わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

土を作る8 (廃物利用)

2011-10-16 22:02:42 | 粘土について
4) 廃物の土の利用。

 ① 轆轤作業では、削りの工程がありますので、必ず削りカスが出ます。

  これもれっきとした粘土ですので、再生して使う事が出来ます。

  但し、常に一種類の土を使っていれば、問題ありませんが、数種類の土を使用すると、どうしても

  混じり合ってしまいます。(勿論、削りカスを別々な容器に入れる様にすれば、問題は起こらない

  のですが・・)赤土や、顔料を入れた色の付いた土も、混入してしまいます。

  白っぽい作品には、仕上げられませんし、下絵付けをする作品や、透明釉を掛ける作品等には、

  向きません、しかし、他の釉を掛ける場合には、ほとんど問題ありません。

 ② 陶芸では、粘土類や釉の付いた手や轆轤、用具類を掃除して洗う必要があります。

  ) 釉の原料には、多くの金属物質等が含まれており、金属類の中には、有害な物も有りますので、

    直接下水道に流す訳にはいきません。少しずつ粘土類が流れ出しても、下水を詰まらせる恐れも

    あります。その為、途中に沈殿槽を設け下水(廃液)を貯めて、重い金属や粘土類を沈殿させ、

    上澄み液を下水に流す様にします。

 ③ この沈殿槽は定期的に掃除をする必要があります。ここから取り出したヘドロ状の物質は、

   なんらかの処理をする必要があります。

  ) 乾燥後燃えないゴミとして出す事もできます。

  ) 乾燥後、不要な容器入れ、本焼きの際に窯で焼き固めてから、燃えないゴミとして出す。

  ) ヘドロ状の物を、バケツに取り3~6ヶ月放置して置く。

     ヘドロの成分は、主に粘土類で、少量の釉が混ざり、その他、石鹸等の有機物質が含まれて

     います。数ヶ月放置して置くと、有機物は分解し、臭いもほとんど無くなります。

  ) 普通の粘土の様に使う。

     十分乾燥させたヘドロ状の中に入っている、異物を、土を砕きながら、取り除きます。

     髪の毛や小石の他、使用して流してしまった、皮や小物の用具が入っている事も多いです。

     これらを取り除いた後、水を少量加えて練ります。

     場合によってはこの状態で、寝かせれば更に、使い易くなります。

  ) 釉の混ざった土は使えるのか? ご心配無用で十分使えます。

     私の知人は、わざと粘土に釉を混ぜて、作品を作っている方もいます。

     粘土の中にガラス質のものが出来、強度が増すとも言われていますが、真偽のほどは不明です。

   ・ 粘土も釉も基本的には、ほとんど同じ成分です。釉は熔け易い様に、アルカリ成分が入って

     いて、熔ける温度が、粘土より100~150℃程度低くなる様にしてあるだけです。

   ・ この土には不純物などが多く、土の表面に斑点などが出る場合がありますが、割合趣ある質感に

     成る事もあります。(当教室にも、この土で作って見たいという人もいます。)

     但し、毎回同じに成る訳ではありませんが、釉も普通に掛ける事が出来ます。

   ゴミとして廃棄処分するよりも、活用する事を勧めます。

以上にて、「土を作る」の話を終わります。

次回は違ったテーマでお話します。

  
コメント
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