ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

鍼と怖がりとチベットと

2021年08月23日 | 日本とわたし
鍼灸師の妻が大の鍼嫌い。
これにはその本人であるわたしが一番悩んできた。
夫が鍼灸師になってもう15年以上も経つというのに、その間に治療してもらった回数は多分、簡単に数えられるはずだ。
夫だからなのかと他の鍼灸師にも治療を受けたが、夫以外の治療はさらに恐ろしく、とてもではないが続かない。
何がそんなに怖いのだと、何度も自問してみるのだけど答が出ない。
わたし用にと夫が使う鍼は日本製の最も細い物だから、痛いとしても蚊に刺された程度の痛みだし、打たれたこともわからない時がほとんどなのに、いざ施術ベッドに上がり夫の手がツボを探し始めた途端に胸がざわざわし始める。
「今日は何本刺すつもりなん?」
「まだ刺すん?」
「刺した鍼はもういらわんといて(触らないで)!」(刺した後の鍼をわずかに揺らせたり上下させたりすることで効果が増すのだが)
治療する側からすると、最悪の患者なのである。

そんなだから、体調が悪くてもどこかが痛み出しても、それがとことん悪化するまで黙ってしまう。
もう我慢ができない頃になってやっとボソボソと夫に告げるか、夫が先に気づくかして、鍼治療が開始される。
他の人たちからすると、なんともったいない贅沢な悩みなのだと思われることもわかっている。

実際、鍼灸の鍼は本当に細い。



そして刺し終わったらまるで何事も無かったかのように落ち着いて、鍼がもたらしてくれる気持ち良さに身を任せ、何十分だってそのままでいられる。
鍼の効果で頭がふわふわと心地良く、たまにベッドから体が浮き上がっているような感じがしたり、穏やかで温かい夢を見ているような気分に浸ったり、なんとも気持ちが良い。
長い間悩まされていた痛みはゆるゆると溶けて無くなり、イライラしていた心も落ち着く。
だから人には自信を持って勧めるのだけど、そのたびにいつも引け目を感じている。

今は先日怪我をした右膝を治さなければならないのだが、簡略的なもので誤魔化していて、夫はそのことを心配し続けていた。
鍼で治療するならするできちんとしたものを受ける。
それが嫌なら病院に行くか理学療法士の治療を受ける。
そのどちらかを選ばないと、中途半端に放置して悪化したらどうするのだ。

そんなある日、1ヶ月に1度の割合で話を聞いてもらっているセラピストに相談してみた。
「怖いっていう気持ちを言葉で説明してみて」
「鍼を刺される部分に全神経がぎゅうっと集まっていく感じになって、その数秒間だけでヘトヘトに疲れる」
「じゃあ、そのお節介な全神経を別の場所に集める方法を考えよう。例えば何か気持ちを落ち着かせるような音楽をイヤホンで聴くとか」

なるほど、これまでに試したのは①他のことを考える②好きな物語を思い出すなど、自力でやることばかりだったけど、イヤホンを使ったら耳からの刺激が強いからいいかもしれない。
さっそく候補曲を探してみたのだけど、わたしは音楽を聴くと必ず音符が頭の中を駆け回り始めるので、リラックスには程遠い状態になってしまう。
そこでリラックスを促す音源を探してみると、どうも自分に合うのは、チベットのヒーリング音らしいことがわかった。
試しにこれ↓を治療が始まる5分ぐらい前からイヤホンで聴き、それから夫に治療してもらったところ、いつもの恐怖がかなり軽減した。


やったぞ!
これで夫はわたしの文句の嵐から逃れられるし、わたしは無駄な恐怖から解放される!
試してみたのはまだ2回だけだけど、希望の光が見えてきた。
まあ、あまり参考になる話ではないと思うけれど、もし鍼治療が苦手な方がいらっしゃったらぜひこれを試してみてください。
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小池知事の大罪

2021年08月22日 | 日本とわたし
小池知事の大罪その1:






小池知事の大罪その2:
疫病感染症爆発で、緊急事態宣言が発令されている真っ最中に、
しかも今回のデルタ株は、小さな子どもにまで牙を剥き、重症化している例も出ているというのに、
そして感染しても治療が受けられないまま放置され、自宅に押し止められている患者が10万人近くもいるというのに、
さらに都内の感染の9割以上がデルタ株に置き換わったと言われているのに、
子どもたちを集めてパラリンピック観戦をさせる?
一体どういう了見でこんな世にも愚かなことができるのか。

