛り込むことで、何が法改正されたかを見えにくくする狙いがあると思われます。  

そうした目眩ましによって、勘違いをしている人が多いのですが、
『国家戦略特区』とは、これまで日本で行ってきた従来の「特区」という概念とは、全く異なるという認識が重要です。  

要するに、TPPのもとで行われる『国家戦略特区』というのは、
全ての分野で市場原理を導入して、弱肉強食社会を実現しようという流れの中に位置づけられるのです。  

いわば、TPPの既成事実化といった側面の強い政策なのです。  

政府が発表した資料によると、『国家戦略特区』の候補地には、東京、大阪、名古屋の都市圏が含まれており、
3月に具体的な地域決定を行い、とりあえず、全国で3~5カ所を指定する方針、ということです。  

もう時間は残されていません。
都知事選後、すぐに対応すべき喫緊の重要事案です。  

既に、東京エリアでは、「東京都心・臨海地域」「新宿駅周辺地域」「渋谷駅周辺地域」「品川駅・田町駅周辺地域」「羽田空港跡地」と、
主な5つの地域が、候補として上がっています。  

先程も述べましたが、
この『国家戦略特区』とは、TPPの布石であり、これを突破口として、グローバル大資本の支配が、日本全国に拡散する呼び水となるものです。   

ということは、これこそが都知事が何としても阻止すべき課題、そして、本来なら、最大の争点とされるべき論点ではないでしょうか?  

なぜなら、都知事として、都民の生活を守るために、『国家戦略特区』は拒否するという意思表示を明確にすることは、実行可能だからです。  

これは、「TPP(『国家戦略特区』)を拒否する」→「脱原発を成し遂げる」という架け橋にもつながります
しかし、その逆「TPP(『国家戦略特区』)を容認する」→「脱原発を成し遂げる」はあり得ません。  
 
ところが、今回の都知事選の争点では、このTPPや『国家戦略特区』に関する論点が、まるで押し隠されるように、全く議論されていないのが実情です。
 
耳に心地よいキャッチフレーズの大合唱の中、水面下では、国民にトドメを刺す、
「安倍首相に絶対させてはいけない最も危険な暴走」が、着々と進行しているのです。  

あとの祭りで、政権の用意した茶番のステージで踊らされるだけ踊らされて、
気がついたら、梯子を外されていた……という事態にならなければいいのだけれどと、私は気をもんでいます。

前述したように、米国の政府関係者が述べた、「TPPで議論していることは、すべて米韓FTAに盛り込まれている」という発言に従い、
米韓FTAで、韓国の「特区」で、今まさに起きている悲劇を見れば、言わずもがなです。  

・公的医療制度の規制緩和が、皆保険制度や医療システムの健全性を崩壊させ、金儲け重視の医療に変質させる危険をはらんでいます。  
・公立学校の民間への運営開放は、格差や競争教育を拡大し、平等で健全な教育の場を、子どもたちから奪い去るものです。  
・土地利用の規制を見直すことは、大企業優先の乱開発・地域破壊に拍車をかけます。
・農業分野への、株式会社参入の要件緩和の方向を打ち出すことは、日本農業の将来を危うくするだけでなく、流通業界全般の制度破壊や、雇用喪失にも直結します。


その他にも、様々な悪影響が、いたるところで巻き起こるでしょう。  

そして、東京の『国家戦略特区』で、海外のグローバル大資本によるエネルギー政策が導入されることになれば、東京のエネルギーは、東京都主導ではなくなるのです。  

ここで、再度、冷静にしっかりと考えてみてください。  

都民にとって、今、最重要課題は何かを?  

