秋の楽しみに新そばがある。おりしも天童高原の交流センターで新そばまつりが開催されている。高原で栽培されたそばを収穫して手打ちしたかおり豊かな新そばが賞味できる。山の仲間に誘われてはるばる天童高原まで行ったきた。急に寒気が来て上の面白山は樹々に雪が積もっていた。新そばと言えば思い出すのは大久保のあらきそばである。
栗の屋に新そばとあり紙白し 清水公照
奈良東大寺別当の高僧もあらきそばの栗の柱の傍らで新そばを味わった。奈良といえば蕎麦はあまり食べず饂飩が主流だ。あらきそばの太うちは、うどんに匹敵する太さだ。新そばと紙に書いただけで、その年に初獲りの甘い蕎麦が口中に広がる。天童高原の新そばは、細切り麺。年に数回の催なので、そば切りも職人さんではないかも知れない。細麺だが香りは高く、蕎麦に甘みがある。あらきそばの向こうを張る新そばであった。食べた後、スキー場の上の山道に行った紅葉を見た。板そばの写真も添える予定でああったが、つい食べるのに夢中になって忘れてしまう。山の紅葉をしっかりとカメラに収めて帰路に就く