先月の11日にイギリスで開催されたEuro2020「イングランド対イタリア」の決勝戦をスタジアムで観戦した67,173人のうちの2295人、周辺に集まった3,404人が感染したと報告されている。
17万人超えと言われている児童生徒らが、全員無事で観戦し終えることができるなんて絶対に有り得ない。
それを承知で動員させようとしている小池はじめオリンピック委員会や政府、関係自治体の長は、言葉通り地獄に落ちたらいいと思う。
いや、そんな言葉だけでは済まない。
罪人として裁かれるべきだ。
引用:
大半の競技が実施される東京都にある幼稚園や小中高校などの対象者は、公立が約13万2千人で、私立が約6千人
ゴールボールなどが行われる千葉県は、引率の教職員を含めて計216校、約3万4千人を見込む。
射撃会場のある埼玉県は1校の約300人
自転車が行われる静岡県は、実施予定の学校がない。
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米国「コロナ禍の子どもたち」事情

2021年08月21日 | 米国○○事情

4人の子どもたちのお母さんとお父さんが、ワクチン接種を拒否し、新型コロナウイルスに感染してしまいました。
2人は共に、数日のうちに相次いで亡くなったため、彼らの4人の子どもたちは孤児になってしまいました。
「どうか子どもたちがワクチンを受けられるようにしてください」
それが挿管をされる前のお母さんが口にした、最後の願いでした。
またしてもテキサスで起こった悲劇です。

テキサス州とフロリダ州の知事は、自治体や学区がマスク着用を義務づけることを禁止する知事令を出しています。
数日前に、そのテキサス州知事が感染し、今は自主隔離と治療を受けているそうです。
マスクをせずに、室内に大勢を招いた後で感染したのですから、場所を共有した人たちもきっと感染してしまったでしょう。
彼は毎日検査を受けていて、陽性だとわかれば適切な治療を即座に受けられますが、いくら検査が無料でどこで儲けられるとしても、罹ってしまったら大変なことになる人が大多数なのに、あまりにも無責任だと思います。
ここまで極端ではないにしろ、他にもあと6州が、感染対応がおざなりで、ワクチン接種率もとても低いままです。
テキサスのこの家族のような悲劇が何回繰り返されれば、あと何人の子どもが孤児になれば目が覚めるのでしょう?


一方で、子どもたちにも感染の被害が広がっています。
米国で14日、新型コロナウイルス感染症で入院した子どもの数が過去最多の1902人となった。
南部では感染力の強いデルタ型変異株による感染拡大で、医療体制が逼迫している。
デルタ型は主にワクチン未接種者の人口の間で急速に拡大しており、ここ数週間で入院者が急増。
厚生省によると12歳未満の子どもの入院が急増して過去最多に達した。
現在、小児の感染者は全米の入院者の2.4%程度。
12歳未満の子どもはワクチン接種対象となっておらず、感染力の強い変異型に対して脆弱な状態だ。
米疾病対策センター(CDC)によると、今週には18─29歳、30─39歳、40─49歳の新規入院者も、
過去最多の水準に達している。

ワクチンは万能ではありません。
救世主でもありません。
ワクチンの副反応で健康を害したり、最悪の場合には命を落としたりする可能性だってゼロではありません。
わたしは基本的にワクチンが嫌いでした。
恐ろしかったし自分の体に入れたくない物としてずっと忌み嫌っていました。
けれども今回、このパンデミックに遭遇し、仕事上でも悩み、家族としてでも悩み、本当に悩んで悩んで、それでも結構長い間決心がつかずにいましたが、結局今年の5月に接種しました。
ワクチン接種者となった今でもきっと、油断したら危ない。
いや、油断していなくても、いくら必死で注意していても、感染してしまう可能性はあると思っていましたが、今回のデルタ株、デルタプラス株やラムダ株は、その可能性をぐんと大きくしてしまいました。
けれども多分、これも100%ではないけれど、重症までには至らずに治すことはできるだろうという安心感があります。

さて、わたしの生徒の約半分はワクチン接種の対象外、12歳以下の子どもです。
本当に悩ましいです。
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なんてこった…。

2021年08月21日 | 日本とわたし
昨日久しぶりにあんこを炊いたので、小倉トーストにして食べた。
食パンはもちろんグルテンフリーである。
飲み物はいつもの、60℃迄冷ました白湯に味噌を溶いただけの汁に、刻みミョウガを加えたもの。
夫曰く、今回のあんこは砂糖の分量が絶妙で、これまでで一番美味しいらしい。
と言われても、毎回どこかが違うし適当なので、再現することは多分不可能なんだけど…。