真の意味で「安倍首相の暴走を阻止」したいなら、
TPPの布石となる『国家戦略特区』に対してあえて触れない候補者、
または、『国家戦略特区』を推進しようとしている候補者に、
一票を投じてはいけない
のです。  
 
その候補者は、安倍首相の暴走を止めるどころか、さらなる危険な暴走に、拍車をかける手伝いをしていることになります。
(ゆりかりん @yurikalin・クリエイティブ・プランナー)
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悪法銀座!『石原/地方法人特別税⇔法人住民税国税化⇔小泉/構造改革特別区域法⇔竹中/国家戦略特区』

2014年02月04日 | 日本とわたし
特定秘密保護法の時もそうだったけれど、今回のこの『国家戦略特区』という事柄についても、重々しい漢字の羅列を見ているだけで、なんかとっつきにくい感じがして、
まあ、また後でちゃんと調べて考えるからと、ついつい後回しにしたり、まともに知ろうとしませんでした。。
TPPの問題も然り。
なんかこう、自分とどうつながってるのか、イマイチ実感がわきにくかったのです。

でも、悲惨な原発事故が起こり、それからの毎日、いったい世の中で何が起こっているのかを調べ始めたら、
日本のことやから、東京のことやから、では済まない、
世界はもう、そんなふうには成り立っていない、
とてつもなく巨大な利権に食らいついている一部少数の人間たちによって、世界はがんじがらめになっている……、
ということに、気づくことができました。
それはもう、恐ろしいほどに完成されてしまっているようにも思えるのですけれども、
いえいえ、どっこいまだまだなんとかなる、なんとかしようと世界の市井の市民たちが手をつなげばなんとかなる。
そういう希望の芽が、いろいろな国のいろいろな地域の大地から、頭を出してきていることにも気づきました。
するするとつながっていく、いろいろな物事。
目くらましの映像があまりにきらびやかで、耳にも心地良かったので、それはもうたくさんの人たちが、すっかり騙されてきました。

もう騙されない。騙されてたまるか。

そこで、前大田区議会議員 奈須りえ氏さんが書かれた記事を紹介させていただきます。
これは今、日本のみなさんが絶対に知っておかなければならない問題について書かれたものです。
その中で、特に恐ろしいと思ったことは……、

☆ 23区に税が偏在している=富裕だという税制大綱を作ったのは、自民党や公明党の議員。
☆ その議員たちが過半数を占める都議会や区議会で、税金の使い道が決まり、住民サービス量が決まる。
☆ 23区の区長の多く、そして、23区議会議長会はほぼ全員、自民党議員、元自民党議員で占められている。
☆ 規制緩和を求める企業等が提案し、規制緩和を推進したい民間議員が決める。
☆ TPPも、この国家戦略特区も、表裏一体。
☆ たとえTPPに批准しなくとも、国家戦略特区なら、ISD条項などを除けば、TPPに批准したのとほぼ同じ状況を作ることが可能。


ぜひ読んで、よく考えて、これからみなさんの地域で選挙が行われる際には、どうか真剣に、主権者としての自覚と誇りをもって、取り組んでください。

争点にならない都知事選の争点 
「誰が23区民を捨てるのか」


4月から、23区民の税収が減る。
法人住民税の一部を国税化するからだ。

東京都は、他の自治体に比べると、税金が偏ってたくさん集まってくる。
だから、この偏在する税金を再配分して、財政の厳しい地方に分けてあげよう、という理屈だ。

どこかで聞いたことが?
そう、同じ理屈で、平成20年に、法人事業税が国税化されている。
石原都知事の時だ。
地方法人特別税という。

今回は、法人住民税。

同じ法人だし、報道は不親切で、東京都の税収が1,000億円減る、とだけ取り上げているから、見過ごしてしまいそうだが、
実は、法人住民税が国税化されると、一番影響を受けるのは23区民だ。 
ちょっと図にしてみた。
_______________________________________


*税制改正は平成26年度~の予定だが、法人住民税は、前年度所得に対し次年度課税されるため、影響は来年度から。

左が、法人事業税国税化の時。
国税化されてしまう分を黄色⇒にした。
ピンクの23区に影響は無い。

ところが、今回は、右、ピンクの部分が減る。
実は、法人住民税は23区と東京都とで分けているので、ピンクの部分、肌色の部分、合わせて減る。

ところが、石原都知事の時に国税化した一部1/3が、復活する。

東京都は、肌色部分=法人住民税は減るが、水色=法人事業税は増える。
正確な数字は分からないが、平成20年の導入時の全国の試算が、東京都で3,268億円その1/3が戻れば、1,000億円を超える増収になる。
法人税が好調という報道もあるから、東京都の増収はかなりになるのではないか。

