わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

土を作る6 (異物を混入1)

2011-10-14 21:45:08 | 粘土について
3) 土に異物を混入する。

  粘土に他の粘土や、顔料を混ぜる話をしてきましたが、それ以外の異物を加える事もあります。

 ① 一般的には、シャモットを入れる事です。

   シャモットは焼粉と言われ、粘土を一度焼成した粉末です。それ故完全な異物とは言えませんが、

   ここでは、異物類に入れておきます。

  ) シャモットは、土の収縮率を抑える働きがあります。

    即ち、肌理の細かい土は収縮率が大きく、大きな作品では特に大きく縮みます。その為、

    作品に「ひび」や「割れ」が入り易く成ります。この様な傷を作らない様にする為に混入します。

    又、入れる事により、若干重さも軽くなります。

  ) 但し、シャモットを入れると、可塑性が無くなり、ぱさぱさした感じに成りますので、

     多くは入れられません。

 ② 砂や「はぜ石」を入れる

  ) 縄文や弥生式土器などには、大量の砂が混入されています。(20~30%も稀ではありません)

   これも上記のシャモットと同じ働きをさせる為に、混入したものです。

   当時は、窯も無く野焼きの方法で焼成された為、火力も一様ではなく、部分的に焼き過ぎや、

   焼き不足が起こる事が多く、かなりの作品が失敗であった事が、推測されます。

   手近にある砂を混入させ、焼き縮みや偏熱による失敗を防いだと考えられます。

  ) 現在でも、装飾の意味で表面に、砂を擦り(なすり)付ける事が有ります。

   但し、表面が乾燥するに従い、ポロポロと剥がれ落ちてしまいますので、何らかの処置をしなければ

   成りません。釉などを掛けて焼成すれば良いのでしょうが、砂の質感が失われます。

   当然、砂は焼成温度程度では熔けませんので、そのまま変化せずに残ります。

   但し、海砂などを使うと、塩分を含んでいる為、若干、素地が赤く色付く事もあります。

  ) 砂と同様に「はぜ石」を表面に載せて装飾する方法もあります。

   砂との違いは、「はぜ石」は本焼程度の温度で熔け、半透明になる物質ですが、粒々はハッキリ

   残ります。

   信楽産の粘土で、古信楽(石はぜ土)と言う白い粘土があります。この中に含まれている

   白っぽい粒子は長石です。

   (胎土の中にあった小石が、焼成中にはじけ表面に露出した状態を「石はぜ」と言います。)

   (尚、古信楽には、「ハゼ石」の粒子の細かさによって、微、細、粗目があります。)

   粗目の土は、力強く荒々しく野生的な作品に仕上がります。

   「はぜ石」のみも販売されていますので、好みの荒さの「はぜ石」が購入されます。

    一般には、粘土の中全体に混ぜるのですが、装飾として、表面のみに埋め込む方法もあります。

 ③ 燃える物質を土に練りこみ、表面に塗る

以下次回に続きます。
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