また別の色の花が咲いていた。遠目からでもわかる鮮やかなアピール力。

金柑の葉がなぜかぎゅうぎゅうになっていた。

オクラが育っていたことを全く知らずにいた。

サラダ菜を放っておいたらこんな可愛い花が咲いていた。

鹿に手足を何度も食い千切られて大変だったうちの向日葵の花は、苦難を乗り越えた誇りに満ち満ちている。


つゆ草の葉っぱの裏側で孵化したセミがいるんだな…。



あと3週間余りで子どもたちの夏休みが終わる。
今朝レッスンを受けるはずだった高校生の双子ちゃんが、発熱したので病院で検査をしてくると言ってドタキャンした。
アメリカはまた、感染拡大の真っ只中である。
その多くは共和党&トランプの影響を強く受けている州(基本的にこういう言い方はしたくないが事実なので仕方がない)で、特にアラバマ、アーカンソー、ルイジアナ、ジョージア、フロリダ各州の主要な小児病院では、入院する子どもの感染者がパンデミック発生以降最も多くなっている。
集中治療や人工呼吸器が必要な子どもも一気に増えた。
なので、知事がマスク着用義務の禁止令を出しているようなフロリダやテキサスでさえ、学校や親たちが反抗して、子どもたちにマスクをつけさせるようになった。

最初のパンデミックで全米最悪だったトライステートの住民は、ワクチン接種率が高く、12歳以上のワクチン接種完了者は60%、1回目のみは70%になっている。
ニュージャージー州全体でも感染者数が100人台にまで下がった時は、これでやっと元の暮らしに戻れるのかもしれないと、人々は皆喜んでマスクを外しハグをした。

アメリカ全体としても、6月下旬から7月中旬にかけて感染者数がみるみる減り、ワクチン接種の成果があったとして、元の生活に戻れるという希望に満ち溢れていた。
子どもたちも夏休み明けには、友だちと机を並べて勉強し、いろんなことが一緒にできる毎日が待っていると思っていた。
わたしも同じく9月からは、生徒たちをコロナ禍以前の対面式で教えるのを楽しみにしていた。
でも今は正直言ってどうするべきなのかがわからない。
わたし自身はもちろんのこと、生徒たちや彼らの家族、わたしの家族にとって安全ではないかもしれない、という疑念を振り払うことが出来ないままやってしまっていいのだろうか。
この夏の間に一気に増えた5歳6歳の生徒たち12人は、まだ一度もオンラインレッスンを経験したことがない。
もちろん必要とあればオンラインに切り替えることはいつでもできるのだけど。
レッスンに来る子どもたち用に、4層の、けれども呼吸がし易いKF94のマスクを買い、ここに居る間はつけてもらうことにしている。
基本的に部屋に入るのは一人だけで、付き添いや兄弟姉妹の生徒は外か車の中で待ってもらっている。
次のレッスンとの間に10分空けて、窓を開けたり鍵盤を拭いたりして、完全ではないもののできる範囲の感染予防をしている。
でも、デルタ株の感染を甘く見ることは出来ないし、デルタを超える感染力を持つデルタプラス株、そしてラムダ株も、これから後数ヶ月間潜伏するだろうと言われている。

なんてこった…。
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PCR検査の無料化と、日本版「生活治療センター」の設立と運営を、直ちに開始するよう求めます!

2021年08月20日 | 日本とわたし
これはもう1年以上も前の、去年の5月に書かれた記事です。
韓国政府が打ち立てた「生活治療センター」のことが詳しく書かれています。
日本にはもう時間がありません。
これ以上惨たらしい自宅死を増やしたくありません。
政府は日本版「生活治療センター」を立ち上げ、韓国に習ってください!
引用:
自宅待機中だった軽症者が自宅で死亡する悲劇は韓国でも起こった。
そこで無症状者や軽症者専用のハイテク「生活治療センター」を一気呵成に立ち上げ、医療崩壊も防いだ。
武漢の経験から学んだことだ。
今度は、日本が学ぶ番だ。

自宅待機途中に病状が悪化し、死亡するケースが発生し、家族への二次感染も懸念された。
このまま放置すると死亡者や感染者が増え、最悪の場合には医療崩壊に繋がる恐れがあった。
そこで韓国政府は、軽症者が病床を占め重症者が入院できないことを防ぎ、自宅隔離中の死亡や家庭内感染もなくすために、軽症者を一つの施設に集めて隔離・管理する選択をした。
それが「生活治療センター」である。

韓国政府は、患者の治療に専念できる医療従事者の数が限られていることを考慮すると、すべての感染者を入院させ治療するよりは、軽症者は管理が可能な施設に隔離して管理し、入院治療が必要な重症者に優先的に病床を割り当て、集中的に治療することが効果的で医療崩壊を防ぐ方法であることを悟った。