1,000億円は、23区以外の市部も含んだ数字だが、それにしても、東京都は、増収要因があることを考えれば、23区への影響額は大きいだろう。
(*ちなみに、国税化された財源は、交付金として自治体に配分されると言っているから、不交付団体は払っても、理屈上は必要な分戻るはず)


23区長会も23区議会議長会も、自民党の税制調査会が出した、法人住民税の国税化に対し、
地方分権に反するから、地域の責任を果たすためにもと、反対の意を唱える意見書を出している

しかし、23区の区長の多く、そして、23区議会議長会はほぼ全員、自民党議員、元自民党議員で占められている
しかも、この税制大綱は、自民党・公明党で出したものだ。
 
日本の1割を超える国民が集中し、税金の稼ぎ頭の東京、それも23区の税収が、偏って多いから、地方へ交付しましょうと、自民党・公明党の議員が言っている。

ところが、23区では、保育園も特別養護老人ホームも足りなければ、公共施設が老朽化し、更新だって満足に出来ない状況だ。

特養に入るために、田舎に引っ越した、という話だって聞く。

大田区で、1年間に補修する道路面積は、全区道面積の1/500にも満たない
どうするのかと区議会で聞いたら、誰も答えられず、沈黙がしばらく続いた。
みんな分かっているけど、自分の責任じゃないということだろう。

老朽化した公共施設も、大田区でできなければ民間にやらせて、それでもダメなら売るとまで言っている。
でも、民間に任せたら、お仕事になって既得権になるから、手放さないんだろう。

こうした視点から見れば、23区は、どう考えたって余裕等無い

一方で、大田区の公園は、ほぼトイレ付。
しかも、ありがたいことに、区が業者を雇って、掃除、トイレットペーパー交換だってしてくれている。
公園にはトイレがあまり無い自治体も多いと聞くが、みなさんの自治体はどうだろうか。

サービス量はいつも足りなくて、安い行政サービスでなく、高い民間サービスを買ったり、我慢したりしている区民も少なくない。
サービスが受けられることを知らない区民だっている。

5年前には、東京都が金持ちだと言っていた国だか当時の政府だかが、今度は、23区が金持ちだと言っている
何が変わったのだろう。

23区に税が偏在している=富裕だという税制大綱を作ったのは、自民党や公明党の議員だ。
その議員たちが過半数を占める都議会や区議会で、税金の使い道が決まり、住民サービス量が決まる

そう言うことだ。


【IWJブログ・特別寄稿】
原発問題に隠れた都知事選の争点:国家戦略特区
(前大田区議会議員 奈須りえ)


原発の問題も重要だが、私の都知事選の争点は、「国家戦略特区」「法人住民税国税化」

今日は、国家戦略特区について取り上げたい。

どちらも、舞台は、東京都。
都民に大きな影響を及ぼす。


◆TPPと表裏一体の国家戦略特区◆

アベノミクス第一の矢として、大胆な金融政策、 第二の矢として機動的な財政政策、そしてそれに続く第三の矢が「国家戦略特区」だ。
規制緩和により、世界で一番ビジネスしやすい街をつくろうとしている。

規制緩和と言えば、TPPだが、TPPも、この国家戦略特区も、表裏一体だ。
国際条約であるTPPに批准し、実効性あるものにするには法整備が必要だからだ。
たとえTPPに批准しなくとも、国家戦略特区なら、ISD条項などを除けば、TPPに批准したのとほぼ同じ状況を作ることが可能になる。

提案した竹中平蔵氏本人が、「岩盤規制緩和の突破口」と言っているように、
この国家戦略特区というしくみが、一足飛びの規制緩和を、可能にしていくと見ている。

その舞台の一つが、東京都になるというわけだ。

ネーミングからして「国家戦略」と勇ましく、「特区」とスペシャルな響きだが、国家戦略特区のどこが飛躍的な規制緩和を可能にするのだろうか。 
一つが、特区というしくみによる規制緩和だ。

◆小さく生んで大きく育てた特区~何故できたかといえば火事場だったから◆



▲特区法の変遷

そもそも、特区法を使った規制緩和は、2003年、小泉政権時に、「構造改革特別区域法」としてスタートした。
当初、「一国二制度ではないか」「法の下の不平等ではないか」といった議論もあったが、
「地域主権だから」「税財政措置はとらないから」ということで、試験的に成立した。

