今までも何度か透明釉や不透明釉について、述べて来ましたが、見方を変えてお話したいと思います。
(但し、以前お話した事と、重複する記述まありますが、ご了承下さい。)
尚、不透明釉(失透釉)とは、具体的には一般に、マット釉、艶消し釉、乳濁釉、結晶釉の事です。
1) 透明釉について
透明とは、下絵付けした場合、釉で邪魔されず、そのまま描いた状態が、表面から見える事です。
どの様な状態の時に、透明に成るかは、以下に述べます。
① 表面(釉面)が平滑で、反射光が規則的で、乱反射がない状態に成っている必要があります。
② 釉に光沢がある事です。①のままでは、透明とは限りません。
③ 釉の中に、光を乱反射する物質が、存在しない事です。(反射光が規則正しく屈折する事です。)
実際には、ガラス(釉)の中に、気泡が完全に無いと言う事は稀で、必ず幾分かの気泡を含みますので
厳密には、この気泡も光を乱反射を起こしますが、見た目の透明度に多きな影響を与えません。
④ 釉を透明にする為には、以下の事に注意します。例え、透明釉として、調合したり市販されたり
していても、その使用の仕方や、窯焚きの状況によっては、透明度が下がる事があります。
) 釉の厚みに注意: 釉を厚く掛けると、熔けたガラズ質が厚くなり、釉中のガス(気泡)が
抜け難く成ります。その結果、透明度が下がる場合も多いです。(白く濁り易い)その為、
透明釉は若干薄めに掛けます。
) 釉の原料はなるべく細かくする: 熔け易くする事と、他の原料と良く反応する為にも、
原料を細かくする事です。施釉する際にも沈殿物を良く掻き回し、「だま」が出来ない様に
してから、施釉する事です。
) 透明釉は粘度を小さくする: 釉中の気泡が抜け易い様にする事や、他の元素の結晶を
防ぐ為には、粘性を少なくする事ですが、極端に粘性を少なくすると、釉が流れ落ちますので
注意が必要です。粘性が少ないと、結晶化を促す働きも出てきますので、注意が必要です。
) ねらし時間を長くする: 焼成の最後の段階の「ねらし」(一定温度で、一定時間焼成する事)
の時間をやや長くし、気泡の抜けた後の「あばた状」の表面を平滑にします。
但し、「ねらし」時間が長過ぎると、釉の分解が進み過ぎて、大量のガスを発生させる場合も
有りますので、注意が必要です。
) 急速に窯を冷却する事: ゆっくり冷却すると、結晶化が進み易いです。出来れば8~700℃程度
まで早めに冷却すれば、透明度の高い作品に成ります。
・ 急速な冷却は、窯の大きさ(容量)や、窯の壁の厚さ等によって左右されます。
一般には、色々な窯を用意する事は困難ですし、同時に他の釉の作品を焼く事も多い
はずです。その場合、窯詰めの仕方で調整するのが一般的です。即ち、窯は下部の方から
冷えてきます。 暖かい空気は上に昇り、やや冷えた空気が下に溜まる為です。
それ故、早く冷却したい釉は窯の下部に置き、結晶釉の様な釉の掛かった作品は上部に窯詰め
します。透明釉以外に、冷却が早い方が綺麗に仕上がる釉には、黒天目や織部釉等が
あります。この様な、作品をまとめて、窯の下部に窯詰めすれば、現在使用している窯でも、
十分対応が出来ます。
2) 不透明釉(失透釉)について
以下次回に続きます。
(但し、以前お話した事と、重複する記述まありますが、ご了承下さい。)
尚、不透明釉(失透釉)とは、具体的には一般に、マット釉、艶消し釉、乳濁釉、結晶釉の事です。
1) 透明釉について
透明とは、下絵付けした場合、釉で邪魔されず、そのまま描いた状態が、表面から見える事です。
どの様な状態の時に、透明に成るかは、以下に述べます。
① 表面(釉面)が平滑で、反射光が規則的で、乱反射がない状態に成っている必要があります。
② 釉に光沢がある事です。①のままでは、透明とは限りません。
③ 釉の中に、光を乱反射する物質が、存在しない事です。(反射光が規則正しく屈折する事です。)
実際には、ガラス(釉)の中に、気泡が完全に無いと言う事は稀で、必ず幾分かの気泡を含みますので
厳密には、この気泡も光を乱反射を起こしますが、見た目の透明度に多きな影響を与えません。
④ 釉を透明にする為には、以下の事に注意します。例え、透明釉として、調合したり市販されたり
していても、その使用の仕方や、窯焚きの状況によっては、透明度が下がる事があります。
) 釉の厚みに注意: 釉を厚く掛けると、熔けたガラズ質が厚くなり、釉中のガス(気泡)が
抜け難く成ります。その結果、透明度が下がる場合も多いです。(白く濁り易い)その為、
透明釉は若干薄めに掛けます。
) 釉の原料はなるべく細かくする: 熔け易くする事と、他の原料と良く反応する為にも、
原料を細かくする事です。施釉する際にも沈殿物を良く掻き回し、「だま」が出来ない様に
してから、施釉する事です。
) 透明釉は粘度を小さくする: 釉中の気泡が抜け易い様にする事や、他の元素の結晶を
防ぐ為には、粘性を少なくする事ですが、極端に粘性を少なくすると、釉が流れ落ちますので
注意が必要です。粘性が少ないと、結晶化を促す働きも出てきますので、注意が必要です。
) ねらし時間を長くする: 焼成の最後の段階の「ねらし」(一定温度で、一定時間焼成する事)
の時間をやや長くし、気泡の抜けた後の「あばた状」の表面を平滑にします。
但し、「ねらし」時間が長過ぎると、釉の分解が進み過ぎて、大量のガスを発生させる場合も
有りますので、注意が必要です。
) 急速に窯を冷却する事: ゆっくり冷却すると、結晶化が進み易いです。出来れば8~700℃程度
まで早めに冷却すれば、透明度の高い作品に成ります。
・ 急速な冷却は、窯の大きさ(容量)や、窯の壁の厚さ等によって左右されます。
一般には、色々な窯を用意する事は困難ですし、同時に他の釉の作品を焼く事も多い
はずです。その場合、窯詰めの仕方で調整するのが一般的です。即ち、窯は下部の方から
冷えてきます。 暖かい空気は上に昇り、やや冷えた空気が下に溜まる為です。
それ故、早く冷却したい釉は窯の下部に置き、結晶釉の様な釉の掛かった作品は上部に窯詰め
します。透明釉以外に、冷却が早い方が綺麗に仕上がる釉には、黒天目や織部釉等が
あります。この様な、作品をまとめて、窯の下部に窯詰めすれば、現在使用している窯でも、
十分対応が出来ます。
2) 不透明釉(失透釉)について
以下次回に続きます。