「生活治療センター:大邱1」には医療従事者以外にも、保健福祉部や行政安全部、大邱市から公務員が派遣され、患者の入院・退院などの行政業務を担当した。
また、国防部から派遣された軍人は防疫作業や食事の配膳、物品の運搬等の業務を、警察は警備の業務等を担当した。
このように業務を分担することにより医療従事者の負担を少しでも軽くすることが可能であった。

「生活治療センター」に配布された物。
医療従事者のために防護服(レベルD)セット1000個
ラテックスグローブ2100個
N95マスク3000個
自己管理衛生キット220個
検体採取キット320個など。

「生活治療センター」に入所した患者に配布された物
体温計・必需医薬品などを含む個人衛生キット
個人救護キット(下着、洗面道具、マスクなど)
毎日3回の食事や間食が無償で提供された。
患者は毎日2回自ら体温を測り、スマートフォンに事前にインストールした健康管理アプリケーションに入力した後、問診票と共に転送する(一部の「生活治療センター」では手書き)。

ブルートゥース血圧計で血圧を測ると、心拍数と血圧の数値が自動的に「生活治療センター」の中央状況室に転送される。
医療従事者は、中央状況室に設置されている大型モニター等から患者から送られた体温などの情報を確認し、赤いランプが点灯・点滅した場合には該当する患者に電話して状態を確認する。

「生活治療センター」は、感染防止のために患者の個室がある病棟と、医療従事者や他のスタッフが生活するクリーンゾーンを分離している。
医療従事者が患者のいる病棟に入る時には、レベルDの防護服に着替え、検体を取るか診療を行う。
そして、診療の結果、症状が悪化し病院での入院治療が必要だと判断すると、患者を病院に移動させる。
一方、病院で入院治療を受けていた重症患者の症状が良くなると、治療担当医師や患者管理班の判断により「生活治療センター」に移動される。

徹底的に役割分担を行った。
検体の採収や問診票のチェック、診療などは医療従事者が担当する代わりに、行政、防疫、食事等は、医療従事者以外の公務員や軍人、警察などが担当し、医療従事者の負担を減らした。





韓国政府はこの「生活治療センター」の立ち上げを発表し、わずか2日で稼働させました。
それが出来たのは、施設が国や企業の研修院等を中心に、無償で提供されたものだったからです。
きっかけは、昨年の2月下旬から、新興宗教団体「新天地イエス教」の信者を中心に、新型コロナウイルスの感染者が急増したことです。
2月18日まで31人だった感染者数が6日後には833人まで増加したため、病床が足りず、韓国政府は軽症者を自宅で待機させる措置を取ったところ、待機途中に病状が悪化し死亡するケースが発生し、家族への二次感染も懸念されたからでした。
ここで韓国政府は中国の武漢の感染者データを分析し、学び、解決策を得たのです。

ああ、なんという違いでしょうか。
日本政府に申し上げます。
韓国の感染対策を分析・研究し、日本に合った部分は模倣し、合わない部分は補い、とにかく国民の命を救うことを最優先に考えてください。
そのためにも、日韓の協力はなくてはならないことだと思います。
おっと、一番大事なことを言い忘れていました。
PCR検査の無料化と、いつでもどこでも受けたい人が受けたい時に受けられるようにするのが疫病感染対策の第一歩です。
日本はその第一歩を踏み出せていないまま、1年8ヶ月、600日もの年月を無駄にしてしまった稀有な国なのです。
もう本当に崖っぷちに来てしまったことが今でも信じられません。
あれほど何もせずとも感染被害が抑えられていた幸運に甘え、国民に甘え続けた政府のせいです。
検査の無料化と有効な設備の確保。
せめてこれぐらいはやらせましょう。
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こんなの自宅療養じゃない!自宅軟禁だ!人殺しだ!

2021年08月19日 | 日本とわたし
自宅療養なんて絶対に言わない。
だってこれは療養なんかじゃなくて放置だから。
恐ろしい症状に襲われる疫病に感染したというのに、治療できる病院が無いから自宅で待機していろと、国や都や府や県や市に言われて辛抱しているだけなのだから。
どうしてこれほど病院がいっぱいいっぱいになってしまったのか。
この感染問題は、何も今に始まったことでは無いのだ。
もう1年8ヶ月もの間、事が大事に至ってしまう前に準備できたことは山ほどあったし、大事に至らないように対応もできた。
この感染は世界中で起こっているから、さまざまな国の失敗例や成功例を選り取り見取りで参考にして、日本の状態に合った対応策をいくらでも講じることが出来た。
だけど日本はまるで呆けたかのように、ほとんど何もせず、やったことといえば政治家と大企業が税金を回しながら、あろうことか感染を拡大させるような事業ばかりを繰り返した。
この無能さと無関心さは一体なんなんだろう。