憲法95条は、ある自治体だけに適用される法律は、対象となる自治体で住民投票し、その過半数の同意を得なければ制定できないとしているが、住民投票も行われていない
元の法律を改正せずに可能な、特区による規制緩和は、法の目的の範囲内だからだったのだろう。
構造改革特区法には、数多くの規制緩和が列挙されているが、未だに実行されていないものがたくさんある。

ところが、今回の国家戦略特区法は、規制本来の目的までなし崩しにしようとしている

さらに、震災直後の2011年4月に成立した総合特別区域法には、法の下の平等という点で問題だと指摘されていた、財政措置が盛り込まれた
被災地域への特別な支援が必要、という心理的背景が、特区を使った法の下の不平等を、既成事実化してしまったのではないか。
その結果、地方税である法人事業税や、固定資産税の全額減免等が、地方税法で定められた議会の議決なしに決められている

国家戦略特区のワーキンググループで行われた有識者ヒアリングには、
平時であれば、絶対に法制審をスキップすることはできない。
なぜできたかといえば、火事場だったからである。
つまり、今も火事場だ、という認識を作る必要がある。
だから、平常のルーチンはスキップさせてもらいますと、これはとても重要だと思う
」という議事録が残されている。

竹中平蔵氏自身、国家戦略特区について、法律論上は難しい問題を含んでいる、と言っているのは、こうした経緯に有るのではないだろうか。


◆岩盤規制の突破はミニ独立政府で◆

しかも、今後の規制緩和が、内閣総理大臣が任命する竹中平蔵氏をはじめとする、民間有識者で占める「国家戦略特区諮問会議」「同区域会議」にゆだねられる。
規制緩和を求める企業等が提案し、規制緩和を推進したい民間議員が決める
竹中氏が言うところのミニ独立政府ができたことになる

国家戦略特区諮問会議では、2年で岩盤規制の突破口を開くと話されており、
雇用の規制緩和や、
混合診療などの医療規制の緩和
道路や上下水道事業など、公共インフラ運営に株式会社参入や、
株式会社による公立学校運営などが、
まず、東京都から導入され、全国展開していくだろう。

5年以上非正規雇用なら、正規雇用への転換を義務付ける労働契約法を見直し、要件を満たせば、延長や解雇を可能する
競争原理が働けば、同じ仕事は同じ賃金になる
それを阻害する規制は取り払い、同一労働同一賃金を目指す
混合診療の枠を拡大し、高額医療に一部医療保険の適用を認める。株式会社に公立学校運営を認める。

こういった規制緩和が、日本の十分の一もの人口が集中する東京都で行われることも問題だが、そんな簡単なものではない。


◆東京都の影響は日本全国へ◆

東京都で展開される解雇特区は、

東京都に住民票のある労働者だけが対象なのだろうか。
それとも、本社を置く企業だけなのだろうか。
神奈川県に住み、東京都に勤務する人は、対象外なのだろうか。
東京都に本社のある、愛知県の工場に働く労働者は対象だろうか。
東京都にある病院で受診する、大阪から来た患者は対象だろうか。
東京都に本院のある、病院の分院での診療は対象だろうか。


東京都で混合診療を認めれば、仮に、東京都内の住民しか受診できないとしても、国民健康保険は、区や市単位なので、
大田区に高額医療の混合診療を認める病院ができて、町田市民がおおぜい受診すると、町田市の医療保険会計が悪化し、国民健康保険料が上がる可能性がある。
そうした不公平についての議論が、都内すべての自治体と東京都で行われてきたという話は、一切聞いていない


これは、自治体の健康保険だけの問題ではなく、企業の健康保険組合に、影響を及ぼす可能性もある

特区などと言っているが、経済活動における区域の線引きは非常に困難で、
東京都に神奈川・埼玉・千葉を加えた1都3県で、人口3000万人圏。
1都6県で、4000万人を超える人たちに影響を及ぼす可能性がある
し、
それだけでなく、全国に影響が及ぶ可能性があることも、お分かりいただけると思う。


