おかげさまで生きてます

日々の暮らしのなかで

繁華街

2006年09月13日 | 日記・エッセイ・コラム
集合時間は午後2時。念願の小旅行に旅立つ時がやってきた。

「もう、みんな集まってますけど、どうですか?」

真の幹事であるTから電話がかかる。時計に目をやると2時だった。

(どんだけ楽しみにしてんねん!)

普段、飲み会でも時間通りに来るヤツはいない。
それが“旅行”となると、これだ。

待ち合わせ場所に着くと、すでに車に乗り込み臨戦態勢。
久し振りに出会うデンちゃんなんか、一点集中で精神統一をはかっている。

(どんだけ楽しみにしてんねん!)

運転手のマンタローさん(ブログ初登場)も、気合入ってます!
飛ばしに飛ばした車は、予定よりも早くホテルに到着。
早く着いた事と、今回の最大の目的である

“おとなの楽しみ”

の為に、宴会時間を早めて食べ放題の夕食が始まった。

「おかわり!」

担当のおネエちゃんをからかいながら、宴会が始まった。
まずは、サラダ盛りを平らげ、おもむろに“主役”の肉へと取りかかる。
焼いては食い、食っては焼く。
まさに“戦場”のごとく、しばらく会話は無かった。

(フードファイターかぁっ!)

一通り食べ終ると、ビールやワインで語らいの時間が始まった。
その間も、真の幹事であるTはポケットから取り出した雑誌の切れ端を
頻繁に確認している。
二次会(?)のセクキャバの場所を念入りに記憶しているようだ。

肉を食らい酒をあおり、野獣の目へと変わって行くのを感じる。

マンタローさんは、頻りに股間を弄っている。

今回のメインイベント会場へと電車で移動。
デンちゃんの“ウンチク”は誰も聞いていなかった。

二次会会場は遂に発見出来ずに、それぞれ単独行動を取る事にした。
六人がそれぞれ任務遂行の為、繁華街の人波に自分の姿を紛れこます。
集合場所を決め、それぞれの腕時計の時間をあわせる。


「幸運を祈る!」


アイコンタクトで交す会話は、長年の戦友だからこそ共有できる感情だ。
そして遂に念願の時間を向かえ、テンションは最高潮!

作戦開始!

足音をたてる事もなく、振り向きもせず、
それぞれが目的地へと一直線に歩を進める。

(どんだけ楽しみにしててん!)

2時間経過した時、次々と“作戦完了”の報告が入ってくる。


「リョウカイ! シュウゴウバショデマテ!」


会話を傍受されないために、また、暗号を解読されないようにと
簡潔な会話を続け、集合場所を目指す。通信班も大変だ。

再び集まった僕達は、野獣の目から、善良な小市民の目へと変わっていた。
みんな笑顔だ。平和な顔だった。

「ほな、ラーメン食いに行こかぁ!」

マンタローさんが恒例の“反省会”の開催を提案した。

(まだ食うんかい!)

と思ったが、乙女の“ベツバラ”のように、この際のラーメンは
食事と言う感覚ではないので、なんとなく食べられるのだ。

ラーメン屋を探し彷徨っていると、
目の前からヤマンバメイクの女の子が歩いてくるのが視界の端に映る。

「わぁ~、初めて見たぁー! チョー感激!」

テレビで見るメイクと比べると、少し“おとなしい”印象だったが、
実物を見られた事に感激した。

ラーメンを食いながら、次の日の作戦が発表される。
店内で僕達の笑い声は、ひときわ響いていた。


つづく





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