日本はこれまでの間に、これほどまでに大変な疫病感染に見舞われたことが無かった。
甚大な感染者を出して深刻な被害を被った国々が、その経験を生かし、いざという時のための医療の確保、疫病対策予防センターなどの設立、検査システムの構築などに力を入れていた時も、日本はまるで何もしてこなかった。
自公与党の政治家は、仮定の質問には答えられないなどとふざけたことを恥じることもなく口にして、もしもの時のための備えにお金を使うのは無駄だという態度を貫いてきた。
今さえよかったら、経済が回ればそれで良いと言わんばかりに、税金を使ってまでして病床を減らし、医療従事者を減らし、その裏で仲間団体や企業とともに、税金を流し合って私腹を肥やしてきた。

それだけでも十分ひどい話なのに、都構想だの五輪だの改憲だの万博だのと、自分たちがどうしてもやりたい事はやる。
それにどれだけの金がかかろうが、どれほどの人材と資源が取られようが、そのために本来ならば救われるはずだった命や健康が奪われようが、やりたい事がやれればいいというような人たちが、首相や知事をやっている。

これはもう国の断末魔だ。
自宅待機を余儀なくされたまま、治療も受けられずに苦しんでいた40代の母親が、3人の幼児たちの目の前で死んだ。
同じく自宅で待機していた妊娠中の30代の女性が、出血があったために救急車を呼んだものの受け入れ先が見つからず、そのまま自宅で出産し赤ちゃんは死んでしまった。

日本全国の医療機関は、今本気でなんとかしないと、本当に崩壊してしまう。
オリンピックの凶行に続き、パラリンピックの凶行も止められなかった。
海外から大人数が押し寄せ、そこに貴重な人材が取られてしまう。
オリパラの関係者らは連夜の宴会で大騒ぎをし、IOCやIPCの五輪マフィアは贅沢三昧を楽しみにやってくる。
ちなみに今回は隔離も無しで東京に入るらしい。

オリンピックだけでもこれだけの被害が出たのだ。
パラリンピックがさらに被害を拡大させるのは目に見えている。
しかも今回もまた、しつこく子どもたちを動員させようとしているのだ。
もうこれは政治家の皮を着た鬼畜の仕業だとしか思えない。
本当にグロテスクだ。
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間島事件を知って考えたこと

2021年08月18日 | 日本とわたし
毎年8月15日、敗戦記念日がやってくる。
その日は確かに敗戦が決まった記念日だけど、わたしにとっては戦争のことについて考える日はいつも記念日だ。
韓国のいろんなことを伝えてくれるJeong Wooさんが、思わず目を覆いたくなるような凄惨な内容のビデオを紹介していた。
それは1920年に起こった間島事件の映像だった。

間島事件:
琿春(こんしゅん)にあった日本領事館を襲ったとして、日本の軍隊が派遣された。
しかし派兵の直接的契機となった10月の事件は、被害内容、日本軍の対応の早さなどから、口実をつくるための謀略である可能性が強いといわれている。
日本軍は翌年1月の撤兵まで、襲撃、虐殺、暴行を行い、数千人の朝鮮人が犠牲となった

原爆や空襲でどんなに酷い被害に遭ったかを再現した映画や写真を、わたしは何度も目にしてきた。
被害を受けた側の証言に基づいて作られたそれらの映像には、嘘偽りが無い。
時間が経って細かい部分は忘れたとしても、表現が少しばかり大袈裟になったとしても、痛みを受けた人たちの心に深く突き刺さった残像は、後々の世に伝えられなければならない真実なのだ。
大人になって、それもいい歳の大人になって初めて、日本軍が犯した侵略の実態を知った物知らずにもほどがあるわたしは、韓国の人たちが観ているであろうこの映像に驚愕し、こんなツイートを書いた。

今から50年以上も前の学校では、戦争と言えば原爆と空襲で被害の歴史しか教科書には載っていなかった。 
帝国軍による侵略も虐殺も性奴隷も書かれていなかった。 
30代の頃に仲良くなった台湾人に、「なぜ何も知らないのだ?」と泣きながら怒られて初めて知り愕然とした。 
もの凄く恥ずかしく辛かった。

書いてからずっと、その頃のことを思い出そうと考えていた。
本当に何も書かれていなかったのかどうか。
書かれていたけれど、当時のわたしが信じたくなくて、自分で記憶を消していたのではないか。
でも、どうしても思い出せない。
あれは友人のジョイと、彼女が入れてくれた台湾の高級烏龍茶を飲みながら、楽しく話していた時のことだった。
なんの話だったかは思い出せないのだけど、彼女が何気なしに彼女のおばあさんの話をして、確か日本語が堪能だったというような話で、わたしは「どうして日本語が堪能だったの?」と聞いたような気がする。
そうしたらジョイの顔色がみるみる変わり、「まうみはどうしてそんなことを聞くの?」と聞き返されたので、「え?」っと言うと突然、「どうして何も知らないの?」と泣き叫んだのだった。
「わたしのおばあさんがなぜ流暢な日本語が話せたのか、その理由は自分で調べて」と言われて、わたしは慌てて図書館に走って行った。
その頃はインターネットもパソコンも無く、わからないことがあったら図書館に行くしかなかった。
図書館で、わたしは何度も涙ぐみ、胸を鷲掴みされたような苦しさを覚えた。


2度とこんなことが起こらないように、起こさせないように、わたしたちはずっと学び、知り続けていかなければならない。
そのためにも、戦争に関する歴史を歪曲せず、色付けもせず、淡々と真実を正しく伝える教育を学校に求めていかなければならない。
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あふれる気持ち

2021年08月18日 | ひとりごと
前庭の奥で毎年大きく育つ茗荷は、桃の木を追い越して、わたしの背丈より高くなった。
これは新記録だ。
日当たりがそれほど良くもない、ずっと何も加えていないし手入れもしていないままの土なのに、桃の木をぐるりと囲むようにして生えている。
まるでミニチュアの竹林のような中に屈んで入り、足で踏みつけてしまわないように気をつけながら茗荷のつぼみを探す。
蚊がぶんぶん飛び交っているが、もちろんわたしは蚊除けネットを頭から被り、頭の先から足の先まで刺される部分が無い。

前から桃の木の背丈がやけに低くなったと思っていたら、なんのことはない、放りっぱなしだったので実がたくさんついたままになっていて、その重さでうなだれていたのだった。
毎年来年こそはちゃんと世話をしようと思いつつ、また今年も何もせずに夏が終わる。
ごめんね、モモっち。
今年の11月に必ず枝の剪定をして、大きく育ちやすいようにするから許してね。


こちらの学校の夏休みは6月中旬から始まって、9月のLabor Day(労働者の日)の後の初旬に終わる。
夏前はコロナウイルスの新感染者数がみるみる減っていたので、新学期から通常の学校運営になると言われていた。
ところが7月の末あたりからまた増加し始め、州全体の1日の新感染者数が100人以下だったのが今では1000人を超えている。
そして多分、今後は増えていくだろうと思われる。
人口約890万人のニュージャージー州だけで、今日亡くなった人は20人、新たに感染した人は1359人、そのうちの96%がデルタ株による感染だった。
同州で1日の死者が20人を超えたのは、3ヶ月前の5月26日以来のことだ。
このまま又、感染が拡大するようなことになれば、学校はまた即座にオンライン授業に切り替えるだろう。
生徒たちの親御さんは、オンライン授業ですでにストレスが溜まっている子どもたちに、できたらピアノは対面レッスンを受けさせてやって欲しいと言う人が多い。
もちろんわたし自身も、オンラインよりも対面の方がよほど教えやすいしストレスも減る。
けれどもやはり、目に見えないウイルスのことを考えると、対面でやりましょうと軽々しく断言はできない。
本当に悩ましい…。

とりあえず今は全員にマスク着用を義務付けてレッスンを受けに来てもらっているが、そのマスクがグダグダな子がけっこう多くてずっと気になっていた。
そこで、夏でも不快にならないので気に入って使っている韓国製の4層マスク(KF94)の子どもサイズを買い、うちに来た時だけ使ってもらうことにしている。
持って帰らせると失くしたり持ち忘れたりするだろうから、一人一人の名前を書いてうちで保管している。


ワクチン接種が完了していても感染はする。
そういう変異株が出現したのだから仕方がない。
これからもまた、別の変異株が現れる可能性だってある。
12歳以上の子どもたちのほとんどがワクチン接種を済ませたけれど、これはうちの州だけのことで、例えばフロリダやテキサスのように、知事が「学校でのマスク着用義務化禁止令」を出し、それに背いた学校職員は給与支払いを停止する、などと言っている州もある。
どちらも共和党の知事で、中でも保守層が多い地域では、ワクチン接種率も低く、感染者が急増している。
8月5日の発表では、ワクチン接種率の低い7州(フロリダ、テキサス、ミズーリ、アーカンソー、ルイジアナ、アラバマ、ミシシッピ)で、過去1週間の、米国全体の新規感染者と入院者の半分を占めたそうだ。
さすがにこの事態を受けて、その7州でのワクチン接種率がぐんと上がったらしい。

夫が治療している、ワクチンを接種したけれども感染した患者さんたちは全員、症状が重くなることはなく回復した。
もちろんいいタイミングで、症状に合わせて処方された漢方を飲んだということも理由の一つだろうけれど、やはり重症化しないというワクチン効果が発揮されたのだと思う。
今はそれさえも効かない変異株が現れないことを祈るのみ。

ワクチンについてはいろんな意見が飛び交っている。
わたし自身、ワクチンを避けてずっと生きてきた。
大人になってからのインフルエンザの予防接種は受けたことが無い。
けれどもコロナ禍のアメリカにおいて、子どもに対面で教えるという仕事をしている以上、ワクチン接種を避けるわけにはいかなかったし、打ったことを後悔もしていない。
わたしが打つことで、生徒たちや親御さんたちが少しでも安心するなら、そしてわたし自身も余計な心配をする必要が無くなるなら、それはそれで打つ意義があると思った。
ただし、打ったからといって100%大丈夫などとは思わなかったから、マスクの着用や手洗い、そして部屋の換気を同じように続けてきた。
今はまたふりだしに戻ったようなものだけど、全く同じ場所では無いし、トンネルの中での留まり方や通り抜け方も経験済みなので、ため息は出るけれども前みたいに恐ろしくはない。

日本は今、本当に大変な状況に陥っている。
9月から学校が始まるが、政府や大都市の知事たちは感染対策に対する知識も意欲も無く、対応能力にも欠けている。
今のままなら絶対に、学校のオンライン授業化のための整備を早急に進めなければ、子どもたちへの被害が増大する。
やる気が無いのなら、せめて自分は感染対策からは退いて、できる人を上に立たせ、的確な対応をテキパキと実行して欲しい。

そして、東京のみならず、自宅に留まらされ、十分な治療も受けられず、食べることも寝ることもしんどくてできないまま、どんどん息苦しくなっていき、たまらずに連絡しても救急車さえ来てくれないという、そんな地獄のような状況に苦しんでいる人たちが何万人と居るというのに、会食したりパラリンピックの準備をしたりしている政治家たちは、未必の故意による殺人者として罰して欲しい。
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もうワクチンでなんとかなると言うのは昔話になってしまったのに、パラリンピックだのワクチン促進アプリだのWeb広告だのに8億円?もういい加減にしてください!

2021年08月17日 | 日本とわたし
小野昌弘医師(イギリス在住の免疫学者)が書いてくださったワクチンとデルタ株に関する記事です。
わたしが抜粋引用した部分だけではなく、ぜひ全文を読んでください!
もう他人事ではない事態になってしまいました。
どうかできる限りの予防をしてください!
抜粋引用:
■ワクチンによるコロナの集団免疫という昔話
今年初めまでの英国型変異株(アルファ株)の流行ではワクチンは流行抑制効果があったと考えられる。
ただし、これはすでにコロナの昔話となっている。ワクチン接種による流行制御の可能性が検討できたのはアルファ株までである。
デルタ株の登場でこの望みは絶たれたといってよい。

■ワクチンだけで集団免疫はできない
デルタ株の問題は、武漢由来の従来株やアルファ株そのほかの変異株に比して、流行を広げる力が格段に高いことにある。
デルタ株は従来株より2倍多くの人に感染させる(つまり一人の感染者が平均して5-6人に感染をうつす)
これゆえに、デルタ株の流行がひろがってしまうと、人から人へ感染をくりかえすうちに、感染者がねずみ算式に積み上がる
これがデルタ株の流行を制御することの難しさである。
さらに、デルタ株は、若干ながら、コロナに対する既存の免疫をすりぬける
残念ながら、ワクチンだけでデルタ株に対する集団免疫を達成して流行を自然収束させられる見込みは、いまのところ、ない。
デルタ株の出現によりワクチン接種によるコロナ流行の自然収束は望めなくなってしまった

■ワクチンは重症化を相当抑制する(しかし完全ではない)
現在のデルタ株大流行中の英国で重症化している患者の内訳は、やはり高齢者に多い。
このことは、ワクチン接種による免疫の効果が高齢者では若干おちてしまうこと、少し早く減弱してしまうこととの関連が考えられている。

■ワクチン接種計画の目的はどこに
ワクチン接種が先行していた英国と異なって、日本はワクチン接種とデルタ株への対応を同時に行わなければならない状況にある点は要注意である。
それゆえにデルタ株の特性をふまえて、ワクチン接種の目的を明確にし直す必要があろう。

