昨日、東北全体が梅雨入りし、北海道と梅雨の明けた沖縄を除くと、全国的に梅雨に入った。北海道は昔から、梅雨というものがない。近年の気象の変動で、これまでの常識が崩れてしまっているから、北海道が雨がちになるとここも梅雨入りと言っても一向にかまわないのではないか。『季節の事典』という本に梅雨の解説がある。それによると、
もっともらしい説としては、ウメの実がちょうど実るころに降る雨であるからといい、また梅雨は黴雨、すなわちかびの雨であってこの季節には雨が多く、かびが生えやすいからであるともいう。また梅雨とかいてつゆというのは、木の葉などにおりる露のことであるといい、またつゆはつひゆから変化したのもで、この季節はかびが生えたりしていろいろのものがそこなわれるからである。など、など実しやかな言説が紹介されている。
梅雨に堪ふこころ幼く身は老いて 相馬遷子
次々に花の季節が終わっていく。キンシバイがわずかに咲き残り、ビヨウ柳も一輪だけ残っていた。遠くから見ればどちらも同じような花に見えるが、蕊の長さがその区別になっている。どちらもオトギリソウ科の植物だから、似ていて当たり前だ。西洋オトギリソウの名がついている。キンシバイは中国産で金糸桃が正統な名であるらしい。