京都に来たお友達に「どこか涼しい場所ない?」と言われ、ミモロが思い浮かべたのは、「そうだ~美術館や博物館なら冷房効いてて涼しいよう」と。
そこで真っ先に思い出したのは、東山鹿ケ谷にある「住友コレクション 泉屋博古館」です。
でも、調べたら、8月中は休館。次回のオープンは、9月3日から。でも、それに先立ち、7月に訪れたときのことをリポートします。
ここは、東山の鹿ケ谷という「平安神宮」の北側の丸太町通を東に進み、通りがおしまいになるところの角にあります。
モダンな建物の博物館で、美しく整えられた芝生のお庭や日本庭園がいっそうの心地よさを作ります。
「泉屋博古館」は、住友家第15代当主の住友吉左エ門友純(ともいと)が、長年にわたり蒐集した美術品を公開するため、昭和35年に、東山の住友本邸の敷地に一角にできました。
「え~ここが、本邸の一角なの?すごい広さのお家だね~」とミモロ。
東山は、戦前、財閥が屋敷や別邸を構えた場所。今も、その面影を見ることができるエリアです。
さて、数寄者としても知られる当主は、煎茶席の床飾りとして使われる中国古代青銅器の美しさに心惹かれ、また住友家が、家業として銅の生産にかかわることから、本格的に中国古代の青銅器の蒐集を始めます。
そのコレクションは、世界的にも高く評価されることに。
ちなみに「泉屋博古館」の名は、住友家の屋号が「泉屋(いずみや)」だったことから。
でも、博古館は、イズミヤとは読まず、センオクと呼びます。
「泉屋だと、クッキーのお店と間違えるから?」とミモロ。それはどうかわからないけど…
でも、ずっとここを「イズミヤ」だと思っていたミモロでした。
ここでは、その中国古代の青銅器を中心に、蒐集した書、絵画、茶道具などが順次展示公開されています。
「いろいろな青銅器があるんだね~」と展示を見てゆくミモロ。
青銅は、鉄が生産される以前、鉄よりも加工のしやすいことから、さまざまなものが造れました。
その多くは、神事や祭事など宗教的機能を基礎に、権力者の力を示すものとして使われてきました。
細密な細工が施された品々は、その技術をもつ職人たちを有する権力者の権威を象徴するものでもあったのです。
「すごく細かい細工・・・なんで紀元前1000年ころに、こんな素晴らしいものができたんだろ?」と、古代中国の文化の高さを思います。
「わ~大きい~」これは青銅の太鼓です。「どんな音がするのかな?」と興味津々。
館内には、ボランティアガイドさんもいらして、丁寧に作品の説明もしていただけます。
「太鼓ではありませんが、銅鐸の音が聞けますよ…」と。そこでミモロは、銅鐸が展示された場所にあった銅鐸を鳴らします。
カ~ン・・・神秘的な音が館内に響きます。
紀元前の時代は、日本は縄文時代です。青銅器に刻まれた文様は、縄文時代の装束に描かれた文様にも通じるものを感じます。
「この時代の文様って、モダンな感じ・・・インカの文様にも似てる…」とミモロ。抽象的な幾何学文様など、世界各地で見られる文様にも似ています。
「たくさんの展示があるから、見ごたえあるね~」
広い展示室は、ゆっくり作品を観賞できます。
ミモロがたくさんある展示の中で、特に気に入ったのは、動物をモチーフにした作品
「これネコ?」いいえ、トラ。古代中国においてトラは聖獣としてあがめられていました。
ほかに牛や鳥なども。
青銅器は、鋳型に銅を流し込み造ります。「どうやってこんな精密なもの作ったの?すごいね~」とただただ感心。
この中国の青銅彫像の技術は、日本にもたらされ、東大寺の大仏建立などにも用いられます。
「あ、ここは鏡がいっぱい並んでる」。
昔鏡は、銅を磨いて造りました。その貴重さと神秘性から、神具として崇められてきたのです。「神社にも鏡あるよね~」とミモロ。
展示されている鏡もピカピカに磨かれ、のぞくと顔が映ります。
広い展示室・・・本当に見ごたえがあります。
「ここには、中国人の観光客も方もいらっしゃいます。団体旅行の方ではなく、個人旅行で、中国の古代史などを研究したり、興味を抱かれている方々です」とガイドさん。
長い中国の激動の歴史の中、「文化大革命」で、多くの歴史的なものが失われ、その歴史を学ぶ機会も奪われました。
「日本にこれだけの中国古代の青銅器が残っていることに感激します」と、ここを訪れた中国人の方は言われたそう。
素晴らしい技術と美意識をもった古代の中国人・・・それを誇りにするとも・・・。
「すごくいい時間過ごせた~」と、展示を観賞した後、芝生の庭を眺めながらひと休み。
館内の窓からは、周囲の緑や山々が…
「9月になったらまた来ようね~」とミモロ。
次の公開は、9月3日から10月23日 「華やかな秋のしつらえ~明治・大正の絵画と工芸」展です。
「今、公開してたら、涼みに行けたのに~」と変なことを残念がるミモロ。ほかの美術館や博物館に涼みに行きましょ。
*「泉屋博古館」の詳しい情報はホームページで
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