日本のワクチン接種に関する目的の欠落とはきちがえとは?
デルタ株による重症化の危険が明瞭になっている40ー50代の接種を遅らせ、重症率の低い10ー20代の若者を優先した。
日本の「職域接種」では、大企業(おそらく多くの人は自宅勤務ができる人たち)などの安定した立場にある人たちかが優先された。
健康な大学生が優先された。

諸外国の「職業別接種」とは、社会のインフラ維持のためロックダウン下でも労働する必要があり、感染の危険にさらされている人たち(公共交通機関の従業員など)に対して検討・実施されてきた。
日本では医療従事者の優先接種が行われた一方で、介護従事者の接種はいまなお遅れている
さらに、国から自治体へのワクチン配布が自治体間で不平等であった。

ワクチン接種計画の目的が何であるかが日本社会で理解を共有されないまま、泥縄式に進めてしまったのが現時点までの日本のワクチン接種であったといえよう。
総じて言えば、日本のワクチン配布は、社会における犠牲者の最小化を目指すところからは程遠くなっている。

今後デルタ株の流行が拡大するにつれて、ワクチンさえしていればおそらく助かったであろう人たちの悲劇が増えていく。
日本のワクチン接種が、高齢者、糖尿病や高血圧など、コロナに対して弱い基礎疾患をもつ人たちなど、医学的弱者から順番になされたならば、それで、健康な人たちは年代順になされていたならば、救えたはずの命があり、後遺症を持たずに済んだ人たちがいたはずである。
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マスクを拒む親御さんへ 私たち教師は、あなた方と同じチームにいることを知ってください!

2021年08月16日 | 日本とわたし
わたしの友人にも、マンハッタンの小学校で教えている人がいます。
この女性のように、マスク着用を拒む親だらけの学校で教えることを考えただけでゾッとする、と言っていました。
一体いつになったら、疫病感染防止の基礎中の基礎が理解してもらえるようになるんでしょうか。
わたしもプライベートではありますが、大勢の子どもを教えている立場の人間なので、この女性の苦悩と不安、そして憤りが手にとるようにわかります。
少し乱暴な言い方ですが、共和党寄り、あるいはトランプ前大統領を支持する知事の州に暮らす彼女のような考えの人たちは、その場から離れる以外に自分や家族を守る方法は無いのでしょうか?
どうしてここまで年月が経っても、科学的な根拠に基づいた防疫対応であるマスク着用を認められないのか、マスクをしないことで実際に感染が広がってしまっている事実に目を塞ぐのか、それが理解できません。
彼女のことを知ってもらいたいと思い、彼女の言葉を訳してみました。
拙訳ですが紹介します。

私は新学期が始まる前になると、準備の時間が十分あるか、ちゃんと授業ができるのか、生徒たちはちゃんとやっていけるだろうかなど、いつもの不安に襲われます。
けれども今年は、いつもの新学期前に感じる不安を、さらに暗い影で覆うような不安感があります。
もし私が死んだら誰が子供たちの面倒を見てくれるのか、もし私が入院したらどうやって治療費を払えばいいのか、もし私が生徒や自分の子供に新型コロナウイルスを感染させたことで彼らが死んでしまったらどうやって生きていけばいいのか、そんなことを考えるのです。
他の先生に今の気持ちを聞いてみてください。
きっと、「こんな不安は経験したことがない」とおっしゃるでしょう。
というのも今の状況は、来るとわかっていても何もできない銃乱射事件から生徒を守ろうとしているようなものだからです。
私たちは、生徒たちを銃乱射事件から守ろうとしていますが、銃乱射事件(感染爆発)が起こることがわかっているのに、そのことで犠牲になる可能性のある生徒やスタッフが殺到するのを防止するためのマスク着用について、意見が一致しないということ以外、何もできないのです。
学校開始前に行われた会議では、先生たちがいつものように計画を立てているのを聞いていますが、同時に、遺言書を作れるように手頃な弁護士を探そうという会話も聞いています。
そして、緊急時のサブプランを作り、隔離して病院に行こうという話もしています。
私が暮らす地区では、隔離が必要な場合、個人的な病欠を使わなければならず、その分の給料は支払われないことがわかりました。
いつも話題に上がるのは、これらの請求書がどうやって支払われるのかということであり、我々にはどのような法的権利があるのかということも考えています。
なぜならば我々の地域には、全面的にも横断的にも(どこもかしこもという意味か?)マスク着用の義務がないからです。
私たちは心配していますし、マスク着用の義務化が権利を侵害していると感じている保護者との戦いにもほとほと疲れています。
私たちは保護者に、私たち教師が彼らと同じチームにいることを知ってもらいたいのです。
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