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これ、なんぼ?

2007年09月08日 | 日記・エッセイ・コラム
懐かしいモノを見つけた。
 
文房具屋。
小学校の校門の前にある。僕が通った小学校だ。
一度廃業されたが、最近、また復活されたらしい。
 
小学校の時、コンパスとか彫刻刀とか
持っていなかければならないモノがあると、
お金だけを貰ってきた同級生が、
朝礼が始まるまでの時間中に走って買いに行く。
僕はそれがたまらなく羨ましかった。
 
自分でお気に入りのモノが買えるってのも
羨ましかったんだろう。
僕はと言えば、親が買ってきてくれるか、
叔母のお古を持っていったりしていた。
 
今から思えば、必要のない行動だろうけど、
あの頃は無性に、あの文房具屋で買物がしたかった。
 
文房具の他にも、お菓子やアイス、
軟式のテニスボールなんかも売っていた。
半透明のテニスボールを自転車のスポークに
挟んで走るのがお洒落だったりもした。
 
なんとか買物をするために、せっせとお金をためたり、
朝まで親に言わずに、 
 
「ほな、学校行ってから自分で買うわぁ!」
 
と、小遣いを貰って、意気揚々と向かったモノだ。
 
だが、小学低学年。
自分で買物をするって事が随分大人な行為に思ったし、
何か恥ずかしさを感じながら買物をした。
 
しかし、手に握りしめた金額はしれている。
棚の上にある、一式揃った彫刻刀はまず買えない。
絵の具にしたって、別売をひとつずつ買わないと行けない。
30色揃った箱入りなんて無理。
 
欲しいなぁ~と思うモノを手に取っては、
 
 
「おばちゃん、これ、なんぼ?」
 
 
と確認をする。
おばちゃんはその度に嫌そうな顔をして
渋々値段を教えてくれる。
 
そりゃ、そうだろうね。
買うか買わないのかわからないヤツが、
必死に金額にあいそうなモノを探してるんだから。
 
でも、あの時は苦にも思わなかったし、
それが何より楽しかった。 
 
いい、時代だった。