常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

笑わない男

2020年01月24日 | 日記

昨年のラクビーワールドカップで、日本代表の活躍で、すっかりラクビーが一番の人気スポーツなってしまった。先日から始まった、国内のリーグ戦の観客の入場が大変なことになっている。女子サッカーが一時ブームを起こしたが、それを上回る人気である。そんななかで、プロップの稲垣選手が笑わない男として話題を集めている。テレビでは稲垣選手が笑っているえシーンを撮ろうとあの手、この手を考えているらしい。今では、テレビの芸人が全盛で、どのチャンネルも笑いをとることが当たり前のことになっているが、日本人はかっては笑いはセンスのいいものとは認められない文化が続いていた。

仲間うちの酒の席では大いに盛り上がるが、一たん大きな会場で講演などがあると途端に笑いが消えてしまう。武士の時代には、「侍は一生のうちに笑うのは2回ぐらい」と言われるほど笑いとは縁が遠かった。特に剣道や柔道、などの試合で笑うことなどもってのほかである。マッチョなラクビーの選手が笑わないのは、こうした日本の伝統を受け継いでいるのかも知れない。大いにバカバカしいネタで笑いを取っていたコメディアンが、年季が入ってくると、シリアスな映画やドラマに出てこんな芝居ができることを自慢にしたり、それを認めるということが行われてきた。

日本文学を研究していたキーン氏が言っていたが、三島由紀夫は、話していると冗談も言うし、面白い話をして人を笑わせるの大好きだったが、一たんペンをとりと滑稽な場面は全くないという。自然主義とか私小説では、主人公はいつも悩んでいて楽しいことは少しもない。西洋の文学には滑稽を大切にしている。これは日本の文学と西洋の文学の違いの大きな特徴だと語っていた。



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