最近の山登りは花の一番いい季節に歩きやすい山へ、というスタイルに変わってきている。昨日、行った福島の半田山は、自分にとっては最良の選択であったかも知れない。シラネアオイの花期は5月からとなっているが、花の最も美しい時期にぶつかった。連休の始まりではあったが、山中がさほど混んでいるwけでもない。薄曇り、写真の写りも好条件だ。山道に入って間もなく、管理されたシラネアオイの群落に会う。半田山は伊達郡桑町にある863m里山だ。
みちのくの伊達の郡の春田かな 富安風生
シラネアオイは深い山の樹林帯の林床に咲く。奥日光の白根山で命名された。淡紫色の大柄の花はフヨウの花を連想させる。アオイの名がついているがキンポウゲ科でアオイの種ではない。雌蕊を包む花弁ののような4枚は、萼片が変形したおのだ。本棚にある図鑑を見ると、平成6年に5月に杢蔵山、雁戸山。同じ年の6月に船形山でこの花を見たメモがある。もう30年も前から、この花に親しんできた。同じ頃に登った白馬岳の樹林帯のシラネアオイは、ムラサキが濃く、周りの緑の草木のなかで、鮮やかに際立って見えた。自分にとってこれらの山のシラネアオイは、遠い記憶のなかに眠り込んでいる。
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