国家戦略特区における区域に、どれほどの意味があるだろうか。

バーチャル特区という概念が、国家戦略特区で議論されたが、まさに、バーチャル(事実上の、実際の)という言葉が示すように、
「特区」という区域を限定した規制緩和が、やりたい人たちがやりたいところ(バーチャル特区)で展開するための便法であることがわかる。


◆特区による都民への影響を示せる都知事を◆

国家戦略特区は、経済活性化のために、規制を緩和し、投資を呼び込む、外国企業を呼び込むと言っている。


▲「東京都 アジアヘッドクオーター特区 特区エリアの紹介」より



今、都内では、減税や利子補給により、新宿、渋谷、品川・田町、六本木、丸の内、日本橋、お台場などで、開発が進められている。
しかし、国のみならず、地方自治体まで巻き込んで、税財政優遇措置を行い、利子補給した外国企業が、
オリンピックが終わった日本に、再投資する保障は無い

景気が良くなり、最終的に税収は増えるという理屈のようだが、
試算は行われておらず、減税分以上に、都民に還元されるかどうか、確認することも出来ない

ミニ独立政府と呼ばれる「国家戦略特別区域会議」が、この国家戦略特区について大きな権限を持つわけだが、
この国家戦略特別区域会議のメンバーとなる都知事の果たす役割は、大きいと考える。

(※注:特定の候補者への支持を求めるものではなく、都政に関わる課題についての私見を述べたものである)

前大田区議会議員 奈須りえ オフィシャルブログ
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「ぜんぶかみさまにいいつけてやるんだから……」と言い残して逝った、シリアの3才の男の子

2014年02月03日 | 世界とわたし
友人わかちゃんが、フェイスブックで知らせてくれた記事を、ここにシェアさせてもらいます。
↓以下、転載はじめ

シリア内戦で亡くなった3歳の少年が最後に残した言葉! 
世界中が心を揺さぶられた


混迷の度を深めるシリア情勢。
「アラブの春」がこの歴史ある国へと波及したのは、2011年のこと、
その後1年と待たずに、シリアは、政府軍と反体制組織による内戦状態へと突入する。
それから現在に至るまでの間、戦局は日々激しさを増し、多くの死者を出す最悪の事態へと進展してしまった。
戦闘員のみならず、子どもや女性たちも含めた民間人までもが、多数犠牲となっており、
現時点で、死者は13万人を超え、数百万人に上る難民も発生していると伝えられる。

そのような中、シリア内戦で傷付き、その後死亡した、3歳の少年が最後に残したとされる言葉が、
現在インターネット上を駆け巡り、世界中に大きな反響を呼んでいることをご存知だろうか。




画像は、「World Observer Online」より

”سأخبر الله بكل شيء“
「ぜんぶかみさまにいいつけてやるんだから……」


この印象的な言葉を残した直後に息を引き取ったのは、上の写真に収められた3歳の少年であるとされている。
彼が暮らしていた場所や名前は判明していない。
しかし彼の言葉は、この内戦が引き起こす痛みと苦しみ、人々の悲しみと怒り、
さらには、背景にある不条理と矛盾までも想起させる強力な言葉だ。

少年は、互いに傷つけあう人間に対して怒っている。
時に、神を都合よく解釈し、利用する大人たちに、それは違うと訴えている。
これが信仰を持つ人間のすることか、と問いかけている。
そして彼は、不条理にも、自らがもうすぐ死ぬという事実を悟っている。

確かに、シリア内戦勃発の直接の背景には、アサド政権の独裁があったかもしれないが、
内戦が激化した現在、その周囲には、さまざまな国家の思惑と関係性が、見え隠れする。
シーア派とスンニ派、クルド人、イラン、サウジアラビア、ロシア、米国、イスラエル、そしてアルカイダ系武装組織などの、
根深い対立と利害が絡み合った、代理戦争の様相を深めているというのが、シリア内戦の現実だ。
3歳の少年が残した言葉は、このような現状すらも、糾弾しているように感じられる。

今こうしている間にも、多くの人が、戦火の中で命を落としていることを、決して忘れてはならない。
今月に入り、シリア情勢は、以前にも増して混迷の度を深めているとも伝えられている。
3歳の少年が残した衝撃的な言葉は、シリアの現状を、世界中に向けて訴えている。
(グリーン・M)
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「9条にノーベル平和賞を」!

