常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

さつきやみ

2024年06月28日 | 日記
最近、夕焼けがきれいに見える。梅雨入りしたのに、この地方は晴れた日が多く、そのためにきれいな夕焼けになる。太陽が燃える夏の空が、夕方になると、まさに絢爛たる光が日没ころの空を染める。この季節は、本来なら雲が多く、一段と暗い夜がさつきやみだ。曽我の敵討ちで、工藤佑経の陣屋に兄弟が忍び込むのは、旧暦の5月28日であった。これは月の出も遅い、暗い夜を狙ったものであろう。最近の夕焼けを見ていると、このさつきやみという言葉も忘れられたような、空の演出が行われている。

ベランダのトマトの成長が早い。花が咲く順番に花の数だけ実が生る。花はひと房に5、6個花をつけるから実も同じ数生る。同じ房でも、茎の付け根の方から順序よく咲く。早い花がいち早く実がなり、房のなかでも大きさに異動がある。木全体からすれば、根の近くに一番花が咲き、花は木の伸びに従って上へ、上へと咲いていく。青い実が目いっぱいに大きくなると、成長した順番で赤く熟していいく。この成長の様子を見ただけで、トマトの熟度が一つとして同じものはない。房全体が完熟するには、最後に咲いた花に合わせて待つ必要がある。トマトは南米のペルーが原産地である。ナス科の植物で、ナスの親戚である。江戸時代には、日本に渡来しているが、現在のように食べるようになったのは、昭和の初めで、自分が生まれた少し前ということだ。

ペルーだから熱帯だから、暑さに強いと思われがちだが、標高が高く朝夕はぐんと気温が下がる。自分の生まれた北海道でも、どこの家でも栽培していた。その当時でも、木で完熟したトマトは美味で、独特の香りがあった。今もトマトの水やりで、昔のトマトの香りを思い出す。

青臭きトマト食うべて刀自の健 久米三汀
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