昨日、敬老の日。厚い雲が出ていつ雨になってもおかしくない天気であった。
敬老のお祝いにカステラをいただく。敬老会もあって席が用意されるが、こちらは出席しなくなって5年にもなる。一夜明けると雲ひとつない好天。十五の月が見られるか。夕刻になって空は雲が出てきた。山の端に少し青空が見えているので一瞬見られるかも知れない。ススキが出て、スーパーには早生のリンゴが並んでいる。ススキやリンゴを供えて月見をする習慣もなくなってしまった。
十五夜の手足ただしく眠らんと 西東三鬼
十五夜は芋正月ともいう。その日初めて収穫した芋や栗を供えて月に感謝の意を表した。旧暦の1月15日は小正月、この日も満月である。米を作るはるか前、人々は名月で一年が始まって、芋正月にその年の食糧を収穫して蓄える。そんな古い習慣こそお月見だ。
柳田国男の『遠野物語』に小正月の話が出てくる。
「小正月の夜、又は小正月ならずとも冬の満月の夜は、雪女が出でて遊ぶとも云ふ。童子をあまた引連れて来ると云へり。里の子ごもも冬は近辺の丘に行き、橇遊びをして面白さのあまり夜になることあり。十五日の夜に限り、雪女が出るから早く帰れと戒めらるゝは常のことなり。」こんな話のほか、月見占いの話がある。胡桃を12等分に割って炉の火にくべて一時に引き上げ、その焼け具合で満月の夜の月が晴れか曇りか、風かなどを知る行事もあった。今夜の月の出の時刻は午後5時23分、山の端の隙間は雲でふさがり月を見ることはできない。
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