2014年02月03日 | 日本とわたし


今からちょうど一ヵ月前の、東京新聞の記事を紹介させていただきます。

「9条にノーベル平和賞を」

1人の母親の運動 広がる

戦争放棄を定めた憲法九条に、ノーベル平和賞をー。

神奈川県の女性が一人で始めた運動がある。
荒唐無稽のようだが、ここにきて現実味を帯び始めた。
ノーベル委員会への推薦資格のある大学教授らが、協力を表明したのだ。
(出田阿生)

このアイディアを思いついたのは、神奈川県座間市の主婦、鷹巣直美さん(37)。
一昨年、欧州連合(EU)が、
「地域の統合により、国家の和解と平和を進めた」として、平和賞に選ばれた。
「戦後70年近くも、日本に戦争をさせなかった九条にも資格がある」とひらめいた。
安倍政権が、改憲への動きを活発化する中、「受賞すれば九条を守れる」と思ったことも大きかった。

「社会問題に無関心な学生」だった鷹巣さんを変えたのが、留学先のオーストラリアで出会った、各国の難民だった。
戦火や暴力で、心身ともに深く傷つき、それでも立ち直ろうとする姿。

「戦争に巻き込まれずにすんでいるのは、平和憲法のおかげだ」と実感した。

7歳の長女と1歳の長男の子育ての傍ら、昨年1月からネット上で、
『九条にノーベル平和賞を』というキャンペーンを始めた。
集めた署名は、ノルウェーのノーベル委員会に随時送った。
しかし、委員会からはメールで、
「個人か団体に授与するもので、憲法のように抽象的なものは候補になれない」との返信があった。

実は「九条にノーベル平和賞を」という運動は、今回が初めてではない。
1991年に『第九条の会』を米国で立ち上げた、オハイオ大名誉教授のチャールズ・オーバービー氏(87)が、過去に推薦しようとしたが、
鷹巣さんと同じ理由で、委員会から断られた。

そこで鷹巣さんが考えついたのが、
「九条を保持している日本国民」という枠組みだった。
鷹巣さんが、地元の市民団体などに話したところ、賛同する市民らによる実行委員会が、昨年8月に発足した。
石垣義昭共同代表(72)と、メンバーの岡田えり子さん(53)は、
「最初は受賞なんてできるのかと突飛に感じたが、署名を集めるうちに、それだけの価値が十分あると確信するようになった」と、口をそろえる。

ノーベル平和賞のノミネートには、推薦人が必要となる。
資格があるのは、各国の国会議員や閣僚、大学の学長、社会科学や歴史学など、一定分野が専門の教授。
平和や外交政策の研究所長、国際裁判所裁判官、過去の受賞者やノーベル委員会の関係者も有資格者だ。

「実現性はある」と、大学教授らに協力を呼びかけると、推薦人が集まり始めた。
その一人、勝村弘也・神戸松陰女子学院大学教授(聖書学)は、
「戦争に直接関わらない国は、世界で珍しい。
それを改憲で崩そうとする動きに、若い人の関心が希薄すぎると感じる。
こうした活動は、日本社会がよって立つ土台を見直す機会になる」と評価する。

ノーベル平和賞の推薦締め切りは2月1日。
昨年は、259の個人・団体がノミネートされた。
多くの推薦人が、多様な理由で推薦することと、賛同する人の署名が多いほど、委員会へのアピールになるという。


↑以上、書き起こしおわり


ということで、今日は2月の4日、立春です。
推薦締め切りが過ぎました。
そこで、実行委員会から出されたお知らせを、ここに転載しておきます。



宛先:
The Norwegian Nobel Committee :
Dear Mr.Thorbjorn Jagland(Chair of the Nobel Committee)

世界各国に平和憲法を広めるために、日本国憲法、特に第9条、を保持している日本国民に、ノーベル平和賞を授与してください
please award the Nobel Peace Prize to the Japanese citizens have maintained the Constitution of Japan, Article 9 in particular.


