頂上ヒュッテ前のお花畑
(前回のつづき)
やっとの思いで進むと、前方が開け、いきなりという感じで尾根道に合流しました。すぐ向こうにお馴染みの木製の鳥居が見えています。ここまで来ると頂上はすぐそこです。気持にも余裕ができ、頂上ヒュッテで寄り道しておいしい水をいただいたあと、木道を通り、目的地の頂上を目指します。足は重いですが、気分は晴れ晴れとしています。頂上まで来ると、T社長が、私を見つけ「ここですよ!」と声を掛けてくれました。女性スタッフから連絡が入り、心配してくれていたのでしょう。木道の脇に腰を降ろし、足をぶらぶらさせながら昼食のおにぎりをいただきます。この日は、薄曇りで直射日光は当たりません。
達成感と、肉体的疲労が徐々に緩和されていく何とも言えない気分がいいですね。後ろを大勢のハイカーが通り過ぎ、記念撮影をする人でにぎやかです。冷たい風がときおり、頬をかすめ通り抜けて行きます。何と心地よいことか。眼下に広がる素晴らしい眺望。先ほどのつらさは、もうどこかに飛んでしまい、次回はあのジロウギュウにも挑戦してみたいと、大胆な希望を持ったりもします。
体調を崩した方も女性スタッフとともに合流しました。これで全員走破となりました。このあと、トイレ休憩を兼ねてヒュッテ前のテラスに移動することになりました。テラス前に広がるお花畑は、新居さんの手作りです。6月に来たとき、花はほとんど咲いていなかったと思うのですが、今回は違いました。見事なお花畑になっていました。一帯で見られる、シコクフウロを初め、シコクブシ、ソバナ、カニコウモリ、ツルギハナウド、オタカタコウ、メタカラコウ、コモノギク、トゲアザミ、シモツケ、クガイソウなどが咲き乱れています。実は、この頂上ヒュッテにも2箇所、キレンゲショウマが咲いています。ヒュッテの入り口付近と、このお花畑です。しかしどちらも見ごろは過ぎていました。直射日光のあたる場所なので花弁も傷んでいます。やはり自生地の山間に咲く、開きはじめの頃が一番、美しいようですね。
こうして下山することになりました。帰りは大剣神社経由です。神社下の御神水は日本の名水百選に選定されているそうで、水を求める人で列ができていました。私も並んで持っていたペットボトルを空けて入れ、早速飲んでみましたが、クセのない、冷たくておいしい水でした。このあたりは石灰岩の白い岩肌や石ころが目立つ、独特の景観となっています。坂道を下り、しばらくすると西島駅に到着です。ここで10分ほど小休止した後、再び下山開始、あっという間に剣神社の登山道登り口まで降りてきました。おもしろいもので、標高が低くなるにつれて、逆に木々が高く深くなってきます。
帰りに、入浴で駐車場から10分ほどのところにある、「ラ・フォーレつるぎ山」に寄りました。目の前には。大きな夫婦池が広がってとても落ち着く景観です。ここから、またまた長いバスの旅ですが、最後に寄った、高松自動車道の豊浜SAで見た夕陽はとても印象的でした。玉島ICで降りて、最終の井原に着いたのは、ほぼ定刻に近い午後8時40分ごろ。初めてツアーに参加しての山歩きでしたが、とてもいい経験になりました。感謝の意味を込めて「また、申し込みさせてもらいますね!」と女性スタッフに声を掛け、井原駅をあとにしました。
巨大な御塔石