昨日、ある人に聞いた。毎年、千両を買って玄関に飾って新年を迎えるのだが、その千両が大きく値上がりしたそうだ。同じ赤い実なら、ナンテンをスマホに収めてブログにアップする。年の瀬の風習ではある。一階の掲示板で、貼った紙を紙にメモしている知人がいた。聞けば、地域の公民館で行われるスマホ講座に参加したくて日程をメモしているという。考えてみると、それこそ持参したスマホで撮影すれば、メモは一瞬でできるはずだ。スマホの面倒なラインの登録の仕方を聞くよりも、スマホの便利な使い方を少しずつ身につけていくのが早道に思える。
スーパーに入ると、正月用品を買うためか、レジに行列ができ、店員がせわしなく商品の陳列に動き回っている。年の瀬はなぜか、街場に活気をもたらす。田山花袋は『田舎教師』で明治の町の様子を書き残している。
「町は賑やかであった。此処では注連飾りが町屋の軒毎に立てられて、通りの角には年の暮の市が立った。橙、注連、昆布、蝦などが行通う人々の眼に鮮やかに見える。どの店にも弓張提灯をつけて、魚屋には鮭、ごまめ、数の子、唐物屋には毛糸、シャツ、ズボン下などが山のように並べてある。」
昔から変わらない年の瀬の風景である。
歳晩の柱みがきて母います 古賀まり子
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