進捗状況・お知らせ

2/1 正午に、ネット署名を、ノーベル委員会に提出いたしました。

発信者:
「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会
Executive Committee for “The Nobel Peace Prize for Article 9 of the Japanese Constitution”

たくさんの皆様のご賛同・ご協力、心から感謝申し上げます。
2/1、正午に、合計 21433(1460「第二期署名」+19973「本署名サイト」)と、4251件のコメントを、ノーベル委員会に送付いたしました。
尚、署名用紙で寄せられました 3454筆は、1/21に郵送し、1/24にお届け確認済みです。
本署名は、推薦資格をお持ちの推薦人の方々の推薦状に、
「憲法9条を保持している日本国民」に、ノーベル平和賞を願う声として推薦文に書き添えていただき、
推薦文の資料として、ノーベル委員会宛に届けてさせていただきました。
引き続き、2015年度に向けて、署名を募っておりますので、どうかご支援・ご協力お願いいたします。


★ 1人1人の小さな力をつなぐ、草の根の運動にご協力お願いします ★

発信者:
「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会
Executive Committee for “The Nobel Peace Prize for Article 9 of the Japanese Constitution”

ご賛同くださり、お忙しい中、たくさんの皆様のご支援・ご協力、心から感謝申し上げます。
また、たくさんの激励、ご提案など、本当にありがとうございます。
実行委員会一同、心から賛同し、実現を願っております。

しかしながら、実行委員会として取り組むには限界があり、また、組織として足並みをそろえ行動するには、非常に多くの時間を要してしまいます。

そこで、皆様にお願いがあります。

どうか、主旨に賛同してくださった個々人が、「憲法9条にノーベル平和賞を」願い、
お一人お一人が主体的に、思いつく様々な方法で働きかけ、草の根の運動として賛同の輪を広げていただけますでしょうか。

賛同の輪を広げていくために必要な情報などは、出来る限り、インターネットなどを通して、皆様と共有していきたいと思います。

実行委員会ブログ:http://nobel-peace-prize-for-article-9.blogspot.jp/
FB:https://www.facebook.com/nobelpeace9jou
ネット署名:http://chn.ge/1bNX7Hb

どうかそれらの情報をもとに、ご賛同してくださっているお1人1お人が、自主的に、主体的に、責任を持って出来る方法で、賛同の輪を広げていただければと思います。

みんなで力を合わせて、世界の平和のために、平和憲法を守り、活かし、広めていきましょう!

どうぞ引き続きご支援・ご協力の程、よろしくお願いいたします。




憲法九条の素晴らしさを共有し、守り、活かし、世界に向けて広めていく取り組みの一つとして、
実行委員会を組織し、ノルウェー・ノーベル委員会宛の署名活動を開始しました。

ノーベル平和賞は、個人か団体に贈られるものなので、憲法は対象ではありません。
しかし、EUが、団体としてノーベル平和賞を受賞出来るなら、憲法前文から始まり、基本的人権の尊重と、徹底した戦争放棄を謳った憲法九条を、
戦後70年近く保持している日本国民も、団体としてノーベル平和賞を受賞出来る可能性はあるのではないでしょうか。

日本国民は、積極的に憲法を活かすまでには至っていないかもしれません。
しかし、世界中が、武器を片手に戦力で物事を推し進めようとする圧力の中で、
世界中の人の幸せと平和を願い、戦争への反省から、まず自ら率先して、戦争の放棄、武力の不保持を定めた憲法を、戦後70年近くもの間、保持してきました。
このことによる世界の平和と安定への貢献は、計り知れないほど大きいと言えるのではないでしょうか。

もちろん、日本国民全員が、現憲法に賛成しているわけではありません。
しかし、今現在も、今この時も、憲法を変えてはいません。
これはひとえに、戦後、戦争への反省と、平和への願いを込めて、
大勢の方々が、戦争の悲惨さと愚かさを語り継ぎ、祈りを込めて受け継がれてきた平和への願いが、まだなお深く息づいているからだと思います。

そして、受賞に向けて、「世界の平和を願い、戦争しないことは良い事であり、守り、広めていこう!!」という価値観の共有自体にも、意味があるのではないでしょうか。
この、改憲の危機に直面している今、世界の平和のために平和憲法を守り、活かし、広めていくための取組の一つとして、ご理解・ご協力いただけましたら幸いです。

どうぞよろしくお願いいたします。

「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会

共同代表:石垣義昭、鷹巣直美、竹内康代、星野恒雄

実行委員:落合正行、岡田えり子、福島一雄、高橋勝、深津さおり

(この署名は、ノーベル平和賞を授与されるまで継続いたします)
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希望にあふれる春は、もうすぐそこに

2014年02月03日 | ひとりごと
昨日までの3日間、それはそれは暖かくて、昨日なんか最高で7℃まで上がって、
極寒に慣れてきてた体には、それはもう汗ばむような暖かさで、思わず半袖になろかと思たぐらいで(うそうそ)、
窓のすぐ向こうでは、相変わらずポーズをとってくれる友がいて、







まだまだ地面は見えてきませんが、それでもやっぱり、立春という、春の兆しが感じられて、うきうきとしてきます。


わたしは春生まれだからかどうかはわからないけれども、季節の中で『春』が一番好きです。
『はる』という言葉は、「万物が発する」「木の芽が張る」「天気が晴る」などの意味を持っているそうで、
だから『春』は、希望に溢れる季節とされています。


先日来、体調を崩して、口から物を飲んだり食べたりできなくなって、すっかり弱ってしまっていたショーティも、
なでなで作戦と手あて治療(?)、そしてみなさんからの祈りが効を成したのか、
まず水が飲めるようになり、次いで、お雑魚とかつお節とカリカリを細かく砕いたものにお湯を足したものを一口二口と食べるようになり、
するとみるみる、後ろ足以外のところに元気が蘇ってきて、かすれた声で鳴いたり、部屋の中をゆっくり歩き回れるまでに回復してきました。
ショーティもまた、『春』のエネルギーをもらって、ますます回復していけると信じています。
ほんとうにほんとうにありがとうございます!


そんな立春の前夜、こちらのイベントでいうと、スーパーボールがうちから車で10分ぐらいの所にあるスタジアムで行われた夜に、

できたできたできたぁ~♪できたできたできたぁ~♪できたでぇ~きぃ~たぁ~♪(←ご存知の方は、むかしむかぁ~しの武田薬品のコマーシャル風に)


できたというか、終ったというか、かれこれ1年近くもかかっていた作曲でしたが、とうとうのとうとう、一音もらさず楽譜に書き終えることができました。
え?!まだ終ってなかったんかいな??と、?印が百個ほどグルグルグルグル回っておられる方もいらっしゃると思います。
いやもう、なんというか、トホホ過ぎるというか、書いては弾き、弾いては消し、消しては書き……の堂々巡りが続いていて、
どうしても、終わりに辿り着けないまま、こんなにも時間が経ってしまっていたのでした。

その作業のラストスパート中、机の上はもう、どうにもならないほどの混乱っぷり(上の写真)。
片付けてしまうと、アイディアまでも片付けられてしまいそうで、けれどもこういうグチャグチャなんが大っ嫌いでもあり……、
なんともいえない焦燥感に苛まれつつ、自棄自暴的に放り投げていた時期もあり、
ああ、やっぱりわたしは、作曲なんてものには向いてないんちゃうかと、始めたことまで後悔し始めてたり、

でも、とうとうのとうとう、とりあえず、大満足とは言えないけれども、相棒のサラと一緒にカーネギーの舞台で演奏してもいいかな、と思えるものができました。

こんなにギリギリまで出来なくて、すっかり待たせてしまってごめん!明日、一番に、郵便局から送るからね、とメールして、朝目覚めたら……、

ぐわぁ~ん……。


どんだけ降っとんねん!!
今年の冬は厳しい、とは聞いていましたが、いやもう、ここまでとは……。
しかも、毎回、週明けの月曜と火曜に大雪になる傾向が続いていて、その日にレッスンがある生徒たちは、なかなかレッスンを受けることができないでいます。
こんな言い方をするのもなんですが、治療してなんぼ、教えてなんぼの旦那とわたしは、大雪が降ると収入がゼロになってしまいます。
う~ん……。

見てる分には、それはそれは美しくてよいのですけれども……。


リス友くんたちは、ほぼやけくそになって、サラサラの粉雪に頭を突っ込んで、埋めた木の実を探していました。
早く暖かくなるといいなあ。
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