おかげさまで生きてます

日々の暮らしのなかで

ガサ入れ

2005年11月29日 | 日記・エッセイ・コラム
ある日、二人の男が尋ねて来た。
その二人は刑事だった。突然ガサ入れが始まった。

彼は自動車屋を営んでいる。レース仕様に改造してくれる
自動車屋さんと言えばいいのだろうか。

「○○さんはいらっしゃいますか?」
目つきが鋭く、ガタイもいい“いかにも”な二人だった。

「はい!私が○○です」

この自動車屋の他にも幅広く事業を展開する青年実業家らしく
彼は笑顔で対応した。

突然やって来た男達は、彼の目の前に警察手帳を差し出す。
多分、ドラマのように“こういう者です”って出したんだろう。

「改造をしてますね?」

状況理解には少し時間がかかったが、目の前にいる男達が
刑事なら素直に対応するほうがいいだろう。
刑事の問いかけに、頭の回転の早い彼は素直に

「はい、してます」と答える。

「鉄砲はここにありますか?」
「鉄砲??」

ちょっと不思議に思ったが、ちょうど鳩の撃退用にあった鉄砲を差し出す。
鉄砲を見ながら刑事たちは続けて質問をしてくる。

「主にどんな改造をしてるんだ!」

「はい、主に足回りですね」ここでも彼は素直に答えた。

「足回り? 私たちは改造銃の捜査に来ているんだよ」
「改造銃?そんなもの作ってませんよ!」

容疑を否定する彼を威圧するかのように懐から紙を取り出す。
(多分こんな感じだろう。テレビの見過ぎかな^^;)
目の前に広げられたのは捜査礼状だった。

捜査礼状には“銃刀法違反”の他にもいつくかの容疑が
書かれている。

どうも、彼の店で取り扱っている部品の中で
改造銃製作に流用出来る物があったのかも知れない。

鋭い視線を浴びせたままの刑事たちが、

「家宅捜査にご協力していただけますか?」

彼にしても身に覚えの無い事で、
やましい事はないことだし、刑事たちの要請に応じた。

了承を得た事を確認すると、目配せをする。
すると、店の外で待機していたのか、
屈強な男達4人が店のなかに入ってきた。

びっくりしたが、彼等の言う通りにするしかなかった。

つづく…


コメント
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