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日々の暮らしのなかで

塩味の卵焼き

2011年04月25日 | 食・レシピ
幼い時、料理とは一つの冒険だった
 
弟との兄弟喧嘩
頭脳戦と言うよりは、血沸き肉踊る肉弾戦が多かったが、
その決着は、今から思えば幼稚ではあるが、
当時のそれは
 
“針千本”
 
級の難題だったからこそ、決意の表れとして、
お互いに確認しあった
 
発端が何かなんて、それは意味の無いこと
もっと言えば、発端が無いからこそ、
兄弟喧嘩は出来ると言える
お互いの意見をぶつけ合い、拳を交え、
罵倒合戦
そして、最後に男の器量を測るために
禁断の台詞を投げかける
 
「嘘ついたら、どうする!」
 
男に二言はない
きっぱりと言い返す
 
「嘘ついたら、ラーメンを作ってやる!」
 
インスタント麺のことだ
当時はまだカップ麺は珍しく、いや
ギリ、無かったかも知れない
袋を開けてつくるインスタント麺を好んで食していたが、
その作り方は神秘に包まれていた
 
初めて卵焼きを作った日も凄かった
 
今年の正月、弟の嫁に壮絶なスキヤキを食らわした僕たちだが、
今から遡ること30年ほど前にも
同じようなモノを創造したことがあった
それが、塩まみれの卵焼きだった
 
我が家の味付けは塩
時折、醤油も混ぜるが、砂糖を入れることはない
塩味の卵焼きを弟と二人で調理を始めたが、
塩加減が分からないから、
赴くままに投入していると、出来上がった卵焼きは
食えないレベルにまで、塩の塊となっていた
 
あれから30年
 
インスタント麺は、もうかれこれ5年ほど食ってないが、
作れないことはない
玉子焼きは、ダシ巻きとして、
見事に作れるようになった
 
今日のおかずは、ササミとニラを炒めた
妙に旨いと、一人感心した
 
褒めてくれる人がいないのは寂しく感じるものだが、
箸を進めるにつれ、
当時の決意が幼稚ではあるけれど、
プライドを持った言葉であったと、
あらためて感じた