おかげさまで生きてます

日々の暮らしのなかで

判断

2006年09月25日 | 日記・エッセイ・コラム
男として真価が問われるのは、“いざ”と言う時の判断かも知れない。

秋祭りの打ち合わせと称して、飲む事になった。
そして、予定通り二次会へと出発した。

(あぁ~、キモチ悪ウゥゥゥゥゥゥゥ)

滅きり弱くなった僕は、少し夜風に当たる為、店の外へと出る。

(あれ? デンキ着いてるやん!)

一切アルコールを口にする事なく、快く運転手役を引き受けてくれた
Tの車のルームランプが着いている。

(鍵、開いてるんか?)

酔った足をふらつかせながら、ドアへと手を掛けた瞬間、

 
 
 
“バキッ”

 
 
 
(えっ?)

 
 
把手が取れた。

 
 
 
(えぇー! うそぉん!)
 
 
 
遂にこの日がやって来たのだ。

僕は覚醒した。
車のドアを破壊できるハンドパワー!
本来の姿を表した僕は、このスーパーパワーを正義の為に
使わなくてはいけない。

コレからは地球を守る為に、このパワーを生かして・・・・・
 
 
 
事態が飲み込めない。
現実逃避。
とっさに妄想の世界へと飛び出した。

が、僕の手には壊れた把手がある。

(なんで? 嘘やろぉ!)

慌ててはめ込んでみるが、壊れた把手は元には戻らない。


(うっ、アカン!)


気の動転が吐き気を呼び起こした。

(どうしよう?)


少し考えた後、そのまま店の中に引き返した。
何事も無かったように。

閉店時間となり、僕達は店を出た。
駐車場には壊れた車がある。

(どうしよう!)

Tが声を上げる。

「あっ、壊れてる!」

仲間が集まる。

「壊されてるやん! 警察や! 警察を呼べ!」

ちょっと言い出しにくい雰囲気になってきた。

(やばいなぁ)


Tは冷静に車内をチェック。捕られたモノが無いか確認。


「こんな壊し方、初めて見たわぁ!」
 
「ここ、ちょっと凹んでないか?」
 
「乱暴にやったんやろ! ほら、ここ。キズもあるやん!」

 
(えぇっ! そんなん知らんでぇ!!)

増々言い出しにくくなって来た。

(どうしよう・・・・)


酔っていたとは言え、ここでの僕の“判断”は最低だった。

 

 






コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする