眼下に重井西港が広がる除虫菊畑
5月1日の山陽新聞の備後版に、「段々畑染める白」というタイトルで尾道市因島の除虫菊が咲き始めという記事が掲載されており、連休中にぜひ行ってみたいと思っていました。
除虫菊の花は殺虫成分を含み、殺虫剤や蚊取り線香の原料になります。因島では水はけのよい傾斜地が多いことから、最盛期の1940年には350ヘクタールで栽培されていましたが、化学薬品の普及などに伴い減少。現在は島内3カ所、計47アールのみで種子の保存と観賞用として育てられています。
すなわち、①重井町馬神6906農業・大出雅彦さんの20アール、②フラワーセンター前の康和会が管理する24アール③大浜町・白滝フラワーライン中程休憩所の除虫菊咲かそう会
の3アール、計3カ所です。咲いた状態はまさにマーガレットのようですが、花の咲いていない状態ではまるでラベンダーのようにも見えます。
絵になる被写体を求めて、この3カ所を巡ってみることにしました。フラワーセンター前ではほとんど咲いていない状態でパス、次に因島大橋をバックに咲くという、大浜町・白滝フラワーライン中程の休憩所に行きましたが、まだ2分程度の開花状態、しかも畑の広さもほんのわずか。パンフレットでは絶好の撮影スポットとあったので期待していましたが、少々がっかりでした。最後に新聞に掲載されていた重井町の段々畑を目指します。途中に除虫菊の看板があり、ここの空き地に車を止めて農道を歩いて行きました。左手眼下にのどかな重井西港が広がってきます。歩くこと10分、お目当ての段々畑が見えてきました。素晴らしい!なんと満開でした。農道から段々畑を登っていくとさらに素晴らしい景色が広がっていました。
「昭和初期、この重井町は日本一の拠点栽培地をほこり、山野を白一色のじゅうたんで敷き詰め、満開時の5月には壮大なパノラマを映じたもので、あまねく旅情をさそいロマンの島とうたわれた」(因島観光協会)そうですが、なるほど、その一端を垣間見たような気分でした。
かつての最大の納入先であり、「金鳥」の商標名で知られる大日本除虫菊株式会社、正式な社名より商標が浸透している状態ですが、創業のきっかけを忘れないため、「大日本除虫菊」の社名は堅持しているそうです。企業スローガンは「昔も今も品質一番」。素晴らしいですね。
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