4) 三要素の原料
② アルカリ土類(金属)の種類と効果
) ホウ素(三酸化ホウ素、B2O3): ホウ素もアルカリ元素ではありませんが、同様な働きを
します。 他のアルカリ元素類が、酸素が1個なのに対して、3個入っています。
ホウ酸を含む物質には、酸化ホウ酸やホウ砂(熔融ホウ砂)、メタホウ酸ナトリウム、コレモナイト、
ホウ酸カルシウム、ホウ酸亜鉛などがあります。
ほとんどの物質は、水溶性の為、「ホウ酸系フリット」にして使います。
(コレモナイトは、わずかに水に溶けますが、ほとんど不溶性とみて差し支えありませんので、
生の状態で、使用できます。)
a) 低火度では、粘性のある安定したガラスを作ります。
b) 高火度では、釉の熔ける温度を下げますが、粘性も下げる働きをします。
c) 他の元素の結晶化を防ぎ、釉の透明度を増し、光沢を与えます。
d) 釉の表面張力を弱めます。更に、機械的強度を増します。
e) ホウ素は、問題がある釉の改善に役立てる事も多いです。
③ 二酸化物(酸性元素): 酸素を2個持っている物質
) 二酸化珪酸(シリカ、SiO2)
二酸化珪酸は以下の物質に含まれています。
・ 珪石 : 一般的に使われる原料です。純度99%の物もあります。
・ 珪藻土(けいそうど): 水生植物の化石が軟らかい岩石に成った、白色又は灰色の粉末状の
物で、非水溶性ですが、大量の水を吸収します。 シリカの含有量はさほど多くはありません。
・ 長石 : 二酸化珪酸以外に、アルカリ成分等を含んでいます。
カリ長石(正長石、福島長石など)、ソーダ長石(釜戸長石、対州長石など)があります。
・ カオリン、粘土類 : カオリンの主成分は、カオリナイトで、アルミナ、珪酸(約46%)と
結晶水(約14%)から出来ています。釉の調合には、結晶水を除いて計算します。
カオリンは、可塑性がある為、釉が素地に付着するのを助けます。又釉の沈殿を有る程度
押さえてくれます。粘土類もカオリン同様に使いますが、他の金属類を含んでいますので、
色が付かない様に注意が必要です。
・ タルク : 二酸化珪素の他に、酸化マグネシウムが入っています。
二酸化珪素の性質は以下の通りです。
a) ガラスの本体(ボディー)を作る材料です。
b) 釉の熔ける温度を上げる。(媒熔剤が多量にあれば、温度は下がります。)
又、熔ける温度範囲を広げます。
c) 機械的、化学的強度を強くします。
d) 膨張係数(率)を小さくしますので、貫入の発生を抑えます。
) 三酸化ホウ素 : 本日のブログの頭書にも記述しましたが、ここでは、ガラスの生成に関与
しますので、お話します。 この物質は使う量や他の元素との組み合わせで、ガラスの生成に
寄与したり、逆に壊す(媒熔剤として)働きがあります。
二酸化珪素と組み合わせ、「フリット」したホウ酸を添加すると、かなり低温から安定した
ガラスを作ると言われています。
以下次回に続きます。
参考資料 : 「焼き物実践ガイド」 (誠文堂新光社 樋口わかな著)
② アルカリ土類(金属)の種類と効果
) ホウ素(三酸化ホウ素、B2O3): ホウ素もアルカリ元素ではありませんが、同様な働きを
します。 他のアルカリ元素類が、酸素が1個なのに対して、3個入っています。
ホウ酸を含む物質には、酸化ホウ酸やホウ砂(熔融ホウ砂)、メタホウ酸ナトリウム、コレモナイト、
ホウ酸カルシウム、ホウ酸亜鉛などがあります。
ほとんどの物質は、水溶性の為、「ホウ酸系フリット」にして使います。
(コレモナイトは、わずかに水に溶けますが、ほとんど不溶性とみて差し支えありませんので、
生の状態で、使用できます。)
a) 低火度では、粘性のある安定したガラスを作ります。
b) 高火度では、釉の熔ける温度を下げますが、粘性も下げる働きをします。
c) 他の元素の結晶化を防ぎ、釉の透明度を増し、光沢を与えます。
d) 釉の表面張力を弱めます。更に、機械的強度を増します。
e) ホウ素は、問題がある釉の改善に役立てる事も多いです。
③ 二酸化物(酸性元素): 酸素を2個持っている物質
) 二酸化珪酸(シリカ、SiO2)
二酸化珪酸は以下の物質に含まれています。
・ 珪石 : 一般的に使われる原料です。純度99%の物もあります。
・ 珪藻土(けいそうど): 水生植物の化石が軟らかい岩石に成った、白色又は灰色の粉末状の
物で、非水溶性ですが、大量の水を吸収します。 シリカの含有量はさほど多くはありません。
・ 長石 : 二酸化珪酸以外に、アルカリ成分等を含んでいます。
カリ長石(正長石、福島長石など)、ソーダ長石(釜戸長石、対州長石など)があります。
・ カオリン、粘土類 : カオリンの主成分は、カオリナイトで、アルミナ、珪酸(約46%)と
結晶水(約14%)から出来ています。釉の調合には、結晶水を除いて計算します。
カオリンは、可塑性がある為、釉が素地に付着するのを助けます。又釉の沈殿を有る程度
押さえてくれます。粘土類もカオリン同様に使いますが、他の金属類を含んでいますので、
色が付かない様に注意が必要です。
・ タルク : 二酸化珪素の他に、酸化マグネシウムが入っています。
二酸化珪素の性質は以下の通りです。
a) ガラスの本体(ボディー)を作る材料です。
b) 釉の熔ける温度を上げる。(媒熔剤が多量にあれば、温度は下がります。)
又、熔ける温度範囲を広げます。
c) 機械的、化学的強度を強くします。
d) 膨張係数(率)を小さくしますので、貫入の発生を抑えます。
) 三酸化ホウ素 : 本日のブログの頭書にも記述しましたが、ここでは、ガラスの生成に関与
しますので、お話します。 この物質は使う量や他の元素との組み合わせで、ガラスの生成に
寄与したり、逆に壊す(媒熔剤として)働きがあります。
二酸化珪素と組み合わせ、「フリット」したホウ酸を添加すると、かなり低温から安定した
ガラスを作ると言われています。
以下次回に続きます。
参考資料 : 「焼き物実践ガイド」 (誠文堂新光社 